マテリアルマガジンをご覧の皆様、こんにちは。マテリアルグループ広報担当の時田です。
マテリアルでは、今年で4回目の開催となる『PR CAMP 2021』を実施。今年も昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染予防のため、オンラインでの実施となりましたが、各大学のゼミを通じて今年も多くの学生の方々にご参加いただきました。
▼CONTENTS
1.『PRキャンプ』とは?
2.参加学生が感じた『PRキャンプ2021』の魅力
3.広報・PRへの注目度が高まっている世代
1.『PRキャンプ』とは?
“学べるマテリアル”を目指して、日々挑戦する『PRキャンプ』
マテリアルのPR CAMP(以下「PRキャンプ」)は、参加学生のPRへの興味、関心およびメディアリテラシーを高めることを目的に、マテリアルのPRトレーナーである田代順が定期的に開催している研修です。時流に合わせてさまざまなカリキュラムを用意し、情報流通構造の仕組みからメディアリレーションの実践編まで解説しています。講座のみならず、チームごとのワークショップやプレゼンテーション課題を行うことで、実践的なPRスキルを身につけることが出来ます。
『PRキャンプ』は夏季休暇と冬季休暇で大学生を対象にした短期集中研修です。パブリックリレーションズの基礎のみならず、マーケティングコミュニケーションやブランドビルディングなど、自社のPR事例を交えながら、幅広いエグゼキューションを紹介することで、PR業界/PR会社に興味のある学生や社会人の皆様にとって、少しでも多くの学びと発見を提供できればと考えています。
今回のマテリアルマガジンでは、今季に開催した『PRキャンプ2021(大学3年生対象)』の参加者の方にインタビューを実施。PRキャンプで得た新たな発見や、PR業界に対する印象の変化など、それぞれの思いを聞かせてもらいました。
<インタビューに協力してくれた学生の皆様>
東京外国語大学3年 苅和 里奈さん
学習院女子大学3年 伊藤 耶弥さん
2.参加学生が感じた『PRキャンプ2021』の魅力
社会全体がPRの持つチカラで動いていたことを知った
ーPRキャンプに参加されてみた感想を教えてください。
苅和さん:PRについて集中的に学ぶことのできる機会は初めてだったので、新しい発見が多くて興味深かったです。キャンプ中には、多くのPR事例を紹介していただきましたが、自分の身の回りには、こんなに多くのPRがあり、社会全体がPRの持っている力で動いていたことを実感しました。私は、もともと、PRと聞くと広告やポスター等の広告宣伝をイメージしていて、いかに生活者の関心を集めて商品やサービスを売り出していくのかという視点ばかりだと思っていました。しかし、PRキャンプを通じて、本来のPRは、想像以上に多くの意味を持っていることを知りました。企業やブランドが、社会課題と向き合い、社会とより良い関係性を築くことを目的としている活動だと学ぶことができました。
伊藤さん:PRキャンプでの様々な講義を通して、新しい発見や気付きが多くありました。私はもともと、「PR=宣伝」という認識を持っていましたが、最初の講義で、「PRとは、企業やブランドがメディアを通じて社会へメッセージを伝えて、より良い関係を築くことだ」というお話を聞いて、一気にPRに対する印象が変わったと思います。また、直接的に企業やブランドの利益に繋がらなくても、人々や地域のためとなるPRのチカラは、非常に素晴らしいなと感じました。
ー今回のPRキャンプに参加しようと思ったきっかけや背景はありますか?
苅和さん:PRキャンプを知ったきっかけは、私が学生インターンとして関わっている企業からの紹介でした。参加しようと決めた理由は、日頃からPRのみならず、情報への接し方や情報リテラシーを学びたいと感じていたからです。私自身、大学生になり様々な経験をする中で、世界中の個人の生き方や仕事のインタビュー記事、コンテンツ等のSNSをはじめとする多くのメディアで目にするようになりました。より多くの情報に触れることで、将来の選択肢や自分に合う職業等、自身の視野が広がったとは感じていましたが、あまりにも情報が混沌としすぎていて、自分の中で飽和状態になっていたんです。そうした問題意識を抱えていたこともあり、きちんと情報リテラシーについての理解を深めて、自分の将来に役立てたいと思い、参加を決めました。
伊藤さん:関心のある領域として、広告/PR業界に注目していたものの、実践的なPRも含めてなかなか学ぶ場が見つからず、PRについてより深く勉強する機会がほしいと感じていました。そんな中、『PRキャンプ』を知り、「これはいい機会になりそう!」と思い参加を決めました。
ー参加した前後で、PR業界の仕事やPRパーソンに対する印象に変化はありましたか?
苅和:印象の変化は大きかったと思います。そもそも、PRには、“社会課題を解決する目的”があることもこのキャンプを通して初めて知りました。また、「ブランド価値の向上」という言葉はよく耳にしていましたが、販売戦略に繋げるだけではなく、PRは宣伝のみを目的とした活動ではないと知ることができたおかげで、業界自体への印象も大きく変わりました。PRは、そもそも社会課題やある事象に対して関心がない人々にも、戦略次第でメッセージを幅広く伝えることができる手段と感じました。
伊藤さん:印象の変化は大きかったです。PRは、自分が想像していた以上に遥かに大きな規模で社会に影響を与えることのできる仕事だと感じました。また、PRという手法だからこそ、社会や生活者との信頼関係を作っていくことができるという点が非常に印象的でした。
PR視点でみる、企業・ブランドのリスクと危機管理
ー最も印象に残っているカリキュラムとその理由も一緒に教えてください。
苅和:ひとつに絞ることが難しいくらい、面白い講座が多かったです。まず、「PRとは?」という講義では、PRの目的や意義についてガイダンスされましたが、初めて知ることばかりで新しい発見が多かったと思います。その他では、「危機管理広報」の講義が面白かったです。「危機」というものを、PR視点で考えたことがなかったので、実際に企業が危機的状況に面した際にも、PRのスキルや知見がこんなに役立つのかと、驚きました。さいごに、「グローバル広報」の講座では、日本と世界を比べた際に、欧米諸国に比べると、日本の世論は非常に狭いもので、これらの欧米諸国よりも大きな分断があるわけではないという事実をより実感しました。日本で長く暮らしていると、そうした国際的な視点を持つことはできなかったので、国や社会によって、世論の成り立ちや対立の度合いやが異なるという発見になりました。
伊藤さん:数多くの講義の中でも、「危機管理広報」が非常に印象的でした。それまでの講義では、PRの華やかさや楽しさを学んでいましたが、この講義では、PRの持つ影響の重大さや、問題が発生してしまった際の対応がどれだけ企業・ブランドに影響するのかを知ることができました。また、「リスクは必ず存在しているからこそ、リスクを選択することは未来を選択することだ」という言葉が非常に印象に残っています。この言葉に対して、納得はもちろん、リスク管理を身につけるためにPRパーソンとしての知見が必要だと改めて感じました。
ーPRキャンプを通じて、これからの新社会生活で挑戦したいことを教えてください。
苅和さん:日々の生活の中で触れる情報について、PRの視点を持って情報をチェックし、自分が関心を持っていないコンテンツについても幅広く触れていけたらと思っています。大学生になってからは、毎朝新聞を読む習慣がありますが、それらの記事についても、誰に向けたられた記事なのか、また、いつ頃どのように取材された記事なのか等、これまではなかった新しい視点で情報をピックアップしていきたいと思います。
伊藤さん:今後は紙媒体のメディア(新聞等)にもより多く触れていきたいと思います。ニュースを受動的に受け取るのではなく、ニュースの背景や記事の戦略を読むことも意識していきたいです。また、「デジタルの海を泳ぐ」という講義で、自分自身のネットやSNSの使い方を見直したいと強く感じました。例えば、これまではある情報が『Yahoo!』などの有名なメディアで公開されていると、それらの情報を全て信じて鵜呑みにしていたんです。講義を通じて、きちんと自分で調べて、疑ってみることも大切なんだと学ぶことができました。自分が関心のあるコンテンツにのみ触れるのではなく、自ら世の中の情報を知る努力をして、新しい価値観に触れていきたいです。
3.広報・PRへの注目度が高まっている世代
Z世代は「情報の目利き世代」である
マテリアル・PRトレーナー・田代 順
PRのキャリアは自治体、医療機器メーカー日本法人、輸入車日本法人、アパレルブランド、海外スポーツブランドの商品広報実務や危機管理広報、メディアトレーニングのほか、スペインワイン/スペインレストランの広報実務と事業経営の経験を経て、2018年から株式会社マテリアルでPRアドバイザーとして活躍する。一般公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会で「PR実践講座」等の講師を担当し、PR業界の人材教育にも注力している。
ー今年で三度目の開催となるPRキャンプですが、開催した率直な感想を聞かせてください。
今回は予想以上の参加人数でした。全国の大学のゼミを主宰する先生に呼び掛けて受講生を募ったところ、60余名から申し込みがありました。前回の倍以上の人数で、学習院女子/京都産業/実践女子/上智/成蹊/西南学院/東京外国語/東京都市/東洋/東洋英和/津田塾の各大学と上智大学大学院から集まってくれました。過去の受講生からの評価もよかったのかなと感じています。また、参加者のアンケート結果からも、PRエージェンシーや企業の広報部門への就職志望が増えていることが分かりました。熱心に講義を受けている受講生の中には、広報・PR業界志望ではない学生も多数見受けられましたが、全体的に広報・PRの業種への注目度が高まっていると感じています。
彼らのようなZ世代の皆さんは、物心ついた頃から、「情報過多の世の中」で成長しています。自分にとって必要な情報を振り分ける「情報の目利き」世代といえるのではないでしょうか。メディアリテラシーが高いと感じますね。メディアを通じて正しく情報を社会に届けるパブリックリレーションズと相性の良い世代ではないかと考えています。
どのような業界に就職しても、「PRの視点」は重要
ーこれから新たに挑戦したいことはありますか?
できるだけ大学内では学ぶことのできないカリキュラムを組むことを心掛けています。次回は、「リスクコントロール」をテーマにしてみようと思っています。全体を通して、特に「危機管理広報」にはとても熱心な反応が見られました。さらに、日本広報学会でも活躍する岩澤康一先生にお手伝いいただき、「グローバルPR」と「危機を正しく理解する」の講義内でご登壇いただきました。この場を借りてお礼を申し上げます。岩澤先生はシリア領事館やアフリカ各地、欧米での広報実務経験とリスクマネジメントのスペシャリストです。受講生の視野の幅が大きく広がったことと思われます。
ーさいごに、参加者の学生のみなさまにエールをお願いいたします!
日々新しいメディアが誕生し、様々なメディアが進化をしています。メディアリテラシーの高い君たち世代の活躍が期待される時代になったと思います。どのような産業界に就職しても、「PRの視点」は必要です。今後もマテリアルが開催する短期集中講座の『PRキャンプ』や、定期開催の『ジュニアカレッジ』を通して、パブリックリレーションズを学んでください!
※2021年9月時点の情報です。