パブリックテクノロジーズ(以下、パブテク)は、その名の通り「パブリック」に「テクノロジー」で向き合う会社です。
テクノロジーの進化が加速するいま、「コードを書く」という行為そのものは、AIに置き換えられつつあります。では、エンジニアの本質的な価値はどこにあるのか。パブテクが出した1つの答えは、「現場を知ること」です。
自治体が抱える課題を自分事として捉え、プロポーザルの段階からビジネスロジックに関わり、プロダクトに落とし込む。コードの向こうに人がいることを、常に意識し続けるエンジニアであること。
今回は、技術開発部でエンジニアを務める伊藤さんに、AI時代に現場へ深く入り込む理由と、この仕事の面白さについて聞きました。

技術開発部 / 伊藤 源太 さん
目次
- サッカー選手からエンジニアへ、異例の転身の背景。
- 入社半年で、フロントエンドからフルサイクルへ。
- AIに「淘汰されながら」、本質へ向かう。
- 「よく喋る」エンジニアたちと、一緒に日本の未来を作る。
サッカー選手からエンジニアへ、異例の転身の背景。
── まずは、パブテクに入るまでの経緯を教えてください。
伊藤さん:
もともとサッカー選手をやっていて、大学を中退して2年半ほど海外でプレーしていました。でもコロナ禍で海外に行けなくなって、「これからどう生きるか」を初めてちゃんと考えたんですよね。頑張れば稼げる仕事ってなんだろうと考えて、適職診断してみたらコンサル・エンジニア・デザイナーが出てきたんです。
まずデザイナーを試したんですけど、やってみて「俺、余白とか色の違いが全然わかんない」って気づいて(笑)。でもエンジニアでコードを書いたら、画面に文字が表示された瞬間、「めっちゃ面白い、向いてるかも」って感じて、そのままエンジニアの道へ進みました。
それで最初に入社したのが京都のウェブ制作会社。その後、医療系スタートアップに転職して、27歳の時に今のパブテクにジョインしました。
── 医療系から行政DXへ、かなり幅の広い転身ですが、なぜパブテクを選んだんですか?
伊藤さん:
原点は自分の育ちにあるんですよね。
僕は小さい頃に親が離婚して、シングルマザーの家庭で育ちました。あと今も難病を抱えていて、高額医療費制度のおかげで、何十万・何百万かかる治療も定額で受けられています。そんな経験から、行政の手当に支えてもらいながら生きてきた実感があるんです。
行政の助けがなかったら、今の自分はなかった。日本が良かったから、自分は生きてこられた。だから今度は、その仕組みを守って、次の世代に渡したい。そういう気持ちがベースにあります。
医療系スタートアップに入ったのもその流れで、「社会貢献性の高い仕事がしたい」という思いからだったんです。働くうちに、もっと広く行政ドメインに関わりたいと思い始めて、転職活動をしていた時に見つけたのがパブテクでした。
同世代が多かったことと、「Japanese Dynamism」というビジョンにめちゃくちゃ共感したこと、あとは地域の細かいところにまでアプローチしているプロダクトを見て、「本気で日本のためにやってるな」と感じてパブテクにジョインしました。
入社半年で、フロントエンドからフルサイクルへ。
── 今はエンジニアとしてどのようなことを担当していますか?
伊藤さん:
今はAI配車プロダクトのリプレース作業のリードと、AI行政のコードレビューや技術的な相談を担当しています。ライドシェアの仕様策定、RAG管理UIなど、プロダクトのコアな部分に深く関わっています。
── 入社してから、担当領域がかなり広がったと聞きました。前職と比べてどんな変化がありましたか?
伊藤さん:
前職ではフロントエンジニアとして、フロントの実装を担当していました。転職時はフルスタックエンジニアになりたいという気持ちもあったのですが、パブテクに入ってからは、バックエンドもやるし、DB設計もやるし、コードレビューもやるし、要件定義もやるようになったので、もうフルスタックというより、フルサイクル、プロダクトエンジニアみたいになってきた感じです。転職してきたのにやることがめちゃくちゃ増えましたね(笑)。
── 担当領域が広がったきっかけはなにかあったのでしょうか。
入社2週間後に東京都のプロジェクトに参加することになって、コードベースもわからない状態でRAGを使った文書管理の改修に関わりました。自分にとっては難易度が高かったのですが、それで一気に幅が広がったと思っています。
あと、今はテックリードが育休中という状況の中で、設計判断も自分でしなきゃいけなくて。プレッシャーはありますが、半年でここまで領域が広がった環境って、なかなかないと思いますし、そこまで任せてもらっていることにやりがいがありますね。
── エンジニアとして、パブテクで技術的に一番挑戦だと感じた部分はどこですか?
伊藤さん:
一つはAI行政での、LLMプロダクトの実装です。プロンプトチューニングやコンテキストエンジニアリング、LLMって処理に時間がかかるので、どう高速化するか、どうユーザーに負荷をかけずに体験を作るか——今まで触れたことのない領域で、頭をかなり使いました。技術的に一番伸びたな、と感じています。
もう一つは、AI配車プロダクトのリプレイスを通じたDB設計です。正直、既存のプロダクトには、急いで作ってきたがゆえに複雑になってしまっている部分があります。それを正しく設計し直すために、SQLアンチパターンの本を読んだり、リファクタリングの知見を積んだりしました。サッカーで頑張る習慣がついていたからこそ、この種の自己学習がすんなりできるなとは感じています。
あと、パブテクならではだと思うんですけど、エンジニアもプロポーザルの内容を見るし、参加するんですよ。自治体が何を求めているか、どういう課題を抱えているかをエンジニアが把握した上で開発に入る。行政ドメインって、自分も一人の住民として「自分事」として捉えやすい。エンジニアがビジネスロジックを営業と議論できる環境って、実はあまりないと思っていますし、これも一つの挑戦的な部分だと感じています。
AIに「淘汰されながら」、本質へ向かう。
── AIがコードを書くようになって、エンジニアとしての仕事はどう変わりましたか?
伊藤さん:
正直に言うと、「アイデンティティが揺らいでいる」感覚があります(笑)。チケットを見て実装する、という仕事は、AIが担えるようになってきたので、「俺、ほんまにいるん?」って思う瞬間もあったり。
でも同時に、仕事の中身が変わってきているのも実感しています。今はチケットを作る側、設計する側にシフトしています。CursorやClaudeを使いながら、「保守しやすい設計になっているか」「自分が後から読めるコードか」を考えながら、AIの出力をレビューしたり設計する仕事が増えましたね。
AIに救われながら、淘汰されている——そんな感じです(笑)。でも、どういうエンジニアになりたいかを考えたとき、「顧客の課題をすぐ解決できるエンジニア、事業を前に進めるエンジニア」になりたいという気持ちは変わらないので、AIが実装を担うからこそ、その本質に集中できる環境になってきている、と前向きに捉えています。
── そのAI時代に、パブテクのプロダクトはどう生き残っていくと思いますか?
伊藤さん:
AI行政に関しては、世に出ているAIツールの進化が早すぎるので、いつ淘汰されてもおかしくないとは思っています。
だからこそ、より自治体の内部に入り込んで、汎用AIでは解決できない「行政固有の課題」に向き合い続けることが重要だと思っています。LGWANという閉鎖的なネットワーク環境での開発、情報が公開されていない制約の中での実装——これは大変ですが、逆に言えば、そこに踏み込めるプレイヤーが限られているということでもあります。
大企業も参入してくる競合の多い領域ですが、僕は「相手が強い方が燃える」タイプなので(笑)。スタートアップとして、大企業には動けないスピードと、現場への深さで勝負するのが面白いと思っています。
「よく喋る」エンジニアたちと、一緒に日本の未来を作る。
── パブテクの技術開発部の雰囲気はどうですか?
伊藤さん:
うちのエンジニアはめちゃくちゃ喋るんですよ(笑)。
「エンジニアはコミュニケーションが苦手」みたいな風潮ってあるじゃないですか。でもパブテクは誰一人そうじゃない。Slackも技術記事のシェアで毎日盛り上がっているし、ランチも一緒に行くし、江ノ島に行ったり、ジムに行ったりもしています(笑)。
僕自身も技術記事をSlackでシェアするのが好きで、「自分だけが知っている状態より、出しておいた方がwin-win」というスタンスでやっています。自分が発信すると、誰かが別の情報を返してくれる。それが技術的な会話のきっかけになって、チームが活性化する。結果、すごくフラットで、役職の垣根もあまりないですね。マネージャーとも代表とも普通に話すし、みんなで決めてみんなで作っていく感じが、居心地いいなと感じています。
── 最後に、パブテクへの入社を検討しているエンジニアへメッセージをお願いします。
伊藤さん:
自分が作ってきたものって、今の誰かを幸せにしているじゃないですか。パブテクで行政のプロダクトを作るということは、それが今の自分の周りだけじゃなくて、知らない誰かも幸せにするし、その子供の世代も幸せにする。自分が死んだ後にも世の中を良くし続けられるものを作れる——それが行政という仕事ならではだと思っています。
自分が日本で育ったから日本が好きで、その日本をいい状態のまま続けていきたい。そういう気持ちがベースにある人と、一緒に働きたいです。技術スタックとかスキルセットよりも、その熱量があるかどうかの方が大事かな、と個人的には思っています。
あと、設計が得意な人、大歓迎です(笑)。AIが実装を担う時代だからこそ、アーキテクチャや設計の力がますます重要になってくる。一緒に学びながら、いいプロダクトを作っていきましょう。
── 伊藤さん、ありがとうございました!
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