スペースキーの小野です。スペースキーのロゴが新しくなりました!「前のロゴ知らないなぁ」という声がほとんどだとは思いますが(もうそれは置いておいて)、新ロゴ決定までのストーリーを公開します!ロゴに込めた強い意志を、ぜひ聞いてください。
こちらがスペースキーの新ロゴマークです!
なぜ、ロゴを新しくしたのか
(佐藤)そもそもの発端は1年半程前、組織が急拡大していった時期に遡ります。会社がどこへ向かっていくのか、ビジョンが明確になっていない中で組織が大きくなっていきました。当然、私の声も届きにくくなり、会社として考えていることと、現場メンバーが目指すべき方向性の擦り合わせが必要な時期になっていった。そこで、ビジョン・ミッション・バリューという背骨を作り、会社とみんなが向かう方向を合わせて一丸となりビジョン実現を目指していこうという動きになりました。
事業戦略や組織、人事制度変更やOKR導入など、組織を内側から変えていったのが直近の1年です。この動きを対外的にも伝えたい。外部とのコミュニケーションの手段として、今回ロゴの改定に至りました。
ただ、ロゴに関しては社内でも知見がなく、メンバー内で意見をまとめること、話し合いの流れをつくることも難航。対外的なコミュニケーションを行う上で私たち自身が目指す方向性をさらに分かりやすく言語化し、具現化することを期待して、専門家にジョインいただくことを決めました。
今回、ロゴのリニューアルを依頼した方
重冨 健一郎 氏 株式会社 彗星- CEO Creative Director
【受賞歴】 外資系広告会社を経て独立。TVCM 、新聞広告などのキャンペーンの多くにアートディレクターとして携わりながら、海野海藻店 Design nori® 、日本フィルハーモニー交響楽団 JAPAN-PILL HARMONICなどの商品開発、デザインを手がけ。カンヌ広告賞、ONE SHOW、クリオアワード、D&AD賞など、多くの国際賞を受賞。
-重冨さんに依頼したきっかけは何だったのでしょうか。
(佐藤)重冨さんとは、弊社関連会社の「RECAMP」でのブランディングをお手伝いいただいたのがそもそものきっかけです。RECAMPはキャンプ場の運営を主業務としていますが、設立の想いや意図をお伝えし作っていただいたのが『日本の、BASECAMPへ。』というコンセプト。ベースキャンプというコンセプトはすごくわかりやすくて、直感としてすごくいいなと!社会にもこれから必要とされ、自分たちの意志も表現している。自分たちが何者かをひと言で表していると感じました。かつ、事業戦略としてのメッセージ性にもインパクトをもたらしている。スペースキーも私たちが取り組んできた、社内の大きな変革を外部に表現する上で、お力添えいただきたいと思いましたね。
-重冨さんはどうして、このオファーを受けようと思ったのですか?
(重冨)個人的にも登山やキャンプをするので、アウトドアはとても好きです。当然、『CAMP HACK』も知っていて使っていましたし、その運営会社から依頼されて正直嬉しかったですね。アウトドアを切り口にしながら、ITという一番遠い切り口をかけ合わせているところが、スペースキーの面白いところ。RECAMPの案件で一緒に仕事をしてみて、面白い会社だなと。面白い人たちがいるなと感じましたね。この会社の手伝いができたら面白そうだと思ったのが一番の決め手です。また、アウトドアのサービスや業界が拡大していくのもいいことだと思ったので、そういった興味から仕事を受けることを決めました。
-実際に、どのような過程を踏んでいったのでしょうか。
(重冨)期間としては、2~3カ月くらい。メンバーでディスカッションしながらビジョンミッションをかみ砕いて共通理解を引き出す作業だったので、時間はかかりましたが想定内でしたね。
難しかったのは、解釈のすり合わせです。ビジョンミッションには様々な言葉が使われていますが、各々が話すその「言葉」にはキャラクターが反映されていて、聞いてみると少しずつ意味合いが違っていました。その解釈をすり合わせるのは大変でしたね。
-それは地獄のような作業ですね……。実際にどのようなヒアリングをしたのですか?
「どのような写真が好きか?」とか「どのような言い方が好きか?」とか、遠い部分から固めていきました。これらの質問は、今後キーヴィジュアルをイメージしたときのバランスも想定してヒアリングしています。そこでわかったのは、佐藤さんは東京タワーがお好きだということ。これは、都会が好きなわけでなく、「象徴的な存在」として好きなんだということが理解できました。
-他にも、見えたことってありましたか?
(重冨)スペースキーの社風として、風通しが良い会社だなということはすごく感じました。多種多様な意見はありながら、お互いに信用している。個人のキャラクターを活かしながら、それを認め合っている。そのおおらかで風通しのよい社風はロゴにも表現したいなと思いましたね。
特に、参加メンバーが三者三様で面白かったです!相互が意見を言い合うので、もちろん対立もあるのですが、自然とまとまっている。そのバランス感は不思議であり興味深いと感じました。
キャンプ事業を牽引する中田さんは、これまでの現場での知見と熱意を武器に、フィジカルに推し進めていっている印象。一方で、経営の要である五十嵐さんは協調性や和を重んじるタイプ。多様性を認めて、組織の調和を保っている。スペースキーのブレインとしての活躍が光る奥山くんは、その動き通りでチャレンジ精神旺盛。そして、自分の個性をビジネスに落とし込めているセンスはすごいなと感じましたね。佐藤社長は、そんな個性の塊である組織をうまくまとめている。話してみると人柄が優しくおおらかで、バチバチしても分解しないのは佐藤さんのバランス感覚が成しているのだと納得できました。
「未踏・未開・未解決」がキーワード
-長い時間をかけたディスカッションを通じて、見えてきた共通認識は何だったのでしょうか?
(重冨)話の中で残ったのは「未踏・未開・未解決に挑む」というワード。これがキーとなりました。今までのアウトドア業界は、キャンプ場やメーカーが中心となって進んできました。そこは今も変わらないのですが、これからは、メインフィールド以外の部分を取り込んでいくのではないかと思います。
スペースキーはアウトドアをフィールドにしながらも、ITを活かしてスタートした会社です。アウトドアという枠組みの中で未踏・未開・未解決に挑む会社が、アウトドアの可能性を広げていく。次の未踏・未開・未解決に向かっていく“姿勢”。それをロゴに表現していこうと思いました。
-話の過程で、興味深いエピソードとかありますか?
(重冨)「未踏・未開・未解決」をイメージしたとき、今あるものをぶち壊して革命をするという解釈もできますが、今回においてはそうではありませんでした。新しい一歩を踏み出す、未知なる一歩を踏み出すということ。誰も踏み入れていないので、当然倒すべき相手もいない。だから、敵を作ったり、今までのものを壊すという概念ではありませんでした。
また、多様性が重視される社会で、共助する企業であることは新しく・大事な存在。そのような価値観も含んでいるワードということにも興味深く感じました。
-それらの想いを表現した初期のロゴ案がこちらですね。
(佐藤)これまで、外部からの認知はサービスでした。『CAMP HACK』や『なっぷ』の会社であって、「スペースキー」という名前は知られていませんでした。今回のロゴにより、しっかりと名前を知ってほしい。その想いから「S」は入れてほしいとリクエストさせていただきました。それ以外は、重冨さんにおまかせ。出てきた案はどれも面白く感じました。他メンバーからは「ITっぽい」「まとまりすぎている」などいろいろな意見がありましたね。
-それらの意見を踏まえて、2回目のプレゼン。
(重冨)アウトドアのロゴというと、葉や樹木、テントなどはわかりやすい。でも今回は、未踏・未開・未解決を表すものとして、ふさわしくないと考えました。月並みな印象を持たせたくない。これまでにないスタイリッシュな印象を持たせるようにしました。
また、グラデーションにも意味があります。スペースキーは様々なカラーを持った人たちの集合体です。みんなが好きなカラーがあるのだから、それを認めてあげる余白があってもいいのかなと。好きなグラデーションをみんなで見つける作業があっても面白いのではと考えています。
(佐藤)正直、どれも良くて迷いましたね(笑)。ビジョンにより、私たちの事業の価値を出していくのはフィールド。フィールドを表現する球体のデザインが大前提にありました。そこと「アウトドア感」を押し出しすぎないバランス。そのあたりを鑑みて、この案に決めました。
球体の使い方にも深い意味があります。割ってずらすことで「S」を表現しているだけでなく、一本の線を通すことで「道」も表しています。その道をみんなで進んでいこう。「未踏・未開・未解決にみんなで挑んでいく」という意志を込めてもらったことにすごく共感できました。
そこからはスムーズに進んでいきましたね。文字ロゴはHelvetica(ヘルベチカ)を採用。未踏・未開・未解決に対し、力強く進んでいく意志を表現するため、文字を太くしました。シンプルなフォントを選んだのは、フラットに事業や価値をみてもらいたいから。しっかりと事業を運営しブランドが立っていれば、ロゴやフォントに奇抜さを取り入れる必要はないと考えました。
(重冨)今までのロゴは、柔らかさや有機的な優しさが出ていたのかなと思います。それもスペースキーらしさのひとつなのですが、今目指しているのは「未踏・未開・未解決に対し、力強く進んでいく意志」。幾何的でスタイリッシュをベースに、よりアイコニックに、よりいろいろな表現ができるようにデザインしました。
内なるものの再定義 それにより強くなれる
-新しいロゴマークが生まれました。スペースキーのメンバーに期待することは何ですか?
(佐藤)ロゴの変更はコミュニケーションの一部であり、スタート。会社の顔が変わっても、一人ひとりがスペースキーについて話していけることが一番重要です。スペースキーのメンバーは、お客様にお伝えするときに、しっかりと共通認識を伝えてほしいなと思います。
(重冨)変わることとは、内なるものの再定義をすること。スペースキーの皆さんには、今回ロゴが変わったことにより、サービス単位で何をやっているかだけでなく、なぜ会社として取組んでいるかを語れるようになってほしいなと思います。
ビジョンがあると関わる人が意味を見出し、強いものになっていく。結果として社会に必要とされる、そのような意識が生まれていきます。それによって、社員の行動にも良い影響があることを、私も期待しています。
-最後に、スペースキーはどのような会社になっていきたいですか?
(佐藤)一言で言うと、名実共に応援される会社になりたいと思っています。
(重冨)いいですね!今までのスペースキーは人の良さもあり、慎ましさがありました。それも大事なんですが、良いところはどんどん発信し牽引していく立場になっていくことも重要です。憧れられる、応援される企業になっていくと、業界的にもすごく良いかと!昨今のアウトドアブームを牽引をしている。それってアウトドアユーザーの一人としても、すごいことだと思います!
スペースキーは「未踏・未開・未解決」に挑むため、装いを新たに歩み始めました。力強く進み続けるため、多くの皆さんから応援していただけると嬉しいです!今後のスペースキーを、どうぞよろしくお願いします。