1
/
5

すべての企業を支える新しいソリューションを開発し、「雇用によらないはたらき方」を創出していく——タレントシェアリング事業部の今とこれから


多様なサービスを通じて「雇用によらないはたらき方」の創出を目指して活動している、タレントシェアリング事業部。今回は事業部長を務める鏑木陽二朗さんに、事業部の成り立ちや現在地に加え、これからの展望について詳しくお伺いしました。

「採用」は企業にとって手段の一つでしかない。原点に立ち返りサービスを考案

—— はじめに、「タレントシェアリング事業部」の成り立ちからお話を聞かせてください。現在の主要事業でもある経営支援コンサルティングサービス「i-common(現HiPro Biz)」を、鏑木さんご自身が考案したことがそもそものはじまりだそうですね。

鏑木:はい。「HiPro Biz」は2011年、パーソルグループ全社員を対象に実施した新規事業開発プログラム「0to1(ゼロトゥワン)」から生まれた事業の一つでした。

企業にとって採用は、事業を成長させる手段の一つであり、目的ではない——。その原点に立ち戻り、課題解決をストレートに支援するのに必要なサービスを立ち上げることにしました。

例えば近い将来、IPOを目指している企業があるとします。でも社内には、その経験や知見を持った人材がいない。そんなとき、外部の労働市場から人を雇用するのが中途採用という“手段”です。

ただ企業側の視点に立って考えてみると、IPOという目的が達成できるなら、社員の雇用にこだわる必要はないんですよね。逆に雇用にこだわるばかりに、時間やコストが想定以上にかかってしまい、課題解決が遅れることこそ避けなければならないと思っています。

そこで、必要なときに必要なノウハウを持つ専門性の高い人材を、アドバイザーや実務担当者として企業に提供し、課題解決をストレートに支援するサービスとして「HiPro Biz」を立ち上げたというのが背景です。

—— 具体的にはどのような課題感や想いが起点となって、事業のアイデアにつながったのでしょうか?

鏑木:一つには、「少子高齢化」という社会課題があります。

パーソルキャリアが最も強みを発揮できる領域は、20〜30代の転職市場です。ただ登録者の中には、50〜60代で経営やマネジメント職を経験してきた方や、専門的なノウハウをお持ちの方が一定数いらっしゃいます。その方々は雇用が前提となると活躍の場がなかなか見つからず、第一線からは退いていただかざるを得ないのが課題でした。

もう一つは、私個人のバックグラウンドが深く関係しています。私はもともと、中小企業を営む社長の息子として生まれました。

融資を受けるために金融機関を回ったり、社員をリストラせざるを得なくなり、罵倒されながら頭を下げたり……苦労している両親の背中を見て育ったので、中小企業を経営する人たちの力になりたいと強く思うようになったんです。インテリジェンス(2001年当時)に入社したのも、「人材」を切り口として、世の中の企業が抱える課題を解消していきたいと考えたためでした。

しかし中小企業の場合、当社のような転職エージェントサービスを利用して採用活動を行うには、コストやリソースの面でかなり高いハードルがあります。そこで新たなサービスを通して、「雇用によらないはたらき方」という新しい手段を、企業側・はたらき手側双方に提示していこうと考えました。




事業は右肩上がりで成長。要因は「課題解決」へのフォーカス

—— サービスが立ち上がった2011年当時、雇用以外のはたらき方はまだまだ一般的ではありませんでした。当時のパーソルキャリア内で、「HiPro Biz」はどのような位置付けだったのでしょうか。

鏑木:当社にとってはあくまでも一つの新しいチャレンジであり、最初から主力事業として期待をされていたわけではないと思います。しかし実際にサービスを開始してみると、事業は右肩上がりで伸びていきました。

—— 事業が伸びた要因について、鏑木さんご自身はどのように分析していますか?

鏑木:一つは「採用活動」の難易度が上がってきているというのがあると思います。労働人口は減少していますが、企業にとって経営課題がなくなるということはありません。その課題を解決するため、採用以外の手段に目を向けざるを得なくなった、というのが大きいと思っています。

また、働く個人の価値観が多様になってきているのも大きいと感じます。未来は不確実であり、大手企業に入社すれば定年まで安心、という時代ではなくなりました。会社の看板だけでは、豊かな未来を手に入れることが難しくなっています。そんな中で個人はこれまで以上に自分たちの専門性を伸ばし、生かすことができる環境を求めていると考えています。

ここ数年、という観点ですとコロナ禍 の影響で「リモートワーク」が一気に普及したことも大きいと思います。最早働く場所はオフィスである必要がなくなってきており、この変化がもたらしたものも大きかったんじゃないでしょうか。

—— 企業側だけではなく、アドバイザーとして企業に提案する個人も、視点や発想の転換が必要だったのではないでしょうか?

鏑木:その通りです。雇用されるはたらき方しか経験したことのない人が多いので、事業やプロジェクトに対する意識や温度感にズレが生じてしまうこともよくあります。だからこそ現在の日本社会では、私たちのように企業と個人とをつなぐ存在が必要なんです。

未だに、市場の中に個人が受けられる案件が圧倒的に少ないという課題もあります。そのため私たちはサービス開始から10年の間、対個人の案件をひたすら生み出し、企業とつなぐ取り組みを重ねてきました。

今はエージェント型で、当社が間に入ることによりサービスを成立させていますが、これから先は私たちが介入せずとも、企業と個人をつなぐことができるプラットフォームを構築していかなければならないと考えています。





すべての企業を顧客として、「タレントシェアリング」を行っていく

—— この10年で、事業にはどんな変化がありましたか?

鏑木:もともと、シニアエグゼクティブと中小企業に対する支援を目指してスタートした事業ではありますが、いつからか、それだけで終わらせてはいけないと考えるようになりました。さまざまな経営課題を抱えて困っているのは大企業も同じであり、私たちがそれをサポートすることができれば、取引先の中小企業にとってもプラスになります。

今はすべての企業が私たちのお客さまであり、その企業が抱える課題を解決できるノウハウや専門知識を持っている方のすべてがはたらき手になり得ると、私たちは捉えています。そうすると今度は、「HiPro Biz」のサービスだけではカバーしきれない領域が多々見えてきました。

私たちがこれから追うべきミッションは、そうした課題を一つひとつ拾い上げることで、新たな「雇用によらないはたらき方」を一つでも多く創出していくことに他なりません。そこで事業部を立てる際も「HiPro Biz事業部」ではなく、あえて一段階上のレイヤーを意識し、「タレントシェアリング事業部」という名称を付けることにしました。



新しい市場、新しい事業領域だからこそ若手でも活躍できる可能性がある

—— タレントシェアリング事業部が開拓しようとしている「雇用によらないはたらき方」の市場について、今後の動向をどのように捉えていますか?

鏑木:まだまだ伸びるというか、むしろようやく入り口にさしかかったくらいの段階ではないでしょうか。コロナ禍の影響を受け、今まさに追い風が吹いている市場であるのは確かですが、とはいえ労働市場全体を見渡してみると、フリーランスも、副業をしている人の母数も決して多いとはいえません。

ただ日本社会の状況や国民性をふまえて考えると、アメリカのように、国民の大半がフリーランスを選択するようなことにはならないと思っています。あくまでも本業ありきで、プラスワンのチャレンジをしていくスタイルが、日本人にはきっとマッチするでしょう。

そういう市場を新たに開発していくことによって、日本人の持つ専門性をさらに高め、企業と個人のつながり方をより多様なものにする。それが、パーソルキャリアのタレントシェアリング事業部として切り拓くことができる可能性の一つであると思っています。

—— 事業部として、これから取り組みたい課題について教えてください。

鏑木:まずは仲間集めでしょうか。2022年3月時点で事業部には全部で260名ほどのメンバーがいますが、まだまだつくりたいサービスが山ほどあるので、とにかく人手が足りていません。

「雇用によらないはたらき方」は、日本人にはまだまだ馴染みが薄いので、この領域の面白さや可能性を感じてくれる人たちが、もっともっとタレントシェアリング事業部に集まってきて欲しいですね。

新しい市場、新しい事業領域なので、事業部内では、未経験で配属された新入社員が、いつの間にか経営コンサルティングの実務経験を持つメンバーよりも活躍している……などという光景も見かけます。

マーケットも入り口にさしかかったばかりですし、私たちが開発・提供しているサービスもまだまだ発展途上です。これからは「HiPro Biz」事業以外の領域にもどんどん手を広げていくと同時に、それらの隙間を丁寧に埋めていくようなサービスも必要になっていくでしょう。私たちと一緒にタレントシェアリング事業部の未来、パーソルキャリアとして提供していく新しい事業の未来をつくっていくメンバーを心待ちにしています。

パーソルキャリア株式会社(キャリア採用)'s job postings
13 Likes
13 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
Invitation from パーソルキャリア株式会社(キャリア採用)
If this story triggered your interest, have a chat with the team?