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こんにちは!株式会社ジュニの広報のせきたです。「ジュニの中の人インタビュー」では、ジュニのメンバーを掘り下げる記事を不定期に発信しています。さて、第12回目は、前回バックエンドエンジニアの橋本さんからの指名を受けた、フロントエンドエンジニアの右近(うこん)さんです。
学生時代からプログラム技術を活用した3DCGの作品制作を行っている右近さん。その技術でジュニにインターン生として参加し、そのままエンジニアとして入社。現在入社2年目でありながら、Webサイトやライブ配信などのリッチな表現を得意とする逸材です。
そんな腕利きのエンジニアでありつつも、「明るくて一緒に仕事していると楽しくなるタイプ」と上司の諸橋さんが話すように、人柄はカジュアルで明るい右近さん。リッチなWebサイトを構築する上では、密なコミュニケーションが必要とされる場面が多く、技術とコミュニケーション力で没入できる世界観をつくりあげてきました。
今回のインタビューを通じて、卓越した3D演出の技術をどのように磨いてきたのか、さらに将来の「野望」を聞きました。
高校時代3D表現の面白さに目覚め、リアルタイムCGの技術を磨きジュニに入るまで
ーライブ演出やWebのリッチな表現、3D表現といえば右近さんというイメージです。この技術はいつから学び始めたのですか?
高校1年生の時に部活動の中で始めました。部活は映像制作をしていたのですが、その当時部員の誰も3Dの表現をしていなかったので、無料で3DCGアニメーションを制作できるBlenderソフトを使ってみることにしたんです。初めて触ったのは爆発のシミュレーションでしたね。制作したCGを部活の映像作品の中で活かしながら、ゲームに近い感覚で楽しみつつソフトに馴れていって、3DCG制作が好きだということに気づきました。
元々流体シミュレーションやVFX、CGのデモ動画を見るのが楽しく、自分に合っていたんだと思います。
ー大学に入学してさらに技術を磨いていったんですね。大学在学中に賞をいただいたとか。
大学に入学しても、高校の部活仲間と一緒に映像制作をしていたんですが『東京国際プロジェクションマッピングアワード』に出品しようと誘われてBlenderで映像制作をしたところ、審査員賞をいただいたことがありました。
ーアワードの出品作品は独創的ですね!右近さんはどのような役割だったんですか?
高校の部活仲間の思い描くイメージ、デザインからBlenderに落とし込む役割です。ストーリー展開は仲間と一緒に考えて作り込みました。
でも、興味は映像制作そのものよりも、WebやリアルタイムCGに向かいました。というのもWeb上に3Dモデルを表示してシェアしたり、CG技術を深める方が楽しくなったんです。
ーきっかけはなんですか?
Blenderで制作した3DモデルをTwitterに投稿してみたところ、知らない人から「いいね」などの反応をもらったことですね。大学生時代は時間があったので、その当時のTwitterタグ #深夜のモデリング1時間一本勝負 を習慣化しました。夏休み期間中はなるべく投稿するようにしたんです。そして、「せっかく3D作品をTwitterに投稿するならレンダリングされた画像ではなく、3Dモデル自体をシェアしたいな」と考えるようになって、Web上に3Dモデルを表示させるWebGLの技術に足を踏み入れることになりました。
ーつくったものを評価される楽しさを知ったんですね。いよいよWebGLの技術に取り組むことになるわけですが、どうやって学んでいったんでしょうか?
心がけたのはアウトプットを意識することです。Twitterで活躍しているクリエイターがアウトプットを積極的にしている姿に影響されたんだと思います。WebGLがいつでもできる環境にして、作品をつくったらTwitterで発信するようにしていましたね。「いいね」の反応がやりがいになって、少しずつやったことのない技術や表現に取り組んで、出来ることを増やしていきました。
その当時は大学2年生で、就職を意識しはじめていたのですが、インターン先を見つけるためにポートフォリオサイトもつくりはじめました。もちろんポートフォリオ用の作品を増やすこともアウトプットの一環になりました。
インターン時代からWebサイトアワード受賞に大きく貢献。プライベート活動と仕事の相互作用。
ーポートフォリオが完成し、ジュニにフロントエンド職でインターンを申し込むわけですが、ジュニを選んだ理由はなんだったんでしょうか?
Wantedlyの記事から雰囲気が良さそうだと感じました。一番の決め手はコーポレートサイトですね。あまり尖りすぎていない優しい印象なのに技術がすごいという点が魅力でした。
ー上司の諸橋さんからは「強い熱意と3D表現を取り入れたポートフォリオ、今までの映像作品から採用を決めた」とのことでジュニにジョイン。私はインターン当時の右近さんが社員並みに働いている姿を見て驚きました。
最初は隔週で働く予定だったのが、徐々に増えて最後は案件をメインで担当するようになっていったんです。今と担当領域は変わりませんが、当時からWebGLを活用したサイト演出や、ライブ配信プラットフォームの機能演出、バックエンド連携機能の開発を担当してきました。
ーインターンから社員になった現在までの3年間で印象に残っている仕事はなんでしょうか?
諸橋さんに見守っていただきつつ、インターン時代に初めてメイン担当となった「オブソリート」の公式サイトです。特にそのサイト内の「バイザーモード」はWebサイトでありながら、ゲームの一人称視点でオブソリートの世界にいるような臨場感を楽しめ、銃弾を撃つこともできる視点切り替え機能です。
実は元々のクライアントからの要望には一切なかった機能なんです。アートディレクターの黒図さんの一言から始まって、社内で「それは面白いね!」と盛り上がり、実際に実装までした上でクライアントに提案して採用されるという経緯があって、とてもジュニのアソビゴコロを感じましたね。自分自身を含めてチームがやりたいことを突き詰められたと思っていますし、カッコイイデザインをWebGLに落とし込めました。
ティザーサイトもWebGL技術を扱うエンジニアが最も参考にする「WebGL総本山」サイトに掲載されたり、「FWA OF THE DAY」をはじめ「AWWWARDS」などの世界的なWebサイトアワードでも受賞することができました。
ーWebGLを活用したサイトはどのように生み出されているんですか?
基本的に受け取るデザインは数枚のPhotoshopのpsdファイルです。そこから動きを想像して3Dの表現で再現する流れです。デザインの時点で全体の設計がされていても、描かれていない部分があります。それを補完するのも役割の1つです。デザインに描かれていない部分にエッセンスとして自分なりの演出を加えるイメージです。
例えばページ内のスクロールの動きとか、スピード感。それに3Dの空間なので、奥行きも含めて考えないといけません。手前がテキストで、後ろに背景があるようなレイヤー構造の場合、スクロールしたり、ブラウザ幅が変わったらどうなるかなどを考えて実装に落とし込みます。
ーでは、プライベートの作品の場合はどのように制作しているんですか?
まず使ってみたい技術が先にありますね。その技術をベースに、頭の中でイメージしながら、実際に手を動かしていきます。デザインに起こすことはあまりなく、配置だけはBlenderに置いて、いきなりWebGLでプログラムしていき、試行錯誤を繰り返します。作品が完成した時には最初のイメージとは変わっている場合が多いですね。
例えば、自分のWebGLのスキルアップのための作品置き場のサイト「Recollection」があるんですが、そこに掲載した最近の作品は仕事の合間に時間をつくって制作しました。やはりこの場合も、使ってみたい技術として「SubstancePainterを使ってテクスチャづくりをしたい」というのが先にあって、モデリングしてみました(笑)
ー手を動かしつつイメージしながらつくり上げる。アーティスト気質を感じますね。
もともと、現実を模倣するような自然法則に基づく演出が好きなんです。最近は物理ベースレンダリングで現実世界の法則を取り入れつつ、大量の情報を処理したかたちの自分のイメージを加えた世界観をつくっています。そんな感じのプライベート活動なので、自分にとっての格好良さを突き詰めるようにしています。
ー最近ではWebGLの情報が集約されているサイト「WebGL総本山」の勉強会に講師として登壇したりとプライベート活動の活躍もめざましいですが、ジュニの仕事とはどのような関わりがありますか?
諸橋さんはもちろん、代表の岡村さん、黒図さんからもこの活動を応援していただいています。例えば会社の仕事で担当したものは、自分自身のTwitterから発信しても良いと許可いただいたり、今回の講師としての登壇内容も、案件のメイン担当をさせていただいた「電音部」の制作事例をもとに話をさせてもらいました。
他にも、プライベートで開発した機能をジュニの仕事で活用したり、逆に仕事の中で得た技術や発想をプライベート制作に活かしています。
ー業務とプライベート活動が良い相互作用になっているんですね!仕事をするうえで大事にしていることはなんでしょうか?
楽しくやることに尽きます!(笑)
仕事自体が実際に楽しいということもあるんですが、会社のためだけではなく、自分のために行っているという姿勢を持つことで良い循環が生まれるのではと思っています。
視点高く目標を見据えることは“野望”を叶えるための布石。
ーそれが良いアウトプットを生み出すための秘訣なんですね。今後はジュニでどう成長していきたいですか?
今現在の課題は『表現のバリエーションを増やすこと』と『アイデアを鍛えること』です。
長期的な目標としては2つあって、1つ目は『一般には到達できないレベルまで技術を極めること』2つ目は『案件を俯瞰してみる力を成長させたい』と思っています。
実は野望があって…将来はグラフィックスの専門部署を立ち上げたいと思っているんです。イメージしているのは、Webに限らず、リアルも含めた様々なプラットフォームでのグラフィックス表現、視覚的な面白さを追求する部署です。研究開発も行いつつ、実際の案件で斬新な表現をしていきたいんです。
ー部署を立ち上げたいと思ったのはなぜでしょうか?
ジュニをビジュアルに強い会社にしたいと考えました。
デザイナーとエンジニアの中間のような部署のイメージで、リアルタイムレンダリングの技術を研究していきたいと思っています。
ー中長期的な複数の目標は部署立ち上げの野望に繋がっているんですね。『技術を極める』について、具体的な技術は見定めていますか?
WebGPUです。
コンシューマーゲームの技術が近いうちにWebにも対応可能になります。
WebGLよりも動作が軽くなり、スマホでも、より快適にリッチな表現ができるようになり、最適化されたグラフィックの世界になると思うので、その次世代技術をWebGLも並走しつつ、学んでいきたいと思っています。直近挑戦したい技術は、大学の頃に調べた物理ベースレンダリングを改めてイチから取り組んでみようと思っています。
ー諸橋さんから「実装に関するロジックの整理が出来ていて実装スピードも早い。それはこれまで書いてきたコード量と整理という2つの行動があってこそ」とのことでした。“整理”についてもう少し教えてください。
面倒くさがりなんです(笑)同じコードは書きたくないし、できれば使いまわしたい。これがベースにあって、ライブラリのThree.jsも案件ごとに細かくその都度調整が必要ですが、それすらやりたくないんです。できるだけテンプレート化するために、Three.jsをもっと簡単に使えるライブラリを作っては公開しています。簡単にするために整理整頓する努力が実装スピードに繋がっていると感じています。
入社2年目でありながらジュニのリッチなサイト演出やライブ演出に欠かせない高い技術を持ち、後輩の面倒見も良い、明るい人柄の右近さん。今回のインタビューでは将来に大きな志を抱き、その志に向かって成長目標をしっかりと見据える、新たな一面を垣間見ることができました。上司の諸橋さんからは「チームがサポートするので、後悔がない毎日を過ごしてほしい」とのこと。これからも仕事とプライベート活動の両輪で技術を磨き、新たな没入感ある世界をつくりだしてください!
ありがとうございました!
座右の銘「 if 分岐は重い」
コードを書くときに気をつけていることを教えてください
Mr.doob's Code Style™
Three.jsを作った、Mr.doob のスタイルをリスペクトしているので、
この書き方のルールに則ってコードを書くようにしています。
コードはなるべくキレイにするように心がけていますね。
使用ソフトを教えてください
開発ソフト:Visual Studio Code、Blender、Unity
ライブラリ:Three.js、ore-three
ツール系:Slack、Discord、Miro、GitHub、HackMD
その他:Spotify
他の社員からみた、右近さん。
ディレクター/プランナー 濱田さん
右近さんは、自分が入社した当初から最前線で仕事に関わっていて当時は正社員かと思っていましたが、まだインターン生だと知って驚愕したのを覚えています。技術や知識が豊富で、ものすごいスピードで実装してしまうだけでなく、クオリティが想像を超えてくるので毎回驚かされます。記事にもあったOBSOLETEのバイザーモードは、個人的にとても好きでいつかあんなサイトを一緒に作りたいなと思い、提案があるごとに「〇〇モード」を主張しているのですが、まだ夢叶わずです。笑
また現在あるWEBサイトのリニューアルを一緒に進行しているのですが、提案時から積極的に意見を出してくれて技術的なことも丁寧に解説してくれるので、コミュニケーションもスムーズで打ち合わせでも頼りになります。実は、前に右近さんが外部で行っていたオンライン配信のプレゼンを見ていたのですが、そこでも安定したしゃべりと質問への受け答えが冷静で、さすがだなと思いました。社内外に限らず積極的に学び・チャレンジする姿勢は、とても刺激になります。これからも一緒に素敵な体験を作っていきたいです!よろしくお願いします!
デザイナー 中川さん
右近さんは3Dや尖ったかっこいい表現に強く、学生時代から賞をとられたり、個人でも発信や活動していて、社内でも輝く特別な存在だと思っています。アーティステックなイメージがありますが、人柄は明るく気さくで、後輩と先輩どちらにも慕われるキャラクターが魅力です。新しい技術や表現を探究し続けていて、デザイナーとしても一緒に仕事ができるのがいつも楽しみです。