「モンスターラボ ミュージックカンパニー」は、株式会社モンスターラボの音楽事業を行う社内カンパニーです。2019年にモンスターラボホールディングスの子会社モンスターラボミュージックとして一度分割されましたが、2025年4月に再合併いたしました。モンスターラボは、現在でこそDXやアプリ開発のイメージがありますが、もともとは2006年に音楽配信プラットフォーム「MONSTAR.FM」からスタートした会社です。
今回は、主に店舗向けBGMサービス「モンスター・チャンネル」を運営するミュージックカンパニーCEOの松園俊哉に「店舗向けBGM市場の状況」や「営業・CSを強化して目指す未来」について話を聞きました。また、中途入社でバックオフィスを担当する三浦紗彩には、転職者視点での会社の良さや雰囲気について語ってもらいました。
大手1強の中で順調に成長する秘訣は「手軽さ」での差別化
―音楽事業は、20年近くの事業になりますね。
松園:モンスターラボの創業事業なので、そうなりますね。2006年に音楽配信サービスからスタートし、現在のメイン事業である店舗向けBGMサービスは、2010年から運営しています。
―2019年に分社化し、2025年に再度合併しましたが、どんな背景があったのでしょう。
松園:意思決定のスピードを上げ、音楽配信事業の事業価値を最大化することを目的に子会社として切り離しました。モンスターラボ自体の規模が大きくなるにつれて、どうしても意思決定のスピードが落ちていたためです。そこで、組織を切り分けることでより機動的に動ける組織を作ることにしました。2025年4月にグループ組織効率化を優先させるため再合併をしましたが、意思決定のスピードを落とさないために社内カンパニーという形を取っています。
―店舗向けのBGM市場とはどういう市場で、モンスター・チャンネルはどういう立ち位置だと捉えていますか?
松園:店舗向けとしていますが、飲食店、美容室、小売店以外にも、医療施設、オフィスなど市場を幅広く捉えています。そして、現状は大手1社が9割のシェアを持つ1強の市場となっている中で、当社は「店舗BGMアプリ」のセグメントで2番手に位置しています。
BGMアプリのセグメントは、これまでに複数の会社が参入し、多くが撤退していった市場です。理由は、やはりその大手1強の牙城を崩せなかったからだと考えています。
―独占に近い市場での成長の秘訣は何だと思いますか?
松園:「品質」と「料金」で違いを出して選んでもらう差別化戦略で成長してきました。品質の中でもこだわっているのが、手軽さと使いやすさです。飲食や美容などは入れ替わりが激しい業界です。現在、当社のサービスをご利用いただいている店舗の多くは、新規開店に伴い導入いただいたお客さまです。
飲食店の開業準備をイメージするとわかりやすいのですが、冷蔵や調理設備は早い段階で決定していても、開店後に必要となる店舗内のBGMなどは後回しになりがちです。そして、いざ開店というタイミングで店舗BGMのサービスを契約しようと大手企業に相談すると、営業が訪問して他の商材の営業をされて、その後に申込みをして……と1〜2週間かかることもしばしばです。その点、「モンスター・チャンネル」ならば申し込んだその瞬間から店舗でBGMをかけることができます。この手軽さが選ばれている理由の1つです。しかも、アプリの開発はモンスターラボの協力のもとで行っているので、その知見を活かしITリテラシーを問わず使いやすいUIのアプリを提供できています。
料金については、2つの要因から競争力のある価格を実現しています。まずは、現在は10数名という少数精鋭で運営しているため、人件費などの固定費を抑えられていること。大手は数千名の営業を抱えているため、どうしてもその分の費用をサービス料金で回収する必要が出てきます。もう1つは、アプリの開発をグループ会社の海外のエンジニアが行うことで、アプリの開発費用や運用費用を抑えられていることです。ここでもモンスターラボの知見が活きています。
「すべての空間に最適な音楽を届ける」を掲げ、国内No.1の店舗BGMアプリを目指す
―先々はどういう状態を目指していますか?
松園:サービスのミッションとして掲げている「すべての空間に最適な音楽を届ける」を目指しています。そのために、お客さまにご満足いただけるような機能改善などを行い、「店舗BGMアプリ」のセグメントで国内No.1になりたいと考えています。
店舗には内装や設備、料理や商品など提供するサービスに合わせて、最適な音楽があるはずです。それぞれの空間に合わせた最適なBGMを、AIなどを利用し弊社独自のテクノロジーを作り上げることで、誰でも簡単に流せるサービスにまで昇華できれば、我々のサービスにより店舗の価値を大きく向上させられると信じています。
―今回の営業・CSの強化はその一環ですか?
松園:2つの側面があります。1つは、国内No.1のBGMアプリになるために規模を拡大させること。もう1つは、サービスミッション実現のために顧客との接点を増やし顧客満足度を向上させることです。
これまで「品質」と「料金」を武器にWEBマーケティング中心で順調に成長を続けてきましたが、もう1段成長するためにはWEBマーケ以外の施策が必要となります。そのために、新たに営業のポジションを設け、これまであまり取り組んでこなかった、展示会への出展や、代理店や協力会社へのアライアンス営業、チェーン店への導入などを進めていきたいと考えています。
―どんな方だと向いているのでしょう。
松園:少数で1強の巨人に挑んでいますが、闇雲に社員を増員をするタイミングとは考えていません。外部のリソースを活用しながら進めているため、コアメンバーになり得る方を探しています。そのため、ベンチャーマインドを持って、自身で考えながら能動的に動ける方にお会いしたいですね。
もちろん、法人営業やCSの経験はあるに越したことはないですが、それよりも自発的に戦略を考えて自らも実行できる行動力を重視したいです。
「人」と「環境」両側面で働きやすいと思える会社
―三浦さんは中途入社ですが、どういうキャリアでモンスターラボに入社したのでしょう。
三浦:私は現在2社目で、前職はモンスターラボとも取引のあったレジアプリのスタートアップで、営業事務兼総務として3年働いていました。転職のきっかけは、営業事務の仕事だけだとこの先のキャリアが厳しいと考えるようになり、未経験から管理部門全般の仕事ができる先を探して、当社にたどり着きました。
前職の頃から、総務の仕事で「モンスター・チャンネル」を使用し音楽をかけていたので当社の事を知っていましたし、面接で松園さんが「やりたいこと」をしっかり聞いてくれて、経験がなくてもやってみればいいと背中を押してくれたので入社を決めました。
―現在入社5年目ですがモンスターラボにどんな印象を持っていますか?
三浦:いい意味で、普通の会社にはいないタイプが働いている会社だと思っています。サービスの特性もありますが、音楽活動をしている人がいたり、独自の感性を持っていて、サラリーマンっぽくない人が多い会社ですね。服装も自由なため、夏場はアロハシャツに短パンで仕事をしている人がいたりもします。前職もスタートアップでしたが、そこと比べても自由度は高いと感じています。
少数精鋭の会社のため、みんなが別々の業務を行っています。だからこそ、メンバー間で密にコミュニケーションを取り、時にはグループ会社のメンバーとも協力してチームで動く雰囲気があります。
あとは、人に加え、環境の面でも働きやすいと感じます。私は、管理部門の社員として未経験で採用されていますが、本社の管理部門のメンバーとやり取りしスムーズに業務が進められています。管理部門以外でも本社のメンバーに力を借りる場面は多く見られ、支え合っていくチームだと感じています。
―どんな方が向いていると思いますか?
三浦:自発的に考え、能動的に動ける方でないと厳しいかもしれません。道筋が決まっていないと動けない、決まったことを粛々と進めたいみたいなタイプには合わないと思います。一方で、いろいろなことに挑戦したい、成長したいという方には最適です。
私は、経理など未経験の業務に挑戦する機会をもらえましたし、私以外にはアルバイト入社からシステムエンジニアにジョブチェンジしたメンバーもいるため、手を挙げて挑戦させてもらえる環境です。資格の補助制度などもあるため、自分で能力を高めていく努力もしやすいと思います。
興味を持った方は、話だけでも聞きに来ていただけると嬉しいです。