ミスマッチを予防できる社会を創る
株式会社リアライブに入る前
大学では心理学を専攻、 臨床心理士になるべく大学院進学を目指していました。
家族と距離を置くため一人暮らしをしつつ、 奨学金とアルバイトでなんとか頑張ってしましたが、 結局、そのような環境では大学院進学は遠く、 興味のあったアパレル業界に就職しました。
そこで目の当たりにしたのは、ドロドロとした人間関係。 多少はあるだろうと想像はしていたものの、 “人を大切にしている”ことを企業選びの最重要項目にして、 厳選に厳選を重ねて入社を決めたはずでした。
しかも、陰口だけならまだしも、そこにはスタッフ同士の諍いもありました。 お客様と向き合い、自分のスキルを磨くどころか、 「お前は誰の味方なの?」と意味のない派閥争いの為に働いている日常でした。
「このままではいけない。ファッションが好きで接客が好きで集まっているのに、何故こんな状況になっているのだろう」
「お互いの悪いところばかりが見えていて、認め合えていないのが原因ではないか」
「ならば互いの良いところを発見・共有し、認め合える店舗にしよう!」
そう思った私は、当時スタッフとの関係構築に悩んでいた店長に “ほめる制度”の企画を提案しました。 スタッフ約20人のうち毎月4~5名を選出し、対象スタッフの外見以外の良いこところをカードに書いてバックルームに貼り、 月次ミーティングで共有するという取り組みです。
例えば“いつも仕事が遅いと言われているAさん”がいたとします。
「Aさんはいつも仕事が遅い」と思っているスタッフがいる一方で、
「Aさんはいつも仕事が丁寧で正確だ」と評価しているスタッフがいることを 店舗全体で共有・認識させるのです。
お客様優先の接客業はスタッフ同士で何かを伝える時も、短い言葉でサッと伝えてしまうことが常ですし、働いていると褒められるより、叱咤されることの方が多くなってしまいます(笑)。
“ほめる制度”は、普段見えていない個々人の強みを全員で共有し、 Aさんに対して見る目を変え、Aさん自身にもポジティブな自分を認知してもらうことが狙いでした。
「あなたはここに必要だよ」 「自分はここにいてもいいんだ、必要とされているんだ」
互いを理解し、自己肯定感持ったスタッフがたくさん居る生まれ変わった店舗は、雰囲気の良さもお客様に伝わるのか、売上も向上しました。
この経験で学んだことは「働く環境の大切さ」でした。
学生時代に辛いことが沢山あったけど、社会人になって職場環境に恵まれれば、人生いくらでも取り返せるな、と身をもって体験したのです。 かつては、臨床心理士になればマイナス状態の人をプラスにできる(治療)と思っていたけれど、働く環境を整えてマイナスの状態になる人を減らすこと(=予防)の方が遥かに価値がある!と思うようになりました。
これが冒頭で述べた、 「人が活き活きと、やりがいを持って働くことができる世の中を作りたい」 という想いを持つきっかけです。
“働く環境次第で、人生は大きく変わる”
働く環境を整えることで、仕事で苦しい思いをしている人を助けたい。 苦しい環境で働き続ける人を生まない“予防”ができる仕事がしたい。 目指す方向が固まった私は、“ほめる制度”を実行しながら、 独学で心理カウンセラーの資格を取得しました。
そして資格を生かし、 「人が活き活きと、やりがいを持って働くことが出来る世の中を作りたい」 という新たな目標に向かって転職を決意しました。 “予防”をしていくため、まずは自分の失敗を生かし、 働くということのはじめの一歩、新卒の支援から始めよう。
学生と企業が互いに良い部分も悪い部分もさらけ出し、 相互が理解しあってミスマッチのない採用・就職に携わろうと思ったのです。
今後どういうことをしていきたいか
互いにうわべしか見せない現在の就職活動では、ミスマッチを防ぐことは不可能です。 この日本の新卒採用の因習を破壊しない限り、 苦しい環境で働き続ける人を生まない“予防”はできません。 今度は、このリアライブで誰もが活き活きと、誰にとっても幸せな環境で仕事ができる社会を創造していきます。