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裁量と責任があるからこそ挑戦できる。支援事業の最前線で働く面白さ

はじめまして、公民連携事業部の森絵莉加です。支援の現場では、裁量があるからこそできる挑戦があり、責任があるからこそ生まれるやりがいがあります。本日は、そんな仕事の魅力をみなさんへお伝えしたいと思います。

私はひとり親家庭で育ちました。小学生の頃は周りの家庭と比べて「みんなお金があるおうちでいいな」「うちもお父さんがいたらいいのに」と思うこともありました。そんな中でも、母は大好きなクラシックバレエの習い事だけは続けさせてくれました。それが支えとなり、「周りとは違うこともあるけれど、私はこれができている」と前向きに捉えられるようになりました。
この経験を通じて、自分の力だけではどうにもならない環境にいる人のことを意識するようになり、「機会平等な社会をつくりたい」と思うようになりました。
しかし、大学卒業時は、どの業界でどのように社会貢献したいのかが明確ではありませんでした。まずは幅広いビジネススキルを身につけるため、機械部品の専門商社に入社。ここで企画・品質管理・販売・マーケティングなどを経験し、「小さな会社の社長」のように裁量を持って働けたことが大きな学びになりました。
ただ、5年経つ中で「業界や商材そのものへの興味は薄い」と感じ、本当にやりたいことを考え直しました。そこで改めて、社会の仕組みを変えたい、社会的に困難な状況にあっている人の支援をしたいという想いに立ち返り、Wantedlyでキズキを見つけ、転職を決意しました。

|ゼロからの挑戦―支援の仕組みをつくる面白さ

私は現在、千葉県意見表明等支援事業の立ち上げと運営を担当しています。この事業は、千葉県の児童相談所に併設された「一時保護所*」で生活している子どもたちに対し、普段の生活や今後の措置**などについて、子どもたち自身の意見を表明する機会を保障するものです。私は、この事業の立ち上げにゼロから関わりましたが、決して一人で進めたわけではありません。まずは事業の仕様を読み込み、児童福祉法や子どもの権利条約、「アドボカシー(権利擁護)に関する考え方」などを学ぶことからスタートしました。その後の支援方法の企画や、子どもたちが自然に話しやすい環境づくり、面談の流れや支援員向けのガイドラインの整備についても、上司やキズキで相談経験が豊富なスタッフにたくさん相談しながら試行錯誤を重ねました
そして立ち上げ時は千葉県内の児童相談所を訪問し、職員と意見交換を重ねながら事業の意図を丁寧に説明し、“子どもたちの意見を尊重し、より良い環境を作る支援”であることを伝え、信頼関係を築いていきました。

この仕事の魅力は、なんといってもゼロから仕組みを作れることですね。私は、すでにあるものを改善するよりも、新しく立ち上げることにやりがいを感じるタイプなので、この事業に深く関われること自体がとても面白いです。自分が一から考えた商品やサービスには特別な愛着が湧きますし、「どうすればより良い支援ができるか?」と悩みながら作り上げた分、より良くしたいという気持ちが強くなるんです。

*一時保護所…虐待などの事情で家にいることができない子どもを、一時的に安全に保護する場所
**措置…家庭復帰や児童養護施設入所、里親委託等の対応

|嬉しさも葛藤もある。そして「この仕事をしてよかった」と思える瞬間がある

この事業を通じて、子どもたちの変化を実感できる場面に立ち会えることが嬉しい瞬間のひとつです。
先日も、こんな嬉しい出来事がありました。
ある小学校高学年の男の子は、最初の面談では「特に伝えたいことはない」と話していました。しかし、支援を通じて「誰かに話してもいいんだ」と気づき、施設の職員に自分の思いを伝えられるようになったんです。
これは、「セルフアドボカシー(自分自身の権利や意見について、自分で主張し行動すること)」が育まれた瞬間で、この事業の意義を改めて実感した出来事でした。
児童相談所にいる子どもたちは、育った環境の影響で「意見を言っても無駄」と思っていることが多いです。また、大人への不信感を抱えていたり、「自分の気持ちを言うのは間違い」と思い込んでいるケースもあります。そんな中で、「意見を言ってもいい」と感じてもらえることが、この支援の大きな意味だと考えています。

もちろん難しさもあります。
支援の仕事に正解はなく、相手にとって本当に適切な対応ができているのか、常に考えながら進める必要があります。同じ状況でも、一人ひとりの背景や感じ方は異なるため、「これが正解」と言い切れるものはありません。また、マニュアルや研修は整っていますが、それだけではすべてのケースに対応できません。その場の状況を見ながら、柔軟に対応していくことが求められます。
だからこそ、私はキズキの行動指針である「ファクロジ」(ファクト=事実とロジック=論理)を大切にしています。想像で判断せず、まず事実を正確に把握し、それに基づいて適切な支援を考える。感情に流されず、相手に本当に必要な支援を提供するために、この姿勢を常に意識しています。
支援の仕事に正解はありませんが、試行錯誤を重ねながら、相手にとってより良いサポートができたと感じる瞬間が、大きなやりがいにつながっています。

|一人ではなく、チームで乗り越えるからこそ得られる成長

キズキは、裁量を持って働きたい人にはぴったりの環境だと思います。
裁量がある分、責任も大きく、良くも悪くもプレッシャーを感じることもありますが、だからこそ「自分ごと」として仕事に向き合えるのが魅力です。自分の手でゼロから事業を立ち上げたり、新しい分野の案件に挑戦できる機会があるので、「やりたい!」と手を挙げればどんどんチャレンジできる文化があります。その点に、私はすごくやりがいを感じています。

また、振り返ると、私は母が周囲を巻き込みながらなんとかやりくりしてきた姿を見て育ちました。一人で頑張るのではなく、周りの人と協力しながら進んでいくことの大切さを学んできたからこそ、今の仕事でもそれを大切にしているのかもしれません。
そんな思いに共感できる方と一緒にチームで力を合わせて乗り越えられる嬉しいです。


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