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世界情報社会サミットフォーラム2019への参加レポート

こんにちは!Public Relations の森山です。
この記事は2019年4月、5日間にわたりスイス・ジュネーブで開催された世界情報社会サミットフォーラム2019に参加したときのレポートです。今年のテーマ “Information and Communication Technologies for achieving the Sustainable Development Goals” のもと、Nayutaからはわたしが参加し、「ファイナンシャルインクルージョンに向けたブロックチェーンの可能性」というテーマでブースを設けました。

世界情報社会サミットフォーラム2019(WSIS:The World Summit on the Information Society Forum)

日程:2019年4月8日 - 12日
場所: 国際電気通信連合本部(ITU:International Telecommunication Union)(スイス・ジュネーブ)
参加者:政府、Civil Society、民間企業、学界、テックコミュニティ、政府間組織から150か国3000人以上
公式ウェブサイト:https://www.itu.int/net4/wsis/forum/2019/
WSISフォーラムとは:

世界情報社会サミット(WSIS: World Summit on the Information Society)は国際電気通信連合(ITU: International Telecommunication Union)主導の下、2003年(ジュネーブフェーズ)、2005年(チュニスフェーズ)と二度にわたり開催され、各国首脳レベルで、情報社会に関する共通ビジョンの確立を図るための具体的な方策の検討が行われました。チュニスフェーズで採択された「情報社会に関するチュニスアジェンダ」には、デジタルディバイドを克服し、ミレニアム開発目標等の達成を目指すことと共に、情報社会の鍵となる11のアクションライン(インフラ整備、人材育成、セキュリティ確保等)が示されています。 WSISフォーラムは、アクションラインの進捗報告・情報交換等を行う国際会議です。アクションラインのファシリテーターであるITUがUNESCO(国際連合教育科学文化機関)、UNCTAD(国際連合貿易開発会議)、UNDP(国際連合開発計画)との共催により毎年開催しており、各国政府・国連機関のみならず、全てのステークホルダーが参加可能となっております。
総務省HPより

情報通信技術を用いてどのように持続可能な開発目標(SDGs)を達成するかという議論が、ワークショップやセッションなどのプログラムを通し各国様々なステークホルダー間で行われます。


フォーラム全体に関して

フォーラムは3から4施設内で行われており、WSISによると300以上のプログラムで構成されていました。大きく次のような内容でした。
・各ステークホルダーによるセッション (Thematic Workshops, Country Workshops, WSIS Action Line Facilitation Meetings, Interactive Sessions, Information Sessions and Policy Sessions)
・各ステークホルダーの高位者によるセッション(High-Level Track)
・閣僚級会議
・ハッカソン
・交流会
・WSIS Prizes セレモニー
ブーススペースはセッション会場と同じ施設内にあり、参加者はいつでも立ち寄ることができました。様々な情報通信技術のステークホルダーが参加しており、その技術にはAR/VR、5G、AI、IoT、Blockchain等も含まれていました。

〈参考〉
WSIS フォーラムのアジェンダ https://www.itu.int/net4/wsis/forum/2019/Agenda
Flickr https://www.flickr.com/photos/itupictures/collections/72157708046419954/
Youtube https://www.youtube.com/playlist?list=PLpoIPNlF8P2NjQ_HPrwHz1ZDl4dwGOowP

https://www.flickr.com/photos/itupictures/46839675234/in/album-72157690800010163/ より

https://www.flickr.com/photos/itupictures/47532415812/in/album-72157707840698415/ より

ブースに関して

全ブースは約30から40、その中でブロックチェーンや仮想通貨に関するブースは私たち含め2から3つであったと記憶しています。Nayutaでは「ファイナンシャルインクルージョンに向けたブロックチェーンの可能性」というテーマでブースを設けました。

ファイナンシャルインクルージョンという言葉の定義はそれぞれの文脈によって異なると思いますがここでは、Bitcoinを使うことで既存の金融システムにアクセスできなかった人々が経済的に安定した生活を送り、富や金融知識を蓄積することが出来ることを指しています。Nayutaでは現在、Lightning Shield for Arduinoという電子工作用ボードを提供しています。これは、Bitcoinを着金すると動作するプロトタイプを、誰でも簡単に作ることが出来る補助用ボードです(Lightning決済)。考えついたアイデアを手間暇や金銭的コストをあまりかけずに形にすることが出来ます。本当にニーズがあるものを創り出すには、マーケットの中にいる当事者自身が気付き、調査し、実行することが必要な場合があります。このボードは、そこに住む当事者によって発見される解決策や新たな社会インフラの可能性に貢献できるかもしれません。

展示品として、Bitcoin決済のコンセントを持っていきました(1st Layer決済)。ボードが搭載したコンセントを持って行きたかったのですが訳あって出来なかったので、見た目が一緒のBitcoin決済コンセントを展示しました。これらのコンセントは、モールの駐車場やカフェなどに管理者が設置することで、ユーザーは支払った額分の充電を行うことが出来るというものです。実際に、多くの人に支払いデモを体験してもらいました。

様々な方に立ち寄っていただき、中にはブロックチェーン都市ドバイの政府関係者、Lightning Networkのペーパーを書いている方、世界的に大きな政府系イベントの主催関係者、トークンを使ったプロジェクトを実際に行っている方から、ブロックチェーンについて良く分からないが期待していると言ってくれる方、興味本位で立ち寄ってくれた方までいました。ボラタリティを気にしている人もいれば、「ブロックチェーンは分かるけど2nd Layer(ここではLightning Networkのこと)って何?」と質問される方もいました。わたしが出会った中では、この業界で頻繁に話に出てくるような内容について会話できる人は全体的に1から2割、応用例を気にしている人が過半数といった印象でした。


参加したセッションに関して

NayutaはブロックチェーンとIoTの分野にいるので、関連する4つのセッションに参加しました。

Blockchain and Data Protection organized by University of Geneva
https://www.itu.int/net4/wsis/forum/2019/Agenda/ViewSession/155#

2018年頃からブロックチェーンのプライバシー問題が公に出てくるようになりました。特定の者が個人情報をコントロールするのを規制するデータ保護法とは異なり、ブロックチェーンプロジェクトはデータを分散化しプライバシーを守ろうとしています。しかし、ブロックチェーンのプライバシーは完全なものではありません。このセッションでは、ブロックチェーンと法との間には議論の余地がある現状や、プライバシーを強化しながらブロックチェーンを使うベストプラクティスの必要性など、慎重な姿勢を見せつつも楽観的な意見が多くみられました。議論の途中には、ジュネーブ大学でのワークショップにおいて挙げられた解決策のアイデア(ハッシュやゼロ知識証明などプライバシー強化の技術を使う、など)や標準化についての動きも紹介されました。

Internet of Things – From idea to reality, making it happen in Africa by ITU/Smart Incubator/WaziUp/WaziHub
https://www.itu.int/net4/wsis/forum/2019/Agenda/ViewSession/254#

アフリカ地域では膨大な数の人々が農畜産業で経済を回しており、巨大な情報のデータベースを創り出すIoTエコシステムは適当だと考えられています。具体的には、家畜の盗難や農産物の損失に対応するため、家畜用のウェアラブル端末やIoTベースの監視システムが主な関心事にもなっています。また、2018年9月にルワンダやサウジアラビアのサポートのもと、IoT、Blockchain、AI3つの分野のインキュベータープログラムがITU主催で始まりました。パートナーのひとつであるWAZIHUB は、アフリカの人々が共同設計する地域のサービスニーズに合うソリューションと、IoTとビッグデータの最先端のソリューションのオープンハブとなっているプロジェクトです。セッション中、IoTトレーニングプログラムの内容や開発された実際のユースケースが紹介されました。

Women Leaders in Blockchain by Shule 
https://www.itu.int/net4/wsis/forum/2019/Agenda/ViewSession/299#

このセッションでは、社会的正義、経済的エンパワーメント、環境責任のため活動している女性たちによって、ブロックチェーン技術を使用したユースケースが紹介されました。オーディエンスとのQ&Aセッションでは、現在のプロジェクトにブロックチェーン技術を取り入れる方法や、すべてのコミュニティが新しい技術の時代に参加するために必要なインフラはなにかといった内容にも話題が及びました。

Blockchain for Social Good: Moving beyond the hype of Cryptocurrencies by Open Health Network https://www.itu.int/net4/wsis/forum/2019/Agenda/ViewSession/308#

このセッションでは、主にヘルスケア、サプライチェーン、デジタルIDに関するユースケースに関して紹介・議論がされました。参加者の理解のため、ブロックチェーンはどういう仕組みで動くかという基礎説明も行われました。

〈参考〉
WSIS フォーラム内の各セッションのサマリーとハイライト https://www.itu.int/en/itu-wsis/Documents/Forum2019/DRAFT-WSISForum2019OutcomeDocument.pdf?CB=FPWHMX

https://www.flickr.com/photos/itupictures/sets/72157707840698415/ より


フォーラムへの参加背景

遡ること2019年1月末頃、WSISから招待メールが届きました。このようなフォーラムに招待された理由に思い当たる節がなかったので問い合わせをしてみたところ、「あなたたちがいる分野の技術と地域に関して調査を進めていたところ、Nayutaを見つけたのでメールを出しました。」とのことでした。その後、ワークショップの打診もありましたが、何度かやり取りを行い、最終的にブーススペースを無料提供してもらう形に至りました。ちょうどその時期は、Lightning Networkのソフトウェアをメインネットリリースするのに、社内全体が忙しく動いていた非常に重要な時期でした。それゆえ、このタイミングで参加することは妥当なのかと社内で検討した上での参加となりました。


Nayutaのカルチャー

Nayutaには「必要があれば投資する」というようなカルチャーがあります。今回のフォーラムへの参加は、短期的なコストは多少かかりましたが、ネットワーキングや知見を広げることに長期的な意義が見込めると判断しました。それは、国レベルから草の根レベルまでの幅広いステークホルダーが各国から集まる中で、運営側の目がブロックチェーンにも向いていたことから、海外を舞台にしていくNayutaにとってもコミュニケーションをとるのに良い場所ではないかと思ったからです。また、そこに集まる人が実際どれくらいの関心を持っているのか温度感を測る指標になるとも思いました。

今年、わたしはNayuta2年目で海外での仕事はこれが2回目です。今回Wantedlyに投稿したのは、Nayutaに入るとこういった可能性があると少しでもイメージしていただきたかったからです。ここで仕事をするのは面白そうだ!と少しでも感じていただければ嬉しいです。

*社内のエンジニアやビジネスサイドが、優秀な海外エンジニアコミュニティやブロックチェーン・クリプト界隈が活発な場所に行くこともあります。

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