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マイナーをメジャーにする仕事。

どういう基準で仕事を選んでますか?そう聞かれたら何と答えるだろう。僕はよく「クリエイティブで社会ビジョンを描く仕事」とか「自分たちの世代の価値観を具現化できるもの」と言っている。また別の切り口で言えば、「経営者(リスクある意思決定できる人)としか仕事しない」なども判断軸にしている。

話は変わるが、約1週間前に、渋谷に「T4」という卓球スペースをオープンした。レストラン・スクール・ショップが複合され、様々な卓球体験ができるように設計されている。NEWPEACEではその企画、空間ディレクション、デザインで関わらせてもらった。
https://t-4.jp/tokyo/






詳しくは先日にも記事を書いたが、いま僕は卓球に大いなる可能性を感じている。そして、実際に2020年東京五輪に向けて、日本代表および卓球メーカーのブランディングの仕事をしている。

2020東京五輪で、最も国民を熱狂させるのは「卓球」である、6つの理由。

じゃあ、なんでこの仕事をしているのかと考えると、卓球が好きなことに加えて、「マイナーをメジャーにする」ことに醍醐味を感じている自分に気がついた。

マイナーをメジャーにするとはどういうことか。それを取り巻くイメージが逆転することだ。卓球で言えば、やってることがポジティブに共有されるスポーツ&カルチャーへと変わることだと思う。卓球はなぜか、やってたことを隠したくなるダサさがある。これは否定しようもない。ただ世界卓球で日本選手が活躍して、そのタイミングでT4をオープンしたとたん、今まで予想もしてなかった人たちから「卓球好き」「卓球やろうよ」「おれ実は部活でやってたんだよね」という声が聞こえてきた。

これはとても面白い話だ。イメージのK点を超えた途端、X(ここでいう卓球)に関するポジティブコミュニケーションが周縁から大量発生する。経験者は今まで誇れなかった人生の一部がアイデンティティとして輝き出す。そのとき一種の混沌が生まれる。Xは社会においてどういう存在だったのか、わからなくなるからだ。そして混沌がマーケットを刺激し、いろんなシーンで下剋上が生まれる。そして気がつけば、マイナーがメジャーに取って代わっているのだ。

それは究極の多様性だと思っている。(社会的に)弱かったものが強くなる。常識としていたものが崩れ、未知が楽しまれるようになる。それはテクノロジーや経済の潮流だけではなく、最終的には「イメージ」が決定していくから面白い。

ふと見返せば、NEWPEACE でやってる仕事はそのほとんどが、マイナーをメジャーにする仕事だ。自動運転、シェア、ロボアドバイザー、メンズコスメ、新教育など、どれも今はまだ怪しいが、しかしきっと未来のデファクトスタンダードなるものばかりだ。そのゲームチェンジほど楽しい仕事はない。

なんで大企業の既存商品の仕事しないのか断るのか、とたまに聞かれることがあるが、結局、僕は世の中がひっくり返る混沌をつくりたいんだと思う。それが僕なりの多様性のつくりかたなのかもしれない。

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