「欲しかったのは圧倒的な手触り感」コンサルからベンチャーへ飛び込んだ男 | ラクスル株式会社
(印刷事業本部 産業推進室 手塚裕亮) ジャズと車いじりが好きな学生で、何かモノを創り出す手伝いがしたい、と思いで就職活動をしていました。 ...
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入社して3年が経ち、印刷事業本部からアドプラ事業本部(TVCM事業)へ異動した手塚さんに
自ら環境を変えた背景と新たな挑戦について語っていただきました。
▼2016年入社の手塚さんのストーリーはこちら▼
攻めっ気溢れるこの会社において、比較的珍しく守りが得意な人間だと自認しているのですが、印刷事業部も一旦カタチができあがり、元々一緒に仕事をしてみたかった取締役CMOの田部が新規事業を立ち上げ中だったので、自分から異動を打診しました。
個人としても「攻め」が苦手だと認識していた事もあり、新規事業、しかもTVCMなんて攻めを勉強するのはこの上ない環境。事業運営の目線からTVCMの位置づけは当然認識していましたが、しっかりとマーケティングの世界に飛び込むのは初めて。始めようとしないと始まらないよな、と腹を括って、改めてベンチャーに転職するつもりでの異動でしたね。
この事業を、ただの広告代理店ではなくプラットフォームとして立ち上げる事。といっても何の事かわかりませんよね。基本的に考えている事は2つです。
1つ目は、「x年後に10倍のPLになるとして、それを今の人数でやるにはどうすればいいか」
2つ目は、「x年後の未来を1年・半年で(前倒しで)実現するには何をすればいいか」
そのための材料は、ラクスルスタイルで言う「高解像度」を持つことで得られます。ですので営業実務に始まり、メディア各社との調整、事業計画、アライアンス交渉、システムの設計、経理/法務調整と、、映像制作以外のほぼ全ての実務に関わっています。
ちなみにこれ、管掌しているという意味ではなく、本当に単独営業、請求書の作成やフォーマットの整備、契約書の一字一句の確認から局トップとの打ち合わせまでやってます。手が足りないのではなく、意図的に業務の振れ幅を広くとることで思考の幅も広げようとしています。
実は、仕事の仕方や考え方自体は驚くほど、過去の経験がそのまま生きています。
実務に入り、「今この工程は何の付加価値があって、誰が喜んでくれるのか」を考えながら、そして「なぜこの工程が発生したのか」社内外の先人達の話を聞きつつ整理、再構築しています。
TVCM・マス広告は印刷以上に、何がどうなっているのか分からない業界で、これは素直に驚きました。長期に渡って過激な競争に晒されなかった結果、独自の商習慣や管理体制が構築されている。
この何が問題かというと、他の産業で磨かれた色々な改善手法が適用できないんですね。逆に言えば、改善の余地がそこらじゅうに転がっている。
詳しく書けないんですが、毎日数回「えっ!?」と驚きがあります。これが楽しい。
しかもそれが、国内有数の巨大産業。まさに「世界をよくできる」チャンスと向き合える実感があります。
もう一つ。「世界をもっとよくする」ためには、まず自分が。そして自分の会社、組織がよくできて、初めて言える言葉だなと再認識しています。適用したい改善手法は既存の知見かもしれませんが、それを適用するために向き合っているのは一筋縄でいかない相手。そもそも人でも、会社ですらなかったりするので、日々新しい挑戦と成長を実感できています。
なぜ、メーカー、それも現場にいた自分がベンチャー、マスマーケの世界でも通用しているのか?ひとつの解は、管理会計、とくに原価的な考え方かもしれません。これは上述した、他産業からの改善手法の展開という話とも関係します。
メーカーの現場において、原価に触れないセクションは私の知る限りありません。個別商品や個別の生産プロセスにおいて、メーカーは原価低減と販売単価の引き上げに死力を尽くします。
一方でマーケティングの世界でしっかりと分析ができるようになったのは、意外に最近のこと。メーカーが商品別、工程別に切り分けて来たレベルに対してはまだまだ緩いんです。
ただ、メーカーにおいても販売管理費を原価的に捉えるってことをやっている会社は多くないはず。ここに、組み合わせの妙が効いてます。
マーケで言うところの「CPA(顧客獲得コスト)」は原価、「LTV(顧客生涯利益)」は売価。差分を利益(=成長ポテンシャル、将来原資)みたいに考えると、結構いろんな事に納得がいったり、新しい発想につながったりするんですね。こういう異業種同士の掛け合わせが効く瞬間が、やっていて一番面白いなと思う瞬間です。
「現在の仕事」でも書きましたが、ラクスルで、事業推進に携わって大事にしている思考は大きく2つ。
1つは、「現状の人数で10倍の仕事をやるにはどうすればいいか」。2つ目は、「5年後、10年後の未来を来年、明日実現するにはどうしたらいいか」。
それを実現するため、ラクスルでは3つのスタイルが、評価制度に反映されるほど大事にされています。
1つめは「高解像度」。時には自ら現場に飛び込み、課題を最小単位で捉えること。そしてそれを再構築し、より高い課題設定に結び付けていく事。
2つめは「仕組み化」。業務の本質を悩み抜き、いかに早く、いかに正確に業務を進めるか。システム化すべきところ、人が型化されるところ、型化できないところを見極めていく事。
3つ目が「互助連携」。どんなに業務が仕組み化されても、人が居なくなるわけではありません。いち広告代理店ではなく、プラットフォーマーとして成り立つためには、産業の上下左右・・あらゆる領域で色々なステークホルダーとの調整が必須です。
上記3つが噛み合う事で、産業変革への大きな原動力に繋げる事が出来ます。
より業務にFitする「仕組み」を作るため、その優先順位を定めていくために「高解像度」を求めて時には現場に飛び込み、産業全体を「連携」させる。
非常に高い目標ですが、一緒に挑戦してくれる仲間はいつでも求めています。
自分自身、この3年はその前の10年に匹敵する成長を実感しています。
少しでも興味が湧いたら、いつでも遊びに来てください!