「安定」より「自分で決めて動かす仕事がしたかった」
大学時代は、「公務員=安泰」という親世代の価値観に何の疑問も持っていなかった。
就職活動も迷わず公務員試験一本。市区町村職員として土木分野に配属され、区内の道路工事を計画から完了まで担当する、そんなキャリアのスタートだった。 「これ、自分じゃなくてもよくないか?」を感じ、 そうしてたどり着いたのが、オーガニックグループのWebマーケティング職、そして福岡支店の立ち上げだった。
Profile
佐藤(Sato)
オーガニックグループ Webマーケティング職
千葉大学卒業後、市区町村の土木部門で道路整備を担当。排水溝の老朽化調査や道路工事の計画〜完了までを一貫して担う中で、「誰がやっても同じ結果になる仕事」に違和感を覚え転職を決意。美容・通販領域に興味を持ち、プロダクトを多くの人に届ける力を身につけるべくオーガニックグループへ。入社3ヶ月で担当商材の責任者に抜擢され、現在は福岡支店のWebマーケとして、事業成長と支店づくりの両輪に取り組んでいる。
「成長した先の自分が、想像できなくなった」
——まず、大学時代から公務員になるまでのことを教えてください。
大学時代は、本当に“典型的な大学生”でした。周りに公務員を目指す友人が多く、「公務員は安定していて良い」という価値観が家の中に当たり前にあったので、そこに疑問を持つこともなくて。将来を考えたときも、「じゃあ自分も公務員かな」と素直に思えたので、就活も公務員試験一本でした。
——実際に公務員になってからは、どんな仕事を?
市区町村の土木分野に配属されて、区内の道路整備を担当していました。担当する道路工事について、計画段階から着工、完了までを一貫して見ていく仕事です。現場の状況を確認して、都道府県庁や関係部署の意見を取りまとめて、工事内容を詰めていってという流れですね。排水溝の中をチェックして、老朽化していたら修繕を指示するとか。「決められたルートを、決められた通りに進める」という感覚の仕事が多かったです。
——そこから、なぜ辞めようと思ったのでしょうか。
一番大きかったのは、「自分じゃなくても同じ結果になるな」と感じてしまったことです。道路の排水溝をひたすらチェックして、ダメなら修理を依頼する。やることも手順も、ほぼ決まっています。誰がやっても、ほぼ同じ判断・同じ結果になる。それをこの先ずっと繰り返していったときに、自分の中で“成長した先の姿”が、あまり変わらないなと感じてしまいました。同じことを、同じルートで、同じように積み上げていく。
それ自体を否定するつもりはないんですけど、「自分である意味」は薄いな、と。
——転職するときの軸はどんなところに置いていましたか。
もともと美容業界に興味があったのと、「商品を多くの人に届ける力」を身につけたい、という思いがありました。将来的に何をやるにしても、伝えたいものを、ちゃんと広められること、“良い”と思ったものを、ちゃんと届けられることこの2つの力がないと、何もできないなと思ったんです。だから、美容・通販の領域に絞って探していました。あとは、人を大切にしていそうかどうか。会社のホームページやWantedlyを見ながら、「ここは雰囲気合いそうだな」という直感も大事にしていました。
——オーガニックグループを選んだ決め手は?
決め手は2つあります。1つ目は、裁量の大きさです。面接の場で話をしていて、「ここなら早くプロダクトの責任者になって、あーだこーだ動かせる立場になれそうだ」と感じました。“やることをやって、結果を出せば任せる”というスタンスがはっきりしていて、「自分次第でいくらでも伸びていけるな」と思えたのは大きかったです。2つ目は、人ですね。 面接で渡邉さんと話していて、いい意味で“距離が近い”感覚がありました。上から方針だけ降ってきて動く、というよりも、自分の頭で考えて、仮説を立てて、動いていける。そんな現場で働けそうだなと感じて、入社を決めました。
入社3ヶ月で商材責任者。
求められる視点が一気に変わった
——入社後は、どんな業務からスタートしたのでしょう。
最初は1商材の1メンバーとして、静止画広告の制作にひたすら取り組んでいました。
1〜2ヶ月くらいは、ずっとバナーを作り続ける日々で。その時点では、正直まだ商材全体の構造は見えていなくて、“自分の目の前のクリエイティブを良くする”ことに集中していました。「この訴求の方がクリックされるかな」「このレイアウトの方が目に入りやすいかな」そんな仮説と検証を、とにかく回し続けていた感じです。
——そこから、3ヶ月で商材責任者になったと。かなり早いですよね。
はい。3ヶ月目くらいに、「次、この商材を任せたい」と言われて、正直びっくりしました。「本当に3ヶ月で任せてもらえるんだ」と。責任者になった瞬間に、見える範囲が一気に広がりました。今までは静止画だけで戦っていたのが、記事、LP、LTV、CRM……と、全部を踏まえて考えないといけなくなる。どの施策を優先してやるべきか、限られた工数で、どこに時間を使うべきか、ひとつひとつ、優先順位をつけて動かないと、全体の数字が伸びない。そこは、かなり意識が変わったポイントでした。
「環境が、成長角度を決める」
——福岡支店の立ち上げに参画した理由は?
「環境が成長角度を決めるな」と思ったからです。公務員からオーガニックに入って、最初の半年で“成長した実感”がすごくあって。逆に言うと、「この環境に慣れたら、また成長角度が落ちるな」とも感じたんですね。3ヶ月〜1年のスパンでさらなる成長を引き出すには、自分から環境を変えていく必要があると思いました。福岡支店の立ち上げの話が出たときに、「ここで手を挙げないと、もったいないな」と感じて、すぐに行くことを決めました。
——立ち上げで特に大変だったのは、どんな部分ですか。
東京にいたときは人数も多くて、新人教育も分担しながらできていました。チームでの作業も、みんなで分散して進められる体制だったんです。一方で福岡は、教える側の人数がぐっと減る。「自分の工数の使い方」を、今まで以上に意識せざるを得なくなりました。それまでは、自分の担当領域の中で優先順位を決めていればよかったのが、「チーム全体として、どこに自分の時間を使うべきか」を考えないと立ち行かない。誰にどの仕事を持ってもらうか、自分がやるべきこと、渡すべきことをどう切り分けるか“全体最適”で考えるクセが、福岡に来てから一気についた感覚があります。
強い個人が集まる、強いチームをつくりたい
——東京チームとの関係性はどうですか。ライバル?仲間?
どっちも、ですね(笑)。感情としては「負けたくない」という気持ちもあるし、
一方で、ものすごく良い仲間でもあります。うちの会社は、うまくいった施策を全体に共有する文化が強くて、業務範囲やチームの壁をこえて、成功事例の共有がかなり盛んです。わざわざ“共有会”を作らなくても、いつでも聞けるし、いつでも話せる。東京と福岡で、いい意味での“切磋琢磨”ができている環境だと思います。
——福岡支店として、これから挑戦したいことは?
まずは「人数を増やすこと」だと思っています。実際、ここ最近入ってきているメンバーは、自分から見ても「めちゃくちゃすごいな」と思う人が多いです。そういう人たちに、もっと魅力を感じてもらえる支店づくりをしたい。そのために意識しているのは、コミュニケーションの密度です。仕事の話はもちろんですが、飲みに行ったり、雑談したり。
職場の空気感をちゃんと感じてもらえるように、日常的なコミュニケーションも大事にしています。「この人たちと一緒にやりたい」と思ってもらえる雰囲気づくりは、福岡の強みだと思っています。
——最後に、ご自身の今後の展望を教えてください。
1つの会社の代表になりたい、という目標があります。イメージしているのは、強豪校の部活みたいな組織です。お互いに高め合いながら、結果にもこだわるチーム。今はその前段として、福岡支店というチームをどう強くしていくかに向き合っている感覚です。自分が成長するだけじゃなくて、周りのメンバーの成長角度も一緒に上げていく。そういう組織をつくっていくことが、今の自分にとっての一番リアルなチャレンジだと思っています。