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【ProtoStarサロン イベントレポート】創業1年を振り返って気づいた『創業期に大事な5つのこと』

ProtoStarサロン第4回目にPOL代表の加茂が登壇!テーマは「起業家と投資家の双方が考える、創業時に大事な5つのこと」。

POLの投資家であるBEENEXTの前田ヒロさんと一緒に登壇させていただき、起業家・投資家双方の視点からスタートアップ創業時に大切だと思うことについてお話ししました。その中から加茂が創業1年を振り返って考える『創業期に大事な5つのこと』をレポートします!


【学び その1】ジャブを打つ。返ってきたら会いまくる。

加茂:サービスの詳細を詰めたり開発し始める前にプレスリリースを打ったんですよね。プレスリリースの目的は仮説検証と初期顧客獲得でした。問い合わせを頂いた企業に訪問してサービスの仮説をぶつけてニーズを検証しつつ、ひたすら創りたい価値やビジョンを語ってなんとか契約してもらうっていう(笑)

前田:何もないのにプレスリリース打つのは流石に度胸あるなと思ったよね(笑)アインシュタインかだれかの名言で、「90%課題について考えて、10%ソリューションについて考える」っていうのがあるんだけど、ユーザーは自分の課題についてよく知らないものなので、「どういうふうに課題を感じているのか」「どういう行動しているのか」を想像してソリューションを作る、それをユーザーにぶつけてブラッシュアップしていくっていうことなんだよね。だから早くユーザーと話した方がいい。

栗島:プレスリリースは戦略的に行ったのですか?

加茂:戦略的にやりました。SmartHRさんがやったっていう検証方法を参考にしてやりました。SmartHRさんの場合はプレスリリースじゃなくてLPだったんですけど、LPを作って少額で広告を打って検証したらしくて、それを参考にしながら、より大胆にジャブを打ちました(笑)問い合わせが来ると「これは行けるな!」と確信が持てて自信になりました。プレスリリース配信後は、サービスのリリースまで死ぬ気でプロダクトを作り上げました。問い合わせしていただいた企業に訪問して、サービス内容の仮説を検証するためにヒアリングを繰り返しました。

【学び その2】事業と組織は両輪。片方が止まったら前に進まない。

加茂:取締役の吉田と初めて会ってとき、そのMTGで学んだことは「事業と組織は両輪」ということでした。その時は今と別の事業をやろうと思っていたので、そのヒアリング目的でMTGをさせてもらったんですけど、その時指摘されたのは、事業のアイディアではなく、チームだったんですよね。その時僕一人しかいなくて、それがボトルネックだって言われました。

僕が起業家として成長するためにどうすればいいかをフィードバックいただいたんですけど、その時スケッチしてくださった組織図で、どのポジションも「加茂」「加茂」「加茂」「加茂」で全部僕が兼務していました。そこから、3ヶ月後はどういう組織になっているのが理想かということを考えて、じゃあ誰を採用したらいいのかという考えを教えてもらいました。

イベント後に組織図を限定公開!

前田:いい会社と普通の会社の違いって、組織力なんだよね。一番違うのは、社員一人ひとりに会社の方針が伝わっている。そして社員一人ひとりが「自分は来月これのためにこのようなことをやるのだ」という意識が持てていて、それが会社のどのような戦略に関わっているかを理解している状態がベスト。この理解がすごく重要で、その状態作りに効くのが組織図なんだよね。組織の形が可視化されていると、誰が何をやるのかが明確になって組織や事業がより速く進む。

加茂:あと採用って「今人欲しい!」って思ってからじゃ遅くて、早め早めに「◯ヶ月後どういう組織にしたいのか」「来年事業をこのような感じにしたいから採用はどのような具合でやるのか」みたいなことを計画して行動していくことが大事だなーと思います。

栗島:採用や組織つくりのベースは組織図なんですね。採用には時間が掛かるとのことですが、最初のメンバーはどのように集めたんですか?

加茂:リファラルですね。Facebookの友達一覧を見ながら「一緒に働きたい」と思う友人をリストアップしてメッセージを送ったりご飯に誘ったりしました。僕以外のメンバーも同じようにリストアップを行って、各々アクションを行いました。

前田:これから起業する人にオススメなのは、「こいつと一緒に仕事したいなー」という人がいたらエクセルに入れること。毎日一人でも追加していったら、3年たったら1000人たまるからね。(笑)それでそれぞれの人について、「定期的に会う」だとか「定期的に近況をキャッチアップしておく」とかフラグを立てておいたほうが良いね。

加茂:僕は学生なんで、Facebookの友達も学生が多いんですけど、インターン経験があるとかだけでなくいくつかの基準でピックアップしていました。ちなみにその基準は「地頭がいい」「素直」「成長角度が高い」「コミットできる」です。特に重視していたのは「成長角度が高い」で、学生なんで、これから伸びそうかってところですね。あとは一緒にいて楽しいかってところを大事にしていました。

前田:そうだね、一緒にいて心地良いって大事なんだよね。つまり価値観が合うことが大事で、会話のプロトコルが同じでないと議論の効率が悪くて進まないんだよね。宗教とかもそうで、信じている価値観が異なると話が通じないよね。採用とかで優秀な人材とかやっぱり採りたくなるんだけど、価値観が合ってないと採用してもやめちゃったりするから、シード期とかは価値観の一致をすごく大事にした方がいいよね。

ProtoStarサロンには起業を志すアントレプレナーが集まっています

【学び その3】情報と権限を与えて育てる。正し委任≠放任

加茂:社長工数ボトルネック問題がおきつつあるなと思っています。

どういう問題かって言うと、社長って一番成長するんですよね。これは吉田さんの言葉なんですけど、人を成長させるには「情報を権限を与えろ」と。社長は日々、投資家さんとのディスカッションや大きなお金を動かすことなど、圧倒的な量や質の意思決定の中で、どんどん思考力が上がっていきます。それでいつの間にか“社長+その他”という組織になってしまいます。そうすると、上位レベルの経営議論をできるメンバーがいなくなってしまうので、社長の工数がボトルネックになってしまいます。それで会社の成長スピードが落ちると。それを解消するためにメンバーにバンバン任せていっています。

ただ、任せたほうがいいんですけど、放任はダメだなと思っていて、ほぼほぼ任せてフォローするという意味で委任という形がいいと思っています。メンバーにもそれぞれ得手不得手があるので、適宜フォローしながら任せるということです。

前田:一番いいのは「社長が指導するような状況」だよね。社長がコーチになって社員をコーチングできるような。どんどん任せて社長が暇になるくらいがベスト。社長は常にいろいろなことを考えないといけないじゃん。財務、採用、ビジョン、とか。そういう事を考える時間があったほうが中長期的に見て会社は伸びるんだよね。特に会社の成長で一番ボトルネックになったりするのは採用だから、“人”についてできるだけたくさん考えて方がいい。どんな組織にしたいかとか週に何人面談するとか。

【学び その4】分からないことばかりで当たり前→周りに頼りまくる

加茂:僕も初めての起業だったんで、分からないことばかりで、「株式会社ってどうやって作るのか」「バリュエーションってどうやってつけるの」という状態でした。でもそれを1から全て自分で勉強しながらやるというのは非現実的なので、いろんな人に頼ってきました。財務とか法務は大事ですけど、理想は事業にフォーカスすることなので、外出できることは外出してきました。創業時から顧問弁護士に法務関連は任せたり、資本政策については栗島さんに相談したり。

前田:良い経営者って、欲しい情報はうまく取りに行く。お願い上手なんだよね。欲しい情報はなんとしてでも取りに行くんだよね。それに、自分で勉強するんじゃなくて経験者に聞いたほうが速いし精度も高いしね。

加茂:資本政策の相談は栗島さんがめちゃめちゃおすすめです。栗島さんは投資家と起業家の中立のポジションでアドバイスをくださるので、すごく頼りになりました。栗島さんは資本政策相談するのに一番いいと思ってるんで、友人に勧めまくってます。投資家に相談するとどうしてもポジショントークになってしまうので、情報の偏りが起きてしまうんですけど、フェアな立場の意見をもらえてすごい参考になりました。

前田:そうだね。VCは出資するのが仕事だから、どうしても「出資させて!」ってなるよね。(笑)あと、VCから出資を受けていて、事業に失敗した会社に話を聞きに行くのもいいよ。うまくいかなかったときの行動って人柄がでるものなので、投資先が失敗したときに投資家がどういう行動を取ったかで実態が見れたりするので、おすすめです。

【学び その5】体調と精神衛生の管理は重要な経営課題

加茂:これって経営者にとっていちばん大事なことだなと思っていて、前向きな状態のほうが人も巻き込めるし、人もついてくると思うんですよね。一回仕事しすぎて、睡眠不足で体調崩してしまったことがあって、そこで3日くらい寝込んだんですよね。その時「社長が3日間何もしないのは会社としてやばいな」と思いました。自分の体調と精神状態を管理するのも社長の仕事だなと思いました。

前田:やっぱりエネルギーって大事で、人を巻き込むのも「この人輝いているなー」という勢いだったりするからね。よくあるのが、会社を興して4年くらいたったときに経営者が疲れてしまって売却するとか、もっとうまくいくのにやめちゃうとかあるんだけど、それって「疲れてる」ことが原因だったりするんだよね。ほんとはもっとできるのに、疲労で自然と目標を下げちゃったりもする。経営は究極ずっとやっていくものだから、定期的に休みはとったほうがいいよね。

加茂:なにかの本で読んだんですけど、睡眠時間とリーダーシップは関連があるという研究結果があるらしいので、勝負だなって日の前日はたくさん寝るようにしています。資料作成とかについ力を入れたくなるんですけど、寝る時間は削らずに思い切って寝ます。「なんとかなるやろ」って。(笑)

栗島:メンバーの健康管理とかはどうしてますか?

加茂:まだあまりやりきれてないんですけど、最近気を遣いだしました。マネジメントするときって、自分の価値観に左右されてしまうことを考慮しないといけないなと思っています。僕は仕事が楽しくて仕方ないので長時間やっても平気なんですけど、みんながそうってわけじゃないじゃないですか。長時間働いても苦じゃないメンバーとかもいたりするんですけど、明らかに顔色悪くなっていくんですよね。(笑)疲れが溜まってきて議論の質が落ちたり、目の輝きもなくなっていくんですよね。そのメンバーにはみんなで温泉旅行をプレゼントしようと企画したりしています。(笑)社長が長時間働いていると気を遣ってしまうと思うので、僕は積極的に休んで「社長休んでる感」を出そうと思っています。それぞれがいいペースで働けるような環境作りを心がけています。

「5つの学び」まとめ

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POL加茂が創業1年を振り返って気づいた『創業期に大事な5つのこと』、いかがでしたでしょうか?ProtoStarサロンでは為になるイベントがたくさん開催されています!ぜひ他のイベントもチェックしてみてください^^

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