デザインコンサルティングファーム・SEESAWで活躍するプロデューサー/ディレクターの井戸さん。スケジュールやクオリティ、費用の管理はもちろんのこと、クライアントの課題に寄り添いながら、サービス開発やブランドづくりのパートナーとして伴走しています。
今回は、編集者としての経験から制作会社を経て、現在のSEESAWでのプロデューサー職に至るまでの道のり、そしてSEESAWで取り組んでいるプロジェクトについて伺いました。
── 井戸さんはSEESAWでどんなお仕事をされていますか?
SEESAWではプロデュース部に所属していて、プロデューサーとディレクターの役割を兼ねたような立場で働いています。クライアントの課題とやりたいことが明確なときはディレクターとして、クライアントの窓口に立ってプロジェクトの品質、スケジュール、予算などの進行管理を行いながら、納品まで完了させる役割を担います。
一方で、クライアントが課題だけを抱えていて、まだやりたいことが明確でないときは、誰にどのような形で何をすればいいかというところから考えていくプロデューサーとしての役割を担います。どんな体験や価値を提供するかを設計する「ワークデザイン」の企画提案から納品までを一貫して見ていくポジションです。
あとは、案件によってはUXデザインに関わることもあります。たとえば、新規サービスの立ち上げ支援として、市場調査やインタビューを行ったり、実証実験を通じてユーザーの反応を見ながら改善を重ねていくようなこともあります。UXに特化した仕事というわけではないですが、クライアントの事業を深く理解するプロセスには、自然とUX的な視点が求められる場面も多いですね。
── SEESAWに入るまではどのような経歴だったのでしょうか?
大学では社会科学部を専攻していました。ひとつの学問を深掘りするというより、経済、社会、法律といった幅広い分野を横断して学べるのが面白くて。私の場合は、さらに他学部の人文学やスポーツ科学、自然科学などもつまみ食いしながら、世の中や物事を様々な角度から見渡す癖を身につけていたように思います。振り返るとそのときから、"ジェネラリスト的な思考"をしてきたのかもしれません。
最初に入ったのは出版社で、実用書の編集をしていました。4年間ほど、編集プロデューサーという立場で、企画を立てて、編集プロダクションと連携しながら本を作っていく仕事です。ジャンルはスポーツ、児童向け(ことわざの本など)、人文、雑学、料理、医学まで本当にさまざまでした。幅広いテーマに関われたのは面白かったですね。
その後、制作会社に転職してからは、基本的には現在まで、ディレクター職のキャリアを積んでいます。最初の制作会社で担当していたのはグラフィック案件とWeb案件が半々くらい。デザイナー中心のチームの中で、ディレクターは若干名でした。私はそこでも、記事やコンテンツなどを扱うことが多くて、子ども向けの企業広報コンテンツの企画を考えたり、採用サイトのインタビュー記事を書いたりと、編集・ライティングのスキルを活かしながら、様々な制作を担当していました。
編集から制作へ、そして今はさらに一歩上流のフェーズでプロジェクトに携わりたいと思うようになり、SEESAWに入社しました。
── なぜ転職先にSEESAWを選んだのでしょうか?
前の職場では自由度が高い反面、自己流で案件を進めていたため、常に「これでいいのかな?」という葛藤もありました。年齢・キャリアが積み重なっていく中で、「いつか今のやり方が通じなくなるときが来るのではないか」「もっと様々な知見を学んだ方がいいのではないか」という考えが大きくなってきました。
“転職ありき”で転職活動をしていたわけではなかったんですが、「もし自分に合う場所があるなら」という感覚だったんです。そんなときにSEESAWと出会って、“作る”ことだけにとどまらず、もう一歩上流から関わっていくことができるのが、魅力に感じました。
転職活動をする中でもっと広告寄りの制作会社も候補にはありました。でも自分の志向としては、広告的な“見せ方”よりも、ブランドや体験そのものをどう設計するか、どう育てていくかというところに関心があり、そういった意味でもSEESAWの仕事のスタイルが自分にはフィットすると思ったんです。
── 実際にSEESAWに入ってみてどう思いましたか?
仕事の内容自体は入社前に聞いていた業務イメージと実際の業務に大きなズレはなくて、自然と馴染むことができたと思います。
ただ、業務への“向き合い方”には、大きな違いを感じました。たとえば、ひとつの提案書を作るにしても、その作り込み方が本当に丁寧で細やかなんです。表面的なアイデアだけではなくて、「なぜそう考えるのか」「どう伝えるのか」という部分まできちんと落とし込んでいく。粒度の細かさというか、ここまで丁寧に設計するのかと、最初は少し驚きました。「こういうところが信頼につながっていくんだな」と学びが多かったです。自分が「こうした方がいい」と思った理由を丁寧に伝えると、それをきちんと受け止めてくれる環境があるので、提案することへの手応えややりがいも感じています。
ただ案件の進行を管理するだけではなく「より良い提案をするにはどうしたらいいか?」「次に何をすれば、クライアントのビジネスに貢献できるか?」といった、クライアント側のビジネスを理解し、そこから必要なものを考えていくといった機会が増えました。そういった意味では、視座が少し高くなった気はします。
── SEESAWに入ってから、初めて挑戦したことや新しく習得したことはありますか?
いま関わっているプロジェクトで、まさに「プロデュース職」としての新しい挑戦をしています。クライアントが立ち上げようとしている新商材について、新発売というゴールだけは決まっているんですが、「どのタイミングでPRツールが必要か?」「そもそも何をつくるべきなのか?」という部分はまだ整理されていない状態です。そこに対して、ロードマップを描いていくところから自分たちが担っています。
最上流の「何をつくるか」から提案し、マネジメントまで行うのは初めての経験です。事業を理解して、仮説を立てて、クライアントの意思決定のスピード感にも合わせながら、進めていく。そのプロセスはまさに“プロデュース”そのものだなと感じています。
初めてではあるものの、「できそう」とも思えたんですよね。というのも、前職では紙媒体、Web、展示会など、いろんな領域の制作をやってきました。点としての経験はばらばらだけど、それらを“線としてつなげていく作業”が今の仕事には求められていて。そこに、自分のこれまでのキャリアが活きている実感があります。
ひとつひとつの経験を、どう組み合わせて価値に変えていくか。それを試されている気がしますし、同時にすごく面白い挑戦だと感じています。
── SEESAWのメンバーはどんな人たちですか?
本当にみんな真面目で、いい人ばかりだなというのが、入社してまず感じたことでした。これ、入社した人みんな言うらしいんですけど(笑)、でもそれくらい誠実で、ちゃんと仕事に向き合う人たちが集まっているなと思います。
デザイン部のメンバーは特に、デザインに対してすごく真剣ですね。クオリティをどう上げるか、どうやって良いものを届けるかに本気で取り組んでいるのが伝わってきますし、提案書ひとつとっても、デザインの意図をきちんと言葉で説明できるように作り込んでいる。全体的に、言語化能力が高い人が多い印象です。
私が所属しているプロデュース部も、同じく真面目なメンバーが多いです。複数の案件を同時に動かしながらも、状況を俯瞰してバランスを取る力がある人たちが主体になっています。進行管理がメインの仕事ではあるんですが、「どうすればデザイナーが集中できる時間を作れるか」まで意識して調整している。だからこそ、無理に抱え込まず、困りそうな時は早めに相談し合う文化が根付いていると思います。
同僚とのランチやちょっとした飲み会もたまにあって、踏み込みすぎないちょうどいい距離感での仲の良さがあります。
── 平均的に、どのようなスケジュールで1日を過ごしていますか?
1日のスケジュールはけっこう日によって違いますね。打ち合わせが全然ない日もあれば、打ち合わせだけで一日が終わってしまうような日もあります。社内会議がやたらと多いということはなくて、基本的にはプロジェクトごとに必要なタイミングで話し合いの場が設定される、といった感じです。
平均すると、稼働時間の4分の1程度が打ち合わせにあたるイメージです。時間にすると、1日あたり2時間くらいが平均でしょうか。
それ以外の時間は、自分のタスクに向き合っていることが多いです。たとえばワイヤーフレームの作成だったり、見積もりの作成だったり。あとはデザイナーとの細かいやりとりや、クライアントとの調整など、進行上必要なコミュニケーションも日々発生します。
1日の中で打ち合わせと実務のバランスをどう取るか、自分で調整できる自由度もあるので、そこは働きやすいなと感じています。
リモートワークは週2日可能なので、在宅の日は家族との時間も多くとれるのでありがたいです。
── これから挑戦したいことや達成したい目標はありますか。
これまで制作やディレクションに長く携わってきて、社会人としての年数もそれなりに積み重なってきました。もちろん、今後も自分自身のスキルを高めていくことは大切にしていきたいのですが、それ以上に最近は、若手や後輩のメンバーと一緒に成長していくことに関心があります。
プロデュース部として日々向き合っている業務は、やっているうちに感覚的に覚えていくことも多いんですが、それをどう体系化して、次の人に伝えていけるかというのがすごく大切だと思っていて。教えることは自分の学びにもなるんですよね。自分がどう考えて、どう判断しているのかを言語化することで、逆に「そうか、自分はこういう軸で動いてたんだ」と気づくこともあります。
だから今後は、自分の中にあるノウハウや経験を、チーム全体の“財産”として蓄積していけるように、後輩や他のメンバーと積極的に共有していきたいです。お互いに学び合える関係性の中で、部としてもより強くなっていけたらいいなと思っています。
── どんな人だとSEESAWにフィットすると思いますか?
基本的には素直で、色々考えることが好きな人だとマッチすると思います。まずは一度、相手の意図を受け止めて、前向きに考えて動いていける人。そして、思考が深い人ですね。SEESAWの仕事って“考える力”が求められる場面が多いので、そういう思慮の深さがある人はすごく合うと思います。チームメンバーも考えることが好きなタイプが多いので、常にいろんなことに関心を持てる人だと、この環境を楽しめるんじゃないかなと思います。
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