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エンジニアに必要なのは、センスか努力か?

単品のシステムに留まらず、顧客の事業デザインを含めた「事業の要件定義」が必要な時代へと変化する中、エンジニアに求められるものはどう変わっていくのか?ソフトバンクのクラウドエンジニアリング本部において、この推進をリードするクリエイティブディレクターの徳永 和紀(写真左)と開発のプロジェクトマネジメントを担当する石田 貴史(写真右)が対談しました。

---優秀なエンジニアとは?---

エンジニアのセンスに、学歴や社名は関係ない。

大切なセンスは、「好き」と「謙虚さ」

【徳永】まず、エンジニア経験が長い石田さんに聞きたいのですが、「優秀なエンジニア」の定義について、どう考えていますか?

【石田】「優秀なエンジニア」なのですが、私としては「deployできる人材」と定義しています。どのような課題を目の前にしても、それを自らの手で解決できる人ですね。次に、どのような要素があれば、そのような優秀なエンジニアになれるのか。私は今まで多くのエンジニアとプロジェクトを共にしてきましたが、履歴書上の経歴は優秀さとはあまり関係がないですね。学歴やこれまでに所属してきた会社と、優秀さとの相関性が低いのは間違いありません。では、何が大切なのか。「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、どれだけの興味を持って仕事に臨めるのか。そのスタンスが大きいと思います。そういう人は、何でも吸収しようとしますし、課題解決のための手法を多く持っている。結果として、deployできるエンジニアに成長している傾向が強いですね。

【徳永】「人から教えてもらおう」とか「誰かが何とかしてくれるだろう」という受け身の姿勢では、やはり根本的に難しいですよね?

【石田】そうですね。やらされ感を持ちながら仕事をしている人と、前のめりで興味を持って自走している人では、根本的な「センス」の部分に差が付きます。特に、プログラムには、本人のセンスが顕著に出ますね。全く同じ機能を果たしながら、中を見るとレベルの違いを感じることがよくあります。他のメンバーが理解できるきれいなコードを効率良く書ける人と、独りよがりで自己流のコード書いてしまう人。その差は歴然ですね。

【徳永】そうですね。顧客の事業の拡大を押さえつつシステムとしての拡張性を踏まえているかは特に大事ですね。例えば、リリース直後のユニークユーザー数が5000人の想定だったとしても、1年後に30万人まで増えることまでケアができているかどうか。先ほど、「好きこそものの上手なれ」と言いましたが、その好奇心が自分だけの技術的な好奇心に向いてしまうと、拡張性が担保できない。独りよがりなPoCをつくってしまって、喜んでくれる人がいない、という状況が生まれます。でも、この「エンジニアのセンス」は、鍛えられるものだと思いますか?それとも、先天的なものでしょうか?

【石田】スポーツ選手と同じです。天性の部分もありますが、努力でもセンスは身につくと考えています。幅広い経験を積んでそこから必死に学べば、自分の中に「法則」のようなものができるはず。それがセンスの正体です。例えば、ある選択を行うシーンで、過去から学んだ自分なりの法則があれば、正解を選ぶ可能性は高くなるでしょう。ソフトバンクという会社では、クラウドはもちろんですが、AIやIoT関連のプロジェクトも数多く動いているので、幅広い経験を積みやすい。先端技術に対する強い興味さえあれば、ソフトバンクはセンスを磨ける環境だと思いますね。

【徳永】業務での経験から学ぶことももちろん大切ですが、その人が人生の中で培ってきたものも大事だと思います。エンジニアのセンスを構成する要素として、最も大切なのは「謙虚さ」だと確信しています。プロジェクトのクオリティがメンバーの謙虚さに左右されたケースを、私は幾度となく見てきました。自信がなくて小心者のエンジニアの方は、独りよがりにならず周りへの気遣いもできるので、結果、チームとしての成果の最大化につながります。また、未来への想像力を働かせることで、先ほどの「拡張性の高いシステム」を開発できる。システムのリリース直前まで、可能性を追求できるのもこのタイプです。

---SI業界と、活躍している人材の変化について---

「要件ありき」ではなく、生活者/利用者視点で「ゼロベース」に。

エンジニアの市場価値に、地殻変動が起きている

【徳永】今のSI業界を見ていて、これまでとの違いをどう感じていますか?石田さんは、この業界での経験が長く、ISPのキャリアのバックボーンも構築した経験もあり、クラウド環境での大きなプロジェクトにも携わっていますが、いかがでしょうか?何か変わってきたことはありますか?

【石田】ここ数年で明らかに変化していますね。特に、活躍している人材が大きく変わってきた。これまでのSIは、要件ありきで開発するケースが多かったのですが、クラウドが主流になるにつれて、ゼロベースでシステムを構築することが増えました。ある程度決まった範囲内でパーツを組み合わせる仕事から、イノベーションを求められる仕事に急速に変化しています。ですから、過去の実績をそのままコピーするような「二番煎じ」のやり方では通用しません。先ほど、徳永さんが言っていましたが、「誰かに教えてもらおう」というスタンスのエンジニアでは、価値を発揮できなくなっています。

【徳永】私もその変化は感じています。「活躍している人材」について、もう少し詳しく教えてもらえますか?

【石田】顧客の前で全体の絵を描くエンジニアももちろん重宝されますが、現場で泥臭い運用を行っている人のバリューが高まっています 。実地で手を動かしているので、課題に対する肌感を持っていて、イノベーションにつながるタネに直接触れている。そこから、クラウドというツールを用いて、斬新なソリューションに発展するケースがとても増えていますね。逆に、現場に触れない営業的な要素の強い人は、プロジェクトの中心にいるのが難しくなってきた。「従来のエンジニアの市場価値が逆転しつつある」と言っていいと思います。

【徳永】私は、営業という仕事には、2種類のタイプが存在していると思っています。モノを売ってくる販売型の営業と、仮説を立てて課題を解決するソリューション型の営業です。クラウドの時代になって、後者のバリューが高騰しています。まさしくエンジニアとしても、フロントのデザイン、開発やPoCをただ単に推進できる人よりも、運用フェーズでの課題解決スキルを持っている人のニーズが急速に高まっていますね。何かトラブルが起こった際に、自分でソースを直して稼働率を長期にわたって安定化できる人がいますが、そういった人がとても重宝されています。まさに先ほどの「センス」のあるエンジニアの一例です。

【石田】徳永さんの目から見て、そういったセンスのあるエンジニアは、どのような会社に属していますか?

【徳永】どちらかと言えば、大企業ではなく、中堅企業に属している傾向が強いですね。運用後の実務を少人数で担うケースが多いからでしょう。さきほど、石田さんも言っていましたが、課題解決のセンスを向上させるためには、高いリスクを乗り切った経験を積んでいくしかありません。そのような環境で鍛えられて、「自分はまだまだ」という謙虚な姿勢を持っている方がいらっしゃれば、ぜひ、ソフトバンクに来ていただきたいですね(笑)。大規模かつ最先端の技術を用いたプロジェクトを、当事者としてリードすることで、センスをさらに磨くことができるので。

【石田】やはり、「モノだけつくります」というだけでは、これからのエンジニアは価値を発揮するのは難しいですね。顧客が求めているのは、あくまで一つの完成したシステムであり、それを足がかりにしたビジネスの中長期での進化です。システムをつくること自体が目的になり、仮に数億円掛けて大規模なものをつくったとしても、顧客のビジネスに貢献できないと意味がありません。そのためには、現場のエンジニアと言えど、事業をトータルで見てその上でモノをつくれるかが重要だと思いますね。この視点も、センスを構成する大切な要素の一つでしょう。

---ビジネスアーキテクトの重要性---

顧客のコア業務を利用者視点で再定義して支援をする

【石田】さきほど、営業の話が少し出ましたが、ビジネスアーキテクトが重要になるシーンも変わってきていますよね。徳永さんはこの領域でも活躍していますが、どのように捉えていますか?

【徳永】これまでは、顧客課題が整理されてシステムの仕様が見えている中での開発が主流でした。しかし、最近は「AIやIoTで何かをやりたい」「何らかのデジタルトランスフォーメーションを実行したい」といった、雲をつかむような依頼がほとんどです。解決するべき課題が明確にならないまま、なんとなくPoCを始めているケースも目立ちます。顧客の経営のどの部分を変えに行くのか、その実現に向けたビジネスデザインは何か、という命題を押さえた上で、クラウドをどう活用するのかを考えなければならない。その一連のプロセスを推進するのが、ビジネスアーキテクトの役割です。

【石田】ビジネスアーキテクトが、プロジェクトを高いレベルでワークさせるために、どのような要素が必要になりますか?

【徳永】顧客のコア業務とノンコア業務を、明確に定義することが最も重要です。例えば、ガスの供給会社がIoT化を推進するケースを考えてみてください。「ガスを家庭に届ける」ことをコア業務と置いてしまうと、IoTのビジネスデザインは難しい。そこでコア業務の再定義が必要になります。私だったら、「生活基盤を提供する会社」とするでしょう。各家庭のガスの供給量をリアルタイムで把握することで、住民に有事がないか監視ができる。メーターをチェックするスタッフが、何かあったら訪問することもできますし、検針業務の際に他のサービスを提供することも可能です。このように「ガスを届ける」ではなく「生活基盤を提供する会社」と定義することで、ビジネスデザインの幅が一気に拡がります。他のケースでも同様な解釈ができるかどうかが、クラウド時代のビジネスアーキテクトには問われます。

【石田】ビジネスアーキテクトが立てた計画を、実現に向かって落とし込むコツはありますか?

【徳永】コツは2つだけですね。1つ目は、「計画をシンプルにすること」。誰が利用者で、何に困っていて、どのような手法で解決するのか?この3点を明確に押さえることで、プロジェクトの方向性が固まり、メンバーに迷いがなくなります。2つ目は、「顧客の担当者の危機意識」。これが何よりも重要です。これまでの経験では、大企業よりも中堅企業の担当者の方が危機感を抱いていて、プロジェクトもスピーディに進むことが多いですね。ただし、この場合は、依頼主が経営者であることがほとんど。ビジネスアーキテクトは、顧客企業の事業はもとより、キャッシュフローや人事制度も把握した上で顧客と対峙する必要があります。この壁はエンジニアだけではなかなか突破できないので、ビジネスアーキテクトとの密な協働が一つのカギになります。

【石田】ここまでの話を聞いていて感じたのですが、ビジネスアーキテクトに必要な「センス」もありますね。それは、エンジニアのセンスとは異なるものなのでしょうか?

【徳永】エンジニアのように目の前の課題を特定して一気に解決することも大切ですが、より重要な要素があります。それは、利用者の視点を持っていること。「この層にはこういう傾向が強い」といった、セグメントごとの傾向が頭に入っていれば、ビジネスを精緻にデザインできるでしょう。そのためには、世の中の細かい事象に対して、常にアンテナを張っておく必要があります。例えば、とあるお菓子屋さんの前に、外国人が行列をつくっているシーンを想像してください。そこに、日本人の若い女性が、大きなカバンを持って並んでいたとします。そういった場面を見たときに素通りせずに、「実家に帰るのでお土産に買っていくんだ。値段も割とするし買っている量からしてお土産だろうな」と、その場で想像できるかどうか、その積み重ねの蓄積量と種別が足りるかどうかです。足りることはないんですけどね。生活の中での仮説の積み重ねが、最後はモノを言う仕事なのです。ビジネスアーキテクトという職種に、より深い興味がある方は、私がその必要な要素をまとめた「7つのルール」をご覧ください。


▼ビジネスアーキテクト ~7つのルール~

https://www.wantedly.com/manage_posts/articles/169605/edit


---この時代にソフトバンクで働く魅力とは?---

Google、Microsoft、AWSなど、最先端の技術を持つ企業のエンジニアと直接対話して仕事ができる。経営陣の決断力の強さは、この規模では他に類を見ないと思います

【徳永】石田さんは、日本テレコム時代からソフトバンクで働いていますが、長くこの会社にいる理由は何ですか?

【石田】大きく2つの理由があります。1つ目は「変化が激しいこと」です。3カ月単位で状況がどんどん変わるので、飽きないんですね。1年経ったら、今まで正しかったことが古くなっている、ということが普通にあります。仮に、ある領域に習熟したとしても、ルーティンでやり続けられることはありません。その状況が自分にとってはこの上なく楽しいですね。2つ目は、「ソフトバンクの看板力」です。IT業界の日本企業で、ソフトバンク以上に国内はもちろん、ワールドワイドでも大きな影響力を持っている会社はありません。世界中からいろいろな仕事が入ってくるので、幅広い経験を積めています。まさに、センスを磨き続けるには、最強の環境だと思いますね。私は、新卒で中小企業に入社したので、その違いは骨身に染みて感じています。徳永さんも、この会社は長いですが、辞めずに働いているのはなぜですか?他社から条件の良いオファーももらっているかと思いますが(笑)。

【徳永】いや、私も辞めませんよ(笑)。この会社の魅力は大きく2つあります。まずは、「職人が使いたくなる素材がたくさんあること」。私の祖父は宮大工の棟梁で彼の姿を見て育ってきたので、「モノをつくる職人を応援したい」という思いがベースにあります。ソフトバンクグループは、マーケットリーダーになりえるアルゴリズムを開発している会社に先行投資をするスキルがすば抜けてますし、半導体の設計を行っているArmもあります。利害が合えば、キーとなるエンジニアに容易にアクセスできます。また、大手クラウド企業と直接話せるのも、エンジニアにとっては良い機会になっています。そのような「創れる人同士」をつなげて日本企業のお役に立てることが自分自身の思いと直結しているのは大きいです。そして、もう1つの魅力は、「決断力の強さ」。案件をプロジェクトとしてまとめて判断を仰げば、「Yes or No」のジャッジはすぐに下されます。そのダイナミックさを体感しやすい環境ですね。

【石田】その決断力の強さは、私も日々、感じています。役員に立ち話でプレゼンして、その場でジャッジしてもらうこともあります。

【徳永】正直、ここでは言いづらいことも多いので、社内の意思決定のプロセスやスピードについては、面談や面接でお会いしたときにお話します(笑)。先日も、普通の会社では1カ月半くらいかかるような意思決定が、1回の会議でなされたことがありました。

今回の対談では、エンジニアに特化した会話ができていないので、次回はテクニカル面に特化した会話の場を持とうと思います。ただその場をGitHubか エンジニアブログが良いか?検討中なので決まり次第皆さんにお知らせします。そうしたスピード感でクラウドビジネスの立ち上げをしております。面談でお会いできるのが一番うれしいですね

クラウドエンジニアリング本部 インテグレーション部(部長) 石田 貴史

1997年 新卒でソフトウェア会社に入社し、業務システム開発を経験。2000年 ISPのJENS株式会社(当時日本テレコムの子会社)に転職し、インターネット、セキュリティの分野にて大手企業のSI、運用を経験。その後2005年のグループ会社統合を経て日本テレコム(現ソフトバンク)のICTエンジニアとして大手金融企業をメインに。「提案→設計→構築→運用」の全てのフェーズを担った。現在は、クラウド、ネットワーク、セキュリティ、edgeも含めたクラウドプラットフォームのテクニカルアーキテクトを主にリード

クラウドエンジニアリング本部 ICTI戦略室(クリエイティブディレクター) 徳永 和紀

1999年 株式会社 インテリジェンスのスタートアップを経験後、ソフトバンクにて法人・コンシューマ向けプロダクト&サービス開発に従事。地域ICT・IoT事業支援では平成27年度内閣府地域少子化対策強化事業、慶應義塾大学環境情報学部(データサイエンティスト育成イベント)に携わる。平成31年には先進的まちづくりコンペ(国土交通省主催)にてUXデザインを支援したさいたま市が国土交通大臣賞を受賞。2015年以降は、生活者視点によるUXを踏まえたIoTとAIの要件定義を単にPoCで終わる事案ではなく、商用化から逆算したdeploy視点プロジェクト運営を行う

【募集ポジション】
インフラエンジニア
Webアプリエンジニア

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