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ビジョン・ミッション・バリューの設定から浸透させるまでにやったこと(その1)

会社が大きくなるフェーズで、「ビジョン・ミッション・バリュー」(以降、Spirit)を作って、メンバーの意識統一を試みる会社も多いのではないでしょうか?一方でSpiritを作ったけれども、社内で浸透せず飾っているだけになってしまっている会社も多いということも聞きます。

そこで、リフカムでも「ビジョン・ミッション・バリュー」これらをまとめて「Refcome Spirit」なるものを作ったので、設定〜運用までのやってきたことをまとめてみたいと思います。まだ生まれたてのSpiritなのでぜひ皆さんからの意見も貰えればと思っています!


ステップ1:Spiritの設定

Spiritを創る目的を明確にする

あなたの会社では、なぜSpiritが必要なのでしょうか?なにごとも目的が明確で無いと運用は上手く行きません。僕たちの場合は私たちは、以下の2つでした。

①短期的に必ずしも「売上」と比例関係ならない「課題解決」や「実現したい世界観」といったものを具体化することで、一貫性のあるブレない組織を作りたいと思ったから。

②今後、仲間が増えていっても「バリュー(行動指針)」や「ビジョン(実現したい世界観)」の共感を採用選考のセンターピンにすることで、採用のミスマッチをなくしたいと思ったかったから。

特に②の考え方は、メルカリの石黒さんの考え方にインスパイアを受けています。

ビジョン・ミッション・バリューそれぞれの定義を明確にする

Spiritを構成する要素は、それぞれの文言の定義が会社によってまちまちであったり、3つ揃えているわけでなかったりすると思います。ですので、Spiritを構成する要素の定義をきちんとしておくべきです。リフカムの場合は以下のような整理をしています。

ビジョン:どういった世界を実現するのか?(Why)
ミッション:どうやって実現するのか?(How)
バリュー:何を大切にして日々働くのか?(What)
ちなみにこの考え方で、僕が好きなのはサイモン・シネックのゴールデンサークルです。

ボードメンバーで納得感あるものに磨きあげる

まずは、代表が納得感あるなと思う文言を考えきることが重要です。その後に、役員など少数のボードメンバーと議論を交わしながら修正をしていきます。ポイントは2つです。

1つめは、ビジョンの達成度を定量的に測る方法を考えてみることです。例えばリフカムの場合は、「社員にとって紹介したい会社で溢れる世界。」をビジョンとしていますが、それを定量化すると、

現在、日本において労働人口は6000万人と言われています。そのうち、自分の会社を友人に紹介したいオススメしたいという人はどれくらいいると思いますか?せいぜい5%だと僕は思います。けど、1日8時間、週5日、それを何十年も続けるのに「自分の会社を紹介したい!おすすめしたい!」と言える人がそれくらいしかいないのは、世の中の圧倒的な不だと思うんです。それを僕たちの手で5年間で90%にまでしよう!「社員にとって紹介したい会社で溢れる世界」を実現しよう。

といった感じです。その数字を売上とは別の数字で見える化できると非常に良いです。僕たちは、これを大きなディスプレイで映して、ビジョンの体現を常に手触りあるものにしていきたいと思っています。

※(参考画像)リフカムのビジョン達成度を見える化するディスプレイ

2つめは、会社のフェーズを切り分けて考えて、こういったフェーズだからこそ、この行動指針が必要だよね。と説得力のある説明ができることです。会社のフェーズ定義については、色々な考えがあるのですが、リーン・スタートアップと、リクルートの共創力が参考になりました。詳細は、ステップ2のプレゼン資料を御覧ください。

メンバーと1on1をしてSpiritを「自分もの化」する

ここまで磨き上がってきたら、メンバーにSpiritのドラフトを共有して、意見をもらいます。「自分はこういったことをもっと大切にしたい。」或いは「こういった文言のほうが伝わりやすいと思う。」といったようなアイデアをもらって反映していきます。この共創といったプロセスは、浸透にとって大切ですし、ボードメンバーが見落としていた大切な要素も発見されます。

また、この際に普段から言葉で発しやすいようなキャッチーなフレーズになっていくと尚良しです。

※紙に書きながらディスカッションしました

ステップ2:Spiritの発表

Spiritをプレゼンテーションする

ステップ1でまとめてきたコンテンツを織り交ぜた形で、資料に落として発表します。リフカムの場合は以下のようなアジェンダで僕からプレゼンテーションしました。

1.Spiritを創る理由・目的
2. 変えなくてはいけない世界
3. ビジョンについて
4. 事業のフェーズ
5. バリューについて
6. 活用シーン
実際のスライドシェアの資料はこちら。

特に2と3のビジョンにおいては、社員がリファラル採用をするときに、代表の自分に変わってメンバーが友人に喋ってもらえるように、分かりやすく、情熱的なプレゼンテーションする必要があります。

また、5のバリューとして求められるものは、アップデートされることもある考えるので、今はどういう事業フェーズだからこういったバリューなのか?は、意志と意図が伝わるように資料にて設計しています。

また、活用シーンではこのあとのステップ3で紹介するようなAWARDや評価につなげていくということを伝えることで、ネクストアクションを切るとすぐに意識しようと気持ちを切り替えられるので良いです。

常に目に触れられるように

オフィスにおけるボードや、手に持ってもらうカードが有る業務中に行き詰まったときにふと見直すことが出来るのでオススメです。また、当社ではSlackを使っているので、Valueごとにバリュースタンプを作成しています。そのValueを体現した発言があったりするとリアクションするようにしています。

Spiritカード(手のひらサイズで持てるものです)



Spiritボード

SlackでのVALUESスタンプ

ステップ3:Spiritの運用

率先して普段から口に出すように。

言葉遊びするようになったら勝ちなので、敢えて多くその言葉を多く使うようにしています。また、略したりキャッチーな言葉にするのも大事です。ここもメルカリさんが上手だなと思って勝手に参考にさせてもらっています。

また、週に1回、自主的に朝礼でSpiritを体現したと思うアクションを発表してもらうと言ったことも有効かと思います。更には、代表や役員が引きつけに行う面談や面接にメンバーも同席してもらうことで、ビジョンの語り方やバリューの説明を学んでもらうといったことも出来ると効果的でした。

OKRの達成とSpiritの体現によって評価を行うようにする

当社の人事評価の仕方は、以下の3つからなります。こうすることで、例えばOKRは達成していても、Valuesを体現していない人は評価されないこととなります。例えば、当社のValuesでいえば、圧倒的に売上を出していても、Valuesの「仲間を大切にしよう」が体現できていなければ、評価はされません。こういった会社として、何を「良し」とするかをオフィシャルにしていきます。

  1. OKRの部での達成度
  2. OKRへの貢献
  3. Valuesの体現

Spiritの体現者を表彰するAWARDを設定する

Q末にメンバーからどういう取り組みをしてきたかを5分プレゼンをしてもらいう会を実施しています。最もSpiritを体現したと思う人を全員が投票をしてAWARDとして表彰します。

これを行うことで、Q末にプレゼンで発表できるようにと日々業務の中でSpiritを意識したり、具体的な行動とSpiritが紐づくようになります。Spiritを体現した人を伝説化していくことでカルチャーとして染み付かせていきます。

※ビジョンを体現して成果を出す人を「あばれるくん」と呼んだりしていますw
AWARDのスライドの説明資料はこちら。


これから

ビジョナリー・カンパニーでは、ソニー(当時、東京通信工業株式会社)がSpiritを設定することから会社を初めたということが記されています。つまり、事業が決定する前に設立趣意書を創ったと言われています。この話は大学の恩師であり、レオス・キャピタルワークスの藤野英人先生から学びました。

チームを纏めたいから、事業を成功させたいから、売上を最大化したいから、さまざまな理由がSpiritの設定の目的としてあるかもしれません。ですが、会社そのものを一つの作品として、チーム全員がいきいきと働ける会社にするには必要不可欠なものだと個人的に思っています。

私達自身、今後、更にチーム全員でSpiritの体現とアップデートにも励んでいきます。

さいごに、Spiritの重要性を日々伝えてくれる株主の前田 ヒロさん、佐俣 アンリさん、そして具体的な設計に向けてアドバイスをくれた河合 聡一郎さんに、いつもありがとうございます!

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