こんにちは。メディカルリエゾン部の後 未央です。
ネクイノでは、スマルナ医療相談室やスマルナ医科歯科レディースクリニックOSAKAの運営に携わっています。私は、総合病院で8年、看護師・助産師として働き、その後は大学院で月経の研究をしながら、助産院や産後ケアハウスで勤務していました。
私が助産師になった理由は「女性の人生に関わる仕事をしたい」と、思ったから。
全く異なる業界からのITベンチャーと言う未知の世界への転職ですが、ネクイノとの出会いによって思い描いていた仕事ができている、と実感しています。
ネクイノに入社するまで
もともと看護師になる前の新卒のときには一般企業で働いていました。
自動車部品の開発設計業務をしている部署で、技術職として入った女性は私たちの代が初めてでした。男性ばかりの職場の中で、あとから入ってくる男性社員はどんどん設計の仕事を任されるのに、自分や他の女性社員はコピーなどの雑用が圧倒的に多く、悔しい思いをしていました。他にも工場に立ち入るために必要な作業着を女性に支給したことがないと社内で皆が慌てている光景を目にして、女性が男性と同じように働けない、ということにとても違和感を感じたのです。
そこから女性と男性の違いについてよく考えるようになりました。そして「女性が男性と同じように働けないのは、子どもを産む性だからなのか…?」というひとつの疑問にたどり着いたのです。それが助産師を志したきっかけです。
助産師というと、出産や母子の健康を支援するイメージがある思いますが、私が助産師を志した理由は、女性が男性と違う理由が知りたい、ということでした。そのため助産師になる前から、ウィメンズヘルスを勉強してすべての女性の健康に関わるような仕事がしたいと思っていました。
その後、大学の看護学科→看護師→助産学専攻科を経て、無事助産師免許を取得しました。女性の健康に関わる仕事をしたいという想いは変わっていませんでしたが、やはり臨床である程度経験を積んだ方が深く理解できるだろうと考え、産科病棟で周産期の仕事に携わりました。臨床では、妊娠に気付かず陣痛が始まってから救急車で運ばれてくる女性や、自分で育てることが難しいために、出産と同時に赤ちゃんを手放すことになった10代の女の子と関わるような経験もしました。臨床での経験は女性の生き方や幸せについて、問いかけてくれた貴重な経験となりました。
総合病院を退職〜ネクイノ入社のきっかけ
助産師として5年の臨床経験を一区切りとして、自分がずっとやりたいと思っていたウィメンズヘルスについて大学院で勉強したいと思い、勤めていた総合病院を退職しました。
大学院では働く女性の月経について研究しました。なぜ、働く女性の月経だったのかというと、やはり一般企業で働いていたときに経験した「女性が男性と同じように働けない」ということの答えがそこにあるような気がしていたからです。産む性=月経がある。そして、それが女性のパフォーマンスに影響を及ぼしているのではないか…?その答えを探して、働く女性の月経をテーマに研究をしましたが、このテーマは思っていたよりも広く、そして深い…。修士論文を書き終えた今も結局まだ答えは出ていません。
そのような流れもあり、卒業したら絶対にウィメンズヘルスに関わる仕事をしようと決めていました。実際に生理に悩む女性と接するような仕事がしたいと思ったからです。とはいえ、そういう仕事をできる場所は皆無に近い状況でした。こうなったら自分で何かをやろう、と思いフリーの助産師とし生きていくことを決めたちょうどその頃、スマルナ医療相談室の業務委託として、相談を受ける仕事も始めました。
スマルナ医療相談室には日々、生理やセックス、避妊、パートナーとの関係に悩む女性たちが相談に訪れます。対面や電話では話せないようなことでも、顔が見えないテキストでのコミュニケーションだからこそ言えることがあるようで、これこそが日本の女性たちが直面しているリアルなのだな、と感じます。相談をしたい人はたくさんいるのに、相談する場がない、というのが現実で、そういう相談の場を増やせたらいいな、と思いました。ちょうど新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の時期と重なり、オンラインの助産院のようなものを自分でやってみようと思い立ち、自分でもSNSを使って活動を始めることにしたのです。
手始めにTikTokを始めてみたところ、開始早々、相談をしたい中高生のフォロワーが一気に500人ほど増え、自分ひとりでは対応しきれなくなって困っていたところ、以前から顔見知りだった代表の石井が「それうちで一緒にやろうよ!」と声をかけてくれたのです。それがネクイノ入社のきっかけでした。
転職を決めた時の周りの反応
一般企業で勤めている助産師自体がとても珍しい存在なので、同業の人たちからは今も珍しがられます(笑)でも、助産師の働き方として新しい選択肢を開拓できたとしたらそれはとても嬉しいことだと思います。
実際に働いてみて
ネクイノではマーケティングやプロダクト開発を担当している方々など、臨床にいたら関わることがないような人たちと一緒に仕事ができるので毎日がとても新鮮です。
それから、実は就職するときの決め手のひとつになった、フルリモート・フレックス制という働き方も、フリーランスで自由に仕事をしていこうと思っていた自分にはとてもフィットしたな、と思っています。
ネクイノでの役割
今はメディカルリエゾン部の部長として、マネジメントが主な仕事ですが、マネジメント業務は今までまったく経験したことがないので、本当に試行錯誤の日々です。ただ、一緒に仕事をしている薬剤師さんや助産師さんたちは、みんな本当にユーザーさん思いで、新しいアイディアもいっぱい持っているので、このチームで働けることにとても感謝しています。そうして、現状がさらに良くなったり、新しいことが形になっていったりする楽しさは、大変だけど「生きてる!」という感じがして、とてもやりがいがあります。
仕事の上で意識していること
ここで出会う仕事はすべてが未経験の仕事ばかりですが、どんな仕事でも興味を持って前のめりでやっていこうと思っています。必死でやっていると今まで考えていなかったような視点も持てるようになり、自分自身の成長も感じます。
実現したいこと、今後やってみたいこと
入社したきっかけが、若い世代にも性の正しい情報を伝えていくようなサービスをしたい、と思ったことなので、ぜひそれを実現したいと思っています。スマルナは現状18歳以上のユーザーさんしか利用できませんが、今は高校と連携する事業なども始めていて、少しずつ若い世代に対する取り組みができるようになってきました。また、スマルナ医科歯科レディースクリニックOSAKAでは、ユースクリニックとして婦人科受診に抵抗がある若い世代の女性の受診のハードルを下げるような取り組みも始めています。
スマルナ医科歯科レディースクリニックでの取り組み
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スマルナを通じて、このような活動をもっともっと広げて、性についての正しい知識をわかりやすく伝えられたらうれしいです。それによって、女性たちが自身を大切にして、自分の力で幸せを掴むための、お手伝いができたらと思います。