kay meの洋服の特徴は、なんといってもストレッチが効いて動きやすいのにスタイルが美しく見えること。
長時間着ていても疲れず、着心地最高!ただkay meの洋服は、その複雑さ、求められる技術の高さから、ほとんどの工場からは「できない」と断られるほどなのです。
創業以来kay meの洋服制作にご協力いただいている都内の縫製工場にうかがいました。
今年で創業45年を迎え、20名の従業員と共に“ジャパンメイド”の洋服作りの一端を担う縫製工場。
kay me 代表毛見との出会いは、まだkay meを創業したばかりの約9年前のことでした。(2020年現在)
当時、理想とするジャパンクオリティの洋服を作るため、様々な縫製工場にあたったという毛見。あまりの「着る人の立場からの機能性とデザインへのこだわり」に首を縦に振ってくれるところはなかなかなく、10軒中9軒からNOと言われたといいます。もうお願いできるところがない!という状況の中、「やりましょう」と快諾してくれた当時唯一の工場でした。
縫製工場社長は、当時をこう振り返ります。
「初めて、毛見さんから企画書を見せられたときには、『こんな洋服を作れるのか』と悩みましたよ(笑)。でも毛見さんの夢を語る姿に心を動かされましてね。うちで力になれるならと思ったんですよ。ただ、引き受けたのはいいけどkay meの場合、素材や使用する糸が特殊だから、試行錯誤の繰り返しでね。求められる完成度も非常に高かった。でもね、いいものは誰が見てもいい。『鮮度の高い洋服を作りたい』という毛見さんの想いに私も社員も応えたいと思ったんです。」
まだ、生まれたてで形も売上もなかったkay meに「一緒にやりましょう」と言ってくださった社長。こんな有難いご縁があって、kay meは初めてのラインナップ誕生に向けて少しずつ動きだしたのでした。
「常識はずれ」なkay meの洋服作りにベテラン職人も困惑
kay meの洋服がなぜ、女性のカラダを美しく見せ、長時間着ても、どんなに動いても楽を叶えることができるのか。伸縮性のある生地と糸を使用していることだけが、洋服の美しさや機能性の秘密ではありません。
その秘密は裁断・縫製過程にありました。
こちらの工場で縫製を担当し、キャリア40年を超える大橋さんは、初めて毛見から話を聞いたときは、驚いたといいます。
「この仕事40年の経験の中でも、このような生地と糸との組み合わせは初めてでした。正直申し上げて、『常識はずれ』だと(笑)。毛見社長がアパレル業界での経験がない方だから、常識では考えられない発想をお持ちなのだなと思います。9年前から現在に至るまでkay meの洋服の縫製を担当していますが、毛見社長が理想を形にするために一切妥協をせず、一生懸命だから、こんなに素敵な洋服が作れるんだとも思っています。」(大橋)
対して毛見は、「私も、今なら『これまでのアパレル業界の中では非常識なことをお願いしているんだ』とわかります(笑)。私が服作りの経験者だったら、最初から『無理だ』とあきらめていたかもしれません。田中社長や大橋さんには、今でも技術的に難しく工程のかかることをお願いをしていると思うのですが毎回『ノー』と即答されず、どうしたらできるのかを追及してくださっているんです。」といいます
裁断、縫製を含め、複雑かつ緻密な作業を重ねてできあがるkay meの洋服
「どれだけ大変な作業でも仕事を受けた以上は、きちんとしたものを納める。それはプロとして当然のことですよね。何百着と作っても、お客様が買われるのはその中の1着。どれを手にとっても同じクオリティであるべきですから。」と大橋さんはいいます