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KPIマネジメントの罠から抜け出せ! R&S室で実践したプロジェクトmonolith(モノリス)とは?


みなさんの会社や組織ではどのように数値目標の達成度を把握・評価していますか?
私の所属するReview&Sales室(以下R&S室)では、KPIマネジメントを取り入れています。

KPI
=組織の目標に対して、達成度を把握し評価するための指標
KPIマネジメント=KPIを適切に振り返り、次の改善に向けた議論をすること


多くの会社や組織で取り入れられているKPIマネジメントですが、やり方はその会社や組織の数だけあります。
LINEのアカウント・広告・スタンプなどの「審査」と、LINE広告・出前館などの「営業」を担うR&S室にも、KPIマネジメント浸透を目指すプロジェクト『monolith(モノリス)』があります。
マネジメントやMTG、分析など、KPIという岩の上にあるものをすべてひっくるめた一枚岩のような組織つくりをイメージして、プロジェクト名は英語で“強大な一枚岩” という意味のmonolith(モノリス)にしました。


今回は、KPIマネジメントの罠から抜け、本質的なKPIマネジメント浸透を目指す私たち組織の経験をご紹介します。

このような方の参考になると嬉しいです。

・サービスの運営に携わり、指標作成・可視化・目標立案でお悩みの方
・これからKPIマネジメントを取り組もうと検討されている方
・導入しているが現状のKPIマネジメントに疑問を持っている方 など

目次
①KPIマネジメントによくある3つの罠
②KPIマネジメント浸透の仕組みmonolith(モノリス)とは?
③KPI報告担当者のホンネ

KPIマネジメントによくある3つの罠

罠①:“なんちゃって”KPI
罠②:一部の上位層しか理解して価値や現状を説明できないいない
罠③:部署のリーダーしか、数値の

まず、R&S室もハマっていたこの3つの罠についてです。

罠①:“なんちゃって”KPI

業務の進捗や、目標を達成するための手段を指標においた「なんちゃってKPI」を報告していませんか?

例:お問合せ対応窓口で「●月●日●時台までに届いたお問合せに回答できている状況」をKPIとして報告している場合、それは業務進捗報告です。

例:営業部署で売上を上げるために、「電話をかけること」「電話をかけた件数」をKPIに設定した場合だと、電話がかからない会社に何度かかけることで達成できてしまいます。極端ですが、手段が目的になっています。

罠②:一部の上位層しか理解していない

実際にオペレーションを行っている層まで「目的」「KPI指標」「目標値」が浸透していないと、KPI達成に向けた行動ができずPDCAも回せない悪循環になります。

例:
目標対応件数を達成後に、オペレーション担当者は「いつもより速度を落として、より丁寧に進める」のか「効率的に対応件数を伸ばす」のか。「目的」「KPI指標」「目標値」が浸透していれば、KPI達成に沿った時間の使い方になるはずです。

罠③:部署のリーダーしか、数値の価値や現状を説明できない

①②の罠を抜け出し、どんなに良いKPI指標を設計し組織に浸透できていても、その価値や現状を人に伝えることができなければ意味がありません。私たちも、それをできるのが部署のリーダーだけになっている状況でした。
この状況が続けば、困っていることや改善したいことが伝わらず、関係各所から必要な支援が受けられないという悪循環に陥るかもしれません。

後述するプロジェクト『monolith(モノリス)』の紹介にもありますが、R&S室では、改善に向け次期リーダー候補のメンバーをKPI報告担当者に任命しました。
役職や所属部署に関わらず誰に対してもKPIの価値はもちろん、業務のコンディションを説明できる状態になることも役割のひとつですです。


R&S室のKPIマネジメント浸透の仕組みmonolith(モノリス)とは?

3つの罠にはまっていることに気づいた私たちが、本質的なKPIマネジメントを浸透させるために始めたプロジェクトが『monolith(モノリス)』です。

「環境をつくる」「機会をつくる」「人を育てる」 。
試行錯誤を繰り返し、ひとつひとつを積み上げていきました。

環境をつくる
指標作成・目標立案・可視化を通じて、データをを扱いやすい環境をつくりました。

■ KGI・KPIの「指標作成」と「目標立案」
部署のKPI報告担当者が、ユーザー、事業、現場といった、各ステークホルダーを意識した指標を作成。その後、室横断組織である私たちが、室全体で並べて見た場合の妥当性を確認。
KGI・KPIを達成するための目標は、事業部からの要望と現場やユーザーの視点をもとに立案します。

■ KGI・KPI「可視化」
算出ロジックを決め、LINE Fukuoka全社横断で課題可視化や標準化に取り組む組織(バリューマネジメントセンター )や、データ分析を専門的に行う組織(Data Labs)の支援を受け、BIツールへダッシュボードを作成しました。

※現在も活用しているダッシュボード

最適な指標や目標設定を室横断でサポートし、数値を可視化できる環境を整えることで罠①の「なんちゃってKPI」を抜け出しました。

機会をつくる

設定したKGI・KPIを「使う機会」も重要と考え、R&S室内でKPI Meetingという報告の場をつくりました。

KPI Meetingとは…

月1度R&S室内の各パート・チームから選ばれたKPI報告担当者が集まり、センター長・室長・マネージャーへ前月のKGI・KPI進捗を報告。次月の改善に向けた議論をする場です。

※KPI Meetingの様子(現在はオンライン開催)

■ KGI・KPIを使ったレポートを作成する機会
KPI Meetingでの発表に向けた資料作成が、報告担当のレポーティング力を鍛えます。

レポート作成時のチェック項目
✔ 専門用語の注釈(意味)が記載されている
✔ 前提や背景・経緯が記載されている
✔ 結果に対し原因分析(仮説を立て検証)されている
✔ 課題に対する打ち手が網羅されている

■ KGI・KPIを使った口頭説明の機会
KPI Meetingには、センター長・室長・マネージャーなど役職が異なるメンバーや、同じ室でも営業や審査など担当領域が異なる複数の報告担当者が参加します。
部署を代表して、どの参加者にもわかるように担当業務の成果や課題を説明することが求められるため、報告担当者のアカウンタビリティ(説明責任)意識も向上します。

口頭説明のチェック項目
✔ 報告物をそのまま読むのではなく、結論を定めて話す
✔「これから何を話すか分かるように」を常に意識して、一文を短くわかりやすく話す
✔ ロジカルに話す( ~だから~である)

■ フィードバックを受ける機会
KPI Meetingに向け、私たちmonolithプロジェクトのメンバーは報告担当者とそのチームのマネージャーをサポートします。
KPI報告レポートの内容や記載方法はもちろん、KPI Meetingや事後の振り返りでは「なぜその課題に取り組むのか?」など、仮説の正確性向上を意識した議論を行い、フィードバックを通してPDCAを回していきます。
これらの機会を通して、罠①の「なんちゃってKPI」ではない本質的なKGI・KPI指標と目的が設定され、報告担当者はレポーティング・口頭説明ができる状態になります。

罠②「一部の上位層しか理解していない」からも、罠③「部署のリーダーしか、数値の価値や現状を説明できない」からも抜け出せます。

人を育てる

KPIマネジメント浸透の仕組みmonolith(モノリス)には、KPI Meetingへの参加やレポーティングという経験学習機会を通して、KGI・KPI を使い倒すことができる次期リーダー候補を育てる狙いもあります。

■ 担当制を導入
KPI Meetingの報告物作成・発表を担う「KPI報告担当者」は各パート・チームから選出され、室全体の定例で発表後に活動を開始。担当者としての活動が、責任感を養います。

■ 重要性の理解を促す
KPI Meetingの冒頭では必ず参加者に対して「KGI・KPIとは?」の解説から始めます。
繰り返し伝えることで重要度への理解が深まり、KGI・KPIという言葉の概念に対するずれがなくなるからです。

■ よく使う数値指標の定義を説明会で共有
R&S室では、KPIに用いられることの多い指標の算出ロジックを定義化しています。
例えば「平均回答時間」という指標に対して、どこからどこまでの時間を対象にするかは室の中で同一の定義です。どのような指標があり何を示す数値なのか、これまでのパターンを活用できるよう、報告担当者を対象に説明会を実施しています。

■ 管理者層と担当者の役割を明確化
KPI Meetingではそれぞれが自分の役割を果たせるよう、役割を明確に整理しています。

KPI Meetingでの役割をチェック
✔ 報告担当:
レポートを作成し、誰に対しても伝わるように自組織のKPI進捗を発表する。フィードバックを受けて次のアクションプランを策定する。
✔ 管理者(各チーム、パートのリーダー):
事前にレポートを確認し、KPI Meetingの中でも必要に応じて発表内容を補足。発表に対するフィードバックを行う。
✔ monolith(モノリス)プロジェクト担当者:
スケジュール調整、ファシリテート、アクションプランの策定サポート。


KPI報告担当者のホンネ

このようにmonolith(モノリス)では、R&S室の「なんちゃってKPI」改善と本質的なKPIマネジメント浸透を目指し、KPI Meetingの場づくりを行ってきました。
では、プロジェクトを通して、メンバーにどのような変化があったのでしょうか?
実際にKPI報告担当としてKPI Meetingに参加してきた福永さんへお話を聞いてみました。

KPIの報告担当者を担って、変化したことは?
福永:日頃、業務について意思決定をする際にKGI・KPIを意識するようになりました。
KPI Meetingで、振り返りと今後の見通しを同時に確認できるので、課題を見つけやすくなり、これから起きる事へ備える動きができるようになってきたと思います。
他パートの方やメンバーに対しても、KGI・KPIの価値やそれぞれが意味するところの説明はこれまで以上にスムーズにできるようになりました。

また、パートのメンバー向けに「KPI Meetingの共有会」を実施し、“ KPI Meetingでこんなことを発表した ” と共有する場を設けたところ、メンバーより“自身の目標達成がKPI達成に大きく関係している と実感した”との声がありました。
それにより、個人目標の設定や、具体的な施策をメンバー自ら提案できるようになったことは大きな良い変化でした。

上記変化を踏まえた上で、次に考えていること
福永: これまでは、担当者である私が「課題に対するアクション」も考えていたのですが、今後は私以外のメンバーにも考えてもらって、より“現実的で、現場で実践しやすいアクション”にしていきたいと思っています。

私自身、この「KPI報告担当」の役割を担うことで、今のチームの目指すべきところや課題を、毎月具体的に考え、毎月実践するという、必ずなにかのPDCAを回すことが身についたので、今後のリーダー候補には経験してほしい役割だと感じています。


<最後にお伝えしたいこと>

LINEと聞き、全てをデジタル化して最新のシステムで管理しているという印象を持つ方も多いかもしれません。
しかし実際には、日々試行錯誤し、愚直に泥臭く、ひとつひとつを積み上げることの方が多いです。
ご自身の取り組まれているお仕事の目的を再確認し、3つの罠にハマっていないか点検いただけましたら幸いです。

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