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羊革アパレルブランド「Waste not, Want not」に込められた羊への思い 前編

根底にあるのは生き物としての羊の魅力を伝えたいという想い。羊革のアパレルブランド「Waste not, Want not」が誕生します。国産羊を提供するジンギスカン屋でもある羊SUNRISEの関澤社長に、ブランド立ち上げについてお話を伺いました。全2回の前半です!

バッグには貴重な国産羊革を使用

-国産羊革のバッグは初めて触れましたが、触り心地もよくデザインも素敵ですね

肌に吸い付くようでとても心地いいですよね。羊革の品質や加工には大変こだわっており。このバッグでは3頭の羊革を使用しています。年間で集められる国産の羊革は100枚程度しかないことを考えると、大変貴重な製品といえます。

-ジンギスカン屋の羊SUNRISEと、羊革を活用するアパレルのWaste not, Want not。どちらのコンセプトが先だったんでしょう

ジンギスカン屋が先です。日本の羊飼いさんが安定して事業を続けられるような環境を作りたいという想いがあったので、まずは羊肉の適切な仕入れ値、お店での価格設定というのにこだわって、ジンギスカン屋の羊SUNRISEを始めました。

これまで商用利用は難しかった国産羊革

-Waste not, Want notはどのようにして生まれましたか

羊の肉以外の部分を含めて一頭丸ごと活用するにはどうしたら良いかは、羊SUNRISEをやりながらもずっと考えていました。アパレル展開は常に頭にありましたね。

羊でアパレルというとウールを思い浮かべる人が多いと思います。百円ショップに行くとウールの毛玉が100円くらいで売っていますが、実はあれ毛玉1つで羊1頭分です。オーストラリアで取れたウールを中国で大量加工して海外に輸出しているので、安く市場で流通できるんです。

同じことを日本でやろうとすると1つのウール毛玉を作るのに5,000円くらいかかってしまいます。ウールには牧草などが絡まっているので、それを取り除く作業をしなければならない。コストを考えると競争できる価格にならないというのが現実です。

そういったコスト面の問題で、肉以外の部分に関しては国内だと活用することが難しかった。羊飼いさん側で肉以外はほぼ廃棄してしまっていました。

-そんな中で羊革の活用を思い立たれた

はい。羊肉以外の部分を廃棄しているとはいっても、ごく一部は活用されていました。北海道の地元のお土産品として、ウールであればニットとか、羊革であれば名刺入れとか財布のような加工品ですね。しかし、残念ながら民芸品のレベルを出ないものが多かった。デザインの面で商品としての魅力に欠けていました。

それで、デザインが優れている羊革製品であれば可能性があるのではないかと思い、まずはバッグでアパレル事業を始めたというわけです。

これまで羊革をただ捨ててしまっていた羊飼いさんにとっても、我々が羊革を買い取ることで貢献できる。新しい価値の創出にもつながります。

羊の全てを無駄にしない

-Waste not, Want notというブランド名の由来を教えてください。

これはオーストラリアのことわざ的なフレーズです。「無駄にしない」のちょっとおしゃれな言い回しで、オーストラリア人によると現地では家庭で日常的に使われるみたいです。

元々は羊の全てを無駄にしないという意味で「ロスレス」というブランド名を考えていました。それをオーストラリア大使館の花見で知り合ったオーストラリア人に言ったら「それはおかしい。和製英語だ」と指摘されて(笑)。彼を含めてみんなでどうしようと考えていたら「Waste not, Want not」という実際に使われている言い回しにたどり着きました。

羊SUNRISEにお客さんと来店していただいているアートディレクターの秋山具義さんに、「Waste not, Want not」というブランド名とコンセプトを伝えたら、本当に素敵なロゴを作っていただきました。

「Waste not, Want not」は羊SUNRISEでジンギスカンを入り口に、羊に興味を持ってもらったお客様や仲間たちに支えられて生まれたブランドです。

Waste not, Want notの理念に共感してくれる人たちに届けたい

-Waste not, Want notは今後どのように展開していく予定ですか

国産の羊革には限りがありますし、そこまで大量に作れるわけではありません。最初は羊SUNRISEで羊の魅力を知ってくれた人、Waste not, Want notの理念に共感してくれる人に向けて製品を提供して行きたいと考えています。

後編に続く

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