テレワークの普及によって、会社からの距離やアクセスのしやすさを気にする必要がなくなり、地方在住者の転職の可能性が広がっています。一方で、本当に地方に住みながら都心の企業に転職できるのか、待遇はどうなのか、漠然とした不安を抱いている人も多いでしょう。
今回は、つくば開発拠点の責任者として2020年にナイルへ転職し、子育てと両立しながら、個人でも地方活性化のプロジェクトを牽引する、モビリティサービス事業部のエンジニアマネージャー・長妻和佳子に、地方転職の実情を聞きました。
長妻 和佳子(ながつま わかこ)
モビリティサービス事業部 つくば開発責任者
医療機器メーカーなどでWebアプリケーション開発やPL/PM、リサーチャーなどを担当した後、2020年にナイルへ入社。定額カルモくんの中古車サイトのPMやバックエンド開発を担う傍ら、つくばオフィス立ち上げの中心メンバーとしても活躍する。
目次
- ナイルでのキャリアパスを提示してくれたことが入社への後押しに
- 地方でも都内と変わらない条件で働ける環境
- これまでの経験を活かし、つくばで新たなチャレンジを
- ナイルつくば開発拠点で一緒にプロダクト開発をしてくれるエンジニアを募集しています!
ナイルでのキャリアパスを提示してくれたことが入社への後押しに
――まずは、ナイルに転職したきっかけから教えてください。
実は、そもそも転職活動をしていたわけじゃなかったんです。以前利用した転職サイトを解約していなかったのですが、そこからカジュアル面談のお誘いをいただいたことがきっかけで。
その中で、私が個人的にボランティアでやっている「ITC守谷」にふれていただいたことや、経歴に興味を持ってくれたことがうれしくて、お話してみようと思いました。
――ITC守谷というのはどういうものなんですか。
ITC守谷は、職住近接でスキルを活かせる場があれば働きたいと考えている方のために、サテライトオフィスを誘致して、地域の雇用促進、人材活用につなげる取り組みをしている団体です。代表から、「ITの力で守谷を活性化させたい」と打診を受けて参画しました。
まだテレワーク施設を作った段階ですが、少しずつ運営を軌道に乗せ、子育てや介護をしながらでもキャリアを諦めずに働くことができる街として、茨城県守谷市をブランディングしていけたらと思っているんです。
――なるほど。そのあたりに、ナイルのつくばニアショアオフィスとの親和性があったんですね。
そうですね。「IT技術を使ってテレワークをすれば、世界中どこにいても働けるよね」という活動なので、考え方に共通するところがあると思います。
ナイルの採用面接でも、つくばでエンジニア組織を作って地方をバックアップしたいという思いを聞きました。当時、茨城県は「都道府県魅力度ランキング」の最下位だったので、あえてそこに組織を作ろうなんておもしろい会社だなと(笑)。
――そうだったんですね(笑)。入社の決め手はどういうことでしたか。
面接してくれた事業CTOの梅本は私と同じようなキャリアを歩んでいて、ナイルに入社した場合に想定されるその後のキャリアパスを示してくれたことが決め手になりました。
開発全体について把握してはいるけれど、エンジニアのスペシャリストではないことが自分でわかっていたので、今後のキャリアの在り方に悩んでいる時期だったんです。そんなときに似たキャリアの方に初めて出会って、プロダクト開発の全体像を幅広く見られるからこそのキャリアパスを示していただいたことに大きく背中を押されました。
ナイルなら、自分らしいキャリアを作っていけるかもしれないと感じましたね。
<事業CTO梅本が登場する記事>
開発速度を5倍にした、定額カルモくんの開発体制刷新の取り組み
ビジネス理解を深めてエンジニアキャリアを拡張。他部署の事業と技術を学んだクロスジョブ制度活用
経営者の隣でビジネス力を鍛える―「事業家集団」ナイルのエンジニアが目指すこと
地方でも都内と変わらない条件で働ける環境
――これまでのキャリアでは、さまざまな職種を経験されているんですよね。
医療機器メーカーを2社経験した後、光学機器メーカー、損害保険会社など、比較的堅い企業のベンチャー気質な部署に勤務していました。職種としては、Webアプリケーション開発、PL/PM、リサーチャー、品質担当などさまざまですね。
2社目でAWSに携わり、ナイルに転職する前の企業ではReactやPythonサーバレスアプリケーションの開発をしていました。開発言語は違いますが、このときの体制はナイルに近かったかもしれません。
――入社後はどのような開発業務を担当されているのでしょうか。
直近で取り組んだプロジェクトは、大きく2つあります。
ひとつは、アライアンス先との共同プロジェクトに伴うkintoneの改修です。2021年1月末に企画が立ち上がり、入社3ヵ月でプロジェクトリーダーを任せてもらいました。kintoneの開発とWebサイトデザイン、フロント周りのロジックはチームメンバー3名で担当しています。
実際の実装期間は1週間ほどですが、その前にセールスのオペ―レーションフローの調整や設計が必要で、通常フローに影響が出ないように仕様を考えるのに時間がかかっていて。そのため、立ち上げから3ヵ月後の3月にリリースしました。
現在は、中古車サイトの表示速度の改善と更新に必要な工数の削減のために、Gatsby.jsに移行してサイトの構造自体を変えていく改修を始めているところです。この対応には、インターン生にも入ってもらっています。
もうひとつは、広告効果検証のためのテストサイトのリリース。梅本から「3日で行けるよね」といわれて、デザイナーといっしょに3日で作りました(笑)。ただ、このスピード感を実現できる開発環境が整っているベンチャーのスピード感には驚きましたね。
――長妻さんはお子さんが2人いるんですよね。子育てとマネージャー業の両立はたいへんではないですか?
性格もあるんでしょうけど、そこまでつらいと思ったことはありません。マネージャー業と子育てって、どちらも時間と人をコントロールする仕事で、共通点があると思うんですよ。
周りの人に仕事を振るとき、「これやっておいて!」と投げるんじゃなくて、「なぜやるのか」「やるとどうなるのか」といった仕事の意味と効果を伝えるところも同じ。成果を評価してやる気になってもらう工夫も、子供のチャレンジを褒めて伸ばす感じに似ている気がします。
そう考えると、ふだんからやっていることの延長線上に仕事があるので、育児をしている人はマネージャーに向いているんじゃないかな。
とはいえ、うちの子はいま小学生と保育園児。まだまだ手がかかるので、子供の状況に応じてテレワークで働くこともできて、出社していても保育園のお迎えの時間を上司の梅本が気にして声を掛けてくれる環境はとてもありがたいです。
実際、梅本も子供の送り迎えしながら働いていることもあって、お迎えがあるからと早めに業務を終えることに気が引けることはないですね。
――地方で働くことについてはいかがでしょうか。年収が下がるのでは…と気にする方も多いと思います。
都内のほうが規模も大きくて、魅力的な仕事が多いのは確かだと思います。前回の転職の際、つくばも含めて地方の企業の採用情報を見たのですが、軒並み年収が低くて、2次請け3次請けの仕事が目立ちました。
稀に「自分たちで良いサービスを作りたい」と考えている地方の会社があっても、年収は都内の企業と比べて低いといったジレンマに悩む人は多いと思います。
ナイルのつくばオフィスの場合は、自社サービス開発をエンジニアやデザイナーが企画から関わって、サービスの成長をリードしています。地方だからといって本社のメンバーよりも低い年収でオファーされることもないですし、持っているスキルや経験を活かしてどういった役割を期待されているのか、入社後のミッションとセットでオファーしてもらったので、懸念点はなかったです。
テレワークなら地方にいても都心と変わらない仕事ができますから、少しずつナイルのような会社が増えていくといいですね。
――つくば周辺はどんな環境なんですか。
つくばを含む茨城県南はとても子育てしやすい土地です。車がないと生活が成り立たない点は都心と少し違いますが、自然が多く、公園もたくさんあって遊ぶ場所には困りません。
お祭りなどで、近所のおじいさんやおばあさんが気軽に話しかけてくれるのもいいですよ。
これまでの経験を活かし、つくばで新たなチャレンジを
――これから挑戦したいことを教えてください。
まずは、中古車サービスのグロースハックとつくばオフィスで働くエンジニアのチームビルティングとエンジニア組織づくりですね。モビリティという私にとって未知の部分が多いサービスと、過去のさまざまな経験を掛け合わせて、新しいモノづくりをしていきたいです。
――では、共に挑戦をしてくれる仲間として、どんな人に入社してほしいですか。
地方で働く、そのこと自体にハードルを感じる人は少なくないと思いますが、1歩踏み出して新しいことにチャレンジしようと思える人なら大歓迎です。技術が好きで、経験したことがない仕事を振られても、それを楽しいと思って調べながら取り組んでいける人はナイルに向いているのではないでしょうか。
ぜひ、いっしょにつくばで働きましょう!