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作業着のホームインスペクターが、一流女性ファッション誌に掲載されるまで

何をするか探すことが仕事の一歩目・・・

今から十数年前のさくら事務所入社当日。どんな仕事やるのかな~♪と胸を躍らせて当時のオフィス・日本橋茅場町のビルに出社したところ、ヒトがほとんどいない。

当時の社員メンバーは不動産コンサルタント・ホームインスペクターで構成されていたので、ほとんどのスタッフが調査に出払っていたのでした。誰一人、新たに入ったツジにこれをやらせておいての指示もすることなく、出払っていた・・・。

そんな歓迎の「カ」の字もなかったオフィスでニコニコ迎えてくれたのが、当時のひとり広報室長で現社長の大西 倫加でした。おお、すごい美人だ!と思うと同時に、これから南の国にバカンス・・・?と思ったほど自由な服装に驚いたのは昨日のことのよう。

他の建築系メンバーはホームインスペクション(住宅診断)が行えたので、依頼現場に毎日行って仕事してましたが、入ったばかりの私は建築士とはいえ、何をやっていいのか全然わからず、ただくっついていくだけ。そんなの、仕事じゃないわけで・・・

まずは、自分にできることから始めてみようと思って最初に手を付けた仕事が、「コラムを書く」ことでした。当時はまだインターネット黎明期でしたが、さくら事務所のような資金も何もない会社を世に知ってもらうために、長嶋と大西がWEBマーケティングにかなり力を入れていて、主力コンテンツが「住まい選びに役立つ専門家によるコラム」でした。

お役立ちコラム 一覧 - さくら事務所
さくら事務所のホームインスペクター(住宅診断士)、一級建築士、不動産コンサルタントなど、住まいの専門家が監修。新築・中古・戸建・マンション購入の検討から、購入後の自宅メンテナンスまで。
https://www.sakurajimusyo.com/guide/

これなら今の自分にもできる!と思い、誰にも頼まれていないのに、とりあえず「マンション内覧会の日にやっておきたいこと」みたいなコラムの原稿を書いて、大西に添削をお願いしたのを思い出します。

やっと、ホームインスペクターになった!

いわゆるOJTという修行を経て、数か月経たないうちに、私もホームインスペクション(住宅診断士)として仕事ができるようになりました。

ところで、ホームインスペクションって、ご存じですか?

ホームインスペクション(住宅診断)とは - さくら事務所
ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場からまた専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行う専門業務です。 米国では、州によって異なりますが、取引全体の70~90%の割合でホームインスペクションが行われ、すでに常識となっています。 ...
https://www.sakurajimusyo.com/inspection/

ここまで読み進んで初めて「へぇー、こんな仕事があるんだ」と知っていただけましたでしょうか。

今や不動産売買のときにはホームインスペクションを入れる方が本当に多くなりましたが、十数年前はまだまだ「ホーム・・・イン・・?」と、一回で聞き取ってもらえないくらいの認知度。

転職したことを知人に話すときにも、何をやってる会社なの?と聞かれて、日本の不動産売買の背景から、欧米先進諸国では当たり前にホームインスペクションが行われていることを話したりしないと、理解してもらえないような状況でした。

でも、成長の手ごたえは間違いなくあり、大手新聞・テレビをはじめとするメディアの方々からも「これは広めていったほうがいい」とご賛同いただく機会が多かったので、歴史を変えていくメンバーの一人として活動できることが本当に誇らしかったです。歴史を変えていく仕事は、今もまだまだ続いています。

でも、知られてないよね?からの女性ファッション誌

さて、やっとタイトルの話になるのですが、私はさくら事務所に入るまで「広報」とは、問い合わせを受けて対応したり、会社が何かを決めたらお知らせを流す仕事みたいな認識でしかありませんでした。

でも、創業者長嶋と、現社長で当時のひとり広報室長大西による「さくら事務所の広報PR活動」は衝撃的でした。

自分を住宅や不動産のプロと呼ぶのが恥ずかしくなるくらい、PR畑出身の大西のほうが建築や不動産の業界情報に精通し、不動産・住宅業界のあらゆるリーダーたちとの交流を持っていたんですよ(今も)。

自社サービスを売るのではなく、社会の課題が何かを深く知り、それをどうしていきたいからこのサービスをやっているのだと紹介することこそが、さくら事務所の広報PRでした。

もしかしたら広報PR業界では普通のことなのかもしれませんが、ツジ・大西以外の全員が「腕に覚えアリ」のベテラン建築士と不動産コンサルタントたちだったさくら事務所(しかもツジ以外全員男性)。自分たちの実力があれば広報PRなんていらない!と反撃されたりして、本当に大変だったと思います。

そんな感じですから、どうしても、【ホームインスペクション=建築士=おじさん=ちょっと怖そう=不動産会社と戦う気満々の人はぜひ使ってください!】みたいな印象がぬぐい切れず、誤解して気軽にサービスを利用できていなかった人もいたと思います。

だから、大西は自ら「女性ホームインスペクター」という職業を紹介してもらえるよう企画書をつくり(当社以外の会社仕事も紹介する、大きな企画)、大手出版社さんに提案しに行ったのです。

キャリア系雑誌とかではなく、よりによって、世界的モデルなども登場する超一流有名女性ファッション雑誌ですよ!

たまげました。(雑誌名を書けないのが残念・・・)

あの有名ファッション雑誌のカメラマンと記者さんがホームインスペクションに同行

掲載誌の写真を載せられないのが残念ですが、ファッション誌の一部に、こんな感じで建物を調べるツジが見開き2ページで載りました。さすがにモノクロページでしたが、ひとりで2ページ占拠です。

さくら事務所のユニフォームを着て、脚立に上って天井裏をチェックしたり、壁の傾きを機械で計測したりといった写真を載せていただきました。それ以外のページには、大西の企画書をもとにして他の企業の働く女性たちが1ページずつ載っていました。素敵なスーツ姿で・・・

このときほど「広報PRって、スゴイ」と実感したときはありません。
自分たちがやっていることを、自分たちを知らない人たちに伝えていく「橋渡し」の仕事。

ファッション誌を読む方々の中にも、住まいを探し、買って住む方がたくさんいるわけですから、ふだん建築や不動産に興味をお持ちでなくても、ちょっとした記事をきっかけに「ふーん、こんなサービスもあるんだね」と思ってくださったかもしれません。

私たちの会社は、ホームインスペクション、災害リスクコンサルティング、マンション管理組合向けコンサルティング、不動産コンサルティング・・・と、専門性の高いサービスをエンドユーザー向けに提供しており、これらがまだまだ一般の方に馴染みないものだという自覚はあります。

まだまだ日常的なサービスではないからこそ、専門家と広報PRが常に連携し、さくら事務所という船を動かすことを大切にする日々。

今私は経営企画の仕事を中心にしていて、ホームインスペクションの一線からは少し遠ざかっていますが、今も「いつでも商品として使ってちょうだい!」と、広報PRのスタッフにアピールし続けています。

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