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こんにちは!2020年8月に入社した広報の関田と申します。ジュニは設立7年となりますが、「広報」という役割ができたのは初めて…なんです。つまり私が初めてということになります!
そこで初めての広報の仕事として、これから私が不定期で株式会社ジュニのメンバーにインタビューを行い、その人を掘り下げた記事を発信していきたいと思います。この記事作り自体、入社したばかりの私にとってもメンバーやその思いを知る大変良いきっかけとなりました。
前置きはさておき、インタビュー第1回は、株式会社ジュニの創業者の一人であるアートディレクターの黒図(くろず)さんを対象にさせていただきました。落ち着いた物腰でデザイナーをまとめる黒図さんはデザインクオリティはもちろん、社内に安定感をもたらすバランサーといった印象です。
3Dでの映画制作を夢見てデザイン業界に入り、グラフィックデザイナー、webデザイナー、アートディレクターと経験してきた黒図さんからは、ジュニ立ち上げの背景や、ジュニのこれまでやこれからのことを聞いてみました!
PIXERの世界観への憧れから、アートディレクターになるまで
― 黒図さんはどんなきっかけでデザイナーの道を歩み始めたのでしょうか?
もともとは理系の大学だったんですが、就職を考えた時には学んだ事は関係なく好きな事を仕事にしたいと思ったんです。自分は当時、ピクサーが描く3Dアニメーションの世界観に大きく影響を受けていて、3Dによる映画制作に憧れがあったんです。とはいえもともと理系だったこともあり、まずはデザインそのものを学ばなくてはと、最初は3D専門ではなく3Dソフトも扱いつつ、グラフィックやWEB、映像など幅広い制作を受けているデザイン会社に就職しました。
もともとデザイン全般を身に付けたかった思いもあり、その幅広い内容に抵抗はなく、むしろ毎日新しい発見があり、楽しく仕事をしながらデザインソフトや3Dソフト、映像ソフトなど様々な技術を吸収していきました。当時の自分は、デザインの基礎も、技術もなければ表現方法も知りませんでした。なにせ直前まで、大学で電子工学を学んでいましたから(笑)。
― なるほど。社会に出てから、本格的にデザインを学ばれていったんですね。
はい。だからまず始めは、上司や先輩の技術やデザインの真似をして経験を積んでいきました。特に当時の上司がとにかく色々なソフトを扱えるスーパーマンで今の自分の基盤はその上司のスタイルを真似しようと出来たものだと思います。そして、チャンスがあれば新しい仕事にも積極的に取り組みました。信頼を得て、自分のポジションを作っていくためには、とにかく新しいことには積極的に挑戦しなくてはと考えていたんですよね。
それが結果に結びついたことも多かったです。例えば、当時、WEBの前任が急に退職してしまい、WEBを出来る人が社内にいなくなってしまったので、自分も未経験ながら担当をやらせて欲しいと立候補しました。そしてWEB関連の技術書やデザイン書籍を読み漁り、短期間でコーディングやFlashなどWEBの技術を身に着けて、WEB担当として任されるようになりました。
そういった、新しいコトへの挑戦の姿勢は、ジュニを立ち上げた今でも変わらないです。
― 挑戦してきたさまざまな経験が、今の技術の基盤にもなっているわけですね。それでは、それからアートディレクターとなった経緯を教えて下さい。
4年半の経験の後、2社目は広告のデザイン制作を多く受けている会社に転職しました。そこでは、1社目と同様、WEB・グラフィック・映像など幅広い仕事内容を受けていましたが大手代理店からの依頼も多く、企画からクリエイティブまで一貫して対応しているのが特徴でした。
そのころから、デザイナーからクリエイティブをリードするアートディレクターになることを考えはじめましたね。会社によってアートディレクターの定義が微妙に違ったりするので、社長に「どうやったらこの会社でアートディレクターになれますか」と投げかけて、出された課題をクリアしていく事で周りからの信頼も得つつ、さらに積極的に仕事を担当するようになりました。
転機となった業務は、とある演歌歌手のプロモーションに関わるもので、提案した複数案の中で自分のデザインが採用されました。題材的にデザインの表現は難しかったですが、世界観の作り込みやtwitterのapiを使った演出としての面白さを盛り込んだサイトやキャンペーンは、大きな話題となったんです。もちろんそれだけの影響ではないと思いますが、その歌手はその年の紅白歌合戦にまで出てクライアントにもすごく喜ばれたんです。それからは、指名で仕事をいただけるようにもなり、入社1年ほどで、アートディレクターを名乗ることも認められました。
ちなみにその案件を一緒に担当したのが、ジュニのCEOである岡村でした。その会社ではたまたま同期で、一緒に仕事をするのもその案件が初めてでした。その頃の岡村は、もともとエンジニアからプロデューサーに転職したばかりで、勢いがありすぎて周りから少し浮いてる印象でした(笑)
― 前職で、CEOの岡村さんと出会ったわけですね。
元々、起業はしたいと考えていて、ビジネスパートナーを探してた事もあり、仕事の相性が良かった岡村に会社を一緒に起こそうよと声をかけました。そして、自分はデザイン、アートディレクションに集中したかったこともあり、岡村に社長を任せることにして、2人で起業しました。今考えると、かなり挑戦的だった演歌歌手の案件を一緒に成功できたことが、ジュニを起こすきっかけになったと思います。
ディティールの詰めがクオリティを左右する
― アートディレクションをする上で心がけていること、大事にしていることはなんでしょうか?
自分が思うデザインのクオリティの高さというのは、パッと見の良さだけではなく、細部まで見ないと気づかない部分のディティールのこだわりの積み重ねにより全体的な印象が仕上がると思っています。"細部に神が宿る"という言葉はまさにそうだなと。
なので、自分がデザインする時はもちろん、デザイナーに対してもちょっとしたピクセルのズレやカーニングの調整、余白のとり方など細かい部分も気にするように伝えてます。
次に、自分の好みをデザイナーに押し付けない事ですかね。なるべくデザイナーの表現したいものや個性を出せるようにしつつ、クライアントの求めるデザインを作っていく為の手法や見せ方をデザイナーに提案したり一緒に模索するようにしてます。せっかくデザイナーになったのに、自分のやりたい事が表現できないのは悲しいですからね。
あとは、ある程度の条件や目標が課せられるクライアントワークの場合は、クライアントが「想像を超えた!」と思わず言ってしまうような期待を超えるものを常に目指しています。
― 目標は高くありながらも、社員がジュニを楽しく感じられる場所であることを大事にしていますよね?
はい。仕事に楽しく取り組んでいるかどうかはクオリティを大きく左右すると思うんです。デザイナーに限らず、嫌々仕事をするより楽しく仕事ができたほうが飽きずに集中力が持続できると思うし、好きでやっている事の方が面白い発想も生まれると思うので、自分自身ももちろん、ジュニで働く皆にはなるべくストレスなく働ける環境を提供したいと考えてます。それは会社の理念である「アソビゴコロ」にも通じます。興味があるから楽しんで仕事ができるし、突き詰めてこだわることもできる、だから成果物もクオリティが高くなる、と考えています。なので、面談時や入社時には、職種関係なく何がやりたいか、好きなことは何か、などをよく聞くようにしていますね。
― 実際、広報である私も自社事業の「Artworks」に興味があるとお話したら、その事業に楽しく関わらせてもらえました。では次に、ジュニらしいデザインを一言で言うと?
一言で言うのは難しいですが・・・強いて一言でいうなら、やはりそれも「アソビゴコロ」のあるデザインですね(笑)それぞれが自分のこだわりや実現したい事、「アソビゴコロ」を持って取り組むことで、デザインや演出の豊かさが2倍にも3倍にもなるんです。関わったクライアントはみんな、ジュニの「アソビゴコロ」のあるデザインを望むようになっちゃいますね(笑)。
― 「アソビゴコロ」はデザインにとっても重要な要素なのですね。
では、ジュニと黒図さんにとってターニングポイントになった仕事を教えてください。
それは、クライアントワークではないですが、2017年に公開した自社のコーポレートサイトですね。ジュニらしさ=「アソビゴコロ」を感じてもらえるように、親しみやすさ、技術力、クールであることを目指しました。当時まだ新しかったwebGL(web上に3D表現を実現する技術)を使い、オリジナルキャラのバクを使った3D演出や、ページごとの背景パターンにも、細かいこだわりをもって作りました。いくつかアワードも受賞して、いまだに新たな仕事のきっかけや採用にもつながっています。
△junniコーポレートサイト。毎回バクが違う落ち方をする演出。スクロールするとバクが飛んでいったり、訪れるたびに違う動きをするので面白い。
△junniコーポレートサイト。コンテンツごとに背景パターンやカーソルで色味が変わったり、ミニマルデザインでありながらアソビゴコロを感じられる。
― ジュニコーポレートサイトでのアワード受賞を皮切りに、数々の賞を手掛けたサイトで受賞していて、どの実績も世界観の作り込みにこだわりを感じます。
限られた条件のなかでその商材の魅力を最大限伝えるのが、腕の見せ所です。例えばアニメ版権などのサイトの場合、立ち上げ時は素材が大抵少ないんです。数の多くないビジュアルやテキストといった素材から、いかにデザインするかが求められます。デザインを通して作品の世界観に説得力を持たせ、高品質なクリエイティブをユーザーに届けられれば、世界観を味わいながらコンテンツを読み、理解してもらえるという相乗効果が生まれます。そのためには、3D表現に限らず、さまざまなことに挑戦しています。
△Junniが公式サイトを担当したロボットアニメ『OBSOLETE(バンダイナムコアーツ様)』。The FWAなどを多数受賞。今までにない表現としてFPS視点モードである「VISORモード」をサイトに搭載して没入感を演出した。
△Junniが公式サイトを担当したダンスミュージックをテーマにした音楽原作キャラクタープロジェクト『電音部(バンダイナムコエンターテインメント様)』。近未来の世界に入り込んだように、3D空間で各エリアを巡ったり、背景のビル群にサウンドメーターが浮かび上がりビートを刻み、空間と音楽で世界観を演出した。
― 街を巻き込んだり、有名なアニメ作品のプロモーション、数千人規模のイベントなど、年々仕事の規模が大きくなっていますが、今後どのように成長すると思いますか?
社員数だけで言えば、規模の拡大は30人程度までが良いかな、と今は思ってます。なぜかというと、そのくらいまでの人数が、今のフラットなコミュニケーションを可能とするし、それがお互いの技術やモチベーションの向上につながると考えるからです。それ以上になると、ある程度そのような“ジュニらしさ”や、それこそ「アソビゴコロ」が失われてしまうと思うんですよね。
そしてこれからのジュニですが、クライアントワークはもちろん大事にしながらも、これからは「Artworks」などの自社事業にもさらに力を入れていきたいです。社内外の様々なスキルを持つもの同士が「Artworks」を通じて繋がり、デジタルアートを発信・収益化できるようにすることで、ジュニの成長や世界との関わりを強められると考えています。そのあたりは、また別記事で発信してください(笑)
― わかりました(笑)。
いまも楽しみながら、成長を続けている
― 最後に、今ご自身は仕事が楽しいですか?
仕事は楽しいし、もはや生活の一部で、趣味に近いですね。日常的に新しいことにも相変わらず挑戦しています。何もしないと飽きてしまうし、ジュニのメンバーも常に勉強して成長している。だから、置いていかれないように必死です(笑)
でも、そういった毎日は楽しくて仕方がないですね。
― junni創業者の一人で、社内をまとめるアートディレクターの黒図さん。仕事を楽しんで、社員にも楽しんで欲しい。このスタンスが常に忙しいジュニでありながら、和やかな社内の空気をつくっているのだなと感じられました。ありがとうございました。
座右の銘 『有言実行』
他の社員からみた、黒図さん。
フロントエンドエンジニア増谷さん
黒図さんはリードデザイナーとして、ご自身でデザインをするのはもちろんのこと、社内全体のデザインのほぼ全てを見ています。
デザイナーたちとのやりとりを傍らで見ていて、デザイン案に対して「このデザインの意図はすごく良いと感じたけど、ここの色を抑えて落ち着いた感じにするともっと意図が伝わるデザインになるよ」という風に具体的に指示をしている場面を見かけます。
また、企画フェーズでは「こういう演出は出来ないだろうか」という提案や、実装フェーズでは「ここの演出はもう少し抑えめがいいかも」など、エンジニアに対しても指示を出しつつ、最適解を探っていくこともしばしばあります。
また、自社事業のArtworksのようにクライアントワークではない領域にも並々ならぬ情熱をもって、先陣を切ってプロジェクトを進めています。
特定のコンテンツだけに留まらず、様々なコンセプト・業態のデザインも形にしていきたいと、デザインのバランス感覚も大事にしたいという思いを聞いています。
黒図さんは経営陣としての目線と共に、デザイナーとしての経験と技術も持っている方だと一人のエンジニア、また社員として感じています。
プランナー/ディレクター峯藤さん
デザインや表現の引き出しも多い、且つ細部にまで目が行き届いていて、信頼できるアートディレクターです。また、後輩への教育や指導もとてもきめ細やかで、ジュニのデザインや品質が評価されるのは黒図さんに依るものが大きいなと思っています。私は、ジュニにジョインして、2年強経過しましたが、クライアントにも黒図ファンはいますし、安心してデザインや演出をお願いできます。
まさに、社内に安定感、安心感をもたらすバランサーと言える方かなと思います。
次回はフロントエンドエンジニアの増谷さんにインタビューします!
服装へのこだわりや落ち着きある雰囲気、黒図さんも「全貌がまだ見えない(笑)」という増谷さん…掘り起こし甲斐を感じさせますね。