こんにちは!マイファーム人事部の岩本です。
現在当社では、全国で活躍する当社スタッフをIT面から支える、 情報システム部門のメンバー を募集しています。PC・スマホのキッティングやアカウント管理、社内からの問い合わせ対応(ヘルプデスク)などが中心のお仕事です。
ということで今回は、当社のシステムを担当スタッフによるコラムをご紹介します。
…といってもシステム周りの業務の話はほとんどなく、「お茶畑」の作業応援のコラムとなっております。
「農業×システム」はどういう化学反応を生み出すのか?当社の幅広い事業領域とワクワク感が伝えられたら幸いです!
皆さん、こんにちは!
マイファームの池本(いけもと)と申します。
普段はサーバー管理回りを実務としており、1日の大半はデスクの前にいます。
ですが最近、AIとの協業を日常業務に取り入れてから、定型作業の工数が少しずつ減ってきました。
その余白の時間を、私は「人や現場との接点」に充てるようにしています。
今回ご紹介するのは、神奈川県愛川町での体験です。
マイファームでは愛川町で、「茶」(日本茶)の生産に取り組んでいます。
2026年5月。
お茶摘み取りに参加し、さらに215kgの茶葉を1tトラックで運送するという、なかなか得難い一日を過ごしてきました。
■愛川町に呼ばれた、春の一日
愛川町は神奈川県北西部に位置し、相模川と中津川が合流する自然豊かな町です。
東京都心から車で約1時間。
そんな距離感ながら、かつては茶の産地として知られていました。
私がここを訪れたのは、日本茶産業の現場を、自分の目で確かめたかったからです。
農林水産省の統計によると、国内の荒茶生産農家数はこの20年で大幅に減少しています。
機械化・省力化が進む一方、「手で摘む」という伝統的な作業がどこへ向かうのか。
データだけを眺めていては、その温度感がどうしても掴めませんでした。
午後12時42分。
まず向かったのは、愛川町内の製茶施設でした。
■まず、工場から見た「お茶の旅」
施設に入って、2種類の茶葉サンプルを並べた試飲でスタートしました。
同じ畑から摘まれた葉が、加工の違いだけでここまで変わるのか──口に含んだ瞬間の驚きは、今でも鮮明に覚えています。
続いて案内されたのは製茶機械ラインです。
天井の高い工場内に、蒸し機・揉捻機・乾燥機が一列に並んでいました。
「摘んだその日に蒸して、揉んで、乾燥させる。時間との戦いです」
ご担当者のその言葉が、この日ずっと頭に残り続けることになります。
■茶畑に立つ。215kgが生まれる場所
午後、車で移動して茶畑へ向かいました。
一面に広がる深い緑。
山を背景に、整然と並んだ茶の畝は、写真で見ていたものとはまったく別の迫力がありました。
KAWASAKI製の大型茶摘み機が、畝の上をゆっくりと進んでいきます。
機械は一度の走行で、広大な畝をまとめて刈り取っていく。
そのスピードと迫力に、思わず見入ってしまいました。
しかし、機械だけではどうしても対応しきれない課題があります。
畝の間に生い茂るヤブカラシ。ブドウ科の強い蔓性雑草で、茶畑に繁茂しやすいことで知られています。
機械がそのまま走ると、茶葉と一緒に刈り取られてしまうのです。
そこで、機械摘みの前後に欠かせないのが、手作業によるヤブカラシの除去です。
同行した仲間が、畝の上にかがみ込み、一株一株を丁寧に引き抜いていきます。
「これが混じると品質に影響が出る。だから絶対に取りきらないといけない」
機械の速さに目を奪われていた私は、この地道な作業を見て、はっとしました。
機械化が進んでも、人の手が守る工程がある。
日本茶の品質は、こういう場所で守られているのだ、と。
■1tトラック、運転席へ。「215kg」を背負う感覚
摘み取り作業が一段落し、茶葉をトラックへ積み込む時間になりました。
そこで一言、声をかけていただきました。
「池本さん、運転してみますか?」
普段はデリカD:5に乗っています。
オフロード仕様のミニバン乗りとして、ある程度の大きさのボディには慣れているつもりでした。
しかし、荷台に茶葉をたっぷり積んだ1tトラックというのは、まったく別の乗り物でした。
アクセルを踏んだ瞬間の重さ。
ブレーキを踏んだときの、じわりとした慣性。
「あ、これはデリカとは違う」と、最初の数十メートルではっきりわかりました。
製茶施設に到着し、計量所に乗り入れると、スケールの表示が「2188」を示しました。
荷降ろし作業が終わり、もう一度スケールに乗ると「1973」。
差は215kg。
この数字が、今日一日摘み続けた茶葉の重さでした。
1tトラックの荷台の上で、愛川町の風と一緒に揺られてきた、215kgの春の息吹。
■現場に出て、初めて見えたもの
普段の私の仕事は、サーバーの監視ログを確認したり、社内システムの設定を変更したりと、数字と画面に向き合う時間が中心です。
今日、ひとつ気づいたことがあります。
「215kg」という数字は、スプレッドシートで見ていたときと、トラックのハンドルを握って体感したときとでは、まったく別の数字に感じられました。
現場に出ることで、数字に「重さ」と「温度」が宿る。
サーバー管理者として、デスクだけでは見えなかったものが、確かにここにありました。
日本茶産業は今、転換点を迎えていると感じます。
生産者の高齢化、担い手不足、機械化の加速。どれも農業全般が直面する課題と重なります。
だからこそ、農業の現場に関わり続けることの意味があるのだと、改めて感じた一日でした。
■この一日が生まれた理由
最後に少しだけ、個人的なことを書かせてください。
この愛川町への訪問が実現した背景には、日々の業務の中でAIとの協業を積み重ねてきたことがあります。
定型的な文書作成やデータ整理にかかる時間が以前より短くなり、「現場に出る」「人と会う」という時間を意識的に作れるようになりました。
テクノロジーの力で生まれた余白を、次の出会いや体験に使っていく。
それが今の私のスタイルです。
そして今回の愛川町訪問では、もうひとつ忘れられない出来事がありました。
この日の現場で、すでに退職した元同僚2人と偶然の再会を果たしたのです。
農業の現場が、こんな形で人と人を引き合わせてくれるとは思ってもみませんでした。
AIで生まれた時間を、現場に使う。現場が、懐かしい人との再会をくれる。
この循環が、今の私にとっての幸せな「働き方」だと感じています。
夜、帰路についたデリカD:5のトリップメーターを見ると、「212.4km」を示していました。
愛川町の茶畑の緑、1tトラックの重さ、製茶施設の方々の言葉。
それらが混ざり合いながら、夜の道を走りました。
日本茶のことを、もっと知りたいと思います。
そして、現場に出ることを、これからも続けていきたいと思います。
今回お世話になった愛川町の皆さん、本当にありがとうございました。
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