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はじめまして。
株式会社ROC インターン生の村上陽菜です。
今回は先日に行われた「ほんまの学校第1回オープンスクール」の様子をお届けします。
フリーランスや会社起業に興味のある学生が集まって、神戸出身の社長の本音に迫りました。
起業やビジネスの話はもちろん、自分自身と向き合うきっかけとなるような話が詰まっているので、特に学生の方はぜひ最後まで読んでくださいね!
※当記事は、2020年1月に株式会社ROCの公式サイトで公開された記事です。
「ほんまの学校」開校
砂川:今から「ほんまの学校第1回オープンスクール」を始めます。礼!よろしくお願いします!(学校の授業あいさつの感じ)
では、まず僕の自己紹介からさせていただきます。僕は神戸市外国語大学4回生の砂川と申します。
坂本社長の会社である株式会社ROCに一年前からインターンシップをさせていただいていて、今回学生代表として、学生の皆さんと社長の間に立っていろいろ質問をするという役回りでここに座らせていただいておりますので、よろしくお願いします。
次に今回お話をお伺いする社長のご紹介をさせていただきたいと思います。
SNSのプロモーション事業をされている株式会社ROCの坂本社長です。
本日はよろしくお願いします!
坂本CEO :よろしくお願いします!
砂川:SNSプロモーションと言っても、学生にとっては馴染みのない言葉ですので、簡単に説明していただけないでしょうか?
坂本CEO:簡単に言うと、SNSアカウントの運用ノウハウやSNSの仕組みを企業やお店の方にレクチャーしたり、運用代行という形で、その企業のアカウントの中に入って代わりに投稿やストーリーズを作成して配信したりしています。
ストーリーズと言えば、下から上にスワイプするリンクがあって、あのリンク先にランディングページ(LP)を設定することが多いんですけど、その制作なども行っています。
砂川:ありがとうございます。つまり、SNSを使ってお客様の商品やサービスをもっと多くの人に届けるお手伝いをしている、というイメージですね!
坂本CEO:そうですね、価値あるものを世界に広める仕事ですね!
どんなビジネスをしたらいいの?
砂川:それでは、これから具体的な質問をさせていただきたいと思います。
きっと今日ここに参加してくれている学生の大きな悩みは、「ビジネスをやりたいけど何をすればいいのか」や、「まず何から始めればよいのか」が分からないことだと思います。
僕も1年前に本気で起業を考えたことがあったのですが、そもそも事業構造が固まらず、断念してしまったことがあって…。
坂本社長がどういう形で事業をスタートさせたのか、というところをお伺いしたいです。
坂本CEO:最初は「バンドで食っていこう」と思っていたので、高校卒業後は就職も進学もしませんでした。
でも卒業から2年経ったある日、バンドが解散になってしまって…。
当時20歳直前だったので、今から大学に行ったって周りの大学生より遅れてしまうし、「そもそも大学に行って何になるんやろ」って、周りの大学生を見てると思ってしまって…
大学生を目の前にしてこんなこと言ってごめんなさい(笑)
砂川:耳が痛いです(笑)
坂本CEO:当時の周りの大学生を見てるとっていう話やからね(笑)
でももっと社会のこととかいろいろ勉強しないといけないとは思っていたので、一通り法律が勉強できて、独立も可能な国家資格の「行政書士」を取るために勉強しようという考えに至りました。
その後、試験に合格したのでそのまま独立に向けて動き始め、23歳で行政書士で起業しました。
でも、今は行政書士事務所も維持しながら、全然違うことをしてますね(笑)
士業の仕事の集客を当時SNSで行っていて、自分にとっては当たり前だったんですけど、周りの人たちからするとそれがレアケースで。ちょうど同時期に「士業×音楽=LIVE」(通称:士業ライブ)というイベントをおこなって、その集客もSNSでしたら100人くらい来てくれて。
「SNSで集客」って仕事になるかもと思ったのがきっかけで、今の仕事に行き着きました。
砂川:なるほど。学生の立場で言うと、やりたいことを見つけるのは難しくて…。
「夢を見つけましょう」と周りからも言われるんですけど…。
坂本CEO:それについて言いたいことがある!
砂川:先生お願いします(笑)
坂本CEO:「やりたいことを抽象化する力」ってすごく大事という話。
自分は、当時バンドマンから行政書士になったときも、「なんでバンドをしたいのか」を抽象化して考えていくと、自分でメンバーを集めて、曲を作って、ライブのスケジュールを決めて…という、「バンドで音楽をやること」ではなく、「小さいけど組織を動かすということに自分は快感を覚えているんじゃないか」と気づいたんですよ。
これってバンドじゃなくても満たされるよなとその時気づいて…。「○○屋さんになりたい」じゃなくて、「なぜそれをやりたいのか」という深い部分を見つけられるといいと思います。
砂川:今までの人生を振り返って、「何が一番自分にとって幸せだったか」と、その幸せの原因というか根っこにあるものをしっかりと分かっておくことで、次に繋がっていくということですね。
坂本CEO:それを抽象化して持っておけると、「自分はこういう人間だ」という軸がちょっと広がるので、何かチャンスが来たら「あっこれ自分いけるやん」ってチャンスを掴みやすくなる。
砂川:「抽象化する」って大事ですね。皆さんも今日から「抽象化力」磨きましょう!
起業資金はどうやって集めるの?
砂川:やっぱりやりたいことを行動に移すときに、どうしても欠かせないのがお金かなと思っているのですが、お金はどうされたのかというところを伺いたいです。
坂本CEO:僕は最初に100万円貯めました。
それから、行政書士会に登録するために30万円払って、最初は自宅開業だったので自宅をオフィス化するために20万円くらい使って…。
そのプロセスをFacebookにずっと投稿してて、その「プロセスを見せる」って、拙著「Facebookを最強の営業ツールに変える本(技術評論社)」にも書いていますが、SNS集客においてとても大事なこと。
なので、いざ開業しましたってなった時も、すぐ5件くらいFacebookからメッセージが来て、またそのことを投稿したりするとまた問い合わせがあって…と、最初はなんとなく食べていけていましたね。
砂川:株式会社で登記して法人化する時に、お金が必要で苦しかった等々ありますか?
坂本CEO:会社登記ってそもそも30万くらいあればできるんですよ。そのへんは個人事業の時の蓄えがあったのと、もちろんお金は借りましたね。設立と同時に。
お金が無いと出来ないことっていっぱいあるんです。お金で足が止まってしまうのは嫌だなと思って、最初は借りれるだけ借りました。
借りた経験としては、「借りれるときに借りといた方がいい」と思いますね。
会社って期が積み重なってくると、過去の数字が見られるので、その範囲内でお金を貸してもらうことになるんですよ。
でも最初って本当に何もないから、銀行は事業計画を信じて貸すことになるので、最初が一番借りやすいとは思うので、お金をしっかり管理できる人間であれば借りといた方がいいんじゃないかとは思います。
砂川:個人事業の仕事で積み立てて、それを元手に会社登記をされたというわけですね。銀行からの融資のお話も、会社経営をある程度続けて来ておられるからこそのアドバイスだと感じます。ありがとうございます!
経営者の1日のスケジュールって?
砂川:では次に、会社の社長をされている方がどのような一日を過ごされているのかっていうのをお伺いしたいです。時期によっても違うと思うので、立ち上げ期から今とかではどのような変化があるのかなと。
坂本社長は最近ご結婚もされて、プライベートにおいても変化があったと思われるのですが…
坂本CEO:大きくは変わってないですね。僕は朝が苦手で、8時より早いとなんかしんどくて(笑)だから今でも起きるのは大体8時くらいですね。
でもその代わり寝るのは2時とか3時とかなので、遅くまで仕事はしてます。苦手な朝にはできるだけ商談やアポは入れず、返信対応をしたり、起案に時間を使ったりしています。
砂川:漠然としたイメージなのですが、会社の社長や経営をされている方って、どうしても仕事というものに人生を懸けていて、寝る間を惜しんで仕事をしているというイメージがあったので、8時に起きられていると聞いて少し安心しました(笑)
坂本CEO:結婚したらやっぱり自分の時間って一人のときと比べて少なくなるんですよ。
でも仕事を減らすわけにはいかないので、仕事の効率をあげないといけない。僕は結婚して一年たってそれを今すごく感じていて。
今日も来てくれているんですけど、彼(この後登場の日坂さん)いわく、子供ができたらもっと自分の時間が少なくなって、もっともっと生産性あげていかないといけなくなるので、すごく成長できると。
だからはやく子供ほしいなって思ってます(笑)
起業に向いている人ってどんな人?
砂川: それでは前半の部、最後の質問になるのですが、坂本社長から見て、どういう人が起業家に向いていると思われますか?
坂本CEO:自分で言ったことは必ずやり遂げる人は大前提かなと思います。デザイナーとか特にそうですよね?(ほんまの学校の共同主宰者であるSOE岡堅太氏のお話を踏まえて)納期ってすごく大事で、納期を守らない人って仕事人としてありえないと思っています。
諸々のスケジュールは、その納期を元に決めることもあるので、簡単に破られると全部予定が狂ってしまう。でもそれをしてしまう人は結構いて。言ったことはする、むしろ言ったこと以上のことをする、という意識は大事だと思いますね。だから自分に厳しい人じゃないと起業はできないかなと。
あと素直さが大事ですね。
砂川:ありがとうございます!それでは前半は一旦ここで終了いたします。
学生からの質問①:会社経営の目的や目標は?
砂川:それでは第2部を始めさせていただきたいと思います。第2部は、社長への質問コーナーということで、さっそく質問がある方はいらっしゃいますか?
学生:会社を運営するにあたってなにか大きな目的というものはありますか?
坂本CEO:僕は自社のロゴが入った大きな自社ビルを持ちたいです。品川に住んでいた時があって、品川って駅にCanonとかMicrosoftとかがあるんですけど、そのビル見ながら「かっこいいな~」とずっと思っていて。
つまり、それを建てることができるくらい大きい会社にしたいということですね。
事業規模も売り上げも大きくしたいし、関わってくれる人も増やしたい。
起業して約6年、法人を作って3年半くらい経って、何回か壁にぶつかって「もう組織を大きくするのはいいかな」「組織作り向いてないかもな」と思うときもあったんですけど、そういうときは、その品川で毎日のように見ていた大企業のビルを思い出して頑張るようにしています。
砂川:坂本社長以外にも、今日は経営者の方がいらっしゃるとお聞きしています。せっかくなので、もしよければお話を聞かせていただければなと思うのですが、いかがでしょうか?
原さん:はい!(笑)
皆さん、初めまして。Fianco代表の原と申します。オーダーメイドスーツの仕立て屋を経営しています。元々銀行員で、今は好きなことで独立して仕立て屋をしています。
僕は「日本人の自己概念を上げたい」といいますか、自信を持ってほしいというのが今の思いです。
電車に乗っていて「元気ないな」と思うおっちゃんたちに、自信もってほしいなと思っています。
やり方としては企業研修や一般向けの着こなしセミナーをしており、必ずしもオーダーメイドスーツを着させようという感じではなく、「自分は素敵になっていいんやな」という気持ちを、せめて持って帰ってくださいねという感じで、やらせていただいています。
砂川:めちゃくちゃ素敵ですね!ありがとうございます!他にも共有していただける方はいらっしゃいますでしょうか?
日坂さん:それでは(笑)
皆さん、こんばんは。株式会社八臂人材の日坂と申します。僕はまだ年齢が23歳なのですが、僕をいれて3人の人材関係の会社を経営しています。
僕は、「受信側の心のありかたを変えたい」ということをずっと思っています。
情報化社会でいろいろな情報が行き来する中で、いろんな言葉やニュースが入ってくると思うのですが、その捉え方を変えることができれば、もっと未来は明るくなるんじゃないかなと。
そのため、外的要因ではなく内的なところに働きかけたくて、今人材の仕事と教育のコンテンツなどを使って事業展開をしています。
砂川:ありがとうございます。ぜひお二方とも次回以降ご登壇いただいて、お話を深く聞かせていただきたいなと思います!
学生からの質問②:会社の従業員の方はどんな働き方をしているの?
砂川:では、ほかに質問がある方はいらっしゃいますか?
学生:会社でのみんなの働き方について聞きたいです。例えば、自分がたまたまテレビで見た社長さんは、ランニングマシーンで歩きながらパソコンで作業できるデスクをつくって、体を動かしながら仕事をされていたのですが、ROCではどういう風に皆さん働かれているんですか?
坂本CEO:総務省から認定を受けているくらいリモートワークには力を入れていて(2017年11月16日:総務省テレワーク先駆者百選に選出)、それぞれが好きな時に、好きな場所で働く、という感じですね。
株式会社ROCは、現在15名のメンバーがいますが、神戸本社に出社するフルコミットのメンバーはもちろん、普段は主婦やフリーランスで週の決まった曜日だけROCの人間として動いてくれる人もいます。場所も、神戸や大阪、京都、岡山、東京などなどバラバラです。
学生:追加で質問なのですが、そうすると人によって働く量にバラつきがでるじゃないですか?なので、お給料とかどうされているのかなぁと思うのですが…。
坂本CEO:そこはやはり、信頼関係が物を言いますね。しっかりとした信頼関係が築けていれば、共有しているカレンダーに作業内容を細かく入れてくれていたら何しているかはわかるから、それとアウトプットされた仕事の成果を見て報酬を決定していたりします。
あとは、作業単位で報酬を決めていたり、案件ごとに報酬が違ったりです。
仕事自体はどこでもできるけど、人間って会って話したり、同じ空気を吸って仕事をすることも大事だと思っていて。
なので、普段リモートのメンバーや決まった曜日だけのメンバーは、月一回は必ず集まる日を設けていたり、フルコミットのメンバーは12時から17時はコアタイムにして「この時間はオフィスに集まって仕事をする」と決めていたり。もちろんお客さんが最優先なので、毎日必ずその時間にオフィスに居れるわけではないですが。それ以外の時間は、どこで仕事をしてもいいという風にしています。
学生からの質問③:SNS集客の進め方と一番大事なことは?
学生:今、高校3年生でDJをやっていて、3月頃に未成年限定で音楽イベントをやろうと思っているのですが、SNSを利用した集客を今手探りでしている状態で。DMで直接話しにいくか、投稿で宣伝するか、どちらがいいのかなと思っていて、坂本さんにお聞きしたいなと。
坂本CEO:結論、両方したほうがいいです。ある程度の距離感の人なら絶対直接DMで送った方が来てくれると思います。
僕も、「士業×音楽=LIVE」(通称:士業ライブ)と名前を付けて、過去5回、延べ1100名以上集めてイベントをしていました。それで言うと、最初の方は「こういう思いでこういうイベントやるので来てください!」という感じのDMは送っていました。
当時23歳くらいだったので、無意識に若さをフル活用できていたなと思います。だから今の若さは絶対に活かした方がいいです!
「こんな若い子がそんな思いでイベントやるんだ、応援してあげたいな」って絶対思ってもらえると思う。
プラス投稿の軸でいうと、僕が書いた『Instagramでビジネスを変える最強の思考法(技術評論社)』に書いてあるから読んでみてもらえるといいかなと思います。
なかでもSNSの世界で一番大事なのは「宣伝色を消す」こと。
でもイベントの宣伝なら、イベントのことを話さないと伝わらないので、「何月何日に・どこで・こういうことやります」と直接的に宣伝を書くようなことは最小限にして、「こういう思いでやっている」とか、「何月何日に開催する○○というイベントの打ち合わせで今日は会場に来ています」というような形でプロセスを見せるとか。
これって、宣伝まではしてないけどイベントの話はしている。だからこういう伝え方を身に付けられると、投稿経由でもイベントに来てくれる人は現れてくると思います。
学生:とても参考になりました。ありがとうございます!
学生からの質問④:組織の運営ルール等はどのように学ぶの?
学生:会社を運営する上で、お給料とか、さっきお話しされていたように働き方とか、どういう制度にするかとか、そういうルールはどうやって勉強されたのですか?
坂本CEO:僕はその都度、調べたり聞いたりして解決しています。就職の経験もないし、大学も行ってないし、過去アルバイトしかしていないので。その代わりアルバイトは、いろんな種類のものをしてきましたが(笑)
それこそ、今日のイベントをするにあたって、大学生のスケジュールがわからなさすぎて。だから開催時間を決めるときとか自分の頭では解決できなかったのでインターン生に聞いたりとか。壁に当たるたびに周りに聞いたり調べたりして解決していますよ。
さいごに
砂川:ありがとうございます!ではお時間がやってまいりましたので…。
今日は盛りだくさんな一時間半だったと思います、皆さん、改めてご参加ありがとうございました。今後もこのようなイベントを開催予定なのですが、坂本社長はどのような思いで、このほんまの学校の開催を決められたのですか?
坂本CEO:なぜ神戸でこのようなイベントを開催しているかという話からですが、今年神戸は人口流出の数が全国1位になりました。
その理由を僕なりに考えた結果、学校の多い神戸に学生のあいだ住んでいた人が、就職のタイミングで大阪や東京に出て行ってしまうからだと思ったんです。
それは神戸に働きたい会社がないからだと思っています。
「じゃ学生が働きたいと思う会社を自分が神戸でつくる」という思いで、全国にクライアントが増えた今でも、株式会社ROCは神戸本社体制で会社運営をしています。
神戸という街で起業したり就職する人が自分以外にも増えるいいなという思いで、人口流出の激しい神戸のために今自分ができることをしようと、学校では教えない社会で”ほんま”に必要なことを教えられる場を作りたいと思っています。
今後はオープンスクールという形でプレイベントをあと2回ほど行なってから、2020年の夏頃には、毎週曜日と時間と場所と決めて「ほんまの学校」を運営していきますので、よろしくお願いいたします!
砂川:この街への「愛」がヒシヒシと伝わってきます!
坂本社長、本日はありがとうございました!それでは、本日はここで締めさせていただきたいと思います。では起立!気をつけ、礼!
全員:ありがとうございました!
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
次回の「ほんまの学校 第二回オープンスクール」では、株式会社ビートラベル代表の渡邊華穂さんと、株式会社ROUGH LABO代表の山本宝さんを講師にお招きします。
なんとお二方とも女性経営者ということで、また違った角度から会社経営のリアルが見えてきそうですね。今から開催日が待ち遠しいです!
皆さんのご参加お待ちしています!