ノイン株式会社の執行役員 CPO & CTO に 2022 年 4 月付けで就任させて頂きました 長田 恭治 です。
また、 2022/7/15 付けで EC 事業本部責任者にも就任いたしました。
本記事では、なぜ「社外 CxO」業を引き上げて、ノインという会社を選んだのかや、就任 3 ヶ月で「フロー効率 800% 向上」を達成した取り組みと、今後実施することについてお話させて頂きます。
目次
- 「ノイン」について
- きっかけ
- 経歴
- 社外 CxO で何やってきたか
- なぜノインを選んだか?
- 経営陣
- 事業
- スタッフ
- ノインで何をするか?
- なぜ CPO & CTO なのか?
- 就任 3 ヶ月「フロー効率 800% 向上」
- これから実施すること
1. 「ノイン」について
ノインは
- 化粧品 EC プラットフォーム「NOIN」の開発・運営
- söpö や ABÜR などの化粧品プライベートブランドの企画・販売
- インフルエンサーとコラボしたプロモーションを得意とする広告事業
などの事業を展開する、創業 6 年目のコスメ系ベンチャー企業。
■ 特徴:
- 従業員数約 100 名
- 社員 & 業務委託比率 5:5
- 社内男女比 2:8
- エンジニア男女比 5:5
- 内製エンジニア 16 名体制
- 内製クリエイティブ 8 名体制
- 内製マーケター 15 名体制
- フレックスタイム制(コアタイム 10:30 ~ 15:30)
- フルリモート勤務(出社も可)
- 信託型 SO 制度あり
- コスメ好き・美容好き・トレンド好き多数
- 代官山オフィス
- etc…
2. きっかけ
- 前 CTO とは日本 CTO 協会や、彼が私の講演に遊びに来てくれたり等で以前から繋がりがあり、ノインが面白い活動に取り組んでいる事はその時から知っていましたが、体調不良で休まれている事を耳にし、何か手伝えないか話を聞いたのがきっかけ
- 技術顧問として関わりはじめたのが昨年秋(2021/11)
- 正式参画が今年春(2022/4)
3. 経歴
人材マネジメント会社でキャリアスタート、取締役東日本事業本部長に就任したのち、2002年に起業。関連会社を7社に広げグループ代表取締役会長に就任。グループ会社売却後、2008年iL&D株式会社のCTOに就任。フルスタックエンジニアとして先端技術開発を行うとともに、複数社の技術顧問を務めたのち、2016年AiR&D株式会社の代表取締役CTOに就任。SBIグループなど延べ40社以上の社外CPO、CTO、技術顧問を歴任、延べ200以上のプロダクトマネジメントを手掛けたのち、2019 年株式会社オルツのCAIO兼事業本部長、日本CAIO協会代表理事に就任。汎用人工知能、分散ニューラルネットワーク、分散PDSなどの先端技術開発や、音声認識SaaSプロダクト企画・開発、AIコンサルティングなどを務めたのち、2020年株式会社ネクストビート執行役員CAIO兼CPOに就任。十数名のPdM育成とプロダクトグロースを務めたのち、デジタルホールディングスなど複数社の社外CPO、CTO、CMO、顧問などを経て、2022年ノイン株式会社の執行役員CPO兼CTOに就任。
4. 社外 CxO で何やってきたか
はじめに、わたしが今まで「社外 CxO」業で、何をやってきたのかを簡単にご紹介させて頂きます。
これまで、年平均 3 社のペースで複数企業の「社外 CxO」や「技術顧問」を務める働き方をしてきました。(CxO は、CTO、CPO、CMO、CAIO 等です。)
その働き方を選んだ理由は
- 日本の IT プロダクト業界、技術業界の課題解決を進めたい
からでした。
主に個々の企業で取り組んできた事は
- 先ずは、システムの拡張性、弾力性、可用性、変更容易性、開発手法、DevOps 化、AI 化、技術選定などの組織の「技術課題解決」から取り組みはじめる事が多く、
- 次に「採用・調達 & 開発マネジメント」「エンジニア組織の評価制度改革」「エンジニア組織の事業価値可視化」「開発 & 事業生産性の相関化」など、
- 更に「プロダクト戦略」「マーケティング戦略」などの事業グロース、
- そして「中期事業計画」「CI(MI・BI・VI)」「VMV」「人事評価制度」策定などの経営戦略を手掛ける事もありました。
これらの取り組みに関わらせて頂いたおかげで「相互生産性」というフレームを生み出すことができましたが、取り組んできた事をまとめると、結局のところ生産性の相関性強化が一番多かったような気がします。
次に多かったのが「DX 化」の取り組みでしたが、
- DX 化の秘訣は「デジタル」ではなく「トランスフォーメーション」
ということを、取り組みながら学ばせて頂きました。
なぜ「トランスフォーメーション」なのかは、IT の特性、組織原理、生産性の本質等が相関していますので、詳細は別の機会でご紹介します。
次からは、なぜ、これらの「社外 CxO」の取り組みを引き上げて、ノインという会社を選んだのか、をお話ししていきます。
5. なぜノインを選んだか?
5-1. 経営陣
まず代表の渡部さんとお会いできた事でした。
今まで、立場上いろんな創業者や経営者と仕事をさせて頂いてきましたが、ここまでのイノベーティブな創造性と、エモーショナルな感性は、あまり見た事がありませんでした。
また、それぞれの経営陣の突出したケイパビリティを感じたのはもちろんだったのですが、ここまでの強い信頼関係で繋がっている経営チームも、あまり見た事がない光景でした。
これらの特徴は、ノインのカルチャーにも深く浸透しており、多くのロイヤルユーザーを集め、参入が難しいとされる成熟期の日本のコスメ業界で今のポジションを確立してきたのは、これらのノインのカルチャーによるものだという事を感じました。
5-2. 事業
日本のコスメ業界は、成熟期に入っていますが、日本のコスメ EC 化率については、増加傾向にあるものの、2020 年時点で 6.72%と低迷しており、社会課題ともなっています。
でも、だからこそ面白い市場でもあり、未解決のユーザーペインも多く残されており、特にテクノロジーの未踏領域についてはまだまだ余地のある業界です。
そして、ノインの EC プラットフォーム事業については、グロースハック施策や UX 施策など、テクニカルな手段に頼らずに、創造性、感性、美容感度によってここまで成長させてきたという事ですので、これを言い換えれば、グロース施策やマーケ戦略を打てば「伸び代しかない」というポテンシャルの高さを秘めているという事になります。
また、プライベートブランドコスメの企画販売は一定の成功を収めており、広告事業においても、アーリーアダプター領域のノインの強みをうまく生かした取り組みができています。
ですので、EC プラットフォーム事業の伸長とともに、急成長するポテンシャルを持った会社という事を感じました。
そして、既に具体的な戦略も用意されていますので、市場伸長率とあわせて、ノインの EC シェア率の増加と、数年後の IPO に向けた数百億単位のバリュエーションの向上、「信託型 SO 制度」による数百・数千万単位のスタッフへの還元など、容易に想像する事ができました。
5-3. スタッフ
ポテンシャルを秘めた会社ということは、ポテンシャルの高いスタッフが揃っているという事になりますが、これは実態が掴みきれていない入社前から薄々感じていました。
例えば、美容感度やトレンドの感度が高いスタッフ、あるいはクリエイティブ、またはエモーショナルな感性が高いスタッフなどが揃っており、それぞれが懸命にミッションを進めていました。
実際に、7 月に EC 事業本部責任者にも就任させて頂き、範囲を広げて見はじめたところ、ところどころ信じられない高い数値を叩き出している事も見えてきました。
そして、取り組みを始めてまだ 3 ヶ月ですが、スタッフやチームが急速に成長し成果を出しはじめていますので、更にゴールイメージの共有や連動性、生産性の相関強化等を進めれば、間違いなくスケールできると確信しはじめています。
6. ノインで何をするか?
わたしの役割の 1 つは、ノインのポテンシャルを最大限に引き出す事です。
わたしが感じたノインのイノベーティブな創造性、エモーショナルな感性だけではなく、出資者やユーザーが感じたノインの魅力等を、経営戦略、事業戦略、マーケティング戦略、プロダクト戦略、技術戦略、デザイン戦略、データ戦略等々の複合的戦略を駆使して最大化していく事です。
そして、「会社」「スタッフ」「ユーザー」「出資者」「協業者」「社会」の 6 者の「相互生産性」を最適化していく事、要するにノインというエコシステム的プラットフォームにより、相互価値を高めていく環境をつくる事は、わたし自身のゴールでもあります。
マーケットシェア獲得や、IPO、海外進出等のミッションは、あくまでこの通過点に過ぎないと考えています。
ノインを今まで支え、ここまで成長させてきてくれた関係者のみなさまに感謝し、これからノインに関わって頂くであろう関係者の方々と一緒に、今まで培ってきたノインの魅力を最大限に引き出す事、これらを実現する事が私の役割です。
7. なぜ CPO & CTO なのか?
CPO & CTO は、わたしの課題解決ソリューションの 1 つでしたが、プロダクトがグロース期のタイミング(またはキャズムに直面している組織)の場合には、CPO と CTO を兼任するパターンがよくありました。
そして、ノインの EC プラットフォームの場合は、ちょうどこのグロース期に差し掛かってましたので、この先で想定されるキャズムをスムーズに乗り越えるために、いくつかの布石を予め打っておく必要があります。
例えば、事業戦略やプロダクト戦略が不明瞭な場合、技術戦略もブレやすく力も分散してしまう事例が多くあります。
また、PdM やディレクターにより各専門職の連携が最適化できていない場合には、プロダクトチームのパワーバランスは崩れ、あるいは削り合いが生じ、施策にも偏りが生じる等、プロダクトの力をうまく引き出せないという事例もよく見てきました。
更にプロダクトの成長期、キャズム、成熟期等のメカニズムは、実は技術領域と強く相関しており、例えばプロダクトライフサイクルのプロセスに対して適切な技術的アプローチがとれなかった場合、技術がプロダクトの成長の足枷になるという事例は、特にベンチャーではよくある話です。
これらの課題を予め解決しながら、よりスムーズな事業成長を遂げるために、プロダクトとテクノロジーの両方を管掌するという役割が CPO & CTO です。
8. 就任 3 ヶ月「フロー効率 800% 向上」
2022 年 4 月に就任して 6 月までの 3 ヶ月間は、ノインのポテンシャルを押し上げるべく主に基盤戦略から実施してきました。
その結果、「フロー効率 800% 向上」「CVR 161% 向上」という成果を出す事ができました。
このような成果が出たのは、もともと組織やスタッフがポテンシャルを持っているからです。
また、今回実施したのはまだ基盤戦略ですので、本格的に成長戦略を進めていく事によって、今期だけでも「CVR 300% 向上」や、数年後に見据えてる照準まで到達できるという事も見えてきました。
もちろん、成果に向けて課題がなかったわけではなく、クリティカルな事象もありましたが、具体的な「フロー効率 800% 向上」までの内容につきましては、次回の note とさせて頂き、 今回は、実施した取り組みのみ開示可能な範囲でご紹介します。
- EC 事業戦略強化
- 技術戦略強化
・主にシステム安定化、速度 & 品質向上化など
MVP 開発化、ノイン流スクラム開発最適化、ボトムアップ開発体制化(社内受託性廃止)、ドキュメント駆動強化、レコメンデーションエンジン化、検索アルゴリズム強化、機械学習化、CWV 化、SRE 体制化、DevOps / NoOps 強化、可用性・弾力性強化、QA 体制化、技術メトリクス化、開発 & 事業生産性相関化、etc…
- プロダクト戦略強化
・主にベクトル化とプロセス化など
EC グロースチーム発足、データ分析チーム発足、プロダクトマーケティングチーム発足、グロースハック体制化、OODA ループ化、MVP 化、VoC 化、ブレスト体制化、A/B テスト化、SLI / SLO 化、機能的価値強化、審美的・情緒的価値強化、etc…
- マーケティング戦略強化
・主に体制化とマーケティングフレーム導入など
プロダクトマーケティング & PdM 体制化、コンテンツマーケティング化、SNS マーケティング強化、コミュニティマーケティング化、市場・競合分析化、各種データ分析化、CRM 化、アトリビューション CV 化、etc…
- クリエイティブ戦略強化
・主に UX & 視覚的 & 審美的 & 情緒的価値化など
UX / UI チーム発足、UX 戦略強化、ブランドガイドライン化、デザインガイドライン化、etc…
- 事業戦略強化
- EC プラットフォームビジネスモデル転換
- 中期ロードマップ計画化
- 組織戦略強化
- 社員 & 業務委託戦略強化
・社員と業務委託(準委任契約)契約について、業務範囲、ポジション、権限、責任の差異を撤廃し、コスト削減、生産性向上。
・社員スタッフ
高レベルのロールモデル環境の提供
業務委託スタッフからロール継承
成長サイクルのスピード化
・業務委託スタッフ
即戦力としてチームのロールモデル化
業務委託スタッフのパフォーマンス最大化
社員スタッフ育成 & ロール引き継ぎミッション化
ロール & パフォーマンスのポートフォリオ化
ネクストミッション化 or 次の企業へのバックアップ
- マトリックス型組織化
・機能生産性から事業生産性への相関強化のため、階層型からマトリックス型へ再編。
- 組織改変化
・EC 事業本部責任者に就任(2022/7/15 〜)
・Div 制に変更
・マーケティング Div. 新設
・UX/UI デザインチーム新設
・コンテンツマーケティングチーム新設
・プロダクトマーケティングチーム新設
・データ分析チーム新設
- 人事評価・目標設計制度強化
9. これから実施すること
ノインでは、EC シェア率獲得、n 億円 IPO、世界進出など、いくつかのマイルストーンがあり、そのためのいくつもの戦略があります。
今回の note では、開示できる範囲でこれらの戦略をご紹介します。
- 技術戦略強化
商品画像認識 AI 化、フェイストラッキング AI 化、スキン解析 AI 化、ビヘイビアル解析 AI 化、サイコグラフィック AI 解析化、マイクロクラスタリング化、DNA アナリティクス化、パーソナル化(パーソナルカラー化、パーソナルスキン化、パーソナルスキントラブル化、パーソナルマッチング化等)、メタバース化、vSKU & フェイス AR 化、マイクロサービス化、DDD 化、MVP 開発強化、ノイン流スクラム開発強化、ボトムアップ開発体制強化、ドキュメント駆動開発強化、レコメンデーションエンジン強化、検索アルゴリズム強化、機械学習強化、CWV 強化、SRE 体制強化、DevOps / NoOps 強化、QA 体制強化、技術メトリクス強化、開発 & 事業生産性相関強化、etc…
- プロダクト戦略強化
UX 戦略強化、UV 戦略化、コミュニティ戦略強化、ライブコマース戦略強化、タッチポイント戦略化、カラー戦略化、スキン戦略化、DNA 戦略化、OMO 戦略化、D2C 戦略化、EC グロース強化、データ分析強化、VoC 戦略強化、価値分類強化、プロダクトライフサイクル戦略強化、etc…
- マーケティング戦略強化
プロダクトマーケティング強化、コンテンツマーケティング強化、SNS マーケティング強化、コミュニティマーケティング強化、インフルエンサーマーケティング強化、ギフティングマーケティング強化、データ分析強化、ターゲット戦略強化、アベイラビリティ戦略化、リアルタイムカスタマーアナリティクス戦略化、etc…
- 事業戦略強化
EC プラットフォームビジネスモデル戦略、エクスクルーシブ戦略、ディスカバリー戦略、グリーンコスメ戦略、EC シェア率戦略化、海外戦略、IPO 戦略、etc…
- 組織戦略強化
社員 & 業務委託戦略強化、エコシステム化、事業生産性強化、機能生産性強化、情報生産性強化、人事評価制度強化、目標設計制度強化、VMV、CI(MI・BI・VI)強化、etc…
今後、これらの戦略を強化し、マイルストーンを達成する事で、更にノインの VMV の取り組みを推し進めていきたいと思います。
【 NOIN’s Vision & Mission & Values 】
- Vision
明日の自分に、ドキドキしよう
- Mission
本当にほしい化粧品が見つかって、それが当たり前に買える世の中をつくる
- Values
とにかく早くやろっ
あたらしい「あたりまえ」をつくろう
相手よりも相手を想う
少しでもノインに興味を持っていただけましたら是非一度お話しましょう。