こんにちは。採用担当の小野です。サービス開始2年目で60万DL突破、成長途上にあるアウトドア情報キュレーションアプリ『sotoshiru』プロダクト責任者の大前に、代表の佐藤が直接インタビューしました。
プロダクトに込める想い、開発現場の面白さと難しさ、今後の展望など聞きました。
写真左:大前 裕紀 ビジネスデザイン本部 本部長
写真右:佐藤 祐輔 代表取締役社長 兼 CEO
『sotoshiru』とは
100を超える公式メディアの記事を横断的に読むことができるアウトドア特化のキュレーションアプリ。2017年リリース、AppStoreの「おすすめの新着App」や「今日のAPP」等にも選出され、現在60万DLを突破しました。
(佐藤)今日はよろしくお願いします。早速ですが、スペースキーに入社した経緯から教えてください。
(大前)エンジニアを長く経験してきました。単に開発というよりも、サービスを設計したり、プロダクト全体をデザインしたりするのが好きなんです。自分が一番楽しめる領域で考えたときに思いついたのが、ゼロイチのフェーズでした。ゼロイチのフェーズでも実はいろいろありまして、不確定要素(何を?どういう手法で?どのような道のりで?)をどうするか考えるのが特に好きなんですが、そのような部分まで携われる事業はほとんどありませんでした。
スペースキーの面接では新規事業に携わってほしいという話がありまして。僕の認識では、自社で運営しているWebメディアだけでなく、他社運営メディアも含めた横断的な情報の入り口をつくりたい、ということしか決まっていなかったと思います。マネタイズとか集客とか、方針がほとんど決まっていなかった。難しそうだなという印象と同時に、楽しそう、やってみたいという気持ちになったことを覚えています。
(佐藤)スペースキーに入社するまでに2~30社ほど訪問されたそうですね。そんなにゼロイチフェーズの事業ってないものなんですか?
(大前)ただ手を動かす開発であれば、選択肢は結構ありました。ゼロイチに近いフェーズで、かつ方向性や手段もこれから考えるという事業だと限られますね。そういう意味では、一期一会だと思います。また、やっている領域に興味を持てたのも決め手のひとつですね。僕はアウトドアはあまりやらない方ですが、「アウトドアを楽しむ人を増やす」という企業として目指すビジョンについては、ポジティブな印象を感じました。そういった色々な条件が重なって、入社を決めました。
(佐藤)スペースキーって、アウトドアが好きな人が多いじゃないですか。普段アウトドア活動をされない大前さんにとって、そのようなメンバーが多い職場環境にギャップを感じたりはしませんでしたか?
(大前)入社当初は関わり方が難しいと感じましたね。それはアウトドアをする・しないではなく、『sotoshiru』への共通認識がなかったからかと思います。Webメディアとの役割分担なども不明瞭で、そのような状況なので自力で推し進めました。模索しながら進めていたのは、確かに少しやりにくかったですね。
(佐藤)それは会社としての共有不足でしたね。
ところで、大前さんはクックパッド社でのご経験もありますよね。大きな組織からスペースキーのような小さい組織へ移られて、その点でのギャップなどはありましたか?
(大前)クックパッドも入社した当時は、エンジニアが10名程度、全体でも80名ほどの組織だったので、そんなに大きな差は感じませんでした。また、開発も小さいチームで動いていたので、そういった環境にいたのも影響しているのかも。役割や裁量についても、同じく差はなかったように思います。
(佐藤)ほとんど決まっていない新規事業だったので、選考時も具体的なことがお伝えできなったなと思っています。見えないものに取り組むことに不安はなかったですか?また、「基本お任せします」というスタンスでオーダーしていましたが、入社後のギャップとかはいかがでしたか?
(大前)入社前は、もっとビジネスライクに物事を進めていくのかとイメージしていました。明確に「こういうマネタイズで」「こういう手法で」という指示があるのかな~と思っていたのですが、予想以上にふわっとしていましたね(笑)。
期待値高く、ゴリゴリとサービスを大きくすることを求められているのではないのかもと思ったら、より進めやすくなりましたね。『sotoshiru』に携わって1年半。ユーザーを着実に増やしながら、大変な時期もありましたが、地道にやってここまできたという印象です。やりやすかったので頑張れたのかな。
(佐藤)今日まで続けてこられた理由は何でしょうか。
(大前)やはり、全面的に任せてもらっているということへの責任感だと思います。任せてもらっているからには、応えたい。これまでも様々な企業で働いてきましたが、昨年ほど働いた実感があった年はなかったですね。たくさんの仮説を検証して、いろいろな施策を試して…。すごく充実感を得られた経験をさせてもらいました。制約なく、任せてもらえていた環境があったのが、ありがたかったです。
(佐藤)なるほど。その環境が逆によかったんですね。
さて、『sotoshiru』に携わって1年半という話がありましたが、スペースキーの開発における強みや弱みも見えてきた頃なのではと思っています。その部分はどのように捉えていますか?
(大前)開発者が「アウトドアが好きである」ということに尽きるかと思います。サービスに対しての愛情の強さは武器になるのではないでしょうか。スペースキーではユーザーとしてそのサービスを日常的に使っている人が多いので、ユーザーとして関わるメンバーが開発するという点が特徴です。ほぼ全員が興味を持つサービスって、なかなかないと思いますよ。
(佐藤)今後、強みにしていくべきところってどこだと思いますか?
(大前)現状の開発はビジネス側主導で動くことが多く、あまり主体性が求められていないかなと感じます。今後は開発側とビジネス側の両輪でサービスを作っていきたいので、主体的に考え、変化にポジティブな人が増えたら、より強い組織になるのではと思います。
(佐藤)現状のサービスの品質を落とさずに維持するという意識は確かにありますね。サービス品質の維持ももちろん必要なんですが、それ以上の働きかけにも今後は期待したい。よりチャレンジングな開発ができるような環境を目指したいですね。
(大前)最近でいうと、豊富な実績を持つエンジニアとのご縁も多くなってきたおかげか、そういうメンバーは現状を「変えよう、やろう。」という意識で動いています。今はまだ小さな動きですが、いずれ部署全体にまで広がるようになればいいなと思います。
(佐藤)会社としても、求めるサービスレベルに必要不可欠な取組としてこの動きを強めたいと考えています。
話が変わりますが、ここ最近の動きとしては技術顧問の就任も、大前さんの紹介という形で関わってもらいました。会社が抱える課題など、どのようにお伝えいただいたのでしょうか。
(大前)今お話した通りで、現状の開発現場は内側からゆるく押し上げていく方法になっています。ただ、それだと変化の量も少ないし、内側の想像力の範囲でしか変化することができない。変化の方向も間違っているかもしれない。技術顧問に入ってもらうことで、内側にないレベル感で高い視点から引っ張ってもらうことを期待して、その旨をお伝えしました。
(佐藤)私を含めた経営層が非エンジニアであることも課題になっていますか?
(大前)そうですね、少なからず影響はしていると思います。現状は現場レベルで、技術的な方向性を決めるというアプローチをしていて、そもそもそこがよくないと考えています。会社として長い目で見たとき、技術視点がどうしても弱くなる。組織としての弱点にもなるので、早急に変えたいと思い、今回動いたという経緯がありました。タイミングもよく、スムーズに合意できたので、そこもよかったと思っています。
(佐藤)今回は「こうならないといけないよね。」という現場の危機意識から意見をもらい、技術顧問就任につながりました。私自身も見えない課題や、そもそも課題だと認識していないこともあるので、現場から意見をもらえるとありがたいですね。今後もアドバイスなど期待しています。
では次はプロダクトの未来について聞きます。『sotoshiru』を今後はどうしていきたいですか?
(大前)面談でもお話することなんですが、『sotoshiru』は第1章が終了したと捉えています。『sotoshiru』では運用当初の構想のひとつに「知る」があって、そこを集約することを第1章でやりました。これからの第2章では、「知る」から1歩進んで「体験」につなげたいと考えています。実際に「行く」とか「きっかけを作る」とか、体験につながる何かしらの仕組みを作りたいです。
(佐藤)第1章の「知る」への手ごたえってどうですか?
(大前)手ごたえは感じつつも、現状に満足はしていません。「知る」フェーズでは、情報を発信することに注力しました。情報量を増やすことはできたものの、質を高めることはできなかったですね。情報を取得する相手に合わせた最適化など、1つ1つの解像度を高めたアプローチまでには至りませんでした。
第2章では、これまでに作ったものをより最適な形に高めていくことも必要だと考えています。僕1人でやっていたのでできることも限られていたのですが、加入メンバーも増えてきたので、新しいことをやりつつもベースを高めることもやっていきたいです。
(佐藤)第2章でも、まだまだ不完全部分が多そうですね。明確な答えがないフェーズはまだ続くイメージですか?
(大前)「こうしたい」というイメージはあるんですが、その方法が最適かどうかもわかりません。0から考えて、どういった方法がいいのか考えながら最適なものを模索していきたいです。そういう点では、第2章でもまだゼロイチのフェーズです。いろいろ考えながら検証できる、面白いフェーズです。
(佐藤)最終的なイメージはあるのでしょうか。
(大前)『sotoshiru』を通じて「日常的にアウトドアレジャーを楽しむための発見やきっかけを見つけてもらう」のがコンセプト。それがきっかけで、アウトドア体験を楽しむことを継続的に楽しんでもらうのが、最終的な目指す姿になっています。具体的な、革新的な何かはまだイメージできていないんですが。
(佐藤)なるほど。第1章も第2章も、引き続き検証しながら進めていくフェーズなんですね。これからジョインする人は、明確な答えのないなかで最終章をイメージして、そこに向かって試行錯誤することに楽しみを感じられる人だと良いかもしれないですね。
(大前)そうですね。大きな粒度でのゴールはあるのですが、そこに至るまでを分解していくと、手段や検証方法などまだ見えていない部分はたくさんありそうです。今すでに完成しているものを運用していくのとは違うので、新しいものを生み出していく楽しさは絶対あると思っています!
(佐藤)具体的にどのような人が活躍できると思いますか?どのような人に来てほしいですか?
(大前)やっぱり、仮説検証を楽しめる方ですね。『sotoshiru』はテクノロジー的に難しい技術が必要とか、レバレッジが効くという領域ではありません。少ないメンバーで動かしているので、「この技術に特化している」というよりも「横断的にいろいろできる」という人のほうが、力を発揮できるかなと思います。
また、いくら個人の技術が高くても、やるべきことを設定してあげる必要があると、かえってマネジメントコストがかかります。こちらからの雑なパスでもゴールまで持っていける能力もあるといいかと思います。この能力には大事な要素が2つありまして、1つは目的に対して正しく動けること。もう1つは、主体的に取り組める熱量です。理解力と実行力の2軸が備わっていることが重要です。
『sotoshiru』は、第2章を作り上げる意味でもゼロイチフェーズでの事業だと思います。サービスにここまでコミットして関われる環境は、まずありません。責任感をもってサービスに関わりたい方、サービスを作りたい方には絶好の機会であり環境です。主体的に取り組めば、結果はきっとついてくる。ゼロから何かを作り上げることを楽しめる方に来てもらいたいですね!
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