政治家のYouTubeやSNS動画を見て、「なんかダサいな」と思ったことはありませんか。
私たちは選挙プランナーとして、日々多くの政治家の動画を目にします。正直に言えば、「もったいない」と感じることが少なくありません。せっかく良いことを言っているのに、見せ方で損をしている。伝わるはずのメッセージが、伝わっていない。
なぜ、政治家の動画はダサくなってしまうのか。そして、私たちはどんな動画を作りたいと考えているのか。今回は、動画クリエイターを募集するにあたって、その想いを書いてみます。
■ 退屈な導入、ワンパターンな構成
政治家の動画に多いのが、「こんにちは、〇〇党の〇〇です。今日は〇〇についてお話しします」という導入です。
丁寧ではあります。しかし、視聴者の心を掴む工夫がない。SNSのタイムラインは無数のコンテンツで溢れています。最初の数秒で興味を引けなければ、スワイプされて終わりです。
構成もワンパターンになりがちです。自己紹介、本題、まとめ。テレビの報道番組をそのまま真似たような、予定調和の流れ。視聴者は途中で飽きてしまいます。
■ 演説をそのまま流す冗長さ
もう一つよく見るのが、街頭演説や集会での演説をそのまま収録し、ほぼ無編集でアップする動画です。
10分、20分、時には1時間を超える動画。熱心な支援者は見てくれるかもしれませんが、新しい有権者には届きません。冗長で、メリハリがない。どこが重要なのかわからない。結局、最後まで見てもらえずに離脱されてしまいます。
限られた時間で、何を伝えるか。どこを切り取り、どう編集すれば、メッセージが際立つか。その設計がなければ、ただの記録映像にしかなりません。
■ 私たちが大切にしたいこと
では、私たちはどんな動画を作りたいのか。
まず、「ストーリー」を大切にしたい。政治家には一人ひとり、政治を志した理由があり、届けたい想いがあります。それを徹底的にヒアリングし、視聴者の心に響く物語として構成する。テンプレートに当てはめるのではなく、その人だけのストーリーを引き出す。それがプランナーとしての私たちの仕事です。
次に、「メリハリとテンポ」。視聴者の集中力は長くは続きません。緩急をつけ、飽きさせない編集。伝えたいメッセージが最も効果的に届くタイミングを設計する。1分の動画でも、30秒の動画でも、密度の高いコンテンツを作りたい。
そして、「画質と音質への徹底したこだわり」。ここは妥協したくありません。映像がきれいであること、音声がクリアであること。当たり前のようですが、政治家の動画では軽視されがちなポイントです。クオリティの高さは、そのまま候補者の信頼感につながります。こだわりすぎて困ることはありません。
■ 民主主義のアップデート
少し大きな話をすれば、私たちは動画を通じて民主主義をアップデートしたいと考えています。
政治家と有権者のコミュニケーションは、長らくテレビと新聞が担ってきました。しかし今、特に若い世代にとって、情報の入口はSNSであり、YouTubeです。政治家がそこで存在感を持てなければ、届くはずの声が届かなくなる。
「政治家の動画はダサい」という現状を変えたい。政治家が発信するコンテンツが、普通に面白くて、普通にかっこよくて、普通に見たくなる。そんな世界を作りたい。
■ 一緒に作りませんか
私たちは今、動画制作を担うクリエイターを探しています。
必要なのは、動画編集のスキルと、良いものを作りたいという意欲。政治の知識は問いません。むしろ、政治に詳しくないからこそ、「普通の視聴者」の目線でコンテンツを作れる強みがあります。
既存の政治動画に違和感を覚える人、「自分ならもっとうまく作れる」と思う人。その感覚は正しいと思います。
「政治家の動画はダサい」——その常識を、一緒に壊しませんか。