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岩手の盛岡が世界で一番起業しやすい街に

岩手大学に入る前

民間企業を経て昭和53年から平成15年まで岩手県庁で公務員として勤務しておりました。 公務員時代に担当した主な仕事は、工業用水道の企画、市町村水道事業の指導、工業振興、水資源計画の策定、水源地域対策、科学技術振興、環境政策、情報政策などです。 その中で工業振興を担当していた昭和63年に「産学官連携」という言葉に接し、岩手大学の若手研究者や地域企業の経営者、技術者等と交流するようになりました。 この交流は、平成4年に「岩手ネットワークシステム(INS)」として正式に立ち上がり、設立当時からのメンバーとして活動しております。 産学官連携をさらに組織的に推進するため、岩手県と岩手大学は平成12年から人事交流を行っておりましたが、私は交流人事の2代目として平成15年に岩手大学のリエゾン教員になりました。 当時は、産学官連携の勃興期であり、大学幹部からの要請もあり、そのまま大学に留まることになりました。

現在

大学では、「産学官連携による地域振興」をキーワードに地域や企業と大学とをつなぐ業務をしておりました。 これまでに力を入れて取り組んできた主なプロジェクトは、 ①大学の知財体制を整備する文部科学省の「大学等知的財産本部整備事業」を北海道・東北地区で、北大、東北大とともに地方大学では唯一採択されて取り組んだこと(平成15~19年度)。 ②大学の研究プロジェクトマネジメントを構築していくために、文部科学省の「都市エリア産学官連携促進事業」(平成16~18年度)の中核機関を国立大学として初めて担ったこと。 ③産学官連携に金融機関を加えた産学官金体制を構築するため、地元の岩手銀行と「岩手産学連携推進協議会(リエゾンーI)」を組織し、金融機関との連携による産学連携のマッチングや大学と共同研究を行った企業に対して実用化を促進するために銀行が奨励金により支援する制度を構築したこと(平成16年度~) ④産学共同研究を推進する拠点として盛岡市に働きかけて岩手大学内に「盛岡市産学官連携研究センター(コラボMIU)」を開所したこと(平成19年~) ⑤産学官連携による地域振興を戦略的に推進するために自治体と協定を締結して職員を共同研究員として受け入れてきており、これまでに32名(OB27名、現役5名)の職員を受け入れてきたこと。 ⑥産学官連携をより強固にして地域振興を推進していくために県内を代表する57の団体が参加している「いわて未来づくり機構」の設立・運営に携わってきたこと。 ⑦地域産学官連携活動の国際展開を進めるため、中国の大連理工大学と連携して大連市と岩手県を連携していくUURR(University&University+Region&Region)プロジェクトを担当したこと(平成18~24年度)。 などが、挙げられます。 現在は、これら活動の集大成として、文部科学省の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」の推進コーディネーターに昨年12月に就任して取り組んでいます。

岩手大学について

岩手大学は産学官連携、地域連携の活発な大学として知られており、平成16年の国立大学法人化とともに、「岩手の“大地”と“ひと”とともに」を校是として掲げ、大学内に地域連携の窓口として「地域連携推進センター」を設置して一元的に対応してきました。 その結果として、日本経済新聞社の日経グローカル「大学の地域貢献度ランキング」では、調査開始以来北海道・東北地区では№1をキープしており、全国的にも上位(2015年7位、2014年年4位、2013年3位)の評価を得ております。 現在は、岩渕明学長の下、東日本大震災被災地域の大学として、課題先進地の地域を創生する大学として大学の役割を明確にして取り組んでいます。

今後どういうことをしていきたいか

私が担当している文部科学省の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」は、本県知事も務めた増田寛也氏が問題提起した「地方消滅」に端を発した地方創生の取組の一つであり、若者の首都圏一極集中を避けるため、地方大学の学生を地方に留めることを狙いとするプロジェクトです。 当地域では、「ふるさといわて創造プロジェクト」として事業を実施しており、33の機関・団体が参加している「ふるさといわて創造協議会」が参加高等教育機関(8機関)の学生の地元定着率を平成26年度の45%から31年度に55%へと10ポイント高めるほか、16名の卒業生を新事業を起こしたりして雇用を創出しようとするものです。 この取組の中で地方創生の観点から特に重要と考えているのが、雇用を創出していくことであり、そのためには新たな分野に飛び込んでいく学生を鍛えることが必要です。 そのため、本プロジェクトでは、岩手県からの支援を得て「ふるさといわて起業家人材育成道場」を開設し、起業や新ビジネスに飛び込んでいく学生を鍛える場を創ります。 さらに鍛えた学生の実践の場を地域とともに用意して、トライアルができる環境を整備していきたいと考えています。

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