理系としての専門性や、大学・大学院で培った数学・物理の知識。それを「本当に社会を変えるイノベーション」に活かすには、どんなキャリアを選べばいいのだろうか——。
一般的なITプログラマーとしてWebアプリの画面を作る仕事も素晴らしい。
しかし、もしあなたが「モノづくり」の本質に惹かれ、自分の数理的思考力で現実の巨大なシステムやモビリティを動かしたいと願うなら、私たちが進む道は唯一無二のブルーオーシャンになるはずです。
今回は、国内トップクラスの液晶メーカーのR&D部門から、未経験でソフトウェアの世界へと飛び込み、現在は「生成AI×MBD(モデルベース開発)」の最前線でプロジェクトを牽引するエース・W.Tさんのキャリアチェンジのストーリーをお届けします。
CHAPTER 1:【原点】ハードウェア物理の極限と向き合った6年間
大学院で物理学を専攻し、現象を原理から探求する研究に没頭していたW.Tさん。その高い論理的思考力が評価され、新卒で国内No.1の液晶メーカーのR&D(研究開発)部門へと配属されました。
そこでの仕事は、実験計画の立案から試作、さらには製造装置の立ち上げまで、モノづくりの上流から下流までを主導するエキサイティングなものでした。時には台湾や中国などの海外拠点へ赴き、現地で不良品の解析や装置全体の評価、プロセスレシピの開発といったトラブルシューティングを完遂することもありました。
「光学、電気特性、微細加工……。ハードウェア物理の極限と向き合ったあの濃密な6年間が、私のエンジニアとしてのベースを作ってくれました」
現象の本質を数式レベルで理解する。その理系としての「素養」が、のちに彼の最大の武器になるとは、この時はまだ知る由もありませんでした。
CHAPTER 2:【転機】突然訪れた産業の構造変革と、社長からの直談判
しかし、激動の時代の中で、誇りを持って打ち込んできた液晶開発業務は突然の幕引きを迎えます。スマートフォンのグローバルな勢力図変化と海外勢の台頭により、国内の液晶事業は急速に縮小。W.Tさんが所属していた開発業務も終了を告げられたのです。
「他のエンジニアと同じように、半導体関連の業務へ横滑りするのだろう」
そう思いながら自社へ戻ったW.Tさんを待っていたのは、全く予期せぬ未来でした。会社のトップである社長から、直接のスカウトを受けたのです。
「物理・数学はイノベーションのルーツだ。今、日本のモノづくりの現場で最大のボトルネックはソフトウェアの品質にあり、流行りのIT技術者では決して解決できない。本物のエンベデッド(組込み)技術者を輩出したいんだ。君ならできる、キャリアチェンジしてみないか?」
未経験のソフトウェア分野への転身。年齢的な葛藤や不安がなかったわけではありません。しかし、「誰も足を踏み入れていない未踏領域へ挑む」という社長の熱い想いに突き動かされ、W.Tさんは覚悟を決めました。
CHAPTER 3:【覚醒】未経験を覆す「6ヶ月間の猛勉強」
会社は、W.Tさんのポテンシャルを信じてフルコミットの投資を行いました。社内前例のないチャレンジだったため、一流の社外メンターの選定からスタート。
ここから、W.Tさんの6ヶ月間に及ぶ猛勉強が始まりました。
- C言語・組込みの基礎
メモリ管理やポインタ、リアルタイムOS(RTOS)の基礎など、ハードウェアと対話するためのソフトウェア知識を徹底的に叩き込みました。 - 制御理論 × Simulink
MATLAB/Simulinkを用いた「モデルベース開発(MBD)」を習得。物理現象を微分方程式とブロック線図で表現する手法を、短期間で完全網羅しました。 - 「如何に制御するか」の思索
単なるプログラミング言語の構文暗記ではありません。ハードウェアの振る舞いを物理的にどうコントロールすべきか、という理系特有の思考プロセスを回し続けました。
液晶開発で培った「モノがどう動き、どう熱を持ち、どう力学的に反応するか」を数式レベルで理解できる素養があったからこそ、驚異的なスピードで制御のアーキテクトへと進化していったのです。
CHAPTER 4:【飛躍】次世代モビリティの心臓部を動かす
猛勉強を経て現場に配属されたW.Tさんは、すぐにその頭角を現します。
国内最大手のソフトウェア開発企業内のプロジェクトにて、次世代EVや自動運転の心臓部であるSBW(シフトバイワイヤ)、BMS(バッテリ管理システム)、PCS(衝突被害軽減ブレーキ)といった、極めて安全性が求められるSDV基幹制御PJのモデルベース開発を主導することになったのです。
未経験スタートとしては異例の高難度な現場。しかし、大学時代からの物理の基礎と、徹底的に学んだ制御理論の掛け算が絶大なアドバンテージとなりました。
MILS(Model-in-the-Loop Simulation)での検証・分析において完遂率トップを記録するなど、顧客企業のプロパー(生え抜き)エンジニアたちが驚嘆するほどの成果を連発。「物理を語れるソフトウェア技術者」として、圧倒的な市場価値を証明してみせました。
CHAPTER 5:【現在地】「生成AI × MBD」の最先端研究開発へ
そして現在、W.Tさんの挑戦はさらに次の次元へと進んでいます。それが「生成AIを用いたSimulinkモデルの自動生成」という、世界でも最先端のR&Dプロジェクトです。
- モデル自動生成Pythonコードの開発:
設計要件(テキスト)をAIが正しく分析し、エラーなく動作するSimulinkモデルを自律的に構築するシステムを開発。 - 自己検証・自動修正AIアーキテクチャ:
Web検索技術やAI応答の自己チェック機能を統合し、AI自らがモデルを最適化していく仕組みを推進。
さらに現在は、ユニットリーダーとして2名の新人エンジニアを率い、チームの技術的支柱として後進の育成にも励んでいます。
理系学生へ贈る、キャリアの指針
最後に、W.Tさんから自身の専攻やキャリアの選択に悩んでいる理系学生の皆さんへ、3つのメッセージを贈ります。
- 理系の素養は、時代を超える最強の武器
数学や物理で培った「事象をモデル化し、論理的に解く力」は、どんなプログラミング言語の流行り廃りよりも陳腐化しない、一生モノの本質的な強みです。 - 「専門性の掛け算」でブルーオーシャンを勝つ
「ハード・物理の理解」×「先端ソフト・AI」の掛け算ができる人材は、世界中の開発現場が最も渇望しているにもかかわらず、圧倒的に不足しています。ここを目指せば、唯一無二の存在になれます。 - 挑戦を支え、投資してくれる環境を選んでほしい
未経験の分野へ飛び込むのは勇気がいります。だからこそ、6ヶ月の徹底研修のように、あなたの可能性を信じてフルコミットで投資してくれる環境を選んでください。
あなたの「理系のチカラ」を、最高峰のフィールドへ。
「画面の中のコードだけで満足するのではなく、実社会のモビリティや産業ロボットを自分の書いたモデルで意のままに制御する。理系エンジニアとしての誇りと知的好奇心を最大化できる舞台が、ここにあります。物理と数学の原理を知る者だけが、AIとソフトウェアで現実の世界を真に動かすことができるのです」
私たちの会社には、W.Tさんのように「理系の素養」を武器に、モノづくりのDX/AXを牽引する先輩たちがたくさんいます。
- 「大学で学んだ数学や物理、工学の知識をどう活かせばいいか悩んでいる」
- 「表層的なWeb開発ではなく、自動運転やAI制御のような本物の技術に挑みたい」
- 「キャリアチェンジを全力でバックアップしてくれる環境で打って出たい」
そんな想いを持つ方のための、「理系学生向け 個別カジュアル面談」を随時開催しています。
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