「グランドトレーナーになりたいとか、そういう強い何かがあったわけではなかったんです」
2017年、新卒でnobitelに入社。以来10年、金子は目の前のお客様に向き合い続けるトレーナーとして現場の第一線に立ち続けている。
昇進や昇格に、強い関心があったわけではない。それでも、後輩の存在や周囲の言葉に背中を押され、スペシャリスト試験へ。2度の不合格を経て合格し、さらにグランドトレーナーへと進んだ。今では、指名で一日の予約が埋まり、優秀トレーナー賞を受賞するまでになった。
役職ではなく、技術を磨くことで上を目指す。なぜ金子は、“現場に立ち続けること”を選んできたのか。その10年をたどると、ひとつのキャリアのかたちと、それを支えるnobitelの環境が見えてくる。
プロフィール/キャリアステップ
2017年4月 リゾート&スポーツ専門学校 トレーナー科 卒業
新卒入社|Dr.stretch ヤエチカ店配属
2022年 スペシャリスト試験に3回目で合格
2022年10月 グランドトレーナー選考に合格
2023年〜 グランドトレーナーとして本格的に活動
現在 ヤエチカ店所属/MIP(優秀トレーナー賞)を受賞
いろんなことが、できそうだ。
専門学校ではトレーナー科で学んでいました。もともとスポーツをしている方に関わる仕事がしたくて、その中で「ストレッチっていいな」と思ったことが、この仕事を目指したきっかけです。
nobitelへの入社を決めた理由として大きかったのが、選考中に受けた基礎研修でした。当時の社長(現会長)から「これから会社として、いろいろなことに挑戦していく」という話を聞いたんです。
ちょうど、東京オリンピックを控えた時期でした。「もしかしたら、いつかそういう舞台に関われるかもしれない」と想像すると、すごく面白そうだなと思ったんです。
他の会社を見たときは、目の前の仕事から先へ広がっていくイメージをあまり持てなかったのですが、nobitelには「ここにいたら、いろんなことができるかもしれない」というワクワク感がありました。
10年間、ずっと同じ店舗で。
入社してから今まで、所属はずっとヤエチカ店です。店長になったこともありません。入社当初は店長という選択肢をまったく考えていなかったわけではないのですが、働く中で、そこにこだわらなくてもいいのかなと思うようになりました。
私は、やっぱりお客様にストレッチをすることが好きなんです。自分が担当することで身体が変わったり、少し前向きな気持ちになって帰ってくださったりする。それが一番うれしい。
気持ちが落ちるときがあっても、私を指名して来てくださるお客様がいる以上、その状態のままストレッチをするのは違うと思っていました。「今、できることをやらなきゃ」と、目の前のお客様に何度も立て直してもらった感覚があります。
10年近く通い続けてくださっている方もいます。長く通ってくださるお客様がいるからこそ、もっと技術を高めて返していきたい。気づけば、それが自分のキャリアの軸になっていました。
2度落ちて、初めて火がついた。
入社した頃には、今のようなランク制度はありませんでした。制度ができてからも、私はしばらく試験に積極的ではなかったんです。
変わるきっかけになったのは、店長からのひと言でした。社歴が長くなって後輩が増えてきた頃、「金子さんがずっと一番下のランクだと、下の子も上を目指しにくいよね」と言われて。「確かにそうかもしれない」と思い、スペシャリスト試験を受け始めました。
ところが、1回目は不合格。一緒に受けた後輩は合格しました。受ける前はそこまでランクにこだわっていなかったのに、結果を突きつけられると、思っていた以上に悔しかったんです。
ランクが上がると、担当指名料も変わります。だから落ちたときは、「自分には、その金額に見合う価値がないと言われているみたいだ」と感じました。悔しさも、焦りもありました。
2回落ちて、3回目でようやく合格。その頃には、「せっかく受けるなら、ちゃんと上に行きたい」と気持ちが変わっていました。最初から高い目標を掲げていたのではなく、挑戦したからこそ、自分の中に火がついたんだと思います。
ついに、なってしまったぞ。
スペシャリストになった年、グランドトレーナーの選考にも挑戦しました。当時は、一定の条件をクリアした人だけが選考に進める仕組みで、私はそのラインにぎりぎり届いていました。
正直、最初から「絶対にグランドトレーナーになる」と決めていたわけではありません。せっかく条件をクリアしているなら、受けないのはもったいない。選考や研修で学んだことを、お客様や店舗のみんなに返せたらいいな、という気持ちのほうが強かったです。
身近にいた当時の店長がグランドトレーナーだったことも、背中を押してくれました。どこを切り取ってもプロというか、いつ誰に見られてもいいように、一つひとつをきちんとやっている。その姿がすごくかっこよかったんです。
当時も多くの参加者がいましたが、ありがたいことに私は一度で合格することができました。
でも、受かった瞬間に最初に思ったのは、「なってしまったぞ」ということでした(笑)。勉強のつもりで受けていたのに、グランドトレーナーになった以上は、その名前に責任を持たなければいけない。そこから、自分の意識が大きく変わりました。
結果より、目の前のお客様を。
グランドトレーナーを目指す中で、指名件数という結果を強く意識する時期がありました。目標を達成できたときはうれしかったのですが、その次からは「また結果を出さなければ」と、自分を追い込むようになっていったんです。
結果を気にするあまり、一回一回のお客様の反応にも必要以上に左右され、ストレッチをすること自体の楽しさまで失いかけていました。
そこで改めて、目の前のお客様にきちんと向き合うことを大切にするようになりました。一回一回の施術を積み重ね、お客様に満足して帰っていただく。その先に結果がついてくればいい、と。
そう考えられるようになってからは、気持ちにも余裕が生まれ、結果も自然と安定するようになりました。
結果を出すことはもちろん大切です。でも、その結果に至るまで、一人ひとりのお客様とどう向き合うか。そのプロセスを大切にすることが、今の自分につながっていると思います。
選ばれる場所で、応え続ける。
グランドトレーナーになると、プロスポーツチームなど外部の現場に関わる機会もあります。私自身、スペインで現地のプロサッカー選手にストレッチをした研修では、身体そのものが仕事につながっている方に触れる責任の大きさを感じました。
外部の現場にも興味がありますし、チャンスがあれば挑戦してみたいです。一方で今は、ありがたいことに店舗で多くのお客様から指名をいただき、予約が埋まる日も少なくありません。
それだけお客様に選んでいただけていることは、トレーナーとしてすごくうれしいことです。だからこそ、まずは目の前のお客様にしっかり応えていきたい。グランドトレーナーとして学んだ技術をお客様へ返したり、店舗のスタッフに伝えたりすることも、自分にできる大切な役割だと思っています。
グランドトレーナーがすべての店舗にいるわけではありません。だから、自分が所属する店舗にいることで、周りのみんなが新しい技術や考え方に触れられる。それも、称号をもらった意味の一つなのかなと思います。
誰かの選択肢になる。
ヤエチカ店は、これまで店長を務めた方々がマネージャーへ進んでいくことも多い店舗です。その中で私は10年間、店長ではなく現場のトレーナーとして働いてきました。
最近は、働き方にもいろいろな選択肢が増えています。週4日勤務のように、仕事以外の時間も大切にしながら働く人もいる。私は、そうした働き方を選びながらでも、現場でしっかり結果を出せる前例がもっと増えたらいいなと思っています。
自分が今までにない結果を出したり、「こんな働き方でも、ここまでできるんだ」と思ってもらえたりしたら、後輩にとっての選択肢も広がるはずです。自分がその一つの例になれたら、すごく面白いと思います。
いつかは、アーティストの方のコンディショニングにも関わってみたいです。私自身、音楽を聴いて「頑張ろう」と思えたことが何度もあるので、自分が得意なストレッチで、そういう方たちを支えられたらうれしい。
入社前に感じた「この会社なら、いろんなことができるかもしれない」という感覚は、10年経った今もあります。やってみたいことを想像できるから、「じゃあ、本当に実現するにはどうすればいいんだろう」と考えられる。それが、この会社で働く面白さなのかもしれません。
現場に立ち続ける。それも、キャリアだ。
キャリアというと、店長やマネージャーになることを思い浮かべる方も多いと思います。でも私は、働き続ける中で、お客様にストレッチをすることが好きなんだと分かりました。
だったら、その仕事をもっと深く突き詰める。技術を高め、自分の価値を上げていく。それも一つのキャリアだと思っています。
最初からグランドトレーナーを目指し、そこから逆算して10年間を歩んできたわけではありません。目の前のお客様を大切にして、もっと良いストレッチを届けたいと技術を磨いてきた。その積み重ねの先に、今があります。
これからも現場に立ちながら、まだ誰もつくっていない働き方や結果をつくっていきたい。それを見た誰かが、「こんな道もあるんだ」と思ってくれたら、うれしいですね。
NEXT
次回は、WECLE事業部 統括マネージャー・古田(入社21年目)のストーリーをお届けします。アルバイト入社から始まり、新規事業の立ち上げや撤退といった激動の変化を最前線で乗り越え、ブランドを牽引する立場へと歩んできた物語——。どうぞお楽しみに。