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RIDE MEDIA&DESIGN(以下RIDE)は、Webサイトの構築やデザイン、中身のコンテンツ制作までワンストップなクリエイティブスキームを強みとしています。
近頃は、CI・VI開発やWebコミュニケーション全般の戦略立案など、ブランドやサービスのブランディングに上流から携わるお仕事も増えてきました。
その他にもオウンドメディア「haconiwa」の運営や、環境とサステナビリティに配慮したプロジェクトなど、今年で16期目を迎えたRIDEは、Webとメディアを中心にこれまでさまざまな事業を展開してきました。
一見、“何でも屋さん”のように見える私たちの会社。だからこそ、どんな人がどんな風に仕事をしているのか謎が多いと言われることも。入社したばかりの新人さんや、初めてお仕事するクライアントさんからは「会ってお話してみると意外なことが多い」なんて言われることもあったりして…。
そこで、社員の働き方やリアルな声をここで発信することにしました。私たちが普段どんな仕事をして、どんなことを考えているのか。そもそも、なぜRIDEを選んだのか。
社員一人ひとりの声から、私たちの会社のことが少しでも伝わればいいなと思っています。
今回、お話を聞いたのはエンジニアのお2人。2020年からジョインした辻と、入社10年目のベテラン社員であり現在エンジニアチームのマネージャーを務める永島です。
RIDEの広報チームを聞き手に、ちょっぴりくすぐったくもリアルな彼女たちの声をお届けします。
辻さん(フロントエンドエンジニア)
前職はECモール運営会社で商品撮影や新規事業の企画・運営を行う。新規事業に携わるなかでエンジニアの仕事に興味を持ち、プログラミングスクールに通いながら基礎スキルを習得。好きなものは町中華。
永島さん(チームマネージャー 兼 テクニカルディレクター)
入社当時はコーディングとデザイン業務を兼務し、2013年よりフロントエンドエンジニアに。現在はエンジニアチームのマネージャーとして、テクニカルディレクションをメインに行いながら自身でコーディングも行う。あらゆるものの効率化と猫が好き。
「企画もプログラミングも両方したい」欲張りな気持ちがきっかけ
― 辻さんは以前、誰もが知る大手EC企業に勤務していたそうですね。
辻:はい。前職では新規サービスの企画運用をしていました。EC事業なので他部署との連携は欠かせなくて、エンジニアとのやりとりも多かったんです。
エンジニアチームに依頼や指示を出すにも、私にプログラミングの知識がないので、なかなか思うように進まなくて。結果的にローンチできても、何かモヤモヤした気持ちが残っていたんです。
永島:自分にプログラミングの知識や技術があったら、もっと円滑に、もっと満足できる仕事ができたのに。そういう歯がゆさがあったってこと?
辻:その通りです。だからずっとモヤモヤしてて…。「自分でプログラミングできたらいいのに」と思って、仕事を続けながらプログラミングの勉強を始めました。
そうしたら、すごく楽しくなっちゃって。ちょうど前職で担当していたサービスが終了するタイミングでもあったので、そこを区切りに退職を決めました。半年間プログラミングのスクールに通った後にRIDEと出会って、今に至ります。
永島:すごい勇気がいると思う。辻さんが前に勤めていたのは、本当に誰もが名前を知っているような有名企業だし、あまりにうちと規模が違うから。
辻:勇気もなにも、むしろ、欲張りな気持ちでしたね(笑)。それまでやっていた企画運用の仕事も楽しいし、エンジニアの仕事にも興味があるし、どっちも諦めたくない!っていう。RIDEでならプログラミングのスキルを磨きながら、同時にこれまで培った経験も生かせるんじゃないかって思ったんです。
― 永島さんから見て、辻さんの第一印象はいかがでしたか?
永島:先ほど辻さんが言った「欲張り」っていうキーワード。私が「この子と一緒に仕事してみたい」と感じたのは、まさにそこだったんです。
RIDEは、クリエイティブ・テクノロジー・ビジネスという三位一体のスキルを持つことを大事にしています。企画の経験と実績があって、自主的にプログラミングを学んでいた辻さんは、まさに私たちが思い描くクリエイター像に近いと感じたんです。
辻:私自身、RIDEのそうした価値観に惹かれたというのもあります。前にたまたま読んだ『CINRA.JOB』の記事にすごく刺激を受けて。そのなかで、エンジニアが撮影現場に立ち合うこともあるというエピソードを目にしたとき、「私がやりたいのはこれだ!」って思ったんです。
永島:辻さんのような人がいる一方で、三位一体という言葉にプレッシャーを感じる人ももしかしたらいるかもしれません。でも、全部できなきゃいけない、ということでは全然なくて。
大事なのはいろんな視点を持つことです。さまざまな視点を持っていてこそ、制作のプロセスも、最終的なビジョンも明確になる。
辻さんが「プログラミングができたら、効率もクオリティももっと上げられるのに」と歯がゆさを感じていたのも、先のビジョンがしっかりと見えていたからだと思うんですよね。
「フロントエンドエンジニア」という仕事
― そもそも、RIDEの“フロントエンドエンジニア”ってどんな役割ですか? 具体的な仕事内容を教えてください!
永島:主な仕事内容は、フロントエンドの設計や構築です。
プロジェクトマネージャー、ディレクター、デザイナーから発注依頼を受けるところから始まります。更新性のあるCMS案件であれば管理画面の設計、ECサイトであれば商品データの設計をして、コーディングしていく。
データ構造の整理やアニメーションなど、エンジニアが考える余白部分に関しては、話し合いながら進めていきますね。
基本的にうちではコンテンツはコンテンツディレクター、デザインはデザイナーが担当しますが、きちっと明確な線引きをしているわけではのではないので、企画〜制作〜実装とフェーズごとにチームメンバー同士で話し合いながら進めていきます。なので、演出の見せ方などはエンジニアにも裁量がありますし、デザインに関してデザイナーにアドバイスすることもあります。
私はフロントエンドエンジニアでもあるんですけど、現在はテクニカルディレクターとして案件に関わることが多いです。
― “フロントエンドエンジニア”と“テクニカルディレクター”は、何が違うんでしょうか?
永島:まず、アサインされるタイミングが違いますね。RIDEでテクニカルディレクターとしての役割を求められるときは、キックオフの時点から参加します。
プラットフォーム選定・データ設計などの技術要件を固めたり、演出方法の提案を行ったり。場合によっては、エンジニアが考えるアニメーションを基点にサイトデザインを考えることもあります。もちろん、目的や課題解決にあった表現であることが前提ですけどね。
辻:エンジニアは、プロジェクトの途中からアサインされることも結構ありますもんね。
永島:コーディングは制作工程の最後のところだから、途中からアサインされることも多いし、場合によっては着手時にはほとんど設計書が出来あがっていることもあるね。
― なるほど。プロジェクト全体を見るという点では、テクニカルディレクターのほうが多くの視点が求められますね。
永島:そうですね。だからこそBTCの視点が必要だなと感じます。ただ誤解してほしくないのは、テクニカルディレクターよりフロントエンドエンジニアのほうが簡単だとか、そういう訳ではまったくなくて。
日々技術が進化するなかで、フロントエンドエンジニアは常にスキルのアップデートを求められます。それには、最新動向を常にキャッチアップしたり、実際に手を動かして吸収し続けることが欠かせません。
それに、慎重さや緻密さも必要です。というのも、たとえ設計書がほぼ出来あがっている場合でも100%完璧なことってあまりないんですよ。
実装段階で想定外のことが発生したり、改善の余地があったり…。ディレクターやデザイナーが作った設計書を読み込んで理解し、リスク回避をしつつ、メンテナンス性を保ちつつ、最適なかたちで組み込んでいく。
自分が作ったものがそのまま世に出るわけですから、フロントエンドエンジニアはとても責任の重い仕事です。リレーでいうアンカーのような存在。
そういう意味では、エンジニアは危機管理能力や先を読む能力が自然と身につくので、ディレクターの素養が身に付きやすいのかも、と思います。もともとはエンジニアとして前進するためにディレクション業務もするようになりましたが、それまでの経験や考えはそのまま活かすことができています。
先人たちの経験と教訓が詰まった、オリジナル教科書
― 辻さんはエンジニアに転向してもうすぐ1年。この仕事をしてみて、いかがでしたか?
辻:実務とはこういうことか…!と実感する毎日です(笑)。先ほど永島さんがおっしゃったように、危機管理の必要性も責任の重さもしみじみ感じました。
現在はRIDEの先輩エンジニアにサポートしていただきながらも、ブランドサイトやメディアサイトのコーディングを基本的には1人で担当しています。案件によりCMSの構築も行っています。まだまだ未熟者ですが、とてもやりがいを感じています。
― どんなときに、やりがいを感じますか?
辻:コーディングしたものがカタチに残ることですね。これはエンジニアの仕事に限りませんが、自分が作ったものが世に出るのはやっぱり達成感があります。
四苦八苦してコーディングしたものがカタチになって世の中の人の目に触れる瞬間や、お客様が喜んでくださったという声を聞いたときは、純粋に嬉しいです。
辻:「喜んでもらえた」という意味では、チームメンバーに対しても同じですね。まだまだ私個人でできることは少ないですが、自分がチームに貢献できたと感じられるときも嬉しいんですよね。
エンジニア視点で「この部分は共有しておいたほうがいいな」とか、「指示にはなかったけど、このほうがもっと良くなるはず」とか…自分で先回りして考えて行動したことが、うまくハマったときにやりがいを感じます。
それがほんのディテールでも、永島さんみたいに気づいて評価してくれる人がいるから、やりがいにつながっているんだと思います。
永島:辻さんは、先回りして考えることができる人。それは出会った当時から感じていました。こちらが聞きたいことを察して先に話してくれるし、裏付けも理路整然としていて。
「相手が何を求めているのか、ちゃんと想像できる人だな」ってすごく感心してるんです。その能力は仕事でも存分に発揮されていて、すごく優秀です。「もっと私たちを頼って!」と思っちゃうくらい(笑)。
辻:ありがとうございます、顔から火が出そうです(笑)。今は自分で試行錯誤することが楽しくて。でもプログラミングを仕事にした今、実務だからこその難しさにも直面しています。
ただ、わからないことを一つひとつ教えてもらうより、自分は何を理解できていないのか、きちんと咀嚼してから相談するほうが、ステップアップを実感できる気がして。
永島:その考え方がいい。まずは自分で考えてみよう、という姿勢はエンジニア向きだとも思います。エンジニアって、ひとり黙々とパソコンに向かう時間も多い仕事。それだけにある程度、自分としっかり向き合える人のほうが向いていると思っていて。
辻:たしかに私、ひとりで黙々と考えるのも好きなタイプかもしれません。でも、それが可能なのはRIDEの先輩エンジニアの方々のおかげでもあるんです。
RIDEにはコーディングのルールやノウハウをまとめた独自の社内Wikiが蓄積されていて、それによって疑問がすぐ解決することも多いので。それで解決できないときは、素直に聞いちゃいますけど(笑)。
永島:コーディングには言語や社内ごとに決められた一定のルールがあるから、業務内容を体系化しやすいんです。書き方の間違えや新たな気づきがあったら、各々がSlackに投稿して毎日共有。そこからWikiを更新、テンプレート化するという流れですね。
辻:そのWikiが、私にとっての教科書で。市販の参考書以上に、RIDEの先輩たちが作ってくれたお手製の教科書にすごく助けられています。
永島:嬉しい!そのWiki、私自身を反面教師に作ったものなんです。
私がRIDEに入社した頃はエンジニアチーム自体なくて、コーディングもデザインもディレクションも兼務していたんです。当時はメンバーも少なかったから、一人ひとりが何でもやる!みたいな。入社から1年ほど経った頃、デジタル領域を強化するために初めてエンジニア専門チームができたんです。
辻:そうだったんですか! 初めて知りました。
永島:私はカメラマンのアシスタントから転職してRIDEに入ったから、プログラミングに興味はあったものの、専門知識はほとんどなくて。
とにかく先輩たちの仕事を見ながら覚えて、それでも足りない部分は自分で勉強しました。勉強して実践して勉強して…の、ひたすら繰り返し。この苦労を生かさないのはもったいなすぎて(笑)。だから自分が得てきたノウハウを体系化するかたちで、エンジニア独自のWikiを作ろうって思ったんです。
指導と成長の等価交換で、刺激し合える存在へ
― 「新人時代はすごく苦労した」と振り返る永島さんですが、現在はエンジニアチームを引っ張るマネージャーとして若手の育成にも注力していますね。
永島:誰かを一から指導するという経験がこれまであまりなかったので、初めの頃は自分にうまく教えられるだろうか…と内心ドキドキしていました。
リモートワーク環境下における遠隔でのコミュニケーションにも不安がありました。Slackやボイスチャットなどオンラインツールを使いながら、できる限り円滑にコミュニケーションできるよう努めてはいますが、どうしても表情までは読めませんし。
それもあって、辻さんが詰まっていないか、抱え込んでいないか、相談しやすい環境を作れているか…と心配で。正直、今でも「私ちゃんとやれてる?」って不安です(笑)。
辻:いやもう、すごく気にかけてくださるのを感じています。「ここをこうしたい。でも、できない」という悩みを的確に汲んでくれるし、本当にズバリ!というタイミングで指導してくださって。ちゃんと見てくれているんだって嬉しくなります。
それにこの言葉が適切かどうかわかりませんが、私は永島さんのことがすごく好きなんです。
永島:ええ〜…。嬉しすぎて、ちょっと言葉が出てきませんね…(笑)。私は教えるプロではないので至らない部分も正直多いと思います。だからこそですが、辻さんと一緒に私自身も成長していきたいなと思っています。その気持ちが通じていたのかな、と思えました。なんか、ありがとう。
辻:すごく通じています! なんか、このやり取り、くすぐったいですね…(笑)。
永島:(笑)。
永島:エンジニアってひとり黙々と作業する時間が長いだけに、たまにみんなで食事に行っておしゃべりすることが、いい息抜きになるんです。コロナ禍になる前までは、社内外のクリエイターやクライアントさんなど色んな人と食事に行く機会があったんですが、辻さんにはまだそうした場をあまり作ってあげられていないので、そこはちょっと申し訳ないな…。
辻:それでも、普段から永島さんだけじゃなくRIDEの皆さんが私のことを気にかけてくれているのが伝わります。皆さんのギャップにもホッとしましたし。
永島:ギャップ?
辻:皆さん、仕事中は集中して黙々と作業しているじゃないですか。それが休憩時間や業務外になると、すごい気さくに声をかけてくれて安心したんです。
永島:意外とね、強面な人も話してみたら優しいでしょ(笑)。RIDEはもとからアットホームな雰囲気ではあったけど、フリーアドレスになってから社内コミュニケーションがさらに活性した気がする。毎日入れ替わりでいろんなメンバーが近くに座るから、自然と会話しやすくなったんだよね。
欲を刺激され、その欲を大歓迎する社風
― そんなお2人が目指す「今後のキャリア」について聞かせてください。
永島:私はクリエイティブ・テクノロジー・ビジネスという領域をまたぐ越境クリエイターを体現していきたいです。今はプレイヤーであると同時に、テクニカルディレクターとしてプロジェクトの指揮もしていますが、少し前までは自分がこうした立場になるなんて想像もしていませんでした。
エンジニアは手を動かしてなんぼ。このままずっと手だけを動かし続けるもの。そう思っていたから。
でも、クライアントが抱える課題を解決したり、それらを高い品質で提供し続けるには、デザインやUI/UX、ドメインなどさまざまな視点を持っておく必要がある。するとコーディング以外のことにも自然と興味が湧いてきたんですよね。
これはサービスの企画運用をしていた辻さんが「もっといいアウトプットにしたい」という気持ちからプログラミングに興味を持った流れと同じだと思います。
辻:そうですね。私はRIDEに出会ったことで、ひとつの領域にとどまらない働き方への憧れが、さらに強くなりました。職人的にコーディングに没頭しながら全体の指揮も執って、デザインの領域にも踏み込む。そういうメンバーたちの仕事ぶりを見ていると、純粋にかっこいいなぁって思うんです。
永島:そのぶん、専門領域以外の知識も求められるから、大変なこともたしかです。ただ、大変さ以上にやりがいは大きい。
プロジェクト全体を見れば見るほど、「テクニカル領域だけじゃなく、次はクリエイティブ全体の指揮を執りたい」というように、どんどん欲が湧いてきて(笑)。
うちではそういう仕事のスタイルが普通で、エンジニアもクライアントとの企画会議に最初から立ち合ってもらうことも多いので、辻さんにもどんどん興味の幅を広げてもらいたいです。
辻:まさに今、興味の幅がぐんぐん広がっています。皆さん、興味を持ったことに対して「じゃあ、やってみようか」ってまず言ってくれるじゃないですか。チャレンジしたいことを受け入れてくれるチームの雰囲気が、すごくいいなって。
私が目指しているのは、サービスの企画運用とエンジニアのノウハウ、その2つを合体させたアプローチの実現。そこを目指して、まずはフロントエンドエンジニアとしてのスキルを磨くことが目下の目標です。
永島:辻さんからたくさんの刺激をもらって、私は今、育成やマネジメントの楽しさも感じていて。多様なバックボーンを持ったメンバーと関わることで、今までなかった新しい興味が刺激される。これもRIDEの面白さのひとつかもしれません。
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同じ社内にいても、なかなか表立って見えないエンジニアの仕事。私たち広報チームにとっても、意外なことや知らなかったことがたくさんありました。
日々エンジニアとしてのスキルアップを目指す辻さんと、エンジニアに軸足を置きながらディレクター、マネージャーへと仕事の領域を広げる永島さん。
業務や役割はそれぞれ違うものの、仕事に「欲張り」な姿勢は同じ。そんな欲張りな人こそ、RIDEでワクワクしながら仕事を楽しめることを改めて実感することができました。