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未来型読書会「アクティブ・ブック・ダイアログ」を行いました!

はじめまして、アメリカのミシガン大学在学中の冨島です。夏休みの間、Story Design houseでインターンをしています。

先日、斬新な読書会に参加させていただいたので、その面白さをここでお伝えします。

アクティブ・ブック・ダイアログとは?

未来型読書会、その名もアクティブ・ブック・ダイアログ(以下、ABD)。この読書会では1冊の本をみんなで分担して読んでまとめ、自分の章を発表し、理解や気づきを分け合います。著者の意図を理解したり、能動的な気付きや学びを促す、日常生活には少ない形式の対話です。


Story Design houseの本棚↑

私がStory Design houseに顔を出した初日に嬉しかったのが、あふれそうな本棚でした。ビジネス書や雑誌だけではなく、『犬であるのはどういうことか』や『ダンテの遺言』といった科学や文化に関する本も多く置かれています。Slackには読書専用のチャンネルまである、本が大好きな人が多い職場です。当然ですが社員の皆さんの読書ジャンルも幅広く、思考回路や物事の伝え方も違います。ABDのようなワークショップによって、一冊の本をリアルタイムで共有できるので、そういった多様性を引き出すことや、読書体験を広げることができます。お互いの考え方に触れる場を作る狙いで、今回ABDが開催されました。

『組織にいながら、自由に働く。』

当日読んだ本は、仲山進也さんの『組織にいながら、自由に働く。仕事の不安が「夢中」に変わる「加減乗除」(+-×÷)の法則』でした。楽天大学学長が語る、伝統的な組織に囚われない働き方を推進する一冊です。レパートリーを増やす、自分の長所に集中する、信頼できるチームを作る、最後にたくさんの業務を効率よくこなす、といった軌跡が紹介されています。

Story Design houseは、リモートワークやパラレルワークも許容される柔軟な職場です。自分たちのワークスタイルに近い本を読むことによって、考えることや語ることを増やしたいと期待して選ばれました。

ここから、当日のABDの様子をお伝えします!

ABDの流れ

①チェックイン

まずは全員で、自己紹介もかねた、本のおすすめを行いました。最近はまっているものや読んでほしい本、そのチョイスや感想などで笑いが起こり、徐々に場の雰囲気がほぐれていきました。

②担当パートの割り振り

みんなで本を一章ずつ読み、それを発表用の紙にまとめていきます。

マッキーと紙の摩擦音が部屋に響きます。プレゼン用だったのに、私は小さな文字でびっしり書いてしまいました。次またABDに参加できるのなら、大きな字で、紙3枚またぐようなイラストにしたいです。

私が担当したのは、本の冒頭部分でした。加減乗除の「加」について読み、自分はまさに「+」の状態にいることに気づきました。二ヶ月前に会社に入ってきた時は真っ白で、そこから徐々にレパートリーを増やし、得意・不得意を探っている真っ最中です。こうやってインターンに意識的にいろんな業務を任せ、成長を促してくれているみなさんにも感謝が深まりました。

「夢中ゾーン」についての文章も、とても身にしみました。このゾーンは、仕事に限らず、勉強や生活、趣味にも共通するところがあると思います。何においても持続的に強くなっていけるには、自分が今いる場所をはっきりさせることが大事です。これからは意識的に自分の能力-野心グラフを y = x に近づけていきたいと思いました。

③リレー・プレゼン

まずは先ほどまとめたポイントを順番通りに壁に貼っていきます。
普段見ることのない皆さんの手書きの文字や、ビジュアルやイラストの使い方が新鮮でした。

そこから自分の読んだ内容を簡単に伝えるのですが、2分間の時間制限をほぼみんなタイムオーバーしていました。ここは内容の選択やプレゼンのペースにより、みんなの個性が鮮明にわかる部分でした。

椅子も円形に並べかえ、みんなでプレゼンの壁を囲んで座り直しました。

「私は今、『減』の段階にいると思います」ーー社員のみんなもとくに「加、減、乗」の段階で共感する方が多くて、この過程でさらにみんなが共感している論点を見つめ、みんなが経験した悩みや成長について聞くことができました。

また、多様性についての章が非常に心に残りました。大学で習った内容と見事に噛み合っていたからです。ダイバーシティの研究をしている教授の授業では、「さまざまな視点を持ったチームこそ生産力が高まる」ということを公式にして、質的なものを数値にしたりしていました。ですが、本に書かれているような具体的な職場での取り組みや、導入前後の変化は見たことがなく、習った公式がこんなにも柔軟に使われていていることに感銘を受けました。夏休み明けに教授に教えてあげねば。

④ギャラリーウォーク

立ち上がり、二人一組になって、気になるところやわからなかったところ、単純に面白かったところなどに印をつけていきます。
その後、その章を担当した人に説明をもらったり、引っかかったポイントについて話しあったり、話がどんどん広がっていきます。

⑤ダイアログ

印をつけたらまたそれぞれの席に戻り、円になってお話を続けました。日本の大手企業事情やGoogleのチームビルディングについて勉強になりました。

「肯定ファースト」な場なので、色んな意見が飛び交います。リレー・プレゼンを聴いてわからなかったことを質問することで、新たな対話が生まれ、そこではじめて出会う小さな気付きも。また一方では、「こうやってみんなで議論しながら読むことで、一人では読み落としそうな面白さに気付けた」といったコメントもありました。

⑥チェックアウト

最後に印象に残ったこと、本にたいしてのコメント等をわけあって、ワークショップを終わりました。

ABDを終えて

ABDの一番のポイントは対話だと思いました。個人の見解はやはり限られていて、他の人と話しあうことによって初めて生まれる考え方もあります。自分の章について説明すると同時に新しいことに気付いたり、理解が深まることも、こういった対話があって初めて可能になります。

同じことについて同時に読むことや、一冊の本だけに集中して語る機会など教室の外では珍しく、貴重な体験でした。「久しぶりに国語のテストの感覚が!」学校を離れた方にとってはより新鮮だったのではないでしょうか。また、みんなの好き嫌いや視点の違い、個人の経験もあわせて話すので、本の論点と同時にみんなについてももっと知ることができました。

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2019年の6月から8月まで、東京・日本橋のStory Design houseで広報・PRのインターンをしていた冨島です。私はアメリカのミシガン大学に在学し、国際環境とメディアを専攻しています...
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