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百貨店の店をクローズした直後の感想。

 どうも株式会社アソビスキーの近藤でございます。まだまだ寒い2月と今年はどうでしょう暑いのかの8月は商売的に「二八(にっぱち)」と言われまして、この2つの月は商売が基本低調で売上げが下がるのが常だ、と言われています。それにしても2月は売れないですよね特に嗜好品の玩具は。そんな売れないと言われる2月の末日を待たずしての昨日、2020年にOPENした知育玩具店舗『アソビスキー伊勢丹立川店』をクローズいたしました。閉店の経緯はものすごくざっくりいうと【先方の都合】。伊勢丹立川全体が3年連続赤字が確定して大幅な従業員の配置転換が3月末に実施される影響で、不採算・非効率な売り場を徹底的に廃止するそうで、弊社の売り場はおもちゃ業界にありがちな百貨店側に依存した店舗(平日は弊社社員は不在で百貨店社員が対応する等)だったのですが、こども用品売り場の社員が削られるので今までのような平日の対応が出来なくなるので大変申し訳ないのですが出て行ってください(もっと効率の良い会社を入れるので)という事でした。まあ確かに店の広さの割には売れてなかったのでこれは仕方ないっちゃ仕方ないです。

 でもね、最初に招かれた時に『こんなに40坪もいらないんですけど』『10坪くらいでいいっすよ』って言ったんですよ私。コロナの影響でキッズアパレルが2店舗急に退店しちゃってぽっかり穴があいてどうにも埋まらないので坪効率とか無視して遊び場的なのも入れてお客様が楽しめる売り場を作ってください!って言われて。言われたその通りに売り場の半分以上を遊び場+ワークショップの場所を作ってスタートして1年半で立川店全体が3期連続赤字に陥った2022年頭に『40坪も使ってるのに坪効悪いですよねアソビスキーさん』って言われてもなあ。そもそも最初にそっちがここ全部使って遊び場とか遊べる場所を作れってってそっちから頼んで来たんじゃねーかw坪効うんぬん言うんだったらハナから店なんて出さんわマジで。イベントやってる方が100倍利益率良いしなあ。何か面白い事をしたい!っていうからやったのに・・・。 

 そう言われ、過去の経験則も含めてこういう場合の百貨店さんには何を言っても変わらないよなあ、と判断し割とスパッと決めました。フロア従業員のリストラ以外の策がほぼなさそう感をヒシヒシと見て感じる中で、幸い出て行け!と言われたのでこの辺の結果はポジティブに考えております。

 百貨店の栄枯盛衰というにはあまりにも象徴的なそごう西武の身売り話も今日が1回目の入札締切だったそうで、ニュースを聞きかじる中で国内企業は手を挙げなかったという話もあるようで、今は主に外資系のファンドが検討しているそうで・・・・そうなるとどうなるのか、私はそれ系の専門家では無いのでなんともですがオーナーが変わればなんらかの変化が起こるんでしょうおそらく。今のままではダメだという判断からなんらかの変化、痛みを経て再生の道を歩む、現存する主力百貨店の大変革の最初の1社にそごう西武がなる可能性も無きにしも非ず、ですよね。

 職業柄、百貨店以外も含め色々な商業施設に出入りする身として、働く人々が下り坂で斜陽な百貨店と、敵はオンラインだと意気込むGMS系主力のイオンや三井さんをはじめとするショッピングセンター勢とを比較すると、明らかに内部人材のモチベーションというか覇気がもう逆というか正反対というか。黄昏感半端ないんですよねほんと。百貨店で常に一番混んで盛り上がってるの社食だしなあ。なんか身内ネタなんですよね、百貨店って。ブランドというかこうあるべき感がものすごく強いですよね。SC系の人はその辺サバサバしているというか、あくまでリーシングでモザイクのようにさまざまな店舗をつなげてメインは各テナントさんなんですよっていう慎ましさというか、なんでしょうかね。

 別にそこお客さんそんなに求めてないと思うけど、っていう過剰なサービスが首を絞めてますよねほんと。LCCみたいな百貨店とか作ればいいんじゃないかなあと最近思うんですよね。過剰なサービスよりシンプルサービスで慎ましいローコストな百貨店とか需要ありそうだけどなあ。とにかく今の現状を一度ぶっ壊して本当にどんなサービスが必要か考え直した方がいいと思う。あった方がいいサービスと、なくてもいいサービスの分別と、名前の通りの百貨の考え方。少なくとも地下は他にない品揃えで需要があるのだから、他のフロアも同じ考えでやれば色々新しい道がありそうな気はしますけどねえ。でもご本人たちが特に危機感ないので多分現状維持なんだろうなあ。

 あと致命的ですよね縦階層のビル設計。もうエレベーターとか何時間待つのよ、みたいな。8階って。エスカレーター何階あがると辿り着くのかいほんと。もうこれは変えようがないけど、ららぽーととかの3階層で慣れてる人にとってはほんとに苦痛以外の何者でもない。構造の問題だからこれもどうしようもないけど、低層の百貨店とか作ったらいいのに。

 今日も閉店作業で什器を台車で押してたらウチの社員に伊勢丹の従業員が血相変えて『お客様が通っているのでここを通らないでください!』って言われたんですけど、そもそもそんな危険を伴う様な物でもないし、そんなに近い距離でも無かったし、更にいうとお客様ってそんな大名行列のお殿様みたいな感じじゃないとダメなんですかね。そうしないとお客様が『俺の横を台車で通るなんて何様だ!そこへ直れ!叩っ斬ってやる!』ってキレるんですかね。お客さんだって仕事してるって思ってくれるんだからなんも言わないよそんなに。ここは江戸時代なのかと思ったわほんと。そのお客様への在り方がちょっと時代錯誤レベルじゃないかなと思うんですけど私だけでしょうかね。昔から連綿となんの疑問も思わずそう教わっているからそうするしかないんですよね。日々立ち止まって、お客様にとって何が最善かって考える機能がそもそも無いので、それを考えるのは私の仕事ではない、みたいな。大事にしないとか言ってないですし、お客様が来ないと商売が成り立たないという大前提はあった上で、もっと今の時代にあったお客さまの距離についてもっと真剣に考えた方がいいと思うんですけどね、ほんと。

 さっきも言いましたがシニアも欲しいヤングもキッズも欲しい全方位百貨店を早く諦めて、今の時代にあったヤング向けLCC百貨店(シニア無視)と、昭和初期の古き良きを完全復元した大名気分になれるクラシック百貨店(ヤング無視)の2項目に絞りこんで中途半端な百貨店はもう終わりにした方が良いんじゃ無いかと勝手に妄想する今日の閉店作業でした。



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