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創業ストーリー

 もう10年以上前の話です。2005年の暑い夏。 愛知で行われた万博会場で、私はいくつかのパビリオンの照明プログラムを行っていました。朝早くに自分の照明プログラムを完了させ、周りの人に勧められて見たのがカナダパビリオンです。それは、まさに未来への扉を感じた瞬間であり、何かが閃いた瞬間でもありました。映像と照明が見事に同期して1つの演出に昇華しており、当時、最先端とうたわれ、自分がプログラムしていた映像を照明効果として動かすムービングライトの演出が稚拙に思えるほど、見事に練られたシステムに感じられました。

パビリオンを出ると、早朝の空気は、すでに高く昇った夏の太陽によって真夏の空気へと変わっていて、まぶしい光の中、夏の日射し同様、熱く興奮の収まらない私は、携帯電話を握りしめて、強く語っていたのを思い出します。「会社を創ろう」「未来に必要な会社を」。。 その熱い叫びはまさに、マイルランテックの産声だったと言えるでしょう。

写真はそのカナダパビリオンの当時の写真で、来館者が進む通路に埋め込まれたモニターとその全面を覆うカットクロスとその照明が幻想的な雰囲気です。当時の自分にとって、映像をコンピューター上で再生し、それをライティングコントローラーから一括制御して、1つのショーに昇華させる手法は、単純なムービングライトなんかよりずっと魅力的だったし、今ではありきたりとなったプロジェクションマッピングなども、当時は、画期的にあたらしく、映像と照明が同期する世界は新たな演出の可能性を強く感じさせるものでした。当時から、すぐにでも、映像は照明と1つになり、演出の制御システムは、ネットワークシステムで運用するようになり、それらは1つの演出として同期され、今までにない新たなデザインが実現するのだと確信していました。それはまさにステージ上にあるすべてのビジュアルをトータル制御するという舞台業界に長く存在しつつも、すでに風化した概念、セノグラフィーに通じるものと考えたのです。

そこでMile Run techの名は、Motion Image & Lighting control Environment Running Technologyから,命名し、ショー演出の仕組みをすべてデジタル化し、同期させるシステムを提供していく会社という意味でShowControl Digital solutionというビジョンをもたせました。

今では、創業から10年の歳月が流れ、夢をもち、追いかけながらも、今もマイルランテックが、ショー産業の中で認知され生き続けるのは、与えられた役割と責任を果たしてきたことによるものだと思います。今のマイルランテックは、新しい技術を業界に紹介しながらも、大きな公共劇場のインフラ設備に機材を提供し、その保守に関わることで、大きな責任を担っています。創業時に思い描いた輝かしい仕事のど真ん中にはいないかもしれないけれど、舞台や劇場という文化の中で、しっかりとその責任を担いながら、舞台や演出業界の方々とともにこれからも長い道のりを歩んでいくつもりです。


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