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モノづくり好きが「ヒト」を追求するきっかけに。先端技術×デザインで日常を変えたい。CTOインタビュー【前編】

エスディーテックのリクルーターの中村です!

インタビュー企画2人目は、取締役副社長でCTOの鈴木啓高に直撃インタビューしてみます!

お忙しいところ、本日は、お時間いただき、ありがとうございます!インタビューよろしくお願いします!

ひろたかさんが“デザインエンジニアリング”が必要だと感じたきっかけを教えてください!

【鈴木】僕は、日常生活において様々なプロダクトを使っていて、ちょっとしたイライラが常にあるんですよね。そういう耐性がものすごく低いと思います。もともと、そういう「日常で起きているイライラをなくしたい」、「世の中にもっといいものを作りたい」、「使いやすい良い製品が欲しい」という気持ちが、僕の原点です。

「どうして使いにくい製品になるのか」と考えてみると、日本の製品開発において、「結局エンジニアだけで作っているからではないか」、という考えに至りました。僕自身もエンジニアの側面もあるのでわかるのですが、そういう製品は、だいたい機能としては、満足している。正しい使い方・操作をすれば、ちゃんと目的を達成できる仕様にはなっているんです。ただ、ときにはその正しい操作がものすごくめんどくさかったり、その正しい操作にいきつくための方法が書いていないから、わからなかったりすることがあります。知っていればちゃんと動くのですが、知っている人しかわからないものが世の中に多く存在しているんですよね。でも、エンジニアからみると、それは問題なく動くし、要求を満たしているモノ、しっかりいいモノを作ったと思っています。

そのような課題に直面したときに、「エンジニアだけでつくる」というそもそもの開発プロセスに問題があると感じました。それでは、製品開発のプロセスで「誰のために作るかを本気で考えているのは誰か」と考えたときに、いまの一般的な体制ではデザイナーがその役割を担っています。そのデザイナーの人たちの考えていることやアウトプットをもっとものづくりに反映し、組み入れていくことができれば、「人が使いやすい、利用時品質の高い製品」を提供できるのではないか。そのため、“デザインとエンジニアリングの融合”“人間中心設計”ということが必要になってくるわけです。

また、デザイナーとエンジニアという職種で分けるのではなくて、「ものづくりをする人」というひとつの職域であるべきだとも思っています。大枠でいう「ものづくりをする人」の中で、デザインに強みがある人、技術力に強みがある人、企画に強みがある人がひとつのプロジェクトに参画して製品開発していくイメージです。僕は、製品開発において同じ属性の人たちだけだと、いいものは生まれないと考えています。プロジェクトメンバーには、多様な立場の人たちが入り議論していくことがとても重要で必要なことだと思います。

そもそも“デザインエンジニアリング”というワードは、製品開発において主流である「デザイン」と「エンジニアリング」をくっつけてみたのですが、自分たちが目指す指針としてとてもしっくりきましたね。

日本製品は、「機能品質」が高い印象ですが、日本が特別そうなのでしょうか?

【鈴木】はい、理由はいくつかあると思っていますが、日本は少し前まで、「高品質なもの=壊れないもの、正しく動くもの」という定義でした。だから、そこをずっと改善を続けて作ってきていていまに至るので、その製品開発プロセスができあがっています。いまは、ちゃんと動いて当たり前という時代ですが、昔はそうでもなかったですからね。昔は、いままでできなかったことができるようになっただけですごかったのが、いまはそれが当たり前になっているから、その上でさらに差別化しないといけないし、ユーザーがその上の部分を求めてきているため、それに応えないといけない。どうも日本は、過去の機能品質が高い製品が世の中から評価されていた成功体験があるから、なかなか変革が起こりにくい環境なんだと感じています。

とくに、「きっちりものをつくる」というところをすごくやってきたがゆえに、「思いっきり自由な発想で考えてみる」、「ユーザー視点で考えてみよう」とか、「一回壊して新しい取り組みにチャレンジしてみよう」とか、そういうことが許容されない文化が生まれてしまっている気もします。そういう考え方を実際、やってしまうと当初の開発計画が必ず変わってしまいますからね。そして、それが受け入れられないため、どうしてもいいものが出て来にくい状況になっているように感じます。

今後は、これまでの機能品質重視ではなく、より人間中心であり “利用時品質”の高い製品開発が重要になると考えています。

エンジニアは機能品質を求められているなか、利用時品質の重要性に気づく人って世の中にあまりいない気もするのですが、そのような気づきに至ったのは、なぜですか?

【鈴木】それは、わからないですね(笑)確かにエンジニアには、あまりいないかもしれません。僕は、ただ日常生活の中でプロダクトを使っていて、「このままでいいのか?!」って思っただけなんですよね。僕、個人の話で言うと、学生時代に数学が好きで研究がしたくてコンピューターをやってきたというよりは、ものづくりが好きでプログラミングが好きでそれができるところとなってコンピューターを専攻した感じなので、プログラミングでのものづくりも好きだけど、ものづくりそのものとかデザインとかが単に好きっていうのはあると思います。

質問の回答になるか微妙ですが、そもそも「つくることが好き」だからですかね。高校生3年生までギターでプロのミュージシャンになると、本当に思ってましたし。音楽も、プログラミングもそうですが、つくることが昔からすごく好きでしたね。アルバイトでもステージに立ちたいって気持ちから、ライブ会場設営をやったりして小規模会場から大規模会場までひたすら組み立てることをやってたときもありました。今考えれば、アプローチとしては間違ってるとも思いますが(笑)

根本的にものづくり好きな人は、つくるために必要な知識やスキルを自然と習得していくので、ハイブリットになれる可能性があると、僕は、思っています。社員でも、プライベートで自宅のソファーを作ってる人もいるくらい、自分でつくるのが好きな人が社内にいますね。そもそもモノづくりが好きっていう人は、当社と合うんじゃないかなって思います。

ひろたかさんが考える競合企業ってどこかありますか?

【鈴木】そうですね。僕たちは、“デザインエンジニアリング”といっていますが、デザイン会社の側面から言えば、「デザインシンキング」、「人間中心設計」を行っている人たちやデザインコンサルティングを行っている人と近い部分はあると思います。ただ、彼らが向いているのは、「上流のデザインをもっとよくしましょう」とか、「人間中心設計を使って、良いものをつくれるような上流設計からちゃんとやりましょう」というところに向いていて、僕らももちろん、そのベクトルはありますが、僕たちは、最終的に量産のプロダクトが出てこなければ意味がないと考えていて、そこをしっかりつなげていくことをやりたいと考えています。ものづくりまで手がけるデザイン会社も一部あると思いますが、プロトタイプやコンセプトデモをつくるところまでが多い気がしますね。

僕らが変えたいのは、「日常の生活で普段触れるものをよりよくしていきたい」ということ。

それがいまはクルマであり、僕たちは、クルマの中のヒトを見てそのヒトにいかに価値を届けられるかということを追求しています。

後編に続く。

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