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株式会社JR東日本びゅうツーリズム&セールス
ツーリズム推進本部 地域連携部
日比谷佳乃(写真左)
株式会社JR東日本びゅうツーリズム&セールス (以下、VTS) にて、個人型旅行の商品仕入・造成を経験後、myProduct株式会社 (以下、マイプロダクト) へ出向。現在、VTSで地域連携事業の企画提案を担当。
株式会社JR東日本びゅうツーリズム&セールス
ツーリズム推進本部 地域連携部
米谷実紗(写真中央)
VTSにて団体旅行の催行管理を経験後、マイプロダクトへ出向。現在は、VTSの自社メディア運営に従事。
myProduct株式会社
クリエイティブチーム ディレクター
原万史子(写真右)
マイプロダクトにて、地域共創を目指してCRAFTRIP制作に従事。またその傍ら、弊社戦略コンサルタントと共に企業の新規事業 / スタートアップの支援を行う。
VTSとマイプロダクト、協業のきっかけ
VTSとマイプロダクトとは、「JR東日本スタートアッププログラム2020」での採択を機に協業が始まりました。地域産業にフォーカスした新しい旅のかたち「ヒューマンツーリズム」を推進するにあたり、旅行業に精通したVTSの方々が弊社へ出向いただくことで、事業も大きく飛躍しました。
今回は、昨年度までVTSからマイプロダクトへ出向いただいていた、日比谷さんと米谷さんのお二人に、弊社ディレクターの原がインタビューを実施。出向経緯やマイプロダクトで学んだこと、今後の展望などを語っていただきました。
マイプロダクトとの出会い
原:マイプロダクトに出向いただく前は、VTSでどのようなお仕事をされていたのですか?
米谷:私は、団体旅行を扱う部署に所属していました。VTSでは、団体旅行を催行するにあたり、旅行を企画するグループや、ツアー実施前に添乗員や宿泊施設の担当者と打ち合わせをするグループ、催行後に精算などを行うグループに分かれています。私はその中でも、催行管理グループというところに所属し、ツアーが安全に催行できるよう準備からツアー催行中の緊急時の対応を担当していました。
日比谷:私は米谷さんとは別で、個人旅行を扱う部署に所属していました。主に首都圏ホテルの商品仕入・造成を担当しており、一般的にイメージされる旅行会社の営業を担っていました。
原:旅行会社となると忙しい印象がありますが、そのような中でもマイプロダクトに出向いただいたきっかけは、どのようなものだったのですか?
米谷:ちょうど社内公募された時が新型コロナウイルス感染症の流行真っただ中で、旅行業界が落ち込んでいたというのが一番でした。当時20代前半で一番アクティブに動ける時期だったのに、自宅待機の日々が続いてもどかしさを感じていました。その時に、静岡オフィスの立ち上げや経験したことのない広報業務を実務を通じて勉強できるという、マイプロダクトの公募に魅力を感じて応募しました。
日比谷:私もきっかけは新型コロナウイルス感染症の流行でした。行動規制や旅行の自粛が叫ばれていたので、ホテルの休館や廃業、開業延期の連絡が多く、会社の収益につながらないマイナスの処理ばかりが続きました。そんな状況の中で、マイプロダクトの「地方へ常駐しながら地域の魅力を発見する地域コーディネーター」の公募に出会いました。これまでお客様を送客する立場の経験はあったものの、受け入れ側としての立場は経験がなく、「着地型観光の視点を養うにはぴったりかも」と、迷うことなく応募していましたね。
今に活きる成功体験
原:マイプロダクトでは、VTSでこれまで携わっていた業務とは全く違うものにチャレンジしたということだと思うのですが、特に印象的だったことはありますか?
米谷:一番印象的だったのは、静岡県焼津市で行った「ビジネスマッチング合宿」ですね。このプロジェクトでは旅行業務を担っていたので、これまでの自分の知見が活かされたものであり、今に活きるスキルを身につけることができたものでした。今まで自分の業務としては団体旅行の催行管理のみを行っていたので、旅行の集客や精算管理というところはやったことがありませんでしたが、このビジネスマッチング合宿では、募集用のチラシの作成から催行管理、精算まで一通りの流れを行いました。社員数の多い企業にいると、なかなか1から10までの旅行業務に携わることはないので、大変ではありましたが、達成感のあるプロジェクトとなりました。また、この時にクリエイティブを作成した経験は今も活きており、VTSでポスターを作ったときには、各メディアにも取り上げられるようなものを仕上げることができました。
日比谷:私はマイプロダクトでの出向自体が印象的で、出向している間「地域コーディネーター」として、1年間静岡県下田市に住んでいました。旅行は好きでよく行きますが、なかなか地方に住むという経験はしたことがありませんでした。「面白そう」と思って応募して、現地に飛び込んでいったわけですが、実際に住んだからこそわかる地域の魅力や課題を自分の手で発掘できたのは、すごくいい勉強になりました。また、当時CRAFTRIPのホストさんとしてもお世話になった漁師さんと、今でも家族ぐるみで仲良くさせていただいています。下田にも「帰る場所」があるのは、なんだかうれしいですね。
原:下田市のCRAFTRIPと言えば「ガイアの夜明け(テレビ東京)」に取り上げていただいたことが印象的ですが、どういった経緯だったのでしょうか?
日比谷:テレビに取り上げていただけたのは、本当に偶然だったんです。特にCRAFTRIPの広告を出していたわけではなかったので、そもそも集客には苦労していたんです。CRAFTRIPを始めた頃は、参加してくださる方も私が声をかけた方ばかりで……。ただ、私が当時滞在していたワーケーション施設をはじめとする、下田市内の宿泊施設や観光案内所にポスターを貼らせていただいていたところ、それを見て参加してくださる方が段々と増えてきたんです。ポスターや声かけで集客しつつ、CRAFTRIPのホストのみなさんや参加者にSNSなどで発信してもらうことを積み重ねていたことで、ガイアの夜明けに取り上げていただいたって言う感じですね。そこからは、たくさんのお問い合わせをいただくことができました。
米谷:この経験が出向に来ていた時の、私たちの一番の成功体験かもしれないですね(笑)初めてCRAFTRIPの予約が入ったことや、段々と話題になっていくところに、うれしさとやりがいを感じていました。
出向を終えて…
原:出向期間が満了し、現在はお二人ともVTSへ戻られていますが、マイプロダクトでの経験はどう業務に活きているのでしょうか?
米谷:「根拠を出す」という仕事のやり方が今に活きていると実感しています。今までは「既存の業務をいかに効率的にやるか」ということにフォーカスしていましたが、それ以上に1つの提案でも、小さな発言でも説得力があるかどうかが重要であるということを、マイプロダクトの戦略コンサルタントの皆さんから学びました。この学びがあったからこそ現在の業務では、自分のアイデアに納得してもらえたり、社内で何か提案する際にも通りやすくなったりしました。「根拠を出す」ことで仕事の生産性が上がったと私自身が実感すると同時に、上司からも「米谷さんの提案には説得力がある」と評価してもらえています。
日比谷:私の場合、各地域の方にヒアリングする際に下田市での経験が活きているなと実感します。現在、地域連携部という部署で働いており、旅行業を通じた地域共創に取り組んでいます。そこでは度々地域の方にヒアリングをする機会があるのですが、地方の実情を理解しているからこそ、地域の悩みに寄り添った提案ができているのではないかと思っています。また、下田市という観光地に滞在していたというところもミソで、同じ旅行業でも受け入れる側 (地域)の事業者さんと関りがあったことで、事業者さんならではの悩みや不安といったリアルな声を聞くことができました。
米谷:実は、日比谷さんのヒアリング力や人柄はVTSですごい評判なんです! マイプロダクトが下田市でCRARFTRIPを展開し始めたころはまだ会社も新しくて、地域の方を巻き込んで新しい事業を展開しようにも、地域の方を納得させるだけの材料がありませんでした。その状況の中でも、日比谷さんは一人で色々な事業者さんのところへ営業に行き、人脈をつくっていました。滞在を通して地域の魅力を発見し、自分でプランを企画して地域の方を巻き込んで行く「実行力」というところが今の仕事に活かされていると、はたから見ていても感じますね。
原:マイプロダクトでの仕事をしたからこそ、今があると小山さん(当社CEO) が聞いたら喜ぶと思います。
2人:私たちも、マイプロダクトに出向できて良かったと心から思っています! 本当にありがとうございました。