皆さん、新年あけましておめでとうございます!
年末年始はゆっくり過ごせましたでしょうか?私はありがたいことに9連休をいただき、しっかりパワーを蓄えることができました。一方で、その間も私たちのインフラを支えてくれていた現場社員には、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。その方々の支えとなる総務であれるよう、2026年も業務に励んでまいります!また、Wantedlyも昨年以上に更新していければと思っておりますので、ぜひチェックしていただけると嬉しいです。本年もどうぞよろしくお願いいたします!
さて今回は、前回に引き続き、業界をリードするパイオニアたる管清工業の技術力・技術開発力について紹介します。普段は地下の下水道管で働いている、なかなかお目にかかることのできないロボットたちが登場しますので、皆様にとっては興味深い内容だと思います。楽しんでいただけると嬉しいです。
高い技術力と革新的な技術開発力
管清工業の前身である日米産業株式会社(現:株式会社カンツール)は、下水道管路清掃機材の商社であり、欧米からの技術や機械の輸入を行なっていました。同社の工事部門が独立する形で設立されたのが、現在の管清工業です。当時、日本の下水道業界は欧米の先進技術に大きく依存しており、日本には独自の技術がほとんど存在せず、海外製の機械をそのまま導入して使用するのが一般的でした。しかし、日本の国土やシステムにそぐわない点も多く、より実用的な技術へと発展させていく必要があったのです。海外の優れた技術を取り入れながら、現場に最適化された独自の技術を開発していくことで、管清工業の技術開発力の基盤が確立されていきました。
現在使われている様々な技術は、現場で活躍する若手社員からのアイデア・提案により生まれており、「管清工業にできないものはない」と市場からの高い評価を得ています。ご依頼にリピーターが多いのも、私たちの技術力に信頼を寄せていただいている証です。日々の現場で感じる小さな気づきから生まれたものや、「あんなこといいな、できたらいいな」と夢物語から生まれたものまで、現場部門と開発部門の距離が近いからこそ実現できた技術を、開発秘話と共に一部紹介します!
スクリーニング調査用 痒い所に手が届く KPRO®
スクリーニング調査とは、全国50万kmに及ぶ膨大な下水道管から、緊急性の高い異常箇所を発見する簡易的な調査のことです。「まずはサクッと」調べたい時に活躍するのが、このスクリーニング調査用カメラシステム、KPRO®です。「【会社紹介Vol.3】管清工業の技術力にせまる②」で紹介したグランドビーバーが大口径管(直径80㎝以上の大きな管)の詳細調査を得意としているのに対し、KPRO®は高い機動力を活かし、小口径管(直径15㎝~70㎝の比較的小さな管)の調査から、大口径管のスクリーニング調査まで幅広く使用されています。
特に大口径管での調査においては、まずKPRO®によるスクリーニング調査で重要箇所を洗い出し、次に、グランドビーバーで重要箇所を詳細に調査するという流れで作業を進めます。
2025年1月28日に埼玉県八潮市で発生した、下水道管路の破損に起因すると考えられる道路陥没事故を受けて、現在全国で「下水道管路の全国特別重点調査」が実施されていますが、この調査ではスピードが特に重視されるため、管清工業が請け負う現場ではこのKPRO®が大いに活躍しています。
バッテリー・ライト・動力が一体化された設計で、調査開始地点でスタートボタンを押すと自動走行がスタート、調査終了地点でストップボタンを押すだけ、と操作性も非常にシンプル。画角を変えない直視映像のみで、一時停止せず一定速度で次のマンホールまで走り続けるため、低コスト・短時間での調査が可能です。従来の方法である事前の管内洗浄・詳細な撮影を省略することで、日進量の飛躍的な向上を実現し、下水道管のストックマネジメント※1を効率良く行えるようになりました。2013年に製品化し、2018年第11回「循環のみち下水道賞」では国土交通大臣賞アセットマネジメント部門を受賞しました!(上下水道:平成30年度(第11回)循環のみち下水道賞 - 国土交通省)
2025年3月には累計施工延長4,200㎞を突破し、全国でたくさんのご依頼をいただいております。
水量が多いところでも、ぐんぐんいけるすごいヤツ KPRO®-Ftype(エフタイプ)
下水道管は様々な大きさのものがあり、水の流れ具合も様々です。チョロチョロ程度の管もあれば、日本三大急流の一つで知られる最上川のような、流量の多い管もあります。そのような環境下では、さすがのKPRO®も太刀打ちできません…。
そんな時には水に浮いて進んでいける船形のKPRO®-Ftype(エフタイプ)!(もちろん管清工業独自開発)
水量や作業環境に合わせて様々な形が用意されており、敷設されてから一度も調査がされていないような調査困難箇所(流速が速い、水位が高い、満水状態等)でも活躍しています。私の推しはなんといっても円盤仕様。水の流れで転覆しても、回転しながら360度撮影することができる管清工業の飛び道具です。これなら荒れた最上川でも大丈夫なはず!
以上のKPRO®シリーズは次々と種類が増えているんだとか…同じ現場が一つとしてないとすれば、現場それぞれに合わせてテレビカメラシステムも開発してしまおう!ということです。こうした機動力が管清工業の開発部門の魅力です。
開発秘話
今でこそ、下水道管路維持管理業界では一般的な手法であるスクリーニング調査ですが、管清工業では、業界内でこの概念が浸透するもっと前からKPRO®の開発に着手していました。そのきっかけはほんの些細な思いつきからで、「まさかここまで全国的な取り組みとして広がるとは思ってもみなかった」と当時の開発担当者は言います。
―「最近話題の小型アクションカメラ、めちゃくちゃ画質良いらしいよね。あれを下水道管内に流したらどんな映像が撮れるんだろうね。」
時は2000年代後半。いつもの現場打合せ中、社外の方との何でもない雑談の中で、当時流行していた小型の高画質アクションカメラの話題が上がりました。
―「綺麗な映像が撮れるかもしれませんね。ちょっと、やってみましょうか。」
そんな軽いノリで始まった開発実験。買ってきたアクションカメラをスケートボードにくくりつけ、脇にLEDの懐中電灯をつけた簡易的なものが原型でした。
高画質で気軽に使えるカメラシステムとしてKPRO®が製品化されて少し経った頃、平成28年に国土交通省から「下水道ストックマネジメント支援制度」が発表されました。
※1…「ストック」とは、すでに整備されて使われている下水道施設(管路や処理場など)のこと、「マネジメント」は、それらを計画的・効率的に管理することを意味します。つまり、「下水道ストックマネジメント支援制度」とは、古くなった下水道施設を、無駄なく・安全に・長く使えるように管理を支援していく制度です。
日本の下水道施設は、高度経済成長期に多くが整備され、今では老朽化が進んでいます。しかし、地方自治体では人手や予算が限られているため、すべてを一気に直すことはできません。そこで、
- どの施設がどれくらい古いか?
- 壊れるリスクが高いのはどこか?
- 優先的に直すべき場所は?
これらを調査・評価して、必要なところから順番に修繕・改築していくストックマネジメントが必要と考えられるようになったのです。
参照:上下水道:下水道の維持管理 - 国土交通省
この「下水道ストックマネジメント支援制度」が始まった頃に初めて、スクリーニング調査という概念が業界内に広がりはじめました。スクリーニング調査に詳細調査用のカメラシステムを使用するとコストがあがるため、一次調査用、すなわちスクリーニング調査用のカメラシステムのニーズが高まり、この動きがKPRO®の普及を後押ししたのでした。
あえて機能をそぎ落とし、従来の詳細調査用ロボットとの使い分けという選択肢を用意したことで効率化・普及に繋がった…現場のニーズを汲み取った画期的な開発ですね!
以上、今回は管路スクリーニング調査システム「KPRO®」と「KPRO®-Ftype」を中心にご紹介いたしましたが、いかがでしたか?
ここまで機械化が進んでいる下水道管の調査・清掃ですが、業界ではまだまだ作業員が管内に入って人の手で行なうことも多いのが現状。しかしながら、管内での作業は、有毒ガスの発生や酸素欠乏、突然の大雨による水位の増加など、常に危険と隣合わせです。管清工業は作業員の安全を守りながら、同時に効率性をも追求した開発に取り組んでいます。
今回紹介した調査システム以外にも、地震対策技術、各種管更生工法、クライアントサーバー型の下水道管路管理システム「Kanpack®」の開発など、安全かつ効率的な下水道管の維持管理を可能にすべく、ハード・ソフト両面から技術の開発に取り組んでいますので、また改めてご紹介できればと思っております!
次回は「【会社紹介Vol.4】官民連携で下水道インフラを守れ!」を公開予定です。是非ご覧ください!
私たちの事業に興味を持っていただけたなら、まずはお話してみませんか?