深夜2時のアラートと向き合う ―― 「システムを止めないチーム」の話
多くのサービスは、私たちが眠っている時間も動き続けています。ECサイト、業務システム、社内インフラ ―― 使う人が時間帯を選ばないほど、「止まらないこと」そのものが価値になります。今回は、24時間365日(24/365)でシステムを見守る運用の現場で、私たちが何を大事にしているかを少しだけお話しします。
「動いて当たり前」を支える、見えない仕事
システム運用の面白さであり難しさは、うまくいっているときほど誰にも気づかれない点にあります。深夜にサーバーの負荷が跳ね上がっても、朝には何事もなかったように動いている ―― その裏側では、監視・障害対応・セキュリティ・バックアップ・改善という複数の役割が連携しています。障害を「起きてから直す」のではなく、予兆の段階で気づいて止めない。この発想が、24/365という体制の核だと考えています。
夜間や休日に検知が遅れると、復旧までの時間もそのまま延びていきます。だからこそ、アラートが鳴った瞬間に誰かが必ず動ける状態を、時間帯に関係なく保ち続けることが大切になります。
24時間を「人」で埋めるのか、「仕組み」で支えるのか
1か月をフルカバーするには、720時間(24時間×30日)を切れ目なく見守る必要があります。これをすべて自社の人員だけで埋めようとすると、シフト体制の構築、夜勤の負担、採用や教育のコストが積み上がり、想像以上に重くなりがちです。実際に、自社で抱え込む場合と外部に任せる場合とでは、コストにも運用品質にも差が出ます。具体的な体制の組み方やコストの考え方は、24時間365日の運用体制の作り方を実務目線で整理した記事(カオピーズ)にまとまっているので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
私たちが大切にしているのは、「安さ」ではなく「続けられるか」です。人が疲弊しない設計であって初めて、監視は長く機能します。
属人化を防ぐために、標準化にこだわる
「このシステムはあの人しか分からない」という状態は、運用にとって一番のリスクです。そこで、対応手順(SOP/Runbook)やエスカレーションのルールを言語化し、誰が対応しても一定の品質になるように整えています。障害の初動、切り分け、連絡、そして再発防止まで ―― 手順が見えていれば、夜中でも判断が遅れません。標準化は、チームの負担を減らすと同時に、対応のばらつきをなくす取り組みでもあります。
AIと人が組む、これからの監視
最近は、閾値を超えてから気づく従来型の監視だけでなく、機械学習で異常の予兆を先回りして捉えるアプローチも広がっています。ログの微細な変化やサーバーの過負荷を事前に察知できれば、トラブルが表面化する前に手を打てます。とはいえ、最終的にどう動くかを判断するのは人です。AIの処理スピードと、人の柔軟な判断を組み合わせる ―― この「ハイブリッド」の形が、これからの運用チームの中心になっていくと感じています。
最後に
システムを止めないという仕事は、派手ではありませんが、事業の土台を静かに支える大切な役割です。24/365システム監視を「自社で持つべきか、任せるべきか」で迷っている情報システム部門の方やCTOの方は、まず自社にとっての必要な範囲を整理するところから始めてみてください。同じ「止めないための仕組み」に関心のある方と、いつか一緒に考えられたら嬉しいです。
※本記事で触れたコストや効果の数値は、掲載前に元記事・一次情報でご確認ください。