こんにちは。MICIN採用担当です。
MICINでの働き方をイメージしてもらいやすくするために行っている座談会。今回は、MICINの各事業部で活躍するプロダクトマネージャーの4名に集まってもらいました。
医療業界、そして社会全体に大きなインパクトのあった新型コロナウイルス感染症の流行前とコロナ禍に入社したメンバー。それぞれの視点や、医療ドメインのITサービスを立ち上げ・運用していくことの難しさと面白さなど、内容の濃い座談会となりました!
MICINでのプロダクトマネージャー業に興味を持ってくださっている方にぜひ読んでいただきたい記事です。
熊沢 恭志 Kumazawa Yasushiオンライン診療事業部 プロダクト企画マネージャー野村総研、リクルートを経てMICINに参画。リクルートでは複数の新規事業立ち上げに携わり、自ら起案した事業はR&D組織でインキュベーション後に事業会社に移り、事業責任者として事業を牽引。 水谷博明 Hiroaki Mizutaniオンライン診療事業部 プロダクトマネージャー広告代理店でのコミュニケーションプランニング・クリエイティブディレクション、自身で立ち上げたメディア事業の運営などを経て、MICINに入社。 酒井 公希 Koki Sakaiオンライン診療事業部 兼 エンジニアリング&デザイン室プラットフォームチームプロダクトマネージャー富士ゼロックスでSEや事業企画の経験を積んだ後、ヤフー・DeNA(現MoT)にてサービスグロースに貢献。その後、MICINに入社。Meety公開中 郷田 祥史 Yoshifumi Godaデジタルセラピューティクス事業部 プロダクトマネージャースマートキャンプで創業期からM&Aまでプロダクト開発や組織の情報システム部の立ち上げ、新規SaaS事業の立ち上げなどを経て、MICINに入社。
目次
- 創業期の試行錯誤とコロナ禍での大幅リニューアル
- プロダクトマネージャーとして医療ドメインで試されること
- MICINで求められるプロダクトマネージャー像とは?
創業期の試行錯誤とコロナ禍での大幅リニューアル
熊沢:今日のメンバーは水谷さんと僕がコロナ前から入社していて、酒井さんと郷田さんがコロナ禍の入社ですね。まずはコロナ前のMICINのプロダクトがどんな感じだったかを振り返ってみましょうか。
水谷:そうですね。コロナ前までのMICINは、オンライン診療サービス「curon」を中心としたプロダクトを伸ばそうとしている時期でした。その他にも新規事業のタマゴみたいなものを医療機関の方々と企画検討していて、僕はその両方に関わる「二足の草鞋状態」で業務をスタートしました。組織としてもまだ発展段階で、熊沢さんも僕も「プロダクトを伸ばすためにとにかくなんでもやる人」みたいな感じでやっていましたよね。
酒井:コロナが流行する前って、社員数はどれくらいだったんですか?
熊沢:50人弱くらいでしたね。プロダクトマネージャーにあたる人たちは「App Dev」という呼び名で、世の中的なプロダクトマネージャーの定義とはだいぶ違ったことをやっていました。
水谷:そうですね。今でこそある程度整備されてきましたが、当初は仕様書の作成だったり、タスク管理、開発したものをリリースするまでの、QA体制からテストケースなど、開発プロセスそのものが、本当に何もない状態で(笑)
郷田:スモールチームでとりあえず作ってみたいな感じですか?
水谷:そうですね。人数も多くはないのでスモールチームでスピーディーに作り、最低限のテストを行い、まずはリリースしてから運用/改善みたいな形でした。僕らはプロダクトのことであれば何でもするので、困ったら各所から相談が来るというような形でした。
熊沢:そんな中、忘れもしない一昨年5月。その頃に予定していたオンライン診療サービスリニューアルのタイミングでコロナの流行で世の中が大変な騒ぎになって…。「こんなときにリニューアルすべきなのか」といった懸念がありながらも、プロダクトが確実に良くなることが分かっていたので、とにかくやりきろうと。結果的にはポジティブな反応をいただけたんですが、当時その意思決定をするのはなかなか痺れましたね。
水谷:これを機に開発プロセスの整備はもちろんのこと、顧客からの問い合わせにより適切に対応し、顧客の理解が深まるようにオンボーディング時の動画を作成したり、障害対応が起こった際の運用面なども合わせて整備しました。
熊沢:オンボーディングの面では、このタイミングでセールスをCXという呼称に変えて、それまでは1対1で営業していたのを100人規模のセミナー形式にして、1対Nのオペレーションに大きく変えたりもしましたね。
酒井:そうなってくると、プロダクトへの要求とかCSへの問い合わせとか、想像できないぐらい変わりますよね。そんな時期を経て今があるんだなと改めて思いました。
プロダクトマネージャーとして医療ドメインで試されること
熊沢:酒井さんと郷田さんは、入社後どんな印象を持ちましたか
酒井:私が入社したのは世の中がコロナ禍に慣れてきた頃なので、「今後どうしていくんだっけ」を再度検討していくフェーズだった気がします。それもあって、コロナ前から動きはじめていた新規事業を急ピッチで進めなきゃいけないという段階でした。
もちろんスモールチームで新規事業の立ち上げをさせてもらえる環境ではあったのですが、オンライン診療や服薬指導など既存事業が伸びてきている中で1チームだけ独立して進めるのは違うなと。そこで連携しようとしてみると「ここってどうなってるんだろう」と、読み解けない部分がたくさん出てきたんです。
スピード優先でプロダクトを作って伸ばしてと、“走りながら”やってきたからこそ、知見やノウハウ、仕様やプロセスなどが各個人に紐づいていた状態でした。そこを整備・共有しながら新しいことをしようとしているのが今だと思っています。
熊沢:当時 酒井さんが加わってくれたチームは、プロダクトマネージャーのリソース不足で特に混沌としていたチームだったと思います。それこそ「なぜやるのか」から全部整理していくところから始めてもらったように思うのですが、どうでしたか?
酒井:そうですね。プロダクトマネジメントってここ2、3年で急激に国内で一般的になってきた印象があるんですけど、やっぱり言われているのは「なぜやるのか」と「顧客の課題をちゃんと刺しにいく」とか、「検証しながらWHATとWHYをきちんと捉えてHOWは変化させていく」みたいなことだと思います。
当時は皆さんでWHATとWHYを考えながら走りながらやってきたからこそ、後から入ってきたメンバーに共有できるドキュメントをのこせていない状態だったのだと思います。ただ、いろんな方と話をすると様々な苦労や経緯が出てくるし、過去の検証結果やノウハウがたくさんあるからこそ常に議論が活発に行われている気がします。新しいプロダクトもこういう中から生まれるんじゃないかなと思います。何より、医療ドメインの知見やノウハウがめちゃくちゃあるのはMICINの強い財産だと思っています。
熊沢:そういう意味では郷田さんのいるDTx(デジタルセラピューティクス)事業部もまさにそうですよね。医療ドメインに強い人が多いという認識があります。
郷田:そうですね。DTx事業部には、医療機器や薬を作ってきた背景から病院とのつながりもあったりと、医療ドメインで超強い人たちがいらっしゃって。さらにプロダクトとしても、web製品を作ってきたエンジニアの超強い人たちもいます。創薬や医療機器や治験の分野は長いタイムスパンで見る一方で、エンジニアリングは短いスパンで回していくので、この両分野が一事業部に共存しているのってなかなか稀有な状態だなと思っています。
熊沢:医療ドメインに強い人とエンジニアリングに強い人とを繋げる難しさと、短期の収益と中長期の構想を見据えてプロダクトを考えていかなければならない難しさがありそうですよね。プロダクトマネージャーとしては難易度の高いチャレンジングな仕事として僕の目には写ってます。
郷田:そうなんです(笑)前職ではwebの製品開発って本当に短期でリリースしてはユーザーに当てて価値を出すこと繰り返しだったのが、今は長いスパンの中で、最終的には薬と同じように治療効果があるものを作ろうとしているので。でも、完成形って一発で作れるわけではないので、仮説検証を繰り返す必要があります。
一方で我々が取り組んでいるものは、病院と協力して臨床研究を実施し医学的エビデンスを取りに行かないといけない。webの製品開発と比べ時間も費用も限度があり、仮説検証ができる回数はどうしても少なくなってしまいます。そのため、一回の仮説検証で得られるものを最大化できるよう進めないといけない側面もあります。世の中でもあまり事例がないSaMD(Software as a Medical Device:デジタル技術を利活用して診断や治療を支援するソフトウエア)製品なので、正解を模索し続ける難しさと面白さを感じています。
酒井:医療ドメインから来ていない人間にとっては、そういう業界独自の特性に対する知見がないと混乱しますよね。今年MICINに加わった郷田さんはどんな風にキャッチアップしていったんでしょうか?
郷田:自分で勉強をしながらというのは大前提で、同じチームに医療ドメインのキャリアを持つプロがいるので、わからないことがあった時にすぐに質問をしてキャッチアップしていきました。もしこれがない状態だと、勉強に一年くらいかかってしまうところだったので、そこをスキップできたのはとても助かりました。
熊沢:ちなみにプロダクト開発に関しては医療ドメインだから特別な何かがいるのか、他の業界から来ていても原理原則は変わらないのか、のどちらですか?
酒井:原理原則は一緒だと思っています。あと、観察から始めてヒアリングして仮説を検証して…と進めていくときに、医療の知見があるからこそ分かることもあれば、全くの素人だからこそ無邪気に聞けちゃうところもあります。そうやって課題を把握して、WHATとWHYを定義するプロセスは、やっぱりドメインが違っても変わらないところなのかなと。この環境で僕らがきちんとプロダクトマネジメントの力を発揮することで、チームとしてよりよいプロダクトを作っていけると思っています。
熊沢:確かにスペシャリストが揃っているので「このメンツでやってできないなら誰がやってもできないよね」くらいまでやり切れると、その先に突破できると僕も感じています。
郷田:そこにやりがいと面白さがありますよね。MICINがやっているのは医療業界全体を見ても最先端で価値があると期待されていることですし、まさに「ここでできなかったら他でもできないだろう」と思えるスペシャリストと共に、医療ドメインや患者さんに向き合えていると感じています。
MICINで求められるプロダクトマネージャー像とは?
水谷:創業期の開発プロセスや顧客の声や数字をもとにした改善/分析など整備が整っていない時期から今に至ったと思うと感慨深いですね。今は「誰の何の課題を解くのか、どの数字をあげるのか、そして、どう実現していくのか」などを、創業期を経験してきたメンバーと新しい知見を持ったメンバーが混ざって議論することで、良い意味で化学反応が起きてます。
熊沢:新旧問わずMICINのプロダクトマネージャーに共通して言えるのは、「困難なハードルを越えるのが楽しいと思える人」ですかね。
酒井:そうですね。どの事業部に関しても難易度が高いことを日々実感しています。だからこそ、長いスパンでやり切る必要があるのですが、医療への思いがないと諦めてしまいがちです。ビジョンに共感していればこそやり切れるのだと思うので、そこはやっぱり重要ですね。
郷田:医療という摩訶不思議なプロセスの課題を知的好奇心を持って読み解いて、楽しみながらできるようなプロダクトマネージャーはMICINに合いそうですね。自分が医療を受ける側として「なんでこうなってるのかな」っていう素朴な疑問から深まるものだと思うので、そんな人はぜひ話しにきていただければと思っています。
水谷:あとは、MICINが越えようとしている壁は一人じゃ越えられないほどの高い壁です。いろんなプロフェッショナルたちと力を合わせて、より大きな課題を越えていきたいと思えるような方に参加いただき、是非一緒にやっていきたいですね。
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熊沢さん、水谷さん、酒井さん、郷田さんありがとうございました。
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