先日、都心に店舗を構えるユーザ薬局様にお邪魔してまいりました。
すでにお使い頂いている弊社の薬歴AI「Kakeru君」が、お客様の手元で実際どのように動いているか拝見しつつ、
「服薬指導中の音声録音環境は?」
「SOAP生成の度合は?」
「不安なくご利用頂けているか?」
などについて確認できればとの思いで、開発に深く関わっている代表、ITオタク薬剤師のほか、若き学生エンジニアも交えての訪問となりました。
訪問前は「あれも確認したい」「これも聞いておこう」と、ある程度ヒアリング内容を想定していたものの、いざ営業時間内の薬局現場に足を踏み入れると、日頃から自身も身を投じ、よく知っている薬局特有の慌ただしさや緊迫感に圧倒され、実際に患者様もお待ちの中、やや気後れしてしまう感覚に襲われました。
何より驚いたのは、都心にありがちな、ごくごく限られた空間での薬局運営。隣り合う投薬台で薬剤師同士ひしめき合うかのように並び、その後方も人ひとり通れるか、通れないかほどの空間です。
さて、お薬ができるのをお待ちの患者様は…と視線を向けると、同じ空間内で投薬台からそう離れてはいない、むしろかなり近距離と言える椅子に並んで座っているのが目に入りました。混雑時であれば、患者さんからの視線やプレッシャーを否応なく感じざるを得ない距離です。自身の勤務先薬局では、薬剤師と患者様がソファに隣り合って座り服薬説明するのが毎日の光景なので、一口に薬局といっても様々であることがわかりますね。
うーむ、なるほど…この店舗では、日々こうして限られた空間・距離感で患者様と向き合っているのだと、まさに百聞は一見に如かずの思いで、一瞬立ち尽くしました。
薬局内では、ご自分の薬や服薬説明の内容を他の患者様に知られたくない、聞かれたくないという方も多いでしょう。患者様のそのような思いを感じ取り、プライバシーへの配慮をしつつ、一方で限られた時間内で「わかりやすい明確な服薬指導」を目指さなくてはならぬ薬剤師皆様のプレッシャーを目の当たりにした我々mediLab。
「日々どのような環境、いかなる心理状態で、薬剤師皆様が患者様と向き合っているか」
を理解しているかどうか、これこそがユーザの立場に寄り添ったプロダクト企画・開発上欠かせない視点であると、あらためて認識した次第です。
服薬指導中の会話音声をより確実に拾うべく、SOAPをより正確に生成すべく、「発音はなるべく明瞭に。語尾はハッキリ」等お伝えしていますが、店舗での薬局業務実態を目にすれば、この前提がそう簡単にはいかず、薬剤師皆様が終始心を砕いている姿も伝わってきます。さらに入力・調剤や鑑査・投薬までの導線、バックヤード環境、医薬品配置なども含め、店舗訪問を通じて見えてくるものは、想像以上に多くあるもの。ましてそこには、実際にお待ちの患者様がいらっしゃるのです。こればかりは口頭で伝えるよりも、実際に開発に携わるエンジニア達にも直接見てもらう方が、ずっとずっとインパクトあります。弊社CEO(AIオタク社長)が店舗訪問にこだわる理由も、実はここにあるのです。
これからも引き続き、皆様に安心してサービスをご利用頂けるよう、ユーザ薬局様の抱える課題に対し、IT技術面で向き合うエンジニアチームと共に、現役薬局スタッフとしての目線を添えていくことを忘れず、自身の大きな役割としてまいります。
<2025.9.6 調剤大好きC子>