売って終わりではなく、“一緒に伸ばしていく”営業へ。
営業と聞くと、“モノを売る仕事”を想像する人が多いかもしれない。 けれど、オーガニックグループの営業チームが担っているのは、それだけではない。 自社で培ったマーケティング知見を武器に、外部パートナーと共に“事業を伸ばす仕組み”をつくる。広告代理店でも、メーカーでもない。独自の立ち位置から成長を牽引する山本暁さんに、営業の本質とチームの挑戦を聞いた。
Profile
山本(Yamamoto)
オーガニックグループ株式会社 マーケティング営業部 チームリーダー
前職では広告代理店にてアフィリエイト営業を担当。
オーガニックグループ入社後は、インハウスで培った広告運用の知見をもとに、外部代理店・パートナー企業との共同施策を推進。5名体制の営業チームを率い、自社ブランド・サービスの拡張と、外部案件のマーケティング支援の両輪を担う。
インハウスの限界を越える、
“外の力”を活かす部署として
——どんな部署で、どのような役割を担っているのか教えてください。
オーガニックグループには通販・卸・ブランド運営など複数の事業があります。
これまでは広告運用をすべてインハウスで完結してきましたが、事業領域が拡大する中で、社内リソースだけでは成長スピードを維持できなくなってきました。そこで2024年12月に新規事業として立ち上がったのが、私たちのチームです。
僕らの役割は、外部の力を活用して事業を伸ばすこと。インハウスで培った広告・クリエイティブの知見をベースに、外部の広告代理店やアフィリエイト企業と連携しながら、自社ブランドの販売チャネルを拡大しています。いわば、「自社で磨いたノウハウを外へ広げ、共に成果を出す営業部」です
“売って終わり”ではなく“伸ばしていく”
——オーガニックグループの営業は、どんなスタイルなんでしょうか?
僕らの営業は「売る」というより「伸ばす」仕事に近いですね。僕たちの部署は、グループ内の商品を外部の広告代理店やアフィリエイト企業に扱ってもらう“成果報酬型の営業”をしています。つまり、代理店さんが自分たちで広告費を立てて運用を始めるので、結果が出なければすぐに撤退されてしまう。だからこそ、“お願いして終わり”ではなく、“成果を一緒に出す”ことが本質なんです。
——成果を出すために、どんなサポートをしているのでしょうか?
実際の広告運用は代理店さんが行いますが、僕らは常に数値を見ながら改善提案を続けています。「LPの構成を変えた方がいい」「記事の切り口をもう少し生活者寄りにしよう」「CTRを上げるために新しいクリエイティブを出そう」など、日々データと感覚の両方で調整していく。僕らのゴールは“契約”ではなく、“継続”。代理店さんが利益を出せる状態をつくるまでが営業の仕事です。 やります、で終わらせず、どうすれば結果を伸ばせるかを一緒に考える。そこに、この仕事の面白さと難しさの両方があると思っています。
「インハウスで勝てている」からこその強み
——相手が先に広告費を払うとなると営業は難しくないですか?
たしかに、成果が出なければすぐ撤退されてしまうので、難しい側面はあります。でも僕らには、強みがあります。インハウスで磨いてきた広告運用の実績とデータがあることです。
——具体的には、どんな点が強みなんでしょうか?
まず大きいのは、商材そのものの強さですね。僕らは自社で広告を運用して結果を出しているので、営業のときに「この商品はこのCPAで獲得できています」と、リアルな実績データをもとに話ができるんです。これが他社にはない説得力になります。代理店さんに対しても「この単価なら確実に利益が出ます」「同条件で自社でも成果が出ています」と数字で説明できる。いわば、“机上の空論じゃない営業”ができるわけです。
さらに、広告クリエイティブの検証量とスピードも他社と一線を画しています。
日々ABテストを繰り返しながら、どの構成・表現・デザインが成果につながるかを自社で把握している。そのノウハウを外部パートナーと共有できるのも、僕らの部署ならではの価値です。
「知識より、ヒューマンスキル」選ばれる営業の条件
——チームをまとめる上で、どんなことを大切にされていますか?
広告の知識やシステムの使い方って、正直やりながら覚えられると思っていて。それよりも大事なのは、“人として選ばれること”ですね。僕らのビジネスは成果報酬型なので、経済条件の差がつきにくい。結局、最後に残るのは「誰と仕事をしたいか」なんです。
レスが早いとか、相談にしっかり乗ってくれるとか——そういう“当たり前”をどれだけ丁寧にやれるかが大事だと思っています。
——“人として選ばれる”という言葉が印象的です。
僕らはオーガニックグループの「外部との接点」を担う部署なので、相手から見ると“オーガニックグループ=僕ら”なんですよね。対応が雑だと「このメーカーは厳しいな」と思われてしまう。でも、誠実に向き合えば「この人が言うならもう少し踏んでみようかな」と思ってもらえる。営業は、結局“人対人”の仕事です。だからこそ、信頼を積み重ねるしかない。知識よりも、真摯に向き合う姿勢が結果を変える。僕はそう信じています。
「自社を伸ばす力で、他社も伸ばす」
マーケティング営業部の次なる挑戦
——今後、チームとしてどんな挑戦をしていきたいですか?
大きく2つの軸があります。ひとつは、自社商材を“外の力”を使ってもっと伸ばしていくこと。もうひとつは、外部企業のマーケティング支援まで領域を広げていくことです。これまでは、どちらかというと「社内の相談窓口」として、各事業部から「この商品を伸ばしたい」「この施策を外部でやりたい」という依頼を受けてきました。今後は、その依頼に対して即座に「この代理店ならこういう手法が得意」「このチャネルならこの条件で伸ばせる」という提案を返せる“総合支援のハブ”をつくりたいと思ってます。外部企業の支援については、 これまで僕らは、“自社を伸ばすための仕組み”を徹底的に磨いてきました。でもそれって、他社にとっても十分価値があるノウハウなんですよね。だから次のフェーズでは、「自社を伸ばす力」で「他社も伸ばす」そんな総合的な支援モデルを築いていきたいです。単なる代理店でもなく、外注パートナーでもない。事業を一緒に動かす“伴走者”として機能するチームを目指しています。