Plottは、自社IPの展開を加速させるべく、新たな挑戦としてPlott初となる『混血のカレコレ』(以下、カレコレ)のファンミーティング「カレコレファンミ!」を2024年12月に開催しました。今回は、その舞台裏で奮闘したメンバーにインタビューを行い、成功の秘訣やプロジェクトに対する熱い思いを伺いました。
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ショートアニメ事業部プロデューサー のりさん
2021年にPlottに入社し、プロデューサーとして数々の立ち上げや運用に携わる。主な担当IPは『混血のカレコレ』『ブラックチャンネル』『太鼓の達人 アニメば~じょん!』。最近一番ハマっているのは「学園アイドルマスター」。
IP展開事業部 音楽ライン マネージャー ゆーは
2024年にPlottへ入社。現在はIP展開事業部音楽ラインマネージャーとして、アニメIPの音楽制作とイベント企画を担当。仕事の傍ら、バンド活動を続けており、音楽への情熱を人一倍持つ。
IP展開事業部 音楽ライン りなお
2023年にPlottへ入社。webtoon事業部を経て、現在は音楽ラインにてアニメIPを軸とした音楽制作やイベント企画を担当している。仕事の傍ら劇団活動にも取り組み、役者として自主公演も開催。Aマッソ×KID FRESINOによる2マンライブ『QO』のように、音楽を核とした新たな体験づくりを目指している。
IP展開事業部 MD(マーチャンダイジング)・ライツライン わんちゃん
2024年1月にPlottへ入社し、現在は自社IPを活用したグッズ展開の監修マネジメントや販促企画を担当している。ボーイズグループ・JO1をこよなく愛するアイドルオタクで、休日は好きなアイドルの動画を視聴したりイベントに出向くなど推し活を楽しんでいる。
目次
「特別な体験を届けたい」Plott初のリアルイベントへの想い
「チームの枠を横断する」前例のないプロジェクトへの挑戦
「立場を超えて面白い物を作りたい」イベント進行の舞台裏
「手元に残る思い出を」ファンのニーズを掴んだグッズ展開
全員が本気で挑んだ「カレコレファンミ!」を振り返って
「特別な体験を届けたい」Plott初のリアルイベントへの想い
ーイベント開催に至った経緯について教えてください!
ゆーは:実は私が2024年2月に入社する前から、面接で「入社したらファンイベントをやりたい」と話していたんです。音楽をビジネスとして展開するには、イベントで多くの方にご来場いただいて成功させることが重要であり、いつかは実現させる必要があると考えていました。
そこで、5月末くらいから徐々に「カレコレのファンイベントをやりませんか?」という話を始めました。
ーなぜPlott初のファンイベントとしてカレコレを選んだのですか?
ゆーは:Plottの作品の中でもファンの数が非常に多く、生放送やグッズ販売などを通じて既にファンとの強い結びつきができていたからです。また、イベントをビジネスとして成功させるには、「なぜそのIPで、今ファンイベントをやるのか」というストーリーが重要だと考えています。
イベントを行う前から、カレコレではオリジナル楽曲をリリースしており、多くの方に聴いていただいていました。ただ、たとえファンに向けて作られた曲であっても、楽曲単体のリリースだけでは不十分です。ライブやイベントで繰り返し披露され、その時々の思い出や体験が付加価値として積み重なって、そこでようやく、ファンにとって「自分たちの曲」になるのだと感じています。
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これまでも、ストーリーの節目や、印象的なシーンなどと絡めた楽曲制作を進めてきました。今回のイベントでも、ストーリーと絡めた楽曲を制作し、それをライブで披露することで、ファンの皆様に特別な体験を提供することを目指しました。
ストーリー性やライブでの体験こそが、楽曲への愛着を生む鍵となる。こうした考えが今回のイベントの軸となっているような気がしますね。
「チームの枠を横断する」前例のないプロジェクトへの挑戦
ー事前の準備の中で大変だったことを教えてください
のりさん:リアルイベント自体がPlottとして初の試みだったため、来場者見込みを予測するのは難しかったですね。事前調査としてカレコレの生配信の視聴者数やアンケートを活用しましたが、それだけでは不十分でした。
ゆーは:予測が難しく、試行錯誤を重ねていた時に、これまでグッズ展開などの取り組みをご一緒していた企業様から、共催のお話をいただいて。担当者のお子様が『カレコレ』のファンだったようで、「きっと成功しますよ!」と後押ししてくださったんです。
イベント開催への熱意を社内外のメンバーで共有でき、イベント成功への確信が深まりました。
りなお:当日に向けて台本の作成やコンテンツ準備、グッズ制作など、さまざまなプロジェクトが並行して進むため、進行管理が非常に重要であり、難しい役回りでしたね。
これまでは、音楽×IP担当、MD×IP担当など、それぞれの領域ごとにやり取りを進めてきた案件がほとんどだったのですが、本イベントは複数のチームを横断するコミュニケーションが求められるプロジェクトだったので、全体を見ながら進行していく動きはかなり苦戦しました。
「立場を超えて面白い物を作りたい」イベント進行の舞台裏
ー当日のプログラムは、どのように決めていったのでしょうか?
りなお:まずは、イベント全体のおおまかな構成を決めて、そこからさまざまなチームのメンバーに協力を仰いでいきました。
例えば、ライブコーナーについては、メインキャラクターであるカレコレ屋4人それぞれの楽曲を披露することは決まっていたので、最大限全員が輝けるステージにしたいなと思って。そこで、本イベントのためのオリジナルメドレーを用意して、特別な衣装を着た姿で歌ってもらうことにしました。
のりさん:また、ストーリー第4章がクライマックスになるタイミングでイベントのプロジェクトがスタートしたこともあり、「ストーリーをイベントで公開できないか」というアイデアも提案したんです。来場した方が、よりカレコレの世界観を楽しめるようなイベントにしたくて。カレコレ屋とみなさんがスクリーンと音楽を通してひとつになることをイメージして、今回のイベントだけのオリジナルストーリーである「天国の子守唄編」の制作が実現しました。
ゆーは:これはまさに、社内でIPの企画・制作、音楽制作、イベント企画まで一貫して機能を持っているPlottだからこそ実現したチャレンジですよね。カレコレチームの協力がなければ叶わなかった企画ですし、イベントを担当する私たちが直接アイデアを提案できる環境だから形になった結果だと感じています。
のりさん:声優さんの生アフレコ企画もそうですよね。
最初は実施する予定はなかったのですが、イベントの実施告知をした際に、ファンの方から「カレコレの声優さんにもイベントに出てほしい!」と数多くの声をいただいたんです。普段から収録でご一緒している宮瀬さん、栗坂さん、露崎さん、城内さんの凄さを私自身が日々感じていましたし、イベントの大きな魅力として楽しんでいただけるんじゃないかなと思い、生アフレコ企画が実現しました。
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▲オフィスにある「カレコレファンミ!」のボードと声優さんのサイン
りなお:台本やそれぞれのコンテンツに関しても、最高の状態でファンの方々にお届けするため、それこそ本当にイベントの数分前まで調整を重ねましたよね…!
のりさん:アイデアや提案が形になるスピード感だったり、立場を超えてチーム全体で「イベントを成功させよう!面白いものを作ろう!」と取り組めるのは、Plottの良いところだな、と改めて実感しました。
「手元に残る思い出を」ファンのニーズを掴んだグッズ展開
ー当日にはイベントグッズもありましたね
わんちゃん:ファンミーティングには絶対に欠かせないのが、イベントグッズですよね。グッズにもかなり力を入れました。
初のファンミーティングということで、ペンライトやタオルなどのライブらしいグッズや、キービジュアルを用いたメモリアルなグッズなどを作ることを意識して企画しました。
特に、現地に足を運んだファンのライブ感を高めるために、ペンライトは絶対に作りたいと考えていました。ペンライトを音楽に合わせて振ったり、カレコレ屋の掛け声で各キャラのイメージカラーに色を変えたりするなど、より「イベントに来たんだ!」という体験をしていただきたかったんです。
今回のイベントでは、会場内でグッズの当日販売も実施しました。当日は、会場の階段まで人が並ぶほどの盛況ぶりで、多くの商品がほぼ完売となりました。
なかでも、特に印象に残っている出来事があります。イベントの開始直前、会場の中から販売ブースへ急いで駆け寄ってきた一人の男性が、「今からでもペンライトは購入できますか?どうしても子供に持たせてあげたくて」と声をかけてくださったのです。その方は、イベントをより楽しむためにお子様のためのペンライトを購入していかれました。
これまで、動画の再生回数やグッズの売上といった数字を通じて、私たちが手がけているIPを多くの方に楽しんでいただいているという手応えは感じていました。しかし、こうして実際にファンの方の姿を目の前にし、私たちの仕事に価値を見出してくださる方の存在を肌で感じたことで、一気に実感が湧いてきました。
会場を埋め尽くすたくさんのペンライトが揺れる様子を見たとき、涙が出そうになるほど嬉しい気持ちになったと同時に、この仕事を生半可な気持ちで取り組むことは許されないのだと、改めて背筋が伸びる思いでした。
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グッズは、「ファンミーティングに参加した」という思い出を、手元に残しておける重要な役割を持っています。今回のイベントを盛り上げる一助になっていたら嬉しいですね。
全員が本気で挑んだ「カレコレファンミ!」を振り返って
ー改めて、「カレコレファンミ!」を開催した感想を教えてください!
ゆーは:私たちが展開しているIPは、YouTube上で無料で視聴できるショートアニメコンテンツです。普段、誰でも無料で楽しめるものに対して、お客様に一定の金額を支払っていただき、実際にイベント会場に足を運んでいただくというのは、それだけで高いハードルがあると認識していました。
だからこそ、「全員で本気で挑もう」という共通の意識がありました。それぞれが自分の持ち場で最大限の力を発揮し、すべてを出し切る。そして、どうすればファンの皆さんの心を動かす空間を提供できるかを常に考えながら、全員で真摯に取り組んできたと自負しています。
りなお:イベントが終了して、SNSを見たら、ハッシュタグをつけて多くの方が感想を投稿してくださっていて、すごく嬉しかったです。
もちろん、「もっと良くできたんじゃないか」「こうしたほうがよかったんじゃないか」という反省や振り返り、次回への改善点はたくさんあるのですが、イベントが終わった瞬間はとにかく誰かに届いて喜んでもらえた事実が嬉しく、とりあえずホッとしましたね。
準備期間中は、正直かなり大変なことやしんどいこともあったんですけれど、振り返ってみると「文化祭の前日」のような雰囲気で楽しかったです。
複数のチームが横断して取り組む大規模なプロジェクトはこれまで全社的にもあまりなかったので、イベントの前日は会社全体もなんだかソワソワしてたんですよ(笑)。
わんちゃん:この期間で、経験したことのない未知の領域にチャレンジできたからこそ、階段を3段飛ばしくらいで成長できた感覚がありますね。なにより、こういう非連続的な成長が求められるプロジェクトを任せていただける環境が、すごくありがたいなと実感しています。
のりさん:イベントをなんとか成功に導くことができたのも、チーム全体に高い熱意があったからだと思っています。「音楽チームが素晴らしい楽曲を作ってくれたから、アニメチームも最高のアニメーションを作らないと」「アニメチームが楽しいクリエイティブを作っているから、自分たちもそれに応えないと」のように、お互いに鼓舞しあうような関係性だったからこそ、良いものが出来上がったんじゃないかなと。
ゆーは:「PlottのIPで音楽イベントをやりたい」という目標を持って入社し、今回それを達成することができました。
私にとってもPlottにとっても大きなチャレンジではありましたが、実はまだ満足していません。今回のイベントはあくまで、カレコレが大ヒットIPに育っていく過程のひとつなのだと思います。「より大きい会場でイベントを開催する」「テレビアニメ化する」「テーマパークになるようなIPになる」、もっともっと大きな目標に、これからも向かっていきます!
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IPが成長していくストーリーをより多くのファンの方に見届けていただけるような、そんな面白い仕掛けを今後も企画していきたいですね。