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オンライン入社で見えた、メドピアのリモートワーク(後編)

こんにちは。メドピア人事の小山です。
昨年11月、公式ブログでリモートワークに関する記事(後編)を公開しましたので、当社のナレッジをこちらでも紹介させていただきます。

今月もオンラインでの選考から採用チームに新たな仲間がjoinしました。新たなメンバーの紹介は近日中に公開いたしますので、お楽しみに!

オンライン入社で見えたメドピアのリモートワーク(前編)でご紹介した通り、メドピアでは新型コロナウイルス感染予防として、2月から全社員が一斉にリモートワークを開始しました。
後編では2日間でリモートワークへスムーズな移行ができた舞台裏を、コーポレートスタッフの皆さまにお伺いします。

有事への備え、意思決定から実行までのスピード感


リモートワーク開始3週間後のCEO石見から全社員に向けてのSlackメッセージ


緊急事態宣言による外出自粛、リモートワーク推奨が世間で行われるよりも約1ヶ月ほど早く、メドピアでは一斉にリモートワークを開始しました。CEO石見のSlackアナウンスにある通り「社員の健康」「事業の成長」を守るための判断でした。

社員に当時の状況について話を聞いても、この経営判断とスピード対応に「戸惑った」という声はほとんど聞こえてきません。
メドピアの環境変化への適応スピードを感じるエピソードですが、短期間では難しいインフラ環境の整備や各種ワークフローのペーパーレス化はどのように行ったのでしょうか。

CTO室社内IT :上野久和(以下上野)
CTO室社内IT :坂本藍(以下坂本)
経営企画部人事:小林聖子(以下小林)
経営企画部人事:野田みや美(以下野田)
経営企画部総務:外﨑雅菜(以下外崎)
経営企画部総務:高塚まゆり(以下高塚)

野田:メドピアは石見が現役の医師であり、ヘルステック領域で事業を幅広く展開しています。社員を含め医療情報への関心が高く、中国での新型コロナウイルス感染拡大についても、年初から話題に上がっていました。1月後半には社員の健康を守る感染予防ガイドラインを配布し、状況の把握に努めていたのですが、国内感染者が累計150名を超えた2月26日に「2日後から全社員リモートワーク移行」がアナウンスされました。

2日間での移行はかなりのスピード対応だと思いますが、毎週のように感染予防ガイドラインをアップデートしていたこともあり、唐突感は不思議とありませんでした。

坂本:メドピアは事業やサービスの成長スピードが早く、変化が激しい組織です。状況に応じて臨機応変な対応を普段から求められているため、今回のリモートワークへの切替対応も抵抗なく受け入れてくれた社員が多かったのだと思います。

直近ではIP電話サービスの導入プロジェクトがあったのですが、リモートワーク環境下にもかかわらずスピーディーに実行することができていました。このように、普段から大規模システム移行プロジェクトについても、大きなトラブルなくスケジュール通り進行できています。

上野:社内ITでは有事に備えたインフラ環境の構築を普段から行っています。新型コロナウイルスとは関係なくBCP※1の観点で、全社員でのリモートワークに耐えられるインフラ構築の推進計画があり、VPN※2の構築は完了していました。そのため一斉リモートワーク開始のタイミングではVPNのアカウント発行作業だけで済む状態でした。とはいえ、100名以上のアカウント発行と各クライアントPCへの設定を2日間でやるのはそれなりに大変な作業でした。

リモートワーク移行に伴いセキュリティリスクが指摘されることも多いのですが、当時の議論を振り返ると、短期間で新しいことを取り入れるよりも「今ある資産で最大限のリスクヘッジを行おう」と考え、細心の注意を払いながらセキュリティ対策を講じました。

※1 BCP…事業継続計画(Business Continuity Plan)の略。企業が自然災害など有事の際に危機的状況下に置かれた場合でも、被害を最小化し、重要な事業活動を継続していくための対策。
※2 VPN…仮想プライベートネットワーク(Virtual Private Networ)の略。通信事業者の公衆回線を経由して構築された仮想的な組織内ネットワーク。


野田:人事でも東京オリンピックの影響を考慮し、1年ほど前から全社員がリモートワークした場合のシミュレーションや対策を検討していました。書類管理の煩雑さを軽減する社内ワークフローの整備、労務管理のクラウドシステム導入によるペーパーレス化など、先行して取り組んでいたものがいくつもあります。

外崎:皆さん事前に取り組まれてたことが多いなか、総務はリモートワーク対応の検討こそはしていたものの、まだ本格的に準備を進められていなかった状況でした。アナウンスを受けてまず優先的に行ったことは、オンライン化が必要となる業務項目の洗い出しでした。郵送や代表電話のレセプション対応など、遅らせることも溜めておくことも出来ない業務が多いため急ピッチで進めたことを覚えています。

特に社員からの要望が多かった「契約書類のオンライン管理」については、押印/郵送対応を一元管理できるスプレットシートを作成し、改善しながら運用を整えていきました。十分な準備期間の確保が難しいなかで、誰が見ても進捗状況がすぐ把握できるようなルールを整えるのは一苦労でした。

役割に固執することなく“はみ出し合った”受入準備

メドピアでは、リモートワーク期間中に最大で17名の入社者を同時に迎えました。受入対応をするコーポレートスタッフも全員リモートワークです。対面でのコミュニケーションが難しい環境で、どのように受入準備を行ったのでしょうか。
入社受入準備についてヒアリングした内容を基に、リモートワーク前後の変化を図にまとめてみました。

坂本:入社受入のオンライン対応で、PCの事前配送やネット環境の事前確認など「事前に本人とやり取りする」内容が格段に増えました。入社者がオフィスに来る前提で準備していた頃に比べ、体感値ですが2倍くらいの工数になっていると思います。入社日までにPCや携帯電話などの貸与備品を入社者が確実に受け取ることができるよう、余裕を持った在庫管理と発送とスケジュールの調整が重要です。予定外の急な入社受入の際にも迅速に対応できるよう、人事と連携して入社予定をタイムリーに把握しています。

今では当たり前のように在庫管理と発送スケジュール調整を行っていますが、2~6月頃は梱包用の段ボールの確保が困難な状況でした。総務と連携しながら各所に問合せてなんとか在庫を確保したことは、今振返ってもかなり大変だったと思います。当時の反省を活かして、いまは常時20~30箱ストックを持つようにしています。


高塚:入社受入のオンライン対応が進むと、社内ITと人事で用意した貸与備品と入社書類を、総務チームがまとめて配送するフローになりました。貸与備品の配送手配はオフィスでしかできないため、社内IT、人事、総務間でしっかり連携しています。

どうしても即日対応が必要な配送要請には、出社している社員に部署の垣根を越えて依頼をしたこともありました。Credo「はみだす」を体現している社員が多く、どなたも快く引き受けてくださいました。もちろん、配送手配を普段から担当されている方ではないので、備品の位置や配送業者との連絡方法など、細かくテキスト化して共有しました。そういった業務フローの1つ1つは以前から簡単にテキスト化していましたが、改めて詳細情報を加えてマニュアル化する必要があり、苦労しながら乗り切ったことを覚えています。

小林:人事では社保手続きに必要な身分証明書や年金手帳など、オフィスでコピーを取ってもらう前提で入社当日の持参を依頼していました。一斉リモートワークの開始以降は労務管理のクラウドサービスを活用し、入社日以前に8割程度の手続きが終わるようなフローに変更しています。

どうしても原本回収が必要な書類は郵送でやりとりを行いますが、センシティブな個人情報を取り扱うため、対応にミスが発生しないようチェック体制は強化しました。

入社者視点で行ったオリエンテーション再編

各部署の工夫により実現した「オンラインでの入社受入対応」の一つに、入社者と受入部門のメンバーがコミュニケーションを取るための専用Slackチャンネルがあります。チャンネルの参加メンバーは社内IT・経理・法務・総務・人事で、入社者が気軽に相談できる場として活用しています。


そうして迎える入社当日から約2週間、1日2~3時間ずつ受講するオリエンテーションプログラムがあります。このプログラムもオンライン対応の過程で再編され「入社者の視点」で必要な調整を行ったようです。



小林:入社前の受入準備と並行して、オリエンテーションについても見直しを行いました。「次の入社受入タイミングまでに全プログラムの再編を完了させよう」と覚悟を決めて取り組んだことを覚えています。入社初日にどんな体験をして、この先どのように会社に馴染んでいくか、組織のことをいち早く理解しパフォーマンスを発揮していくためのストーリーを意識しながらプログラムを再編しました。

再編案のたたき台を共有した際、社内IT・総務・法務・経理などのコーポレートメンバーはもちろん、オリエンテーションを担当する事業部長も積極的に改善提案をしてくださいました。おかげでスピーディーに再編案をまとめることが出来ています。ちょうど年度末という忙しい時期ではありましたが、全員が自分事として一生懸命考えてくれたのでCredoである「われわれ意識」を強く実感できて嬉しかったです。

高塚:リモートワーク以前の総務オリエンテーションでは、オフィスで設備や備品の実物を見せながらの説明が中心だったため、資料化する作業が必要でした。実物を見せずに理解してもらうための資料作りは難航したのですが、総務チームで協力して無事に作り上げることができました。

しかしオリエンテーション再編の議論を重ねた結果、「全体的に聴講時間を短縮する必要がある」という判断となり、総務パートをほとんど割愛することになりました。

オリエンテーション受講者の負担を減らすため、「また使える日が来るだろう…」と用意した資料をお蔵入りさせました。

外崎:その後、オンライン入社者が増えるにつれて「オフィスの設備や備品について誰に聞いたら良いか分からない」という声が各部門から聞こえてくるようになりました。このタイミングで、一度はお蔵入りさせた総務オリエンテーションの資料がついに日の目を浴びることとなります。

総務パートを再開させる前に、入社者に「オフィスの設備や備品について分からないこと」について詳しくヒアリングしてみると「送付状のひな形データはどこにあるのか」「モニターの配送を依頼したいが誰に頼めばよいのか」など、備品や社内ルールに関する細かい疑問点がほとんどでした。

対面コミュニケーションが難しい環境の入社者にとっては「誰に聞いたら良いか分からない」という漠然とした不安に対して、「総務に聞けば良さそう」と理解できるだけでも、安心感に繋がるのだなと実感ました。総務チームで協力して用意した資料が少しでも入社者の役に立てたかと思うと、とても嬉しかったです。

試行錯誤して乗り越えた‟オンラインコミュニケーションの壁”


オリエンテーションをオンラインで行うにあたり「画面越しのリアクションでは、相手の心情が読み取りづらい」という課題に、各担当者が頭を悩ませることになりました。

対面と比べ、きちんと伝わっているか、伝えたことが正しく理解されているか認識しづらいオンラインコミュケーションの壁とも言えるこの悩み、どのように解決していったのでしょうか。

坂本:私が担当する初日のオリエンテーションでは、多くの入社者が漠然とした不安を抱えながら参加しています。不安と緊張で会話が少なくなってしまう事もあるので、できるだけ緊張をほぐせるよう、コミュニケーションについては色々と試行錯誤しました。

特にPCガイダンスは一番最初に受講いただくため、私の説明に対して黙々と作業する時間が長くなってしまいます。初対面同士が画面越しに黙々と作業する時間はオンラインだと「何とも言えない緊張感」を醸し出しまうので、なんとか改善できないかと考えていました。そこで、事前にPCガイダンス資料を送付することで、オリエンテーション当日までにある程度理解した上で受講できるように工夫をしてみました。

その結果、オリエンテーションは自然と質疑応答を中心とした会話が増え、効率よく不明点を解消できる時間となりました。以前よりも双方向のコミュニケーションが活発に行われるようになったので、今ではもう一歩踏み込んだコミュニケーションの工夫をしています。

オンラインでは会話のタイミングが相互に掴みづらく、うまく質問を切り出せない様子の入社者がいたので、「チャットでの質問も受け付けます」とアナウンスしたところ、質問の数がかなり増えました。オリエンテーション終了後の「質問しそびれてしまったので…」という問合せも減少し、社内ITの業務効率改善にも寄与しています。

野田:私も、リモートワークに切り替わってから画面越しの表情からそれぞれの理解度を確認することの難しさを痛感していました。坂本さんのお話を聞いてからは人事ガイダンスでも同様にチャットでも質問を受け付けるようにしています。

上野:総務の外崎さんも仰っていますが「誰に聞いたら良いか分からない」といった状況の改善は、リモートワークが主体となっている今、全社員で取り組むべき課題だと考えています。これまでも社内IT関連の質問が気軽にできるSlackチャンネルを活用していたのですが、これまで以上に「困ったこと/解決方法の共有」ができる場所の用意と活用を進めていきたいと思います。

高塚:コーポレート部門を統括する平林も、よく「オンライン入社のメンバーに対しては、構いすぎなくらい全社員で気にかけるべき」と言っています。オンライン入社の課題を入社者や受入部門だけの問題にせず、全ての社員が当事者として考える姿勢が大切だと思います。リモートワークが続いていくなか、これからも課題はたくさん発生すると思いますが、Credoの通り一歩踏み込んだ議論をして「健全にぶつかり合う」ことで乗り越えていきたいと思います。

小林:オンラインでの入社受入を開始して半年以上経過しましたが、「社員の顔が分からない」「初対面の相手にいきなりSlackで話しかけることに抵抗がある」など、社員同士のコミュニケーションについて不安の声を耳にするようになりました。
これはリモートワークを導入している、すべての企業で発生している課題だと思いますが、われわれメドピアでも解決すべき大きな課題だと考えています。

入社初日からリモートワークが続き、対面コミュニケーションする機会のない入社者にとって「初期の人間関係構築」は大きな課題です。特に普段業務で関わることがない部門外のメンバーとの交流は本当に難しく、定期的に行っている入社者アンケートでも「困っていること」として意見が寄せられています。

そのため人事では、社員間の交流を目的としたシャッフルランチ「MeshiPeer」や、部門を超えて誰でも気軽に参加できる社内勉強会など部門を越えてコミュニケーションする機会作りを推進しています。

入社者に限ったことではありませんが「お互い見知った仲になる」ことで、自然と交流の輪が広がり「知らない人と働いている」といった、リモートワーク環境ならではの心理的な不安も解消できると思っています。

野田:メドピアで四半期毎に行っている「キックオフミーティング」でも、リモートワーク環境ならではの工夫を行っています。

これまでは全社員が大きな会議室に集まって開催していたイベントでしたが、現在ではオンライン参加者と会場参加者に分かれるハイブリッド形式を採用しています。10月に開催したキックオフミーティングでは、会場で催すイベントの様子をZoomで配信しました。オンライン参加者は配信を見ながらSlackチャンネルでタイムリーに感想を共有し合うことで、全社員が一体となって盛り上がれたイベントになったと思っています。

オフィスで実際に顔を合わせることが難しい環境下でも「会社としての一体感」を醸成する貴重な機会として、今後も工夫しながら開催していきたいと思っています。

――メドピアのスムーズなオンライン入社受入のウラ側には、各部門の「‟われわれ”意識で成し遂げる」「‟はみだす”事を厭わない」「健全に‟ぶつかり合う”」Credoを体現した姿勢が背景にありました。

今後もメドピアらしい「New Normal」を進化させ、これまでの慣習にとらわれず、試行錯誤を繰り返しながら走り続けていきたいと思います。




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すべての事業の基盤になっているのは、医師16万人が参加する「MedPeer」のドクタープラットフォーム。最近は、スギ薬局などの大手からベンチャーまで、多数の企業とも積極的に提携をしながら、新規事業の開発を加速化しています。 ▼ドクタープラットフォーム事業 ・医師専用コミュニティサイト「MedPeer」 ・医師向け対戦型クイズアプリ「MedLedge」 ・薬剤師専用コミュティサイト「ヤクメド」 ・医師の求人・アルバイト情報サービス「MedPeer Career」 ・医師のスカウト型転職支援サービス「MedPeer SCOUT」 ・開業医のための開業・経営支援サービス「CLINIC Support」 ・かかりつけ薬局化支援サービス「kakari」 ・かかりつけクリニック支援サービス「kakari for Clinic」 ▼ヘルスケアソリューション事業 ・オンライン医療相談プラットフォーム「first call」(株式会社Mediplat)  https://firstcall.md/ ・管理栄養士による食生活コーディネート「ダイエットプラス」(株式会社フィッツプラス)  https://dietplus.jp/ ・医師と患者をむすぶメディカルサービス「イシコメ」  https://ishicome.medpeer.jp/ ・スギ薬局とのセルフケアサービス「スギサポ」シリーズ(株式会社スギ薬局/株式会社Mediplat  ミールデリバリー「スギサポdeli」(https://sugisapo.ws/)  歩数記録アプリ「スギサポwalk」 ・日本経済新聞社と共同展開する歩数記録アプリ「日経歩数番」 ・味の素株式会社と共同展開する歩数記録アプリ「aminoステップ™」
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