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ヘルスケア業界全体のリード役へ【サービス担当者座談会】

現代のヘルスケア分野では、「健康管理」や「予防医療」の視点が非常に重要視されていますが、昨今の社会情勢から一般にも認知度が高まっています。その流れをバックアップするべく、メドピアでもさまざまな事業を展開しています。
今回はそれらを推進する予防医療プラットフォームの事業/サービス責任者3名による座談会を行いました。


座談会メンバー

浅井佑真(画像左)

2020年2月入社。前職でインターネット広告の効果測定ツールを利用した分析サービスや、新規サービス立ち上げなどを経験。現在Mediplatの産業保健支援事業部 副事業部長としてクラウド型健康管理サービス「first call」を担当。

大隅 隆広(画像中央)

2019年6月入社。前職では、医療介護分野のメガベンチャーにて求人メディア事業の事業責任者などを経験。現在Mediplatのライフログプラットフォーム事業部 事業部長を担当。

植野 真史(画像右)

2020年10月入社。前職のシンクタンクにて公官庁向けのコンサルティングや事業計画を経験。現在Mediplatのライフログプラットフォーム事業部にて歩数記録アプリ「サツドラウォーク」を担当。

予防医療を推進するサービス創りという挑戦

ーーみなさんは、ヘルスケアバリューチェーン*でいう疾病期の手前、「ウェルネス」と呼ばれる段階で予防医療に関するサービス創りをされていると伺っています。ご担当のサービスについて教えてください。

*ヘルスケアバリューチェーン:人々が一生のうちに関わる医療との接点で提供する、一連の価値連鎖の体系

浅井:私は企業の産業保健業務を支援するクラウド型健康管理サービス「first call」を担当しています。「健康に関しての気軽な相談相手と確かな情報」を提供できるのがfirst callの特徴で、人とシステムの両方で企業の産業保健業務をサポートしています。

first call サービス一覧


大隅: 私は、ライフログプラットフォーム事業部の中で、提携を通じたアライアンス先との共同によるヘルスケア事業の立ち上げ/推進を担当しています。メドピアが価値提供できる顧客基盤を拡大し新しい事業を創出することをミッションに、アライアンス先と共に事業計画を策定し、顧客の健康の側面を支えるサービスを提供しています。現在、スギ薬局、日本経済新聞社、サッポロドラッグストアー、味の素、CCCマーケティング様と協業しています。

ライフログプラットフォーム事業の全体像

植野: 私は、大隅さんから紹介のあった「ライフログプラットフォーム事業」のうち、サッポロドラッグストアー様の会員向け歩数計アプリ『サツドラウォーク』を担当しています。歩数計のアプリは市場に多くありますが、サツドラウォークの特徴は大きく2つあります。

1つ目が、記録される歩数とともにアプリ内でバーチャルウォーキングラリーが展開され、ゲーム感覚で楽しめること。2つ目は、歩くだけでマイルがたまり、北海道を本拠地とするドラッグストア「サツドラ」で利用できるクーポンが入手できたり、景品と交換できたりといった還元があり、おトクになることです。

また、アプリを通して医師に直接相談ができるサービスや、健康意識についてのアンケート機能なども盛り込んでおり、予防医療を促進するメニューも整えています。

サツドラウォーク サービスイメージ

――ありがとうございます。皆さまは、メドピアのミッション”Supporting Doctors, Helping Patients.”の中の”Helping Patients”に関する事業に携わり、「従業員」や「会員」といったサービス利用者の健康を支えていらっしゃるのですね。

大隅: はい、”Helping Patients”の面で事業展開しているので、ライフログプラットフォーム事業の各サービスは医療従事者が直接的なステークホルダーになることは少ないです。ただ、ユーザーが健康になれば、間接的に医師や医療現場の負担を減らすことはできるので、”Supporting Doctors”にも関わっていると考えています。

植野: そうですね、ユーザーが健康を維持できれば、医療機関受診の機会が減り、医療現場の負担を減らす「予防医療」のあるべき姿にも繋がると思います。歩数計サービスの利用頻度をあげてもらう企画をする際、「1日で8,000歩くらい歩くと健康維持につながる」といった一般データをもとに考えますが、それを実現できればユーザーも店舗も地域医療も幸せになっていくと信じています。

浅井: first callも同じですね。従業員の健康に関する相談や悩みに医師が回答することで、医療機関を受診するかどうかが検討しやすくなるため、医療現場の負担を減らすという文脈では”Supporting Doctors”にも関わっています。また、産業医への案件の紹介や医療相談対応といったキャリアの提供という視点でも、”Supporting Doctors”になっているかもしれません。

サービスの推進度と市況感

――みなさんそれぞれの視点で伺いたいのですが、各サービスがユーザーにとって「望ましい姿になった状態」を100%とすると、現状の達成率はどれくらいだと思いますか?

大隅: まず、ライフログプラットフォーム事業の足掛かりである歩数計サービスでいうと、70%くらいです。

主ターゲットである「健康に課題意識はあるが特に取り組みはしていない」という生活者に対して、「おトクな歩数計」というサービスを起点に、健康的な生活習慣の実践を促すことができていると思っています。ユーザー数も利用頻度も順調に伸びており、その点では手ごたえを感じています。

一方で"事業が目指す理想"としては、30%くらいの達成度合いかなと考えています。

最終的には、ユーザーの健康状態をデータで実証したり、得られたデータをもとにより健康増進に資する核心的なサービスを開発することで、より多くの方の健康を支える「予防医療プラットフォーム」を確立することを目指しています。これらの取り組みは、これから発展させていく段階です。

植野: サツドラウォークではサービス体系における段階的な目標をもっています。リリースから1年経過した時点で、Step1は目標の120%程度のペースで進んでいますが、Step2はスタートラインに立ったばかりです。

Step1:サッポロドラッグストアを利用する北海道の方々におトクな歩数計アプリとして活用してもらい、顧客基盤を作る
Step2:ユーザーの方の疾患リスクにつながるデータを収集し、リスクに応じた情報提供ができるデータ基盤を構築する
Step3:データをもとに、症状で悩んでいる方に解決策を提案できるようにする

現在はStep1に注力しながら、Step2以降のサービスに関する企画開発も準備しています。例えば、アプリユーザーが医師向けコミュニティサイト「MedPeer」や「first call」に所属する医師に相談ができる「健康相談掲示板」機能を活用するなど、包括的なヘルスケアサービスを創るメドピアグループの強みを活かしてステップアップしていくつもりです。

浅井: ライフログプラットフォーム事業の歩数計アプリの中には、サツドラウォークのようにすでにfirst callと連携しているものもありますよね。

大隅: そうですね。「楽しい」「おトク」という魅力のみならず、”健康管理も行えるヘルスケア系アプリ”としての輪郭を出すために、first callはうまく活用されていると思います。

――メドピアグループとして各サービスが連携できているのですね。first callは2021年度は前年比1.5倍で法人契約件数が増えていますが、望ましい姿に対しての達成率としてはいかがでしょうか?

浅井: first callは1%かなと。

植野: なかなか低めですね。

浅井: というのは、こういったサービスはあらゆる生活者のインフラになるべきだと思っているからです。first callのような、オンラインで気軽にかつ信頼度の高い健康相談や管理ができるサービスは老若男女問わず皆に使われていることが理想です。現在、first callがサービス提供可能なユーザ数は100万人規模になりましたが、日本の人口が約1億2千万人なので、人口カバー率でいうとまだまだ、という意味を込めての1%です。

大隅: たしかに、ヘルスケア業界の市場規模で考えると伸びしろはたくさんありますね。

浅井: そうなんです。日本で予防医療に十分なお金をかける意識はまだまだ薄いと言われ

ています。生活者個人において、病気を予防することや健康維持に力を注ぐことが人生のトータルの医療費負担を減らすことにつながるという「健康投資」の考え方が国内に浸透し始めたのは、ここ最近でした。企業においても、資金力のある企業から徐々に、従業員の健康を促進する取り組みが進んでいるところです。

とはいえ、first callはオンライン医療相談の市場に早く参入したので、売上自体は毎年150%のペースで成長しています。

――市場の開拓者としての取り組みも並行して進めている最中ということですね。一方、コロナ禍の現状は、ヘルスケア関連市場には追い風になっている点もあると思いますが、その辺りはどう感じていらっしゃいますか?

大隅: コロナ禍は、大変な状況であることは間違いないものの、人々の健康を支える事業を行っている我々としては総じて追い風になったのではないかなと思います。使命感も持ちながら取り組んでいます。

植野: そうですね。健康に関心がなかったユーザーへの利用喚起になりました。あとは二次作用的に、非接触対応が進むことでデジタルツールがより普及したという印象があります。それにより、スマホを使うことに抵抗感のあった世代の方にも、アプリで簡単に運動記録を取れること自体の認知や興味喚起がなされたと思っています。

浅井: コロナの流行は、first callにおいても、この事業の必要性を強く感じていただける出来事になっていると思います。外出自粛要請により直接病院に行きづらい状態が続いたことで、オンラインで健康相談ができることに対する認知も需要も社会的に高まりました。

大隅: その分、競合サービスも多く生まれましたが、市場全体の認知や活性化に繋がりましたし、必要性が増したしたことは間違いないですね。仮に今のコロナの流行が収束しても、経験した世代がいる限りヘルスケア業界自体が縮小することはありませんし、私たちが事業を盛り上げてヘルスケア分野の重要性を啓蒙し続けていきたいとも思います。

伸びしろの多いヘルスケア業界をリードする事業へ

——事業やサービスを推進する中で、企業やユーザーの認知獲得、行動変容を促す企画など多岐にわたる取り組みをされていると思います。皆さまが大切にされているアプローチについて教えてください。

浅井: first callは、企業への産業医の紹介から利用者の健康ケアまで、深くサポートしているサービスです。提供するサービスの品質の良さが競合との差別化要素になっているため、その軸はぶらさず、「従業員への包括的な健康ケアの必要性」と、その本質を捉えたサービスクオリティを伝えるアプローチを大切にしています。

「法律上で産業医を選任しなければいけないからサービスを使う」のではなく、「従業員の健康ケアが企業活動を発展させる」という信念で事業を推進しているので、ここは譲れないポイントです。実際に使っていただいた方からは「オンライン健康相談を通して医師に親身に相談に乗ってもらえて良かった」というような健康ケアに対する評価のお声や、感謝のお声をいただいています。

植野: サツドラウォークはいま「歩数計」を主機能としたサービスですが、理想はユーザーの運動、食事や睡眠などの健康維持活動やその管理が、何ら意識せずとも続く状態、つまり健康維持が習慣化されることだと思っています。

そのため「意識せずとも使い続けることができる」という世界観を大切にしており、気軽に利用できるゲーム的な要素はもちろん、貯めたマイルでお得にお買い物ができるといった経済的な要素まで幅広く企画し、サッポロドラッグストアー様と一緒に実行しています。

大隅: その点はユーザの方からも好評の声をいただいていますよね。

植野: アプリのレビュー機能や、問合せ窓口にいただくユーザの声としても「歩くだけでマイルがたまるので、お得感がある」「ラリー中に北海道の町をクイズ形式で当てていくバーチャルウォーキングラリーが楽しい」というお声はよくいただきます。

大隅: ライフログプラットフォーム事業のサービスはサツドラウォークも含めアプリ型が多いので、ユーザーの方がスマホとともに肌身離さず持っていたいと思えるような「情緒的要素」も大事ですよね。使っていて「楽しい」「面白い」だとか、持っていること自体にリッチな感じがするとか、ですね。

植野: 創り手としては、アプリのUIやUXを磨いて、その情緒的な「好きな感じ」を表現していきたいです。その辺りはユーザーレビューなどからは言語化されにくく読み取れないことも多いですが、長い目で見ても重要な視点になってくると思うので、しっかり捉えていきたいですね。

大隅: そうですよね。あとは、今、業界の大きな流れとして、“自分の健康は自分で管理しよう”という方向に向かっています。例えば、マイナンバーカードが保険証として使えるようになり、マイナポータルで自身の健診情報を閲覧できるようになりました。それを歩数計アプリでも気軽に閲覧できるようにするなどの「利便性」も検討していきたいです。

自分で管理するにはまず、その情報にいつでも気軽にアクセスできて活用できるUI/UXが重要です。そういった部分で、国の医療政策にも寄与していきたいです。

植野: 自身のプライバシーを保ちながらもよりポータブルかつ気軽に自身の健診情報などにアクセスできることは、健康管理の意識向上にも繋がりますね。

浅井: トレンドの捉え方とその提案次第で、企業やユーザーに対してポジティブな考え方をもっていただくことはできますよね。

大隅: まさにそうだと思います。新たな提携先へ提案するときには、「私たちで予防医療の分野をリードしていきましょう!」といつもお伝えしています。

浅井: 感染症の流行や、法や制度の新設・改訂など、ヘルスケア市場の活性化に比例して数々の変化もあると思いますが、サービスを提供する私たち自身がヘルスケアの業界をリードしよう、アップデートしよう、という空気感を作りたいですね。


ITやデータを駆使し、ヘルスケア業界ごと盛り上げたい、そんな意気込みを感じる予防医療プラットフォームのメンバー座談会でした。

メドピアのメンバーは、「Supporting Doctors, Helping Patients.」のミッションを胸に、並々ならぬ強い想いを持って事業や組織を創り上げています。

これからも、そんなメンバーの「想い」をご紹介してまいります。


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人が一生のうちに医療と接する場面を、より良い体験にしたい──。 メドピアグループでは人々の医療体験を向上させるサービス開発にも邁進しています。今回は疾病期や介護/終末期の医療サービスに携わる、3名の担当者で座談会を行いました。サービスを通して目指す医療体験の未来像と、それを追求する現在の取り組みについて、お届けいたします。 小川拓哉 ...
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