「正直に言うと、転職の軸がなかったんです」
そう語るのは、Govtech事業部でCSを担う 渥美 樹さん。航空物流、専門商社、メーカー、人材紹介と、複数の業界で営業職を経験し、toB・toCの両方を渡り歩いてきました。
現在は、パブリックテクノロジーズ(略してパブテク)で、自治体と連携した「公共交通事業」の運用を支えるCSとして、複数の案件に関わっています。マニュアル整備やシステム調整、関係者との折衝など、多岐にわたる業務を担いながら、現場を支える渥美さん。
なぜ、この領域を選んだのか。そして「toG×CS」という仕事は、実際にどのような役割を担い、どんな難しさがあるのか。
これまでのキャリアをたどりながら、そのリアルに迫りました。

地方自治体向け「パブテク」セールス(公共交通∕地域活性化領域) 渥美 樹さん
目次
- toB・toCを経て選んだ、toGという新たなキャリア
- “副担当”として横断する。現場と仕組みをつなぐCSの仕事
- 数ある自治体と向き合うために 横の連携でチームを進化させる
toB・toCを経て選んだ、
toGという新たなキャリア
── まずは、これまでのご経歴について教えてください。
渥美さん:
最初は航空物流の会社に入って、成田空港で輸入貨物のオペレーション業務をやっていました。
その後、専門商社に転職して、輸入部品の営業を3年ほどやっていて。通関や見積もり作成など、一般的な営業の業務ですね。
そこから船舶用エンジンメーカーに移って、同じく営業として補修部品の販売などを担当していました。
── そこから人材紹介の会社にも行かれていますよね。
渥美さん:
そうですね。ずっと営業をやってきたので、人事系の仕事にも少し興味があって、一度人材紹介の会社に入りました。
ただ、実際にやってみると、自分の興味の向き方が少し違うなと感じて。
改めて、自分はtoBの領域で、企業と向き合う仕事の方が合っているのかもしれないと思うようになりました。
── toBに戻ることを考えていた中で、あえてtoG・toCの領域でもあるパブテクを選ばれたのはなぜだったのでしょうか?
渥美さん:
正直、最初から「toGに行きたい」と強く思っていたわけではなくて。どちらかというと、「営業が全部やるモデルじゃない仕事をやってみたい」というのが先にありました。
パブテクって、営業とCSが役割として分かれているじゃないですか。そういうモデルを一度やってみたいなと思ったんです。
あとは、もともと既存営業をやっていたので、その経験も活かせるんじゃないかと思っていて。
── 30代での転職、かつ全く違う業界への挑戦は、かなり珍しいケースだと思うのですが、不安はありませんでしたか?
渥美さん:
やっぱり年齢的にも、「このタイミングで環境を変えて大丈夫かな」とか、「選択肢が狭まるんじゃないか」という不安は普通にありました。
ただ、実際にやってみると、業種が変わっても、思っていたより大きく変わるわけではないなという感覚もあって。
これまでやってきたことがまったく無駄になるわけではないですし、別の形で活きているなと感じる場面も多いです。
もちろん簡単ではないですが、「やってみないと分からないな」というのはすごく思いましたし、「大体どうにかなる」というのは、やってみて思ったことですね(笑)
“副担当”として横断する。
現場と仕組みをつなぐCSの仕事
── 現在はどのような業務を担当されているんですか?
渥美さん:
今は主に、自治体と連携したAI配車などの公共交通サービスの運用に、CSとして関わっています。地域の移動を支える仕組みを、現場で実際に回していく役割ですね。
自分が一つの自治体をメインで担当しているというよりは、複数の自治体に副担当として関わっていて、横断的に見ています。今は6,7団体くらいですね。
日々の運用に関わる細かい確認作業もありますし、エリア拡大に向けたマニュアルの整備や、システム変更に伴う調整なども行っています。
── 他の方にもお話を伺ってきたんですが、「副担当」って少し特殊な立ち位置ですよね。どんな役割なんですか?
渥美さん:
そうですね。
一つの自治体に深く入るというよりは、複数の案件を横断して見ているので、それぞれのやり方の違いや、うまくいっているポイントに気づきやすい立場ではあると思っています。
その中で、ある自治体でうまくいっているやり方を別の自治体に展開したり、逆に合わない部分は調整したりと、全体を見ながら最適化していくような役割に近いですね。
ただ、今はまだ、そういった知見が個人の中に留まってしまっている部分もあって。マニュアルが整いきっていなかったり、やり方の再現性が高くない部分もあるので、そこは今後しっかり仕組みとして活かしていきたいと考えています。
── 今のお話にも少し通じると思うんですが、これまでの仕事と比べて違いを感じる部分はありますか?
渥美さん:
これまでは、例えば商社だったりメーカーだったりで、扱っているものは違うんですけど、基本的には「モノやサービスを届ける」仕事だったと思っていて。
その先でどう使われているかを考えることはあっても、実際にその現場に入り込むことはあまり多くなかったんです。
一方で今は、自治体の職員の方だったり、タクシー事業者の方だったり、かなり現場に近いところでやり取りすることが多くて。
その場でどう運用されているかも含めて見ながら仕事ができるので、そこはこれまでとの大きな違いだなと感じています。
── 運用の中で、仕組みづくりの難しさを感じることはありますか?
渥美さん:
ちょっと話がそれるかもしれないんですけど、大学の友人が工場でアルバイトをしていて、コンビニのサラダを作っていたらしいんです。
マニュアル通りに材料を入れていけば、誰がやっても同じものができる、という話を聞いて、「すごいな」と思ったことがあって。
今の仕事でも、個人の経験や感覚に頼るだけではなくて、そういうふうに再現性を持たせていくことが大事だなと感じています。
── その中で、特に大変だと感じることはどんなところですか?
渥美さん:
今もそうなんですが、正直これまでの運用の中で、対応しきれていなかった要望や改善点がいくつか残っている状態なんです。最初は正直、どこから手をつけていいのか迷う部分もありましたが、そこに対して、どう優先順位をつけて向き合っていくか、というのは難しさを感じる部分ですね。
実際、全部を一気に対応することは難しいので、優先順位をつけながら進めています。
改善して終わりではなく、その先も安全に運用できるようにしていく必要があるので、影響範囲が大きいものについては慎重に検討して、関係者との調整も含めて、一つひとつ整理しながら進めようと思っています。
── いわば板挟みのポジションでもあると思いますが、渥美さんはいつも笑顔ですよね(笑)なにか意識していることはあるんですか?
渥美さん:
そうですね(笑)
仕事をしていて、正直難しさや悔しさを感じることもあります。板挟みのようになることもありますし、要望に飲み込まれそうになることもあります。
ただ、すべてをそのまま受け止めすぎてしまうと、自分自身ももたないですし、そうすると現場は何も改善されません。長く続けていくためにも、「ここは必ずやる」という部分はしっかり押さえつつ、それ以外については状況を見ながら、バランスを取って対応するようにしています。
あとは、今まさに組織が変化している中でもあるので、それぞれが担当している自治体さんに向き合いながらも、横での連携をしっかり取っていくことは意識しています。
そうすることで、他の自治体でのやり方や学びを活かせる場面も増えてくるので、全体としての質も上げていけるのかなと思っています。
数ある自治体と向き合うために
横の連携でチームを進化させる
── この仕事の面白さは、どんなところにあると思いますか?
渥美さん:
やっぱり公共性があるところだと思いますね。
日本には1700以上の自治体があって、その一つひとつに対してサービスを届けていこうとすると、やっぱり個人の力だけでは限界があるなと感じていて。
今はまだ、個々の判断や対応でなんとか回している部分もあるんですけど、このまま広げていこうとすると、やっぱり仕組みとして整えていく必要があると思っています。
一方で、自分たちのやっていることが、そのまま地域に影響していく感覚もあって。責任の重さもありますが、その分やりがいにもつながっているなと感じています。
── そうした中で、今後CSとしてどんな状態を目指していきたいと考えていますか?
渥美さん:
さっきも少しお話ししたんですが、やっぱり個々の判断や対応に依存してしまっている部分はまだ多いなと感じています。
それ自体は悪いことではないと思うんですが、このまま広げていこうとすると、やっぱり限界がある。
逆に誰が担当しても一定の質で運用できる状態にしていくことが、結果的にサービスとしての価値を高めることにもつながると思っています。
なので、個々人の知見ややり方をちゃんと整理して、仕組みとして再現性を持たせていきたいですね。チームとしても、もう少し横の連携が自然に取れる状態にしていきたいです。
それぞれが見えているものを共有できるようになると、より良いやり方が広がっていくと思いますし、一つの成功事例を他にも展開できるようにもなるので、そういった積み重ねで結果的に全体の質の底上げにつなげたいですね。
自分自身も、少しずつメイン担当を任せていただく機会が増えてきているので、そうした中で得た知見をチームにも還元しながら、全体としての質を上げていけるようにしていきたいと思っています。
── そうした環境の中で、今、どんな方と一緒に働きたいですか?
渥美さん:
自分で考えて動ける人ですかね。
まだ整っていない部分も多いので、「決まっていないこと」に対しても、自分なりに考えて動ける人の方が、この環境には合っていると思います。
あとは、目の前の自治体さんや現場の状況にしっかり向き合いながら、その中でより良いやり方を探していける人。
一つひとつの対応が、そのままサービスの質や、地域への影響につながっていく仕事なので、そういった責任感も持ちながら取り組める方と一緒に働けたら嬉しいです。
── 渥美さん、ありがとうございました!