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【Holmes わたしの履歴書 Vol.28】弁護士の世界を飛び出し、Holmesでの一からの挑戦を選んだワケ

Holmesを代表する社員が、半生を語るコラム『Holmes わたしの履歴書』。登場する社員は、セールス・エンジニア・デザイナー・バックオフィス等の多岐にわたります。

それぞれの分野で後世に残る仕事を成し遂げようと日々奮闘するHolmes社員。彼ら彼女らが自らの言葉で語る努力や想い。読めばきっとあなたに役立つ何かが得られるはずです。

ーープロフィール

■酒井 貴徳(さかい たかのり)
職種:CEO室 室長
趣味:ゴルフ、愛犬と遊ぶ

迷いなく「弁護士」という夢に突き進んだ学生時代

小学校高学年の頃からずっと「弁護士」を夢見ていました。当時放送されていた「正義は勝つ」というドラマの影響に加え、家族がトラブルに遭った時にお世話になった弁護士がまるでヒーローのように見えたことがきっかけです。小さなころから、曲がったことが嫌いな性格だったこともあり、弁護士こそ我が天職だと幼心に感じたことを覚えています。

弁護士を目指すことに何の疑いも持たないまま、中学、高校、大学、大学院と進学し、小学生の頃の思い込みのままに弁護士バッジを手にしたのが今から10年前のことです。よく「レールの敷かれた人生は嫌だ」という悩みを耳にしますが、私の場合は自分でレールを敷いたこともあり、弱音や泣き言をいえる状況でもなかったので、とにかくメリハリをつけて試験の連続を乗り越えました。

ちなみに、試験に臨む場合には、いつも「いかに最小の労力で試験に合格するか」ばかりを考えてきました。その意味で決して模範的な優等生ではなく、いつも合格点ギリギリで肝を冷やしていました。反面、「相手はどのような答えを求めているかを理解した上で、いかにその答えをシンプルに導き出すのか」という考え方の癖のようなものが自然と身についていました。そしてその思考回路は、その後の弁護士人生においてはもちろん、Holmes入社後のビジネスサイドでの業務にも欠かせないものとなっています。

きらびやかな企業法務の世界との出会い

ただ、弁護士として「何をしたいのか?」ということを真剣に考えたことはありませんでした。刑事法に関心があったので、刑事弁護に取り組むのか、はたまた弁護士になる前に検察官を経験するのかなどと漠然と考えていた程度です。

しかし、ロースクールで受講した講義がきっかけで、企業法務の世界に一気に引き込まれました。講師は草野耕一先生(現・最高裁判所判事)で、日本のM&A実務を確立した第一人者です。そこで、はじめてM&Aやファイナンスの世界に触れ、世界を股にかけてビジネスの世界で派手に活躍する弁護士の姿を知りました。その後に参加した西村あさひ法律事務所の短期インターンでも、その憧れはさらに強いものになり、司法試験合格後、晴れて同事務所で、弁護士としてのキャリアをスタートすることになったのです。

歯を食いしばり、死に物狂いで働いた日々

いざ入所してみると、外から見るよりはるかに泥臭く、砂を噛むような業務がほとんどでした。毎日、文字通り朝から朝まで、先例を調べ、書籍を調べ、同僚と議論し、何度も書面を書き直し、怒鳴り、怒鳴られ...本当に一瞬一瞬を死に物狂いで乗り切る毎日でした。日々、心が折れるのを通り越し、粉々に砕け散っては自席で仮眠をとって復活するということの繰り返しです。

しかし、そうして過ごした毎日は、自分にとってかけがえのない大切な時間となりました。国内外のM&Aや一般企業法務に加えて、訴訟や紛争、ベンチャー法務・投資など様々な分野の業務を行い、日経一面に掲載されるような社会的意義の大きいM&A案件も数多く担当させていただきました。良くも悪くもクライアントに感情移入しがちで、クライアントの案件にかける想いや願いを何とか実現したいと常に考えていました。そして、感謝の言葉を頂くと全ての苦労が報われました。死に物狂いで働いた6年半は想像を絶するような日々でしたが、それを補って余りあるやりがいに満ちた時間でした。

ちなみに、当時の直属のボスは、業界でも有名な厳しい方でした。口すら聞いてもらえない一年目、一方的に怒鳴られる二年目、話を少し聞いてもらえたと思ったらやっぱり怒鳴られる三年目。ただ、「石の上にも三年」とはよく言ったもので、四年目にもなると、徐々に認めてもらえるようになり、「全然まだまだが、お前もよくここまで成長したな」という言葉をかけられたことは、今でも昨日のように思い出します。上司や先輩からは、弁護士としての仕事の仕方やプロフェッショナルとしての矜持など、一社会人として生きていくために必要なものは全て叩き込まれました。

かけがえのない「時間」を得たアメリカ留学

弁護士7年目の夏、アメリカのバージニア大学ロースクールに留学しました。大学のあるシャーロッツビルという街は、全米で最も住みやすい街にも選ばれたことのある、美しくてのどかな田舎町です。体験したことのないほどのゆっくりとした時間を過ごす中で考えることと言えば、やはり未来のことです。弁護士になってから、立ち止まって何かを考える余裕など全くなかったので、本当に貴重な時間でした。それと同時に、世の中から置いていかれるのではないかという焦りも沸き、法律や英語の勉強だけでなく、最新のテクノロジーに関する情報を読み漁っていました。

当時はまだリーガルテックという言葉が今ほど市民権を得ていなかった時代。まだ日本では法律関連に取り組んでいる人はいないだろうと思いながら、色々と調べているうちに「ITによる法務関連業務の変革に挑戦している」という笹原のインタビュー記事が目に留まりました。そのときは記事を読んで終わりでしたが、「世の中から紛争裁判をなくす」という大きすぎる志を公言して憚らない、笹原の印象がなぜか強く頭に残っていました。

その半年後、たまたまTwitterで笹原を見つけて、私からメッセージを送りました。それが2018年3月4日です。その後、毎日のように笹原とTwitterやSlackでやりとりをするようになり、日本に一時帰国する度に笹原と飲みに行ったりしました。こうして、Holmesと私の縁が始まりました。

自分が何者かになることより「事を為す」

留学中、憧れのニューヨークの一流法律事務所に勤務するチャンスをもらいました。そこでは、夢のような素晴らしい経験を積ませていただき、日本の弁護士が目指すべき一つの形を目にすることができました。その一方で、いい意味でも悪い意味でも、弁護士として、この先30年研鑽を積んだ先に待っている、想像し得る最高の未来というものが見えてしまったような感覚に襲われたのも事実です。

アメリカでの一年半、笹原と毎日のように様々な話をしました。弁護士とは、契約とは、そして、この世に生を得た意味とは。アメリカの弁護士資格を取得し、ニューヨークの法律事務所で最新のM&A実務を学び、帰国後には企業法務の弁護士として「何者かになる」。疑問を持つこともなく、漠然とそんな未来を目指していた自分に対し、笹原はいつも疑問を投げかけてきました。「絶対に自分の手でビジネスをしてみるべき」、「独立して自分で法律事務所をやってみろ」、「でも、できればスモールビジネスである法律事務所より会社を起業した方がいい」と繰り返し言われていました。まさに洗脳です。

その裏側で、Holmesを間近で見てきたこの一年半の間に、そのサービスと組織の両方が何度も大化けし、日々変化していくのを目の当たりにしました。そして、笹原自身も出会った頃からは想像もできないほど経営者として大きい人間になっていき、焦りを感じるほどになりました。

そして、笹原から勧められた司馬遼太郎先生の「竜馬がゆく」を読み、個人として何者かになることよりも、事を為すために人生を捧げる。生きている間に評価されなくても、志半ばで斃れても、前向いて死ぬ。そんな全く馴染みのない価値観で生きる時間があってもいいかもしれないという気持ちになりました。このような心の変化を経て、契約マネジメントという唯一無二の世界観を実現し、世の中から紛争裁判をなくすという「事を為す」ために、自分の時間を捧げることを決意しました。

M&Aロイヤーから、スタートアップの「CEO室室長」へ

留学から帰国してすぐ、2019年9月にHolmesに入社し、それと同時にHolmesにCEO室が新設されました。CEO室の組織ミッションは、「そのとき会社にとって最も重要な戦場に駆けつけ、決定的な仕事をすること」です。入社後4か月で取り組んだ業務は、組織構築、提携交渉、資金調達、採用、セールス支援(マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス)、イベント企画・登壇など、多岐にわたります。Holmesは、現在すごい勢いで成長していますが、まだ50人程度の小さな組織。ひとりひとりの働き次第で、組織の次元を引き上げることができるところに、大きなやりがいを感じています。最初は一人で始まったCEO室も、今は非常に優秀なメンバーが集まってくれているので、これからもっと会社の成長を別次元に引き上げていきたいと考えています。

また、組織が大きくなり変化していく中で、メンバーが抱える不安や疑問を聞き出し共に解決策を考えることも、自分の大切な役割だと考えています。もちろん、メンバーの課題はもちろん、ユーザー様や社会が抱える課題に向き合い、本人も気づいていない真の課題を理解するという点では、弁護士としての経験が直接的に生かせていると感じます。

300年続く組織の礎を築くために

過去の経験から感じることは、弁護士、パラリーガル、法務部員などのリーガル出身者は、法務にとどまらずビジネスサイドで活躍するために必要な能力が極めて高い方ばかりです。しかし、残念ながら、リーガル出身者に対して、営業やBizDev、経営などのビジネスサイドのポストを用意してくれる企業はほとんどありません。だからこそ、私は、出身者が、全く違うフィールドで活躍するというキャリア、そしてそれがステップアップにつながるような道を作りたいと考えています。

もちろん弁護士からビジネスサイドへの転身は簡単ではありません。今も悪戦苦闘の連続です。ヒト・モノ・カネというリソースが限られているスタートアップでは、優先順位に従い、取捨選択の意思決定を最適かつ迅速に行うことが求められます。そのため、過去の経験や成功体験をアンラーンすることが必要ですが、過去の経験があるからこそ、それとの「違い」や「距離」を感じながら理解を深められるので、過去の積み重ねは今も自分の強みとなっています。

アメリカでは、PayPal出身者が、スペースX、テスラ、リンクトインなどを次々と成功させ、「PayPalマフィア」と呼ばれていますが、私は、Holmes出身者が5年後、10年後に「Holmesマフィア」と呼ばれるような組織にしたいです。そして、Holmesは、幹部の多くが弁護士出身であり、契約マネジメントシステムというサービス内容から、リーガル出身者にとって、ビジネスサイドへの玄関になる唯一無二の会社です。

今は300年続く組織の3年目。その礎を築くために、私自身が結果を残さなければいけないのはもちろんですが、先の見えない、あるかもわからない新しい道を一緒に創り上げる仲間を常に探しています。

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twitter https://twitter.com/sakai_takanori

[取材・文] 株式会社はたらクリエイト [撮影] 伊原正浩


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