L&E Groupのプロダクト開発部では、最新の技術トピックをキャッチアップするため、エンジニア勉強会を定期的に実施しています。そこで今回は、2月に実施した勉強会のレポートをご紹介します。
今回の勉強会では「Agentic Codingに関する最近の動向について」をテーマに、AIエージェントを活用した開発の考え方や仕組みについて発表・議論を行いました!
AI活用は、開発の進め方そのものを見直すうえで、重要なテーマの一つです。少人数のチームだからこそ、AIを前提に仕組みを整えることで、素早く意思決定しながら実装を進められると考えています。人がより判断や設計に集中できる開発体制を、現場で試行錯誤しながらつくっています。
AIへの任せ方が変わってきている?「Agentic Coding」とは
「Agentic Coding」とは、AIに細かい手順を一つひとつ指示するのではなく、「こういう状態にしてほしい」というゴールや制約を伝えて、AIに自律的に作業を進めてもらう考え方。AIを「ツール」ではなく「協働する開発者」として扱うイメージです。
AIが自らコードを書き、テストし、問題があれば修正する ―― このサイクルを繰り返しながらゴールに向かっていきます。その際に重要となるのが「定義」と「評価」。 目指す状態や守るべき条件を明確にし、「正しくできたか」を判断できる基準をあらかじめ決めておくことが、AIの自律的な実装を支えるポイントになります。
AIが目指すゴールに対して「正しく実装できているか」「エラーが出ていないか」「開発ルールに沿っているか」などを判断するための基準を明確にしておくことで、AIは自ら試行錯誤を重ねながら、望ましい状態に近づいていくことができます。
また、エンジニア間で話題になっている、AIがスムーズに自走するためのガードレール設計についても、他社エンジニアチームでの事例を交えて紹介しました。
AIに何を伝え、何を省く?コンテキスト設計の重要性
Agentic Codingを活用するうえで念頭に置かなければならないのが、「AIにどんな情報を渡すか」という点です。
AIが一度に扱える情報量(コンテキスト)は有限なため、あれもこれもと詰め込むと、かえって重要な指示を見落としてしまうことがあります。そのため、AIに何を伝え、何を省くかというコンテキストの設計が、アウトプットの質に影響してきます。
必要な情報のことを「高信号トークン」と称し、どのような情報が高信号トークンとなるか、一例を紹介しました。
なお、2026年3月時点で、AnthropicとOpenAIはそれぞれ最大100万トークン規模のコンテキスト対応を公表しています。ただし、扱える情報量が増えても、何を伝え、何を省くかというコンテキスト設計の重要性は変わりません。
この領域には決まった正解があると考えていません。モデルやAIエージェントの進化に合わせて前提も変わっていくため、コンテキスト設計やSkills・Hooksの整備を試行錯誤しながら進めています。実際に、情報を渡しすぎて精度が落ちたり、AIに任せる範囲をうまく整理しないと、かえって手間が増えたこともありました。
AIの出力を安定させる仕組みとは?Skills・Hooks の紹介
勉強会ではこうした考え方を実践するための仕組みについても紹介しました。
★Skills(スキルズ)とは…
Claude CodeなどのAIエージェントに 特定のタスクや業務の進め方を伝えるための、再利用可能な指示のまとまり。
AIへのオンボーディングガイドのようなイメージで、 チーム固有のルールや手順をあらかじめ登録しておくと、AIが必要な場面で自動的にそのルールを参照してくれる仕組みです。例えば命名規則やレポートの表示ルールなど、チームの決まりごとをAIに覚えさせることができます。
★Hooks(フックス)とは…
AIの動作に対して、自動的にチェックや処理を実行する仕組み。
例えば「AIがコードを編集した後に、必ずルールチェックを行う」といった設定ができます。AIの出力にばらつきが出やすい部分に、確実に動作するチェックを入れることで、品質の安定化に繋がります。
実際にプロダクト開発部でも、Link-AG APIを使用したレポート作成などでSkillsを活用しています!
プロダクト開発部では、各メンバーが日常的にAIを活用しており、中には新しく書くコードのほぼすべてを、AIに生成させながら開発を進めているメンバーもいます。今回の勉強会では、そうしたAI活用のノウハウをチームで共有しました。加えて、それを踏まえてどんな情報をSkillsへ取り入れていくのか、どのように整備していくのかについて、メンバー間で議論もなされました。
今回の議論をもとに「Agentic Coding」をチーム内に浸透させ、AIに任せられる実装や検証の範囲を広げながら、人が設計やレビューにより集中できる体制づくりを進めていきたいと考えています。
いかがでしょうか?
L&E Groupのプロダクト開発部では、AIツールを導入するだけでなく、AIにうまく仕事を任せ、共存していく新しい開発スタイルの構築に取り組んでいます。
AIエージェントの最新情報や活用ノウハウを個人に閉じず、勉強会等を通じてチーム内で共有・議論しながら進めていくことが、品質の高い開発につながると考えています。
手を動かすだけでなく、どうすればより生産性高く価値を届けられるかを考えたい方。実装にとどまらず、AI前提で開発プロセスを組みたい方。L&E Groupのプロダクト開発部は、そうしたエンジニアが力を発揮しやすい環境だと考えています。
引き続きこうした取り組みを続けながら、開発の品質と効率を高めていきます!