北村 涼
・2000年生まれ
・ガイアナ×日本のハーフ、アメリカ生まれアメリカ育ち
・14歳で日本、京都へ
・同志社国際高校卒、同志社大学在学中
・卒業に必要な単位を取得し終え、上京
・現在は財務コンサルタントとしてスタートアップを支援@Guidy株式会社
・海外進出を目指すスタートアップに投資するVC設立準備中
ー14歳、初めての日本生活ー
私はアメリカのミズリー州で生まれ、14歳まではウィスコンシン州で暮らしており、日本語は全く話せずアメリカ人のように生活していました。しかし14歳の時、突然日本にいた祖父が病気を患い、両親とともに日本に戻ることになりました。日本語も全く話せない状態で、中学3年生2学期に同志社国際中学に編入。日本語ができないため成績も最悪でした。それでも他の生徒と積極的にコミュニケーションを取り、ハーフや帰国子女のための日本語授業を受けながら6-7ヶ月で日本語を習得するようになりました。そこから現在は同志社大学の商学部・国際教養コースへ進学し、全て英語で授業を受けています。
ー社会と他人の目を気にしながら生きてきたー
私はもともと完璧主義、そして人の目をとても気にする性格で、人に評価される進路、人が一般的に幸せという人生を生きなければならないと思っていました。しかし、高校3年生で自分の進路について考えていた時、周りや社会を軸にして自分の人生の道を選択するのは嫌だと強く思うようになりました。この想いを綴ったスピーチがTEDの運営者の目に止まり、ニューヨークに出向いてTED本部のオフィスでスピーチもさせていただきました。
ースタートアップ支援インターンでの人生の転機ー
自分が決めた道を信じて人生を歩みたいと思った私は大学進学後、自分と向き合い、自分は何がしたいのか模索する日々を過ごしました。そんな中ひょんな事から海外のVCやPlug and Play Japan というスタートアップを支援する企業でインターンを経験することになりました。そこで起業家の方々と関わる中で私の人生への価値観が大きく覆ったように思います。多くの起業家は脱サラして会社を創業しているわけですが、仕事について年齢とともに年収を上げていく安定的な生き方を自ら脱して、自分が信じているビジョンのためにリスクを負って努力し突き進む姿が本当にかっこよく輝いて見えました。他の人と考えが違ってもいい、当たり前の反対を行っていてもいい。スタートアップの創業者の方に触れて日本でもこのような生き方ができることに気づき、社会の枠に無理にハマらなくても良いのだと思いました。
ーTEDxでのスピーチ「あなたの村は何ですか?」ー
スタートアップ関連のインターンの経験を経て私が身をもって実感したことをTEDxでスピーチする機会がありました。私はもともと人に頼るのが苦手で、日本語が全くできない状態で日本に来た時も、周りの助けは借りず、自分の力で言語習得すべきだと思っていました。ですが、スタートアップの起業家の方を見ていると誰一人として自分の力だけで成功した方はいらっしゃいませんでした。画期的な開発をし、一見自分の力で成功を収めているように見えても、実は雇用、運営、資金調達など様々な面において支援を受けながら経営しているのです。このことを知った時、「It takes a village to raise a child./子供を一人育てるのに、村全体の協力が必要だ。」というフレーズが思い浮かびました。スタートアップもたくさんの支援を受けて成功していくように、私たち個人もたくさんの助けを受けながら、また時には誰かを助けながら共に成長していく。人は助けが必要不可欠。当たり前のように聞こえますが、実際問題、誰かに頼るのが苦手な人も多いのではないでしょうか。「人に頼る」ことに対する価値観が大きく変化したスタートアップでのインターンシップでした。
(TEDx主演時のスピーチの様子)
ー大学在学中ながらGuidy入社へー
大学3年生の2月にWantedlyで資金調達という切り口でスタートアップを支援するGuidyという会社があることを知り、スタートアップファイナンスを学びたいと思い応募しました。そして、多様性を受け入れ、個性を尊重する社風にも惹かれ入社を決めました。正直、大手企業のような研修などは存在しないので、手探りで大変なことも多いです。ですがその一方で自分が過去インターンを通して関わってきた方々と今関わっている方々とをつなぎ、スタートアップのコミュニティを作る上での架け橋のような存在になれた時とてもやりがいを感じます。
ー今後のビジョンー
起業家というと自分の信念を貫いて輝いている側面だけが見えがちですが、裏を見ると様々な課題にぶつかりながらもがき労苦している普通の人間だということに気づきます。現在Guidyが担っているのはファイナンスの部分ですが、今後は財務以外についても信頼関係を築きながらご相談に乗っていきたいと思っています。そのようにして自分の信じる道を突き進んでいる方々を支援し、もし機会があれば自分も起業したいと考えています。
ーメッセージー
自分の中にある「こうあるべきだ」という考えを見直し、疑問を持っていただきたいなと思います。自分の周りの人や社会が当たり前にしていることを当たり前にする必要はないのではないか、自分が納得いく人生にすることが一番大事なのではないかと感じます。考えてみれば一昔前は転職という考え方も普及しておらず、終身雇用が一般的でした。ですが、今では転職することが当たり前の世の中になりつつあります。過去当たり前だったことが将来当たり前ではなくなることだってあるのです。あまり古いルールや周りの目に縛られないで自分が信じる道を歩んでいただきたいと思いますし、私もそうでありたいと思っています。
最後に、もしこの記事を読んでくださっている方の中で将来起業したい、スタートアップを支援したい、ビジネスが好きという方いらっしゃいましたら是非一度カジュアルにお話しできたら嬉しいです!お気軽にご連絡ください!
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―TED Talk動画公開―
TED Talkの本社(ニューヨーク)に招待され「完璧主義」のテーマでスピーチした動画です。