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こんにちは!株式会社ジュニの広報のせきたです。「ジュニの中の人インタビュー」では、ジュニのメンバーを掘り下げる記事を不定期に発信しています。
さて、第6回目は、前回プランナー/ディレクターの伊藤さんからの指名を受けた、デザイナーの諸岡(もろおか)さんです。
入社6年目の諸岡さんは、ジュニの4人目で初の新卒入社のメンバーです。
センスとイラストを武器に表現力の高いオリジナリティのあるデザインは、クライアントからの信頼や、アワードの受賞にも繋がり、諸岡さんだからこそ生み出せる世界観だと上司の黒図さんから高い評価と信頼を寄せられています。
諸岡さんは一見ふんわりと柔らかい印象ですが、デザインへの姿勢は非常にストイック。もっと良いものが生み出せるのではないかと追求する様子が少し離れた席からも伝わってきます。最近は先輩デザイナーとして後輩のクオリティチェックなども担当。そんな中堅デザイナーとして頼りにされる一方、美大生時代に生み出したあざらしのキャラクター「もちごま」の作家でもあります。ジュニでは入社当時から作家活動を応援しており、デザイナーと作家の両面で活躍しています。そんな表現者の諸岡さんにお話を聞きました。
創作が身近な子供時代〜デザイナーを志し、「もちごま」が生まれるまで
ーデザイナーと作家両方の顔を持つ諸岡さんですが、子供の頃から絵を描いたり、ものづくりが好きだったのでしょうか?また、デザイナーを目指すまでを教えてください。
子供の頃から絵を描くことや立体物の工作など、手を動かす事が好きでした。幼稚園の時のお絵かき教室から始まり、高校は芸術系クラス、大学は美大と、創作する事がずっと身近で、将来仕事に就くなら何かをつくり出す職業だと決めていました。
そしてデザイナーを職業に選んだのは、中学生の頃、小さなデザイン事務所を職業体験で訪れて現場の雰囲気を知ったことや、美大でいくつかのプロジェクトをやり遂げて達成感を得られた事が進路を意識した際に影響したんだと思います。プロジェクトは、グループ課題で1つの作品に徹夜で取り組んだり、卒業制作では3分弱の手描きアニメーションを2160枚分描ききって、学内の優秀賞をいただいた事ですね。
そして、プログラミングなどのデジタルに強い人たちと一緒に働きたいと思っていました。実は就職を意識した当時デジタルに苦手意識があったんです(笑)。自分が苦手としている事が得意な人たちに憧れを感じていました。それでデジタルに強い会社のデザイナーを志望したんです。
ーデザイナーを志したのは現場の雰囲気を知ったり、美大の経験がきっかけなんですね。「もちごま」が生まれたのも美大の学生時代ですね。
はい、美大の課題の一環で「もちごま」のアニメーションを提出したところ、先生に評価されたんです。その勢いでその当時サービスが始まったばかりのLINEスタンプに登録してみたら、日本国内やアジアでDLされるようになりました。タイの公式スタンプになったり、台湾をはじめ海外からメッセージが届くようになったんです。嬉しいことに今もDLされて使っていただいています。
ジュニ初の新卒入社からこだわりを表現できるデザイナーになるまで
ー美大卒業後はジュニに入社して4人目のメンバーとなりますが、ジュニを選んだ決め手はなんですか?
プロフェショナルの3人と幅広い仕事をしてみたいと思ったからです。
ジュニに面接に行った際に代表の岡村さん、上司となるアートディレクターの黒図さん、リードエンジニアの諸橋さんの3人それぞれが、スペシャリストだという事がお話の中からよく伝わってきました。「ジュニにとって誰も欠けるわけにいかない、大事な人たちなんだ」と感じたんです。そのプロフェッショナルの3人と同じ場所で一緒に仕事をしたい。それにジュニの手掛ける仕事の幅はサイト制作にとどまらず、リアルイベントやプロダクトなど様々で毎日刺激を感じられそうだと思ったんです。実際そうでした(笑)。
ージュニ入社時はWebの知識やWebデザインの経験が何も無い状態だったそうですが、どのように身につけていったのでしょうか?
最初は本当にわからないので、先輩方に技術もデザインも教えてもらいました。それに自分なりに様々なWebサイトをひたすら見たり、本を読んで知識やデザインの引き出しを増やしていきました。今でもやっていますが、Evernoteにそのサイトがなぜ良いと感じたのかメモをするようにしています。いつか使いたいフォントやアイディアなど、些細なことでもメモしておけば後々振り返ることができます。また、案件を担当したら、先に完成のイメージが出てくることも多く、それを実現するためにはどうすればいいか、逆引きのように本やNetで方法や参考イメージを調べる事も多かったですね。
ー入社3年目で担当した金沢にある居酒屋の公式サイトは諸岡さんがデザイナーとして特に大きく成長した案件だったと聞いています。
この案件から、Webサイト全体を通じてユーザーが飽きることのない、楽しいデザインを表現したいと強く意識するようになりました。提供いただいた写真自体が美しかったので、写真を大きく見せながら、お店の持つ和モダンなイメージと賑わいをWebサイトからデザインで伝えられるように心がけました。メリハリ良く単調にならないようにフォントやモチーフを選び、全体感とディティール、どちらにも意識を向けてデザインしました。写真やイラストを使ったり、和紙のテクスチャを敷いて、飾りのアイコンを添えたり、タイトルを縦に配置してみたり、とにかくたくさん悩んで試行錯誤を繰り返し、こだわりを持って取り組めました。
「私だから任される」世界観をつくりだす美意識と大切にしていること
ー今では、諸岡さんだからこそつくり出せる作品も多々ありますが、2つの作品について伺います。1つ目は11社のコンペから選ばれた「ジャポニスム」。特にサイトTOPのキービジュアルが好評だったそうで、ノベルティや展示物などにも発展したそうですね!
「ジャポニスム」はフランスの日本文化を紹介するイベントに合わせたWebサイトです。この案件ではキービジュアルのイラストから担当しました。普段、サイトをデザインする際は、いくつか提供された素材や既に形になっている素材を元に制作する事が多いのですがこのサイトについては提供素材は何も無くて、サイトに表示されているパーツからイラストまで全て描き起こしています。特にデザインをする上でこだわったのは「和風」ではなく「フランスの方に向けた和風」です。フランスの人が理解しやすい日本を意識してデザインしました。はっきりとした黒いラインがメリハリを感じさせる“切り絵”をテーマにアイディアを出したのですが、そのままコンペで採用されました。ここまでイラストの枚数を描いたサイトは他にありません(笑)。でも私だから任されていると自覚を持って取り組みました。
△日本文化の魅力“を紹介する文化芸術イベント「ジャポニスム2018」「地方の魅力ー祭りと文化」のWEBサイト
ー次に諸岡さんは「転生したらスライムだった件(以下、転スラ)」に関連するサイトを6サイト以上制作しています。上司の黒図さんから「転スラサイトには諸岡さんの作品愛や想いが詰まっている」とのことです。どんなところに想いが反映されていますか?
転スラのファンにはわかる仕掛けやネタに、こだわりや想いが反映されています(笑)
例えば目立たないところにも、ファンにはわかるこだわりを表現しています。転スラポータルサイトでは、背景にちりばめられた幾何学図形は転スラの主人公リムルの疑問に何でも答えてくれる知的な大賢者をイメージしたデザインです。また、普段あまり表示されることのない、サイトのメンテナンス時に表示される404ページにも大賢者を意識してデザインしています。
そして、転スラポータルサイトのコンテンツとして制作した「リムルジャンプゲーム」はブラウザ画面でプレイ可能な2Dゲームです。ファンに繰り返し遊んで欲しいという想いで、転スラの「リムルジャンプゲーム」として再構築した世界観、直感的な操作性と途切れない没入感にこだわりました。公開後は、繰り返しプレイしてやり込んだという声や、転スラアニメの声優さんが遊んでくださったりして反響がとても大きく、私自身のやりがいやモチベーションになりました!自分自身が楽しみながら、これからもファンの気持ちを考えて、踏み込んだ案を提案したいと思っています。
ーそんな諸岡さんが仕事をする上で大事にしていることはなんですか?
「こだわりを持つ」「自分が楽しむ」さらに「ジュニの看板を背負っている自覚を持つ」この3つを大事にしています。時間と予算によるところも大きいのでバランス感覚が大事ですが、気持ちとしてはイラストを含め、デザインに対してはアイディアやバリエーションの幅、そしてこだわりを持って最も良いものを突き詰めたいと思っています。
良いと感じるWEBサイトのデザインや演出は、心地よく自然に見えるんです。つい見逃しちゃいそうな細部へのこだわりの積み重ねで自然な心地よさが生まれていると感じます。私自身もそんな作品になるように心がけています。
ー隙のないこだわりで世界観をつくりあげるのは、諸岡さんをはじめジュニの特徴とも言えますね!担当した「永久(とこしえ)×バレット」のティザーサイトはこだわり抜いてアワードを受賞した作品ですね。
「永久×バレット」はデザイン・演出共に私が表現としてやりたいことを全て実現できました!これまでは黒図さんからアドバイスをいただいて、それをヒントにより良いものを作ってきたのですが、この案件では黒図さんのアドバイスがほとんど入らずに完成までやり遂げられた事が、自分自身が成長できた証のようで嬉しい経験でした。もちろん私一人ではなく、エンジニアの中村さん、右近さん、ディレクター/プランナーの岡村さん、井上さんと5人でつくりあげる事が出来た作品です。ティザーサイトだからこそ、掲載するべき情報量が少ないので、その自由度を活かして、臨場感、没入感のある世界観を突き詰めて、細部にまでこだわりました。この私のやりたい表現をエンジニアの2人は想像以上の演出で応えてくれました。例えばCSSからwebGLへ、技術の切り替わりの自然なつなぎこみや、マウスカーソルの光の演出など、技術的にも非常に高度な要求に努力を惜しまず再現するために頑張ってくれました。世界観へのこだわりと共に、技術的な挑戦もできた作品だと思います。
△メディアミックスプロジェクト「永久(とこしえ)×バレット」のティザーサイト
表現の幅を広げることが、デザイナー/作家の両立と成長につながる
ー最近どんな刺激を社内で受けましたか?
最近、ジュニが運営を担当した数万人が視聴したオンラインライブイベントがあり、そのライブ配信を見て刺激を受けました。ジュニは配信画面や機能、インフラを手掛けています。私自身は直接関わっていない案件だったんですが、純粋にライブを私自身が一視聴者として楽しみつつも、ライブ視聴者の方の、素早い機能改善に驚く声や、徹夜での対応を労う声など数多くの反応を見て、ジュニってすごい!と誇らしい気持ちになったんです。それと同時にこの案件に関わるには私の表現の幅を広げる必要があるとも感じました。
△子供の頃から好きな「BLEACH」の作者、久保帯人先生の新作「BURN THE WITCH」の映画のクレジットに名前を載せてもらった事も刺激にもモチベーションにもなったと語る諸岡さん
ー表現の幅が広がれば、デザイナーとしても作家としてもさらに飛躍しそうです!
はい。デザイナーとして学んだこと、もちごまの作家として学んだこともそれぞれに活かしながら成長していきたいんです。
入社時から「もちごま」の作家活動をジュニに応援してもらっています。入社3年目には私自身もデザイナーとして参加して、エンジニアの中村さん、右近さんに協力してもらい、「もちごま」の公式サイトをつくってもらいました。私のイメージする奥行きのある海をWebGLの技術を駆使して再現し、もちごまの世界観を楽しめるサイトになりました。最近は、あざらし専門のグッズ販売イベントに参加することを代表の岡村さんから勧めていただいたり、さらに毎週金曜日を作家活動の日とさせていただいています。デザイナーと作家のそれぞれが成長できるように試行錯誤しています。
ージュニと「もちごま」の関係性が素敵ですね!最後に今、仕事は楽しいですか?
はい、とても楽しいです!
子供の頃から好きな作品に仕事として関われたり、仕事として携わることで作品が好きになったり、仕事を通じて“好き”が増えていきます。
それに、ジュニに作家活動を様々な面で応援してもらえたり、先輩たちにも意見が言いやすい雰囲気で、環境にも仕事にも恵まれています。
ジュニで働く私は幸せ者ですね。(笑)
ージュニのデザイナー、そして「もちごま」作家、2つの顔を持つ諸岡さんは、妥協しない細部までのこだわりを持ってアワード受賞やクライアントからの信頼につながる高い表現力を持った中堅デザイナーに。作家としては「もちごま」がニュースメディアに露出するなど世界にファンを増やしています。デザイナー、作家のどちらか1つではなく、両方をさらに成長させていきたいと模索する諸岡さんに、現状に満足しない熱い意気込みを感じました。諸岡さんがジュニの面接時に感じた「ジュニにとって誰も欠けるわけにいかない、大事な人たち」。今、その“大事な人”の一人として諸岡さんがいます。
ありがとうございました!
△「ジュニでは、もちごまのオンラインストア MOCHIGOMA STORE にグッズの制作と販売もさせてもらっています。(諸岡)」
座右の銘「神は細部に宿る」
こだわりを持つ姿勢を大事に、細部に神を宿らせられるように頑張ります!
他の社員からみた、諸岡さん
代表 / プランナー 岡村さん
3人で始めたジュニに、まさかの新卒として最初に飛び込んできてくれた大切な4人目のメンバーです。入社してもらってから3人では気づかなかったアイデアや、ものづくりへの改めてのこだわりなど、むしろ教えてもらったことも多いです。
せっかちな私や、さまざまなメンバーに対して、しっかりと作るものの意味を伝え、デザインにその理由を込めてぶつけてもらうことで、より良い成果物を生み出すことができています。
そんなパワフルな彼女がいたから、それに続く元気な後輩たちや、今のアソビゴコロを忘れないジュニの姿もあると思っています!
…あとはときどき暴走する私含む先輩たちの抑制も、助かっていますm(_ _)m
エンジニア 中村さん
諸岡さんとは主にアニメ・マンガ系のサイト制作を一緒に進めることが多いです。
諸岡さんのデザインするものには常に「アソビゴコロ」が隠されていて、実装する側としても「アソビゴコロ」を意識しながら実装をするのがとても楽しいです。これは扱うコンテンツのことをよく知り、考えないとできないことだと思うので、デザインを見る度に「すごい!!」と思いながら新規デザインを楽しみにしています。
また「もちごま」のLINEスタンプは入社前からずっと愛用していて、入社した時に作者であると知った時にはすごく驚きました(笑)。昨年からオンラインストアをオープンしたりなどLINEスタンプ以外のことにも挑戦されており、もちごまファンとしても今後の展開に期待しております。
次回はエンジニアの中村さんにインタビューします!
中村さんはインターンからジュニにジョインした入社2年目の若手ですが、技術力の高さ、案件の推進力で既に第一線で活躍するフロントエンドエンジニアです。現在は大型案件をいくつも任されており、上司の諸橋さんは「コミュニケーション能力や、制作スキルは年齢を抜きにしても非常に高いものを持っています。」と絶賛しています。確かに、冷静で落ち着いた雰囲気は年齢以上のものを感じさせ、若いメンバーの集まるエンジニアチームの頼りになる先輩でもあります!そんな中村さんに次回お話をお聞きします!